4主×キカ 著者:6_217様
凪いだ水面が穏やかに、巨大なゆりかごのように甲板を揺らす。
そこには両の手にそれぞれ木刀を持った二人が対峙していた。
一人は黒髪に赤いバンダナをした涼やかな瞳を持つ少年。
方や、鮮やかに赤みがかった長髪を持ち、スラリとした四肢をもつ女性。
「フォー! 切っ先から目を離すなよ!」
「キカ様! 一撃でのしちまえ!」
二人を取り巻く多くの人々が思い思いに声を浴びせる。
そんな環境でも当の二人は何も聞こえないかの如く、歩を進めていた。
少年は体の正面に据えた左の木刀を、目の前の女性に合わせる。
そしてそのまま時計周りにやや傾けると、瞬時に息を吸い込む。
同時に左足を力一杯踏み込み間合いを詰めた。
突きの要領で伸ばした左腕を牽制に使い、下段に構えた右腕を一気に薙ぐ。
しかし、女性は少年の踏み込みの半呼吸前ほどに体位置をずらしていた。
目測を誤った木刀が不自然に横切っていく。
そこからの女性の捌きは流水の如く―――
体の前後に独特に構えた左右の腕。少年から繰り出された薙ぎを軽く受け流すと、
不用意に懐に入りすぎた少年の右手を鞭のように打ちはたく。
顔を苦痛に歪ませつつも少年は返す形で左腕を打ち上げる。
だが、女性には届かない。
無常にも振り切る事なく受け止められると、女性は至近距離から少年の下腹部に
強烈な突きをお見舞いした。
堪えきれるわけは無く、鮮やかと言っていい程に少年は後方に吹っ飛んだ。
無様に伸びた四肢はまるで意思疎通がきかない。
立ち上がろうにももはやこうして空を仰ぎ見るだけの力しか無かった。
「そこまでだ」
女性の低い声が耳に届く。
「焦りは何も生まん」
そう声をかけると、女性はそばに控えていた少年の友人達に介抱を頼み、
自らは静かな足取りで甲板を離れていった。
少年―――オベル巨大船のリーダー、フォーは女性―――群島諸島に名を轟かす
女海賊、キカを力なく見送るしかなかった。
クールーク皇国がその手を伸ばさんとしている群島諸島。
それを阻止せんと各地で必死の抵抗を見せる人々の上に立っているフォー。
そんな彼が暗い表情を見せるのは一度や二度では無かった。
自らの力不足を何度痛感した事か。
請われるままにリーダーとなったとはいえ、自分が必要とされたのなら、
それに応えなければ皆を失望させてしまう。
そういった焦りを持て余したあげく、ある人物に相談を持ちかけた。
それが件の海賊キカ。
同じように双剣を操り、何よりも腕が立つ。
彼女の技量は生半可な腕ではまるで歯が立たなかった。
やはり、女だてらに海賊の頭を張っているだけの事はあった。
しかし時間は有限なのだ。できるなら一分一秒も無駄にしたくない。
そう思っていたのだが、どうやらそれも見透かされていたのかもしれない。
キカはフォーを労わるような言動は一切しなかった。
突き放しているわけではなさそうだが、かといって事細かに助言するというふうでもない。
そんな立会いが幾度となく繰り返された。
最初は心配する者もいたが、ここまでくるとフォーに徒に情けをかけるような者はいなかった。
それが覚悟というのなら。
しかし、そんな彼の奥底にある心の影を気づいているものはまだ―――
夜の暗い群青の波が後方甲板に打ち寄せる。
南からの風が緩やかに肌を駆け抜けてゆく。
昼間はいつも居るであろう漁師の二人も、流石に姿を消していた。
手すりにかけた手から伝わる船の軋み。即ちこの船に集う皆の心音。
フォーの目は水平の彼方を漂い、いつしか潮風に誘われ瞼が瞬いた。
呼吸を整え、腕の力を無駄なく抜く。
振り向きざまに素早く抜刀すると、昼間の甲板で行った動きを頭の中で繰り返す。
キカの動きを追えるようになったのはここ最近の事だ。
しかしついて行けるだけではやはりまだ話にならない。
その先が問題なのだ。彼女から繰り出されるしなるような双剣。
文字通り二本の牙の如く襲い掛かってくるのだ。まるで見えない。
そう考えるとため息しか出ないが、そんな事をしている暇は無い。
もう一度最初から―――
「休めと、言ったはずだ………」
再び耳に届く低く通る声。
振り向けば唯一の出入り口に寄りかかる人影。キカの艶やかな髪が揺れていた。
