来訪者 著者:ほっけ様
「…………」
解放軍のリーダー・ティルは、自室で窓のふちに肘をつき、頬杖をついて夜空を眺めていた。
ぼーっと景色を眺める時はよくある。ヤム・クーのように釣りをしている時も景色を楽しむ。
だが、違う場所があった。まるでハンフリーのように仏頂面で黙りこくっているのだ。
(…ああ…集中できない…)
最近、時々からだのとある部分が急に自己主張するようになってしまったのだ。
戦に身をおくものとしては集中できないのは致命的である。
俗に言う欲求不満ってモノなのだが、いまいち解消する方法が思いつかない。
いつ誰がたずねてくるかもしれない部屋で、一人でするのも、その、アレだ。
誰かにしてくれ、と頼むのも。自分はひとつ年下のシーナほど女性には免疫が無い。
もし相手を怒らせてしまったらビンタを貰うどころか、
戦闘力その他諸々が高い者からは去勢も有り得るから、なおさらだ。
気を紛らわすために机を指でとんとんと叩いていた数が4ケタに達しそうになったところ。
(ええいもう…この際一人で…)
とズボンに手をかけた瞬間、部屋に思わぬ来訪者が部屋に現れた。
「ゎあ…ッ?!」
「うぁぁぁあッ!!」
部屋の空中と呼べる場所に一人の少女が現れ、ほわっとした驚きの声とともにぼてっと床に落ちる。
それと同時に少年の絶叫が響いた。あわててソレをズボンの中にしまい、床に転がっている少女に駆け寄る。
見慣れたローブ姿に艶やかな黒い髪。まだ幼さを持つ顔…
解放のためにかなりお世話になっている、瞬きの紋章を持つ、ビッキーだった。
「…また、失敗したのか…?」
なんで自分のときはいつも失敗するんだろう?と心の中でハテナを浮かべつつ、
頭をぶつけて目を回しているビッキーをベッドにはこぼうと抱きかかえた。
ビッキーはとても軽く思えた。自分の腕に力がついたからかもしれない。
解放軍のリーダーとして暫くたったが、腕は自分でも見違えるほど太くなっているのだ。
手には柔らかい感触。それだけで勢いづいているそれがさらに大きくなった気がした。
微かに石鹸の香りがする…恐らく風呂上りなのだろう。部屋に横着で術で帰ろうとでもしたのだろうか。
雑念を振り払い、自分が毎晩寝ているベッドに少女を横たえた。
柔らかめのベッドにぽすん、と少女の体は沈む。
落ちるときに頭をぶつけたせいか、意識は闇の中をただよっているらしく、瞳をやわく閉じていた。
「やれやれ…今日は椅子で寝るかな…」
「ん…ぅん…」
寝床を占領しているビッキーに布団をかけようとした途端に、
微かに小さく可憐な口から吐息が漏れた。急にぴたりとかけようとしていた手が止まる。
明らかに普通のラインよりも飛びぬけている、美少女の域に入る顔…
美女や美男子が多い解放軍の人間は変わりに変わった奴が多い。
みた感じはおしとやかな女の子だが、中身は天然でぼけている。
それも可愛いと思えるのだから魅力のひとつなのだろう。
…それよりも。
キレイな目元、整った顔つき。規則的な寝息をたてる口元…
すらりとした細い首筋に、少しだけ発達しはじめている胸の膨らみ…
今のティルには少女の寝姿という刺激は強過ぎたのだろう、それに、
紋章の中から誰かが自分を応援していた気がした。
なんか、いやらしい事が大好きなお姉さんな感じがする。
(いや…もう、コレは…イイんだよな。うん、そうに違いない。
酒が入ったフリックの言っていた言葉、据え膳食わぬはなんとやらだ…うん。よし)
その衝動に後押しされ、ティルは少女に負荷をかけぬように覆い被さっていた。
四角い窓からは蒼い光が伸びて、漆黒の闇とは違う色の太い線が部屋に浮かび上がっている。
