4主×キカ 著者:6_197様

「眠れないな…」
その日は蒸し暑く、オレンジ号のフォーの部屋は大変寝苦しくなっていた
水でも飲むために階段を下るフォーの耳に小さな物音が届いた
妙にくぐもった低い声。話声ではない。どこか甘く切ない響きを含んだ息のようだ
誰もいないはずの空き部屋から漏れていた。
ドアをノックしようとして、ふとためらう。
軽く虚を握った拳はゆっくりと開かれ今度はそっとドアノブを握った。

何をしようとしてるんだ…俺…
心の呟きに答える者はいない。
フォーの手はゆっくりとノブを捻った。ほんの少しだけドアを開け暗い室内に目を凝らす。
『誰が居るか確かめるだけだ』
自ら言い聞かせる言葉が白々しかった
狭い隙間越しに見えたものはフォーの身を強ばらせた
部屋の奥に置かれたベットの上で細く引き締まった肢体が踊っていた

何人もの男の手を経たであろう形の整った肉房を掴み、自ら乳首を嬲るキカ。
みるみるうちに指の間で乳首が張り凝り、固く尖ったそれは鮮やかな桃の色に染まる。
「んっ、あぁん…、んっ、あぅ…欲しい」
まるでドアに向かって見せつける様に脚を開き、手入れの行き届いた爪の指先が腿の付け根の花園に埋もれてはぬめついた愛液を掬いだす。
ジュプリと濁った水音。体がベットの上で弾み、熱い喘ぎが耳を打つ。

「あっ、ぁ…あぁ…シたい…。抱かれたい…。んっ、はぅ…ブランド、エドガー…何で…私を置いて…
あぁっ、お願い、わたしを…抱いてぇ…」
キカの見せるあまりにも淫らな姿に、フォーは激しく動揺していた。
それでも、だからと言って目を逸らすことはしない。むしろ彼は血走った眼をキカの痴態に釘づけていた。
「ちょうだい…。抱いて。若い…ああ、フォー…」
一瞬の驚愕。その途端、背筋に悪寒が疾った。誰かの鋭い視線を感じたのだ
「ッ!?」
慌てて首を捻ったものの背後には誰もいない。誰かが階段を昇ってくる気配もない。
フォーの周囲には重苦しい静寂だけがあった。気のせいか?いや、そうではない視線は確かにある。
しかもそれはフォーの体内、すなわち彼の身の内側からのものだった。
自分の中のナニモノかが、じっと見つめている。

そう認識した時、悪寒が戦慄に変わった。
冷ややかというよりも冷酷に感じる視線に射抜かれ、フォーは身を怯ませる
けれどその視線は仲間の痴態を盗み見る自分を責めているわけではなかった。
それどころかドス黒い闇の中に潜み、強烈な眼光でフォーの背中を押しているのだ

部屋に入れっていうのか!?怯えて震える心。すると突然、頭の中に男の声が響く。
≪そうだ。そうだよ…≫
聞き覚えがあるような声だが誰のものかは判然としない。声はいう。
≪いいじゃないか。あいつもお前とヤりたがってるんだ。ヤっちまえよ≫
抑えた口調ではあるけれど、言葉の節々に酷く獰猛で凶悪な力が隠れていた。
ゾワゾワとした感覚が、体の末端から中心に向かって這い進んでくる。声はなおも言った
≪壊しちまえよ。向こうが望んでるんだ。何を恐がる必要がある?≫
その台詞が、ドアの向こうのキカの声と重なる。

「う…あっ、ちょうだい…ここに…」
フォーは大きく見開いた両目を扉の隙間に戻した。フォーが覗いているなど知りもしないキカは、
愛液を掻きだしていた右手で敏感な肉芽を摘み擦る。二本の指をわななく蜜壺に埋め、穏やかな出し入れを繰り返す
溢れる透明な液がシーツに糸を引いて滴った。
「お願い…。フォー…、挿入れ…て…ああっ!」
瞬間フォーの頭の中は真っ白になった。その逆に胸の中が真っ黒に塗りこめられる。
フォーは気付いていなかった。左手に宿した罰の紋章が淡く輝いていたことに
ためらいもなく伸びた腕が無造作にドアを開く。行為に夢中のキカは闖入者の姿にも気付かず、
粘る水音を淫靡に響かせる指の動きを止めようともしない
足音を忍ばせて歩くフォーがベットの横に立つと、ようやく彼女は全身を凍りつかせたかの如く動きを止めた。

