●ぴちぴちピュアBOX1全曲レビュー







『マーメイドメロディーぴちぴちピッチピュア』のボーカルコレクションCD1枚目をやっと(半額で)借りることができたので、適当にレビューを書いてみます。


1、Before the Moment

無印ぴちぴちの重要キャラクターらしい星羅役を演じた声優さんが歌うOP曲。
良質のポップソング。他がヘタすぎるためか、十分に上手い。
声優さんの歌うアニソンとしては十二分なレベルです。

2、KODOU

マメプリ7人で歌ったバージョン。
Aメロがアルフィーの曲の何かに似てる。
それで歌の方だけど、まあハッキリいって7人とか8人で歌ってると、一人や二人酷いのが混じってても分からないので問題なし。噂のかれん様のデスボイスも聞き分けれません。
ただ、気のせいか、左の方のチャンネルから低い呪詛のようなつぶやきが時々聞こえます。サビの辺りとか。
なんだろう、これ。ヘッドフォンで聴いても良く分からない。もう少し質の高いヘッドフォンなら正体が分かるんだろうけど。誰かが低音を歌おうとして失敗してるのかな。
曲はかなり好きな感じです。

3、闇のBAROQUE−バロック−

ここから3曲連続で敵方の持ち曲が続きます。
まずは「マメプリより全然巧いじゃん!」と評判の百合姉妹ブラックビューティーシスターズ(BBS)です。
んが、これ別に巧くはないですよ。そりゃマメプリと比べれば上手いですけど。
BBSは一人一人の歌は結構イケてる感じです。でも、二人でかぶせることにより微妙に足を引っ張り合っててそこが残念。
7人とかだと完全に没個性になるので、歌が平均化されて上手く聞こえるんですけど、2人くらいは逆に難しい。
曲はカッコイイですねー。
歌詞に関しては、全曲読解することを基本的に放棄したいんですけど、さすがに「滲みだす絶望というオマージュ」は日本語として成立してないと思います。

4、暗黒の翼

本編でイマイチ影の薄かった敵幹部レディバット。
持ち曲もすごく影が薄いです。華がない。
歌は可もなく不可もない(=声優としては十分な)レベルですが曲が地味過ぎます。
このアルバムでは埋もれがちの一曲。

5、花と蝶のセレナーデ

人を小馬鹿にしたようなイントロから始まる、敵幹部蘭花の曲。
でもこの小馬鹿にしたようなリフがこの曲を特徴付ける全てなんだよなあ。
間奏にて、人を馬鹿にしたような例のリフの後の展開はなかなかGoodですが、その後に続く歌い出しが弱いのは残念。

6、MOTHER SYMPHONY

主役級のマメプリ3人で歌ってるバージョン。
アニメの戦闘シーンでもよく用いられてます。
「愛を憎む者よ〜♪」のところで、アニメのあの特徴的な「身を乗り出すアピール」が脳裏に浮かんできます。
歌は、7人から3人になったことで粗は目立ちますが、十分に及第点。
逆にいえば、笑えるほど酷くはないです。
KODOUほどではないですが、それなりにいい曲。

7、水色の旋律

これも3人バージョン。
んあ? アニメでこれって何時歌ってたんだっけ?
記憶にないです。
アニメでの印象が薄いせいか、あまり楽しめない一曲。

8、Piece of Love

マメプリ3人でのバラード。
リナの声だけ際立ってて、るちあと波音の区別はつきません。
まあ、アニメ見てれば楽しめるかな、って感じ。

9、愛の温度C

ぴちぴちピュアのEDテーマ。
個人的に一番楽しみにしてた曲。
Bメロの追いかけるところも無難に決まってるし、サビの盛り上がりは秀逸。
なんていうか、マメプリたちが合唱してるのが珍しく活きている一曲。
あとメインで歌ってるのが誰か分からないけど、すごい安定感がある。
マメプリに安定感! なんて不思議な組合わせ!


総評
まあぶっちゃけ、そんなたいしたアルバムじゃないですよ。
歌ってるの声優だし、曲作ってるのは作曲家だし。
曲はプロが作ってるので、どれもきれいにまとまった小品となってますが、ま、それだけです。
誰でも楽しく歌える感じの、サビにはそれなりに盛り上がる感じの、そんな曲です。
あくまで商業歌謡、歴史的に語り継がれるような名曲なんてものは一曲もありません。
良くも悪くも「量産されたポップソング」であることは間違いないです。
歌い手が声優というのも、曲のクオリティを頭打ちにしてます。
なので、純粋な音楽ファンにオススメできるようなアルバムではありません。
本当にいい曲が聴きたいならレッドツェペリンでも聴いてた方がいいですよ。

が、しかし! これは大変素晴らしいアルバムです。
そう、アニメのぴちぴちピッチを喜んで見れる人間にとっては。
名曲なんてない、それがいいんです。
歌が上手くない、それがいいんです。
だって、まさにそれが僕たちのぴちぴちピッチだから。
もう何もかもダメダメなぴちぴちピッチ。
僕たちがそんなぴちぴちピッチを見る理由は、その圧倒的なダメダメ感が醸し出す安心感。
ただダメなだけじゃない。癒されるんです。
絶望的にヘタクソな中田あすみ嬢のアフレコは、一種の諦念観を経て、たとえようもない愛おしさに昇華されました。
そう、僕たちは子供を見守る母親の気持ちになれたんだ!
このアルバムも同じです。
中田あすみ嬢はまだ中学生なんです。
中学生の女の子の合唱、そう、それは音楽発表会!
学校の音楽発表会に名曲・名演を求めてどうします?
中学生の女の子が、がんばって、声を合わせて歌っている。
それで十分じゃないですか、このアルバムは!








最後にひとつ。
なんだかんだいって、カレイドスコープよりは全然マシ!

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