ベッドに横たわった眠れる少女に覆い被さるのは、鼓動を早くした少年。
若く純粋な心だからこそこういう衝動にあっという間に染まってしまうのだろう。
「…ビッキー。…ごめんっ」
押えきれないモヤモヤした感情に突き動かされるまま。後に言うべき言葉を先に述べておき、
その手をビッキーの頬に…首筋にと動かして、着崩れたローブに包まれている肩に着く。
「ん……」
微かな吐息を漏らすと同時にびくりとティルの肩が震える。
寝息だということを確認すると、少しだけ手に力を込めて、ゆっくりと肩からそのローブをおろしていく。
灯りが消えているせいか蒼白い柔肌。不健康だというほど細い体躯が露になってゆく。
それにつれ、ティルの背筋は震え興奮はますます高まってゆく。
「…ぅ…(いや…、躊躇するな…自分…)」
腕が肘の少し上まで着たところで一瞬止まり、意を決したようにずらした。
露になると踏んでいた場所は白い布が覆っており、なぜかほっと胸を撫で下ろす。
それの中に手を滑り込ませようと胸部に触れれば、手に吸い付く感触が伝わる。
手を上にずらし、布の真ん中の部分をぐいっとずらすと、ふるんと二つの膨らみが姿を現した。
「……うぅん…ぅ?」
「ぁ…」
それに触れようとした刹那、少女の重い瞼がゆっくりと持ち上がっていった。
寒くなったせいか。それとも感触を感じたのかは知らないが。
すらと涙が滲んでいる視界が、すぐ目の前にいる少年をとらえた。
つぶらな瞳が潤んでいるのも、ティルの心を擽った。だが、悠長にそれを堪能している場合ではない。
その肢体と、胸の膨らみを思い切り晒していることにはすぐには理解できないだろう。
それを悟ってしまう前に…行為に及ぼうと、手で細い顎を傾かせ、ティルは強く顔を下げた。
「…あれ、ティルさ…んぅ!?」
少年の名前を呼び終わる前に。自分の唇がふさがれ、一気に意識を覚醒させるビッキー。
互いのそれがぐっと重ねられ、視界は金色の強くぎらついた瞳で埋まる。
唇を奪われ、ティルの手が胸のほうへと這い始める。経験したことのないゾクゾク来る感触に、シーツに埋まった指先が震えた。
「むぅ…んぐぅ、んんーっ!」
すぐに大人しくなる程貞操に無執着ではないのか、じたばたと四肢を動かし、顔を逸らそうと精一杯暴れる。
だが、女性であるビッキーに男性の、しかもティルにとって、それは可愛い抵抗でしかなかった。
ティルの手が片方の胸の膨らみを掴むと、それはふにゃりとカタチを変えて、ビッキーの体がこわばる。
「きゅ…ぅ、ふぅぅっ…」
ぎゅっと漆黒の瞳が閉じられ、頬を涙が伝う。恐怖と屈辱が少女の思考を支配しているのだろう。
舌がビッキーの口をこじ開けようと、閉じられた唇をなぞり、初めての柔らかい感触に手は好き勝手動いている。
5分といったところだろうか。ビッキーは開らかれた唇に舌を捻じ込まれ、口内を犯されていた。
「ぅ…ぁむ…んっ、ん…」
優しく、粘着質に胸を弄くるティル。マシュマロのように柔らかい感触が心地よい。
その愛撫によって自然と抵抗も弱まり、熱い吐息と、媚声に似た溜め息が口の中に伝わってきた。
そろそろ、と思ったように目を細めると、ティルは多少名残惜しそうに、銀糸をひきながら唇を離した
長いことふさがれていた唇が解放され大きく呼吸を繰り返すビッキー。
「ふぅ。どうだった?初めての味は…さぁ?」
「ひゃぁ…ヤ、ダぁ…っん」
いつものゆったりとした声色が、卑猥にとろけている。張り詰めた興奮が刺激され、更にティルは追い詰めるように手を動かした
「あ…ッ、はぁ…ティ、ルさ…ゃ…っ」