「え?…ふ、フォー……み!見るな!」
手探りで掴んだ毛布で慌てて裸身を隠す。すっかり取り乱したキカを低く圧し殺した声が一喝した。
「騒ぐな」
信じられないといった表情でキカは目を見開く。
「ふ…フォー…?」
「騒ぐなと言ったんだ」
言いながら、キカの手から毛布を乱暴に奪い、露になった肢体にすかさずのしかかるフォー。
その口元は唇の端だけ上げて笑っていた。
「今していたことを、お前の部下どもにバラされたいか?」
キカは息を呑んで押し黙った。自分の部下に自分の淫らな行為を知られたくはないだろう。
「ここで俺が大声を出してみろ。誰に聞こえるだろうなぁ…」
「フォー、おm」
抵抗ではなく説得の言葉を言いかけるキカの声に、フォーの台詞が被る
「悪いようにはしない。あんたの望んだとうりにしてやるんだよ」
ズボンに手を伸ばし、ズボンとトランクスを中途半端に脱ぐと、いきり勃ったイチモツがキカの眼前に姿を現した
久々に目にしたナマのオトコ。その逞しい肉棒にキカが眼を見張った一瞬の隙を突き、
フォーは愛液に塗れた秘部へと怒張を押し込んだ

「ひっ!」
体内を一気に貫かれ、喉の奥で引きつるような悲鳴があがる。
「なんだよ。ビショビショになってるからこんな簡単に咥え込むじゃねぇか…」
フォーを見つめたまま、キカは激しく首を左右に振る。体内を貪る凶器から逃れようと悶えるが、
ガッチリと豊かなヒップを抱え込み逃亡を許さない
根元まで埋まる異物を実感しつつキカは喉を詰まらせながら声を搾りだした。
「お…お前…、本当に…フォー、なのか?お前は…、ああぁっ!!」
フォーの腰が突発的に激しくなり、問いかけは喘ぎに変わる。自慰によって図らずも準備を整えていた膣内は、
邪悪に膨れ上がった剛直をすんなり受け止め、快楽を浸透させていく。
求めていたモノを得た肉壺が悦びにざわめいた。
「あっ、んっ、あ…すごっ…、あぁぁ!!いっぱいぃ!!」
欲望に任せた灼熱の憤りが、キカの体内に唸り込まれては引き抜かれ、また貫く。
暴力的なビートを刻むパッションに合わせキカの身体も激しくうねった。

「んっ、はぅ!!……あっ、あーーっ!!」
我が身を貫く肉竿の虜となった肉壺はざわめく粘膜を絡みつかせてさらなる快感を得ようと伸縮を繰り返す
いつしかキカは、自ら動いていた
「すごいじゃないか…本気でオトコが欲しくて堪らなかったんだなぁ」
乳房を押しつぶすように身を重ねたフォーが耳元で囁く。
キカは色々な意味で泣きそうな表情を浮かべた。
「いいぞ…その顔だ。お前に一番似合ってる。」
暴力としか言い様のないピストンに合わせて踊る自分の腰が別の生き物の様に感じる
「だめ!んっぁ!!だ…めぇ…堪らない…。ああぁー!!」
膣奥からの強烈なうねりがフォーを締め付ける。性の快楽を充分に知りながらご無沙汰だったキカの絶頂は早かった
「あふ!…あぁっ!ふ…フォー…凄い…、太い…ああぁぁ!!」
子宮口を何度も突かれ、キカの肉体は内も外もビクビク痙攣し始めた。
「あっ、あ、いや!だめぇ!イく…イっちゃう、…ブランドぉ!!」
フィニッシュに向け、ベットに両腕を突っ張らせるフォー。
一方のキカも、フォーの腰に長い脚を巻きつかせ、何度となく下腹部を押し付ける。
加速するお互いの動きに小さな肉房が痛いほどに振り乱れた。
「イ、く…あんっ!イくぅっぅぅぅ!!」
一際大きく身を震わせたキカはそのまま背筋をのけ反らせて絶頂に達した。
肉棒の摩擦で愛液を泡立たせる蜜壺のなか独立した生き物の如く怒張を強烈に締め付ける
フォーが小さくうめいた。彼もまた限界であった。ほどなくパンパンに怒張したイチモツの先端が盛大に弾けた
大量の熱い精液がキカの体内に注ぎ込まれる
「あぁぁっ、すごいぃ…ビシャビシャ、届くぅ…う、はああぁぁぁ…」
吐き出された白濁液を熟れた果実が呑み込んでいく。小刻みに痙攣しながらフォーを受け止めていたキカは糸の切れたマリオネットのように
崩れ落ちた。
同時にフォーも力なく崩れ落ちる 紋章の輝きを消して