言葉無く佇むフォーに一歩ずつ近寄り、
「繰り返すが、焦りは何も生まん…」
そう呟き、甲板の手すりへと手を伸ばす。
フォーの両手に握られた双剣は主の望まぬ舞は舞わない。力なく切っ先が甲板を見つめる。
お互いの視線が絡み、漂う。
「励むのは構わん…、しかし、余りに儚い…瞳だな」
ふと体が後ずさったのは、声を掛けられる前か後か。構わずキカは続ける。
「果たしてそれは、使命ゆえか、それとも―――紋章か?」
フォーの左手の剣が強く強く握られ、グローブの下から淡く光が漏れる。
辺りの気配が瞬時に殺気立つ。禍禍しくも、数多の命を吸い上げてきた真の紋章。
そこに刻まれるのは連綿と続く犠牲の軌跡。
幾度となく夢夜にうなされ、己が命にも牙を突き立ててきた。
だが、まだフォーは生きている。まだ死ぬわけにはいかない。
キカは表情の読み取れぬ目の前の少年を見定めた。
あの日、自分に戦いの教えを請うてきたフォー。あの時はまだこのような目はしていなかった。
少なくとも、人々の意思を背負えるだけの器を切望する強固な瞳だった。
だがいつの頃からか、彼の目からはあの時には無かったものが映り始めていた。
罰の紋章―――
人から人へと渡り歩き、いくつもの灯火を消してきた紋章。
フォーもまた確実にその風に犯されていた。
意思を貫き続けるのは簡単な事ではない。その意思を紋章はあざ笑うように蝕んでゆく。
その兆候がいよいよ瞳に現れていた。
死。
キカもまた、哀れなる紋章に縁のある一人だった。
かつての同朋がその身を狙われてしまい、彼らの抵抗を一切許さずに紋章は命を喰らっていった。
聞けばその同胞を討ったのがフォー。
同朋もまた、このような目をしていたのだろうか。自分の見たことのない目を。
その目を見ているとキカもまた、自分の左手にもその紋章が宿っているのではないか、
という気を起させる。
だが、まだフォーは生きている。
生きて為さねばならぬ事が待っている。キカもその一人だ。
まだ死ぬわけにはいかない。
「一つ、聞きたかった事がある」
キカの言葉にフォーは視線を傾ける。
「あいつを……海賊ブランドを討ったのはその双剣か?」
応えるかわりに頭を振ると、フォーは言葉少なに語った。
あの時はまだこの双剣ではなく海上騎士団の剣を振るっていた。
そう、騎士団としての誇りとも言うべき剣。それを携えて海原を渡り歩く日々が待っていた。
しかし日常は破られた。
あの日、海賊ブランドを討ってから―――
忌まわしき紋章が団長のグレンに移り、彼を苦しめる日々。
挙句、その力に飲み込まれるようにして消えてしまった。
そして自分へ。
団長殺しの罪で騎士団を追われ、オベル王に拾われるまでの流浪の船旅―――
「おまえも………亡くしたのか、尊い人を」
キカの低い声が甲板を満たす。フォーは取り立ててその言葉に反応はしなかった。
「気にはなっていた。ガイエンの騎士団は確か双剣を教えてはいなかったはず………誰に教わった?」
痛い所を突く―――フォーにとってはあまり触れて欲しくは無い話題だった。
だが、彼女になら。
同じ使い手の彼女になら。
同じ縁のキカになら。
「その………団長、か」
聡い、余りに聡い一言にフォーの目からは一筋の雫がこぼれる。
騎士団から自らの身を省みず共に来てくれた友達もあえて、フォーの双剣には触れずにいてくれた。
一般の騎士団員とは違い、フォーは団長をはじめ幹部の住まう建物に住み込んでいた。
小間使いとして生きていた彼に、グレンは他の者には無いものを見ていた。
人を惹く力。そして海に生きる者としての力。
フォーならばいつか、自分達を屈辱の沼へ叩き落してくれた、かの「海神の申し子」を―――
その為ならば自分の全てを彼に伝えよう。そう誓い、あらゆる事をフォーへ託した。
その中に双剣術も含まれた。
それは彼ら二人しか知りえぬ秘匿の日々。
しかし、グレンは悲願を目にする事なく逝ってしまった。自分の目の前で。
無念いかばかりか。今でも彼の最後の言葉が耳から離れる事はない。
自分を案じ、謝りながら消えた「父」
もしかしたら全ては自分のせいなのではないか。