「嫌でも、やめてあげないよ」
汗で湿った体が妙に艶かしく、潤んだ瞳はどこか心に棘を刺すものがあった。生唾を静かに飲むティル。
抗議の言葉を、先端の硬くなりはじめた桃色の突起を摘み、打ち消した。
「ぅあっ…!やぁ…そ、れ…」
一際強い反応を見せて、指でこね回せばすがるように細い手をティルの腕に絡める。
「これが、良いんだろう…?」
そんな反応が楽しくて仕方が無い。もっと、見たいと、ビッキーに快感を与えてゆく。
「君が…夜にここに来るのが悪いんだから、ね」
「き、ひっ…あっ、あぅ…!」
冷静に、だけれど荒々しい欲望を含んだ声で言い放つのと。乳首への責めによってビッキーが達するのは、ほぼ同時だった。
「…はぁ、はぁ…は、ぁっ…」
一瞬だけ、責めから解放されたことにより乱れた呼吸を整えようとしても、早まった心臓の鼓動がそれを許さない。
ティルはその大きい目で、自分を見上げている表情をじっと見ながら、再び彼女に覆い被さっていく。
「…可愛いよ、ビッキー。…もっと見せてくれるかな」
ソウルイーターが刻まれた右手の指先で、潤んだ唇をなぞりながら問う。
不思議なくらい抵抗がない。
いや、恐らくは抵抗できないのだ。はじめて味わった快楽は、そちらの方面に無縁のビッキーには強すぎたのかもしれない。
「…ぅ、ぁん…っ」
先ほどまで弄くっていた膨らみを軽く上下させると、敏感な反応が返ってくる。
爪の先で肌を滑り落ちて、細い腰を撫でると、くすぐったそうに膝をまげる仕草が見られる。
「恥ずかしい…?…いや、当たり前か」
「ん………」
頬を朱に染めて、真っ直ぐに見つめる黄金の視線から目を逸らした。
あまり嫌がっていないように感じる…たとえ嫌がっていても無理矢理にやってしまう状況だが、妙な違和感を感じる
ドクン。…何かが身体の中で、疼いているのだ。
「…悪いけど、やめないから。…見せてね」
荒い呼吸のせいか、かすれている言葉で告げて、暴れたせいか膝まで上がっている長いスカートの裾のほうへと手をやった。
結構いい材質の布を使っているんだろうか。さらりとした冷たい感触が妙に心地よい。
強く力を込めればあっさり折れてしまいそうな細い足首から、脹脛の部分をねっとりと撫でて。
しわになっている裾の部分を掴んで、ゆっくりと捲り上げてゆく。
「…綺麗な脚だね…いや、脚だけじゃない、か…」
露になっていく脚線美。大人しそうで、幼い外見とはあまりバランスの取れていない色気が漂う
それを誉める言葉を耳元で囁いてやれば、少しだけ恥ずかしそうにして、肩頬を枕に埋めて顔を反らせた
「…あんまり、見なぃッ…!」
まだ最後の砦、秘された場所を覆う布があるとは云え、大事な場所を見られているのは恥辱の極みだ。
いつものような賑やかな口調ではなく、消え入りそうな声で懇願しようとしたものの、
急に全身に流れた甘い電流にそれを阻止された。
「濡れてる。感じたんだ…っと・何か言った…?」
意地悪そうに云ってやれば、ビッキーは不機嫌そうに頬をふくらませてティルを睨んだ。
恐らく、この薄闇ではわからないものの、白系の色の薄布の上から。既に潤い始めている場所に触れている。
触れても抵抗らしい抵抗はしない。
「ぁ…やぁん…あふ…んっ」
指を其処に擦り付けるように動かせば、ビッキーの口からあられもない声が漏れ始めた。
全身が快感に麻痺して、精神は甘くとろけている。行為を行なっている相手が相手だから、かもしれない。
段々と蜜が溢れてくるにつれ、ぷちゅ、という小さい音がたつようになり、それもまたビッキーの興奮を煽る
「いやらしいな…こういう風になっちゃうんだ。ビッキーでもさ…」