それがフォーとキカの最初の夜だった…

フォーはぼんやりと自分の掌を眺めていた。握っては開くという動作を何度も繰り返す
指を曲げ拳を作っているのは自分の意志だ。なのに、奇妙な違和感が拭えない。微妙なズレを感じる
特に意識を集中させるでもなく眺める掌は、かすかにピントがぼやけ、輪郭がだぶって見えた。
自然と瞼が重くなる。魂が肉体を遊離するような錯覚。動きを止めた掌に、ふとリアルな感触が蘇った
暖かく柔らかなそれは、生々しいまでの肉の感触だ。
俺…、キカさんと…。未だに信じられない思いだった。

酷く不安だった。フォーの犯した過ちは、全てを壊しかねない。
自分の立場を、周囲の人々との関係を。自分の存在さえ。それは恐怖だった。
『壊しちまえよ』
頭の芯から響く黒い声。声は続ける
『いいじゃないか。恐しちまえよ。お前は正しいんだ。壊せ壊せ。壊しちまえ!!』
それはまさに悪魔の囁きだ。恐怖に竦む理性に追い討ちをかけ、怯える心を闇一色に塗り込める
膝がガクガク震えた。饐えた臭いが鼻を衝き、全身を無数の虱が這いずり回るような嫌悪感が襲う
「ッ!!!!!」
上げかけた悲鳴を必死で抑え自分の部屋を出る。じっとしていたらまたあの感覚に襲われそうだ。
ふと目安箱が視界に入る、いつもなら5通ほど入っているのだが珍しく一通だけ。
「誰からだ?」
文字を見た瞬間に顔が歪む、見慣れた文体、キカの筆跡だ
《フォー……夕べの事は無かった事にしてくれ。頼む。》
何度も書き直し、書き殴られた様で辛らつで必死の文章

「く…、くくく…」
闇に響く掠れた笑い。けれどフォーには、その声が自分のものかどうか自信が無かった

グリシェンデ号、キカの部屋にノック音がコッコッと短く響きドアが開く
「誰だ?」
「俺ですよ…キカさん」
「フォー!……お前…」
フォーの突然の来訪にキカは狼狽した。仲間の一人が部屋に来ただけで何もうろたえることはない。
以前ならそうだった。だが…しかし  目安箱に入れたメッセージを読んでくれたろうか?
犯した過ちを無かった事にしようとは都合のいい話だが、協力関係を続けるのならば封印せざるを得ない
チラチラ立ち尽くすフォーを盗み見る様に見るキカは、思いのほか彼が落ち着いているのに安堵した
「なんのようだ…」
いくぶん落ち着きを取り戻したキカはフォーに背を向ける、顔を見られたくないのだ
それは女海賊としてのプライドだったのかもしれない。