あの日、スノウの言う通りにブランドから逃げ出していればよかったのではないか。
紋章が見せる宿した人々の苦しみ。
家族を案ずる父親、絶望の果てに佇む幼き少年、そして海賊ブランド。彼もまた苦しんでいた。
カタリナ副団長の震えた声をその身に受けた時、してしまった事を全て後悔した。
だが時は戻らない。
戻らないのならせめて、団長の、「父」の無念を晴らそう。そして全てが終わったら自分も…
「傷を―――」
自分の言葉をさえぎるように囁やかれた声に、フォーは気を取られた。
気が付くとキカは目の前に佇み、フォーを見下ろしていた。月明かりに遮られその表情は読めない。
「傷を舐めあうのは敗者の行為。私は今までそう思ってきた」
雲の合間に月が隠れ、キカの目が一層鋭くフォーの視界に飛び込んできた。
それは今までの彼女では無かった。
瞳孔は窄まり、爛々と、だが虚ろに鋭く。
「だが―――」
キカの両手がフォーの頬に添えられ、意思を読もうとする彼の戸惑いを許す間も無く、キカはフォーと唇を重ねた。
ただ重ねるだけでは無い。己の意思を伝えるかの如く、柔らかく蠢き、フォーの唇を漂う。
そしてフォーの唇を割ったかと思えば、驚く暇もあらばこそ、素早く自らの舌をねじ込む。
もはやそこにあるのは蹂躙の一言。
唾液を注がんばかりに喰らいつくす。そう、かの紋章が命を喰らうかのように。
フォーは彼女の攻勢に身を任す事にしかできなかった。それは頭からつま先まで一つの意思が貫いていた。
今、自分は逆らってはいけないのではないか。
時間が逆流するかのように血液が流れてゆく。
口腔内を嬲るように、ねぶるように、そして、ひた走るようにキカはフォーを喰らい尽くす。
かすかに応えるようにフォーの舌も蠢く。キカはフォーを逃がさぬように手を、舌を走らせる。
実時間にすればそれほど経っていないであろうに、だが実感は伴っていなかった。
ふと。
キカは思い出したかのように唇を離す。離れがたく、一つに戻ろうとする力を堪えるのに必死な感がある。
フォーは見た、その目にある縁を。慈しみを。
「悲しみ、恐れ、それは今―――」
頬に添っていた両手がフォーの顔を覆う。
「お前が生きているから感ずるもの。紋章がもたらしているのでは無い。それは―――」
唇を撫でるその指は艶やかに、あの鋭い双剣を操るとは到底思えぬ細やかな指先。
「人である証、そして私はお前と同じく運命を共に歩む。同じ輪に取り込まれた者だ」
フォーの体を弄るようにキカの手は下へ、下へと降りていく。
肩、胸、腹、腰、そして強張りへ。
「罰という輪に。お前一人だけでは抜け出せないのなら、私が共に手を貸そう。だから―――」
呟き、ゆっくりと、ゆっくりとキカはフォーを横たえ、
「だから、もう泣くな………」
溢れんばかりの雫が伝い、彼の手から双剣がすべり落ちた―――
互いの流線が月夜に映える。
いつもなら水面に見える蠢く者達も、今は遠慮しているのか。
星が二人を覗き見る。
フォーを覆うキカの双丘はそれ程主張は激しくないが、確実に応えていた。
拙い愛撫も想う先に誘われ、体を強張らせた。
頂きにある二つの蕾を口と、片手で滑らせる。舌で転がし、指で弾き。貪るように、味わうように。
視線を上げれば、暗闇でもほのかに映える彼女の紅潮。
フォーにしてみれば勝手の分からぬ世界だが、ここは本能と想い任せてみよう。
結果は後でついてくる。
想い出したように彼女の唇を吸い、自らの焦りを抑える。
キカも落ち着かせてくれるかの如く応えてくれる。
手は忘れないように肌を弄り続けているが、彼女の下腹部周辺へと来るとどうしても手が言う事を聞かない気がしてくる。
左手に宿る紋章が彼女を―――
「気にするな………」
思うままに、想うままに、私を喰らえ。全てを受け入れよう。
気が付けば秘所にはしとどに溢れた液が跡を作っている。淫欲の満たされるのを待つ印。
指で触れればそこは摩擦の一切無い、襞の壁が男を飲み込む穴。
なぞり、ほじり、突き、震わし、嬌声を上げさせ、潮を吹かせ。
自らの強張りも声を聞くたびに一段と仰け反ってゆく。
先端の秘裂からは止め処も無く滴り落ちる同じく淫欲の印。
「私の想いも……」