普段はあまり関係を持たない美少女の痴態。そう考えると異常に興奮の温度が高まっていく。
柔らかい胸の膨らみを舌で軽く弄びながら、指は秘部に執拗にからませて。
「ち、が…ぁっ、やらしくない…よぅ…っ」
「ココこんなにして、何言ってんの」
かぶりをふっているビッキーに言葉で追い討ちをかけると、むぅ、と再び膨れて。
「…別に、テレポートで逃げても…いいんだよ?」
ふと思いついた事をスっと言ってのけてみる。
しまった、と頭の中で後悔が膨らみ、自分の良心というものを珍しく恨んだ。
「ぇ…あ、そっか…んッ」
思い出したように。熱い溜め息をはらみながら言うビッキーの表情。普段のとぼけた味も絡まり、妙に可愛く思えた。
下着のクロッチの部分を横にずらして、未開のそこに指を滑り込ませると、ビッキーの身体がびくん、と跳ねる
「…呪文、唱えれるかな…?コレで」
「ひゃぁっ、ぅぅん…んっ!ふぁっ…!」
愛液を纏った指は狭いその場所にぬるりと滑り込む。第二間接あたりまで秘肉に包まれ、
息づいていたそこはティルの指を強く締め付ける。
「逃げないの?」
嗜虐的な笑みを浮かべるティル。金色の瞳が、灯りの消えた部屋で不気味に輝く。
重い水音を響かせながら、ビッキーのその部分に埋没した指を動かし、指と膣壁から流れる愛液は
指の付け根までつたって、ティルの大きめの手を濡らしている。
「…ぁっ、ふぁ…んんぅっ」
きゅっと瞑った目から微かに涙が流れている。その美しい顔は全く衰えを見せない。
どこか神秘的な、不思議な魅力を持つ顔が悦楽に歪む。それがティルの精神をさらに揺さぶる。
「や…ぁぁっ!」
「答えて…」
乱暴に引き抜かれた指と、少し苛立ったティルの言葉。大きくビッキーの体が跳ね、大人しくなる。
急に体内のものが強く擦ったために、溜まっていた快楽が一気に果ててしまったのだろう。
鼻先同士が触れ合うほど顔を近づけて、未だ大きく息を吐いているビッキーに問い掛けた。
「…っ…から…ぁ」
泣き声で搾り出された言葉を、うまく聴こえないとでも言うように、ティルは顔を近づけ、もう一度と催促する。
少しためらったあと、再びビッキーが口を開く。
「…ねっ、も…逃げない…からぁ…もっと、し…て…?」
少女の甘えた甘い声に、その内容に。ティルの中の何かが白くはじけた。
指を離せば、少しめくれたままだった純白の下着を引き下ろし、身に纏っているのは、
腰に巻きつく布と化したローブのみ。
"行なう"際に邪魔にならないそれだけを残して、あとは白い肌を露出している少女の姿は、
恐ろしいほど、ティルの欲望を刺激してやまない。
「ん…っ、つ…」
その部分と、かすかに生えた茂みを露にされた恥じらいから、以前としてティルの顔を見ようとはしない。
青い瞳からはすでに涙はとまっており、柔肌に落ちる口癖に小さく鳴いていた。
首筋から鎖骨、なんとなくだがローブから露出したその部分に赤い斑点を残していく。
「ぁ…?はふぁあっ!ぁぅん…ぅあっ…」
その手が露になった場所を這って、急に声を上げて敏感な反応をしめした。
驚きの声のあとは艶かしく甘い声。秘豆を擦られ、内部を刺激され、ピクピクと体を震わせている。
その時、ティルが何か呟いた気がして、閉じていた目を薄っすらと開く。
それとほんの一瞬だけずれて、手が触れていた場所に別の何かがあてがわれた。
「ぇぅ…、ティルさ…んっ…?」
視線を自分の下腹部へ落せば、少しだけずらされたズボンから伸びた、脈うつ、太い何か。
一瞬何かわからなかった。月明かりで色まではよくわからないが、