背を向けたキカの背後に忍び寄り、フォーはキカの肩へ手を掛けた。
「なっ!?」と短く叫んで身を竦めるキカを台の上へうつ伏せに押し倒す。
「ふ、フォー、何を!?」
「何って、ナニするんだよ…決まってるだろ?」
平然と言い放ち、フォーは屹立した分身をズボンから抜き出した。
「ひっ! や…やめ…!フォー…、ダメ…」
「シて欲しいんだろ?隠さなくていい」
隆々と力を漲らせる肉棒の先端で、ジーンズの生地越しに尻の間を軽く突く。キカはたちまち背を仰け反らせた
「あっ、い、いやぁ…!」
口では拒んでいるが、どこか形式的とも思える。二度も男を亡くし、男日照りの日々が続いた
夜泣きする身体を慰めるうち、つい自分の部下の勘違いから人魚を守った強い瞳の青年
フォーを妄想の道具としてしまったのが間違いだった。あろうことかその現場を覗かれたあげく
自らの意思ではなかったにせよ肉体関係を持ち、あまつさえその行為に悦びを感じてしまった
そして、今またキカは己の欲望に身を焦がしている

「あ、うぅ…んっ、あぁぁん…」
吐息ともうめきともつかぬ声を漏らすキカを見下ろし、フォーはジーンズを膝まで降ろし
乱暴にショーツを引き降ろし、引き締まった尻を露にする。
「あっ!ふ、フォー、く…あぁん、あーっ!」
キカが引きつった声をあげた。フォーの左手が無造作に秘部をまさぐったのだ。
「ほら、濡れてる」
「や…め…、あぁ、あぁぁ…」
「これが欲しいんだろ…ほら」
笑いながら言って、淫蜜に濡れそぼる媚肉の隙間にズブリと怒張を突き刺す
「あっ、ヒッ、あぁぁぁぁーーーーーっ!!」
「あっけなく挿入りやがる…」
奥まで押し込んだところで、じっと動きを止めた。脈打つ剛直を包み込み、キカの肉壁がざわめきはじめる
「あうぅっ、あ…んっ、あふぅっ!」
「俺が何もしてねぇのに、勝手にヒクヒク言ってるぞ」
「ひ、ひぃっ、う、だ…め…うぁ! 感じちゃ…あぁぁぁっ!」
「淫乱だよ、あんた…本物の」
「だ…まれ…あふっ…や、いやぁぁぁっ!そんな、こと…」
かぶりを振るものの、無数の肉壁はそれぞれ別の生き物の如く蠢いていた

「んっ、あ…う、あん!ああぁぁ!!うぅ…」
吐息混じりの洗い息遣いが部屋に響く。フォーは自ら動くことをしなかった
「ずっとこうしてるのも悪くないな」
「あ、え…?い、いや、し、死んじゃ…」
キカの声には、明かに不満の色が滲んでいる。そう。抗いではなく不満が
「じゃあ、勝手にしろよ…自分で動け」
「っ……くぅ…」
小さく喘いで唇を噛む。何かを堪えているような様子だ。その間にも、膣内はヒクヒクと息づき続けている
フォーはキカを貫いたまま悠然と哀れな獲物を見下ろしていた。やがて肉の欲求に負けたのか、キカはゆっくりと腰を振り始める。
「あぁぁ…んっ、んぁ、うあぁんっ!あんっ、あふっ、はああぁぁぁんっ!」
キカの普段からは考えられない声をあげたちょうどその時、ドアの方からノック音が響いた
「シグルトです、キカ様、入ります」
「ひっ!?」
全身を緊張させ息を呑むキカ。入ってきたシグルトがフォーとキカを瞳に写した
「フォー様、来てらっしゃったんですか?」
「うん、お邪魔してるよ」
「何をなさってるんですか?お二人で…」