呟き、キカはフォーと体を入れ替えると、その強張りを優しく撫で、慈しみ、嬲り、ねめまわす。
そして、自らの口内へ。
「んっ……」
唾液とも淫液ともつかぬ雫をこぼしながら、竿を強く扱いていく。
舌のざらつきは襞にも劣らぬ響きで亀頭を捌いていく。なんと淫靡な輝きか。
フォーは仰向けになった頭を少し上げると、その光景を目に焼き付けた。
後頭からちりちりと焼けるように神経がこげる。かのキカがこれ程に自分のモノを掬い、しゃぶり、舐めまわす―――
ふと視線が合った。
瞬間反らされたキカの目元に見えたのは、恥じ入る涙か、それとも。
だがそんな思考は長く続かなかった。キカは竿をしゃぶり上下に激しく擦りあげる。
今までは自分で慰めるしかない日々、しかもどこか罪悪感漂う行為でしかなかったが、
今自分が感じているものは天地の距離どころの差ではない。
これほどとは……
だが思う。今自分が感じている程に彼女は感じているのだろうか。
そう思うとやるせない半面、しかし快楽に飲み込まれる自分に気づく。
喉から喘ぐように息を吐き出す。段々、フォーの思考もいい加減になってきていた。
キカはしゃぶり上げると同時に、陰嚢への指使いも忘れてはいなかった。
撫でまわし、転がし、揉みしだき、震わせる。
フォーの口から聞こえる囁きに、迸りも近いのではないか。
どうだろう、一度想うままに口内で受け止めてあげようか、それとも。
ふと見ればフォーの両手が甲板をあても無く弄っている。
それをキカはそれぞれの手で捕まえると、強く指を絡め離さぬように握り締める。
フォーも気づいたのか喘ぎは変わらず、だがしっかりと握り返してくれる。
それを感じるとキカは一気に頭の上下を激しく、窄まりを強く、扱きたてた。
瞬間、フォーの竿が脈打つのが感ぜられ、陰嚢も強く戦慄いた。
キカの口奥に叩きつけられる余りに濃い白濁、そしてとどまる事を知らない量。
何度となく彼女の喉音が聞こえる。口内を犯し尽すフォーの精は、未だ休まりを知らない。
フォーの体から迸りが一段落したのは、果たしてどれ位経ったのか―――
「うあ…っはあ、は、は、んんっ!………」
手すりに上体を預けながら、キカは後ろから貫かれる勢いに声を漏らす。
フォーの強張りは止まる事を知らなかった。
口戯のお返しとばかりにキカを何度となく、思うように想うように突いてゆく。
彼女を悦びへと導いてゆく為に。
技術などは一切無いが、そこは若さの特権か。
「ん!……んん! はああっ……あああ!」
自分の先端から感じる痺れにフォーは喉を鳴らした。
キカも余りに声を上げすぎるわけにはいかないと頭では理解しているようだが、如何せん、理性とは正反対の世界だ。
そして漏れてしまうのは声ばかりではなく、フォーとつながる肉襞から止まる事なく零れ落ちる淫液。
ぽたぽたと甲板を犯してゆく。
「ふあ!! はああっ、ああ、ああ、んんんんんっっっっ!!」
お互いの潤滑液が肌を打ち付けるたびに跳ね上がる。
液にまみれたキカの秘壷内を力を込めて打ち付ける。
キカの脚がふるふると震えてくるのが、つかんでいる彼女の尻越しに伝わってきた。
自分も限界に近づいているのが分かる。先ほどから背を走る脊髄が何度も焼けているのだ。
キカの背を優しく撫で、彼女の髪を軽くつまむと、惚けながらも、キカは後ろを向き、フォーと視線を絡めた。
紅く染まった顔から伝わる彼女の想い。
恐らく自分も同じ表情をしているのではないだろうか。
フォーはそう想いながら手を背中越しにキカの胸へ伸ばし、より強く、強く揉みしだいた。
キカの嬌声が一層強くなる。
流石にこれ以上声が大きくなると、密なる逢瀬ではすまなくなるのではないか―――
頭のどこかでそう想像しながら、その瞬間は訪れた。
腰に力が入らなくなる。キカの襞奥へと、奥へと、叩き込み―――そして、
「イっっっっっっ……………っっッッッッッックウウウウウ……!!」
視界に映る闇夜の水面。
そこに漂う巨大船ともう一つ、連なるように停泊している海賊船グリシェンデ。
フォーとキカは身なりを整えると、静かに上部甲板へ出てきていた。
落ち着いて考えればとてつもない事をしでかしてしまった感があるが、当のフォーもキカも