まるで心臓の鼓動のようにびくん、びくんと脈うち、血管が浮き出る、何かグロテスクな棒。
酒の席やら、女の子友達の間から聞いたのと酷似した形…大きさは予想以上のものだった。
妙な恐怖を感じても逃げることまで、快楽でマヒした神経は回らなかった。
ぎゅ、とティルの服にしがみ付くビッキー。その表情は怯えを浮かべている。
その表情を見て一瞬ティルが固まった。それほど、ティルの興奮が反応したのだろう。
「力…抜け」
「ぁ…ぅ、うん…」
荒い息の中発された異常にはっきりとした言葉に、しがみついたまま、目を閉じた。
モノが脈うつ度にかすかにビッキーの秘部を擦り、甘い吐息が零れている。
ティルはその不浄の場所に、未だ味わった事の無い女性の場所にあてがったものを埋めるべく、体重をかけた。
ぐむ…っ、という音が聞こえそうな感触。
「…ぃ、ひぐ…ぁぁっ!」
想像しえなかった、とてつもない圧迫感と、鈍い痛み。
指とは比べ物にならないものが自分の内部に入り込み、全身がこわばった。
明らかにサイズ違いのそれに純潔の証を破らせまいと、内部がきつく締まり、埋没を拒む。
ティルの肉棒は、内膜の暖かく、柔らかい感触に快感を覚え、背筋にクるゾクゾクとした感触を味わう。
だが、痛みを与えないように優しくしていては、いつまでも奥には辿り着けない。
「…力、抜け…って」
「ひ…っ、ぁ、む、むり…だよ…ぉっ」
痛みに涙を流しながら、顔をティルの肩になすりつけ、痛みを少しでも耐えようとしている。
その間にもビッキーの膣壁はぎちぎちと肉棒を締め付けている。
「…それなら…少し、我慢…してろよ…」
このままではらちがあかない。少しだけ痺れをきらしたように言って、ティルはビッキーの腰を掴む。
「ぅん…っ、ぁ…待っ…」
制止の言葉を出そうとしても、妖しくぎらつく金色の瞳に見据えられ、言葉は途切れる。
肉棒の埋没していた部分が軽く引かれ…
ずぐ…っ
「ひ…ぅぁぁぁあっ…!!」
と、鈍い音が聞こえそうなほど。一気におくまで押し込む。
根元までは入りきらず、途中で破れた感触も肉棒に伝わった。奥に突き当たる直前、ビッキーが悲痛な叫び声をあげた。
「ぅう…やぁっ…い、いたぁい…ティル、さ…や…」
大粒の涙を溢れさせ、痛みを訴えるビッキー。ティルはそれに罪悪感を感じるも、決して引き下がることはない。
「やめない」
「ん…っ、ひっ…ぎぅ…んん…」
つぷ、つぷ…と小さな音がする。既にしっかりと濡れていたせいもあってか、奥まで入り込めば、軽く前後に動かせることはできるようだ。
破られた処女膜の部分も擦られ、痛みと快楽が一気にビッキーに流れ込む。
「いたぁ…っ、つぅ……ティ、ル…っ」
痛みに悶えて、悦楽によがっている、普段は純情で、無垢な少女。
ティルの目に映っているのはまさしくそれだ。どん欲な何かが、ティルの中で起きていく。
少女の内部に埋まったそれが、かすかに膨張したような気もする。
「…ひゃ、ぁっ…な…ん…っぅ…」
「…どう?」
痛みに歯をきしませることもあるが、暫く前後運動を繰り返していくうちに、ビッキーの肩がぴくぴくと震え始めた。
「…い、っ…た、い…けど…ぁ…は…っ」
「…けど?」
少女の途中で途切れた言葉を追うように、ティルは問い掛ける。
「…いたい、のに…なんか…はぅ…きもち…ぃぃの…っ!」
快い。ティルの今の心は、単純に言えばそう考えている。この少女は、今自分のものになった。
たまたま、欲求不満に苦しんでいる(?)時に、たまたま、事故でこの場に来ただけの少女。
欲求不満の解消。それだけのために、組み敷いただけ…なのに。