「キカさんが腰が凝ったっていうから、マッサージをね」
角度的にシグルトからキカの下半身は死角となって見えない。フォーはわざとらしくキカの腰や背中をさすった
途端にキカの膣奥がざわめいて、両足がガクガク震え出す。
「あっ、ん…う、あぁ…んっ、あ…ああ…そうなんだ…」
恥辱に頬染め、キカは相槌を打った、こんな姿を部下に見せるわけにはいかない。そんなキカをフォーは心の中で嘲った
「すごく凝ってるんだよねぇ…キカさん」
指圧マッサージのふりをして腰を抱え、グイと腰を入れる。
「ひっ、あ…」
台に伏せる身体がビクンと痙攣した。構わず何度となく腰を打ち付ける。
その衝撃に、灼熱の凶器を咥え込む秘肉がうねった。
「あ、え、う…、そ、そ…うあぁぁぁぁぁぁ…!」
大きく息を吐き出しながらキカの身体が硬直するグチャグチャになった膣内が、一際大きくわななく。
そんなこととは露知らず、シグルトは「そうですか…失礼しました」とだけ言ってドアを閉め去っていった
部下の姿が見えなくなるなり、途端にキカが喘ぎ始める。
「んっ……えぐっ…くふぅ…あぁぁ…」
「部下の前でイった気分はどうだ?」
「うっく、…あぁぁぁ!!い、言わないで!!言わない、で…あぁぁん!!!」
卑猥な笑みを浮かべたフォーの問いに、キカは快感に震えながらも半泣きの顔を歪めた

30分後ネコボルトの首輪がキカに着けられた
もう一つの罰の証として…

「んっ、んぁっ、あっ、あ……、んあぁぁんんっ!!」
フォーの部屋のベットの上、フォーはキカの熟れた肢体を抱き寄せ、濡れ火照った淫裂を猛り狂う怒張で貫いていた
「あうっ、ひ……あぁぁぁぁっ、んっ、あん!」
セックスを待ち焦がれていたのか、食事の時間うっとりとした面持ちでフォーを見つめていた
脱げと言われればすぐに全裸になる。何時、何処かで誰かが聞いているかもしれない状況でキカは肉欲の宴を全身で堪能していた
「うっ、あぁぁぁ…あふっ、ひぐっ、あぁぁ!!」
強いピストンはせずに、じっくりとグラインドを続け、緩やかに絶頂へ押し上げていく。
じっとりと汗ばんだ背中を撫で、腰のくびれをくすぐるように触れてやる。
キカは身体を弾ませてよがる。その声は、呆れるほどに蕩けていた。

「んくっ!ひぃっ、ん、んうぁぁ……すごい…」
腰に絡まるキカの両足の締め付けに呼応して、膣内でヒクつく粘膜がざわめく。
トロンとした半開きの目と唾液に濡れた朱唇が、歪んだ快楽の度合いを物語っていた
「あぁん…あふっ、んく!いっぱい…太い…気持ちいい、堪らない」
繋がったフォーの太腿辺りまで、溢れた大量の淫液でヌルヌルになっている。
お互いの身がぶつかり擦れるたびに、糸引く粘液がグチュグチュと淫猥な音色を奏でた
「あんっ、あぁっ!フォー…すごい…」
緩やかに続くグラインドは悦楽のワルツ。ヒクヒクと痙攣する秘肉の感触に、フォーの射精欲求もしだいに高まってくる。

「あんっ、あぁっ!フォー…すご…、あぅぅっ!」
乳房を鷲掴み、何度も揉みしだく。背を仰け反らせ、嬌声をあげる
「はぁん!ひっ、あう……うぅぅん!」
すでに散々焦れていたキカは、フォーのグラインドに合わせて自ら腰を回しはじめた。
「うぅーんっ!あ、くぅっ!いぃ、いいぃっ!!」
薄暗い室内にこだまする楽曲がワルツからロンドに変わる。蜜壺を肉棒で掻き回され、キカの意識は渦巻く快楽に朦朧としはじめた。
「ひっ、あぁん!く、あふ…んっ、んぁぁぁ…」
目の前にいる男、キカが望んだオトコに身をもたれさせ、半ばぐったりとしたキカは何か取り憑かれたかのように腰だけを揺らしている
「う、うくっ!あぁっ、ん…、んふぅぅぅぅ…」
あてもなく宙を彷徨う虚ろな眼差し。どろんと濁った瞳に宿る狂悦の光。
快楽だけに溺れ、自分を失いつつある、ただの雌。
今のキカに理性を見出そうとする方が無理だ。
そして…そうしたのはこの…俺だ…。ズキンっとフォーの胸の奥に痛みが疾った