自分の手で、そう。自分が、この少女の心と体に悦楽を刻み込んだのだ。
そう考えるだけで、すぐに絶頂に達しそうになる。
元々の潜在的な、嗜虐性がここまで、この少年を変えたのかもしれない。
「あはぁ…ぁぁんっ、んぅ…っ」
先ほどよりも深めに出し入れすると、ゆっくりな動きでも大きい反応を示し始めた。
「わかる…だろ?俺のがさ…ビッキーの大事なトコに、入ってる…んだよ」
「ぁぅう…っ!」
ずくっ、と少しだけ強く奥まで突けば、まるで弓のように体が反る。
言葉で責めてやれば、表情に羞恥の色が増す。恥らうその顔も、何故か…愛しい。
「いやらしいな…くわえ込んでるんだ。男のモノをさ…」
自分がそうさせた。そして、このビッキーもそう望んでいる…
「はぁ…っ、んぁあっ…くぅ…ぅん!」
羞恥を煽る言葉にかぶりを振る。それはティルを喜ばせる最高の素材となる。
「ひぐっ…ぁあんっ!はぁ…ぁ、ふっ…!」
「………っ!」
急に、ティルの肩に走った鈍い痛み。
少しでも快楽の逃げ場を作るために、しがみついていたせいか少しずれた白い衣服から覗く、
日に焼けた筋肉質な肩に、ビッキーが噛み付いていた。
「ふ…ぁふ…ぅっ!」
「っつ…」
歯が食い込む痛みに、ティルも軽く顔を歪ませる。
だが、もっと深く、内膜を味わうために、快楽を得るために、再び腰を動かし始める。
「ふぅ…んんぅっ…ぅんっ…ん…」
肩でビッキーが自らふさいでいる口から、熱い吐息とくぐもった媚声が漏れ、肩に熱を与えた。
「はぁ…っ、それ、なら…もっと強く…してもいいんだなっ…?」
既に、破瓜の血は止まり、絶え間なく愛液が流れ、内部を潤滑していく。
答えを得る前に、腰を回すように動かし強く突きはじめる。すべりのよくなった場所はその動きすらも受け入れた。
「ふくぅっ…!んんっ、ぅんっ!ぁふっ…!」
ぐりゅぐりゅと奥にたたきつけられる肉棒。その感触に、たまらず悶える。
内膜も、それをきゅっ、きゅっと締め付け、うごめく。ティルはそれに最高の快楽を感じていた。
耐え切れるはずがないのだ。ティルと同じように、ビッキーもこの被虐に浸かってしまっている。
食い込んでいた歯がティルの肩から離れ、一筋の銀糸を口に引いていた。
そこにはビッキーの唾と、深く残った紫色の歯型。所々、多少血が滲んでいる。
「ぁはぁぁっ!ふぁぅ、ぁっ、ああぁっ…!」
塞ぐもののなくなった口からは、外に聞こえそうなほど大きい媚声が溢れる。
「ほら…っ、そんな声出してたら…誰か、聴こえる…かもよ…?」
「んんっ、ふぅっ!ぁん、あっ…そ、んな…ぁぁんっ!」
その意地悪な言葉にも返事など返せない、流れ込む快楽の奔流が拒むからだ。
「はぅ…ぅん!あぁっ!あっあっ…ぁん…ッ!」
段々と、声と声の感覚が狭まってきた。それと同時に、締め付けもきつくなってくる。
「…そろ、そろ…っ、イきそう…?」
「ぅ、ぅん…っ、ふぁぁあっ!なん、か…ぁぁ…!」
言葉では上手く出せてはいないが、こくこくと問いに頷く。
それを見ると、ティルは動きを更に強めた。その剛直を入り口付近まで引き抜き、奥までたたき付ける。
「…っひ、ぁ…ぁっ、ああぁぁぁーっ…!」
一際、ビッキーが甲高い声を上げて、大きく体を弓なりに反らせた。
どくん…っ、どく、どく…
「ぁ…ふぁ…ぁぅ…」
ビッキーは自分の体の奥まで埋まった肉棒から、熱い液体が自分の中に流れ込むのを感じ、
熱に浮かされた吐息を悩ましげに吐き出す。
互いに絶頂に達して、動きは止む。二人はそのベッドに深く体を沈めている。
ぬるり、と微かに勢いを失った肉棒が秘部から引き抜かれる。一回果てたとはいえ、未だに硬度を保ったまま。
「ぁふっ…!ティル…さん…っ?」
引き抜かれるときにも、快楽を感じてしまったビッキー。
互いに果てた瞬間、荒い呼吸だけを繰り返すティルを不思議に思ったのか、名前を呼んでみた。
瞬間、強引に唇が重ねられた。ほんの数秒。
「…よかったよ…ビッキー。」
ほんの数秒のキスを終えたティルが、満足そうに云う。その黄金の瞳に少女をうつして。
「…ん…っ」
段々、ビッキーの意識がまどろみはじめた。もともとの眠気が襲いかかり、疲労もそれに重なった。
「…すっきり、したよ…」
聴こえるはずの言葉も段々とかすんできて、いる…
「………よ…」
…段々………
翌朝。
「んっ…はふ…れる…っ」
薄蒼い早朝の灯りが窓から差し込む。時刻は、まだ4時…といったところだろうか。
ベッドに寝たティルの上にビッキーが重なっている。下半身は、繋がっていた。
頬を朱に染め、うすぼんやりと潤んだ瞳をして。その可憐な唇と、小さな舌でティルの肩口を舐めている。
あれからまだ数時間…もう、数時間。ビッキーが起きるころには既にティルは起きていて、
起きて早々再び体を求めてきた(若いから元気)。肩にくっきりと残った、深く、痛々しい歯型を見せて。
「ちゅ…ふ…まだ、痛い…?」
「大分、おさまった。でも…もう少し続けてくれるかな?」
そう云うと同時に、軽く腰を突き上げた。ビッキーの小さい体が跳ねる。
「ふぁあ…んっ!み、水の…紋章で、なおして…貰えば…いい、のにぃ…」
むくれてみせるも、再びそこに舌を這わせるビッキー。
「いいだろ…?こうして欲しいんだから。少しの我が侭くらい許してくれ」
くすくす、と意地悪そうに笑い、ビッキーの頭を撫でたティル。黄金の瞳は、心地よさそうに細められていた。
擽ったそうに頭を振るビッキーは、その黄金色の瞳と、青い瞳の視線を上目遣いであわせた。
「んっ…?!お、っきく…なった…ぁん…っ」
「君がそんな目で見るから…」
体内の異変を感じるも、再び視線を黄金へと移す。
その目には恥じらいもあった。動いてこそいないが、体の中で脈うつそれは快楽を与えるから。
「もう…えっち…。ね…、ティル…さんっ」
蒼くつぶらな瞳が純粋に問う。
「…私が、寝ちゃう…前、何ていったの…?」
「んー?よかったよ、って。具合も、顔も、声も…最高だった。」
当然のように述べるティル。ビッキーの顔全体が一気にゆであがる。
「ば、かぁ…っ!…でも、その後…何か、言ったよね…?」
依然としてまっすぐ、黄金の瞳を射抜くその優しい視線。
「いや…?」
「うー…確かに、聴こえたんだけどなぁ…」
んむぅ、と考え込むように首をかしげても、考えることが苦手だからか。歯型への愛撫を再開した。
それと同時に、ティルは一瞬、微かに笑みを浮かべて、埋まったものを前後させはじめた。
「ぁ…ひゃんっ!んっ…ぁあ…ぁう…ティ…ルさ…ぁん…」
その黒い髪を振り乱して、可憐な、美しい顔を悦楽に浸らせて。
一生懸命に愛撫に集中しながらも、感じている。
この一夜で変わった感情。多分、汚れたモノ。てか、やらしいモノ。
それが聞こえなかった言葉のこたえ。愛しているとか、好きだとか単純なものだろう。
少年は知らない。今回限りだと思って、朝も交わっている。戦争が終ったら、この少女とも二度と会うことはない。
だけれど、3年後も。それから15年後も。
再びこの少女と出会い、体と、その時はついでに(ついで?)心も重ねることになることを。
その時は多分、少女が気になっていた聞こえなかった言葉を呆れるほど繰り返しているのだろう。
真夜中の来訪者。
ほんと不思議な娘ですね。
終