「あぁふっ、ふぁ…んっ、あぁぁ!」
泥酔した娼婦の如きキカの顔を見るにつけ、喉の奥に苦い物が込上げる
≪同情するほどの価値のある女じゃないだろ?快楽を得ることだけに必死な、肉の塊のようなもんだ、これで義賊などと、とんだ偽善者だ。違うか?≫
……そうだ…構うものか。キカを貫きながらフォーは口の端を吊り上げワラウ。
そんなフォーに気付きもしないキカは熟れた媚肉を盛大にヒクつかせながら、激しく喘いでいる。
「あ、あぁ……あぁぁぁ…あふぅ…う、あぁっ、いい、イき、そう…!」
紅潮するキカの顔が、さらに上気した。汗に濡れ光る肉体を包み込み、腰の動きをピストンに切り替えるフォー。その突き上げに、キカは軽い絶頂に達した。
「う…、あぐっ…あ、イ、イくぅぅ…!」

背筋を仰け反らせるキカの首輪を掴みグイと引き戻し、耳元でフォーが囁く
「どうだ。もっとイかせて欲しいか?」
「あぁぁっ、あ……え……?、は、はい!」
キカの顔に喜悦の色がありありと浮かんだ。
「イ、イかせて…、お願い…、イかせてぇ…!」
もはやキカにはまともな思考力などないのだろう。とにもかくにもエクスタシーを得ることしか頭にない、そんな顔だ…
「お願い……イかせてぇ…お願いよぉ……あ、う…ふぁ…」
嗚咽を鳴らして懇願するキカに、フォーは容赦なく告げる。
「イかせてやる代わりに、…そうだな、俺の子供を孕むまで抱くぞ。腹が膨れるほどにたっぷり膣内に射精してやる。いいな?」
「え…あ、は、はい…あぁぁ、あぅぅ!」
従い、何度も頷いてみせるキカ。そこにあるのは絶頂を得ることだけに全てを捧げた恍惚の表情。
そうだ。それでいい。……ちょっと待て!!
≪考えるな!!!!本能に忠実に…ふざけんな!!!
頭に響く声を遮りグスァ!と頬から頭蓋骨に響く拳を自分にぶつけるフォー
「ひぅ!…フォー?……」
目の前で起こったフォーの奇行はキカの目に正気と言うなの光りが戻るには充分だった
「キカさん……すいませ…ん…  でした…」
言うなり全身の力が抜け意識を手放した

それからあの声は聞こえなくなった。あの声が罰の紋章なのか、自分の本当の心なのかわからない
これで前の関係に戻れる…はずがなかった…

「ふぅむぅ……む、あむ…あふぅぅんん…」
ラズリル、元ガイエン騎士団の屋上にくぐもった声、壁際にズボンを下ろし天に向かって屹立した肉竿を咥え込む腰の刺青跡が痛々しい女性
一人はフォー、もう一人はキカだった
「んっ、あふ…む」
キカの舌がフォーの肉竿を舐め陰嚢をしゃぶり上げる
「く…キカさん…」
朱唇が裏筋をキスするように辿り、唾液の跡を残す。
「あく、んっ、あぐ…ジュプ、チュパ…うく…んっ、チュプ…チュパ」
キカはフォーのイチモツを愛しそうに愛撫し、唇と舌で懸命に奉仕する、
その首に首輪はない
「もう…出ます…!」
たちまち腰のあたりにゾクゾクする快感が押し寄せる、敏感なくびれを舐め上げた瞬間、たまらずフォーの悦楽の証を放出する、ビシャビシャとキカの顔を濡らす
「ああ……ステキ…フォーぉ…」
キカのうっとりとした至福の表情、それを見つめるフォーの困ったような優しい眼差し
仲間から、オスとメス、そして男と女…劇的に変化した二人の関係
けれどこれが、二人の見つけた唯一の居場所だった。

                        了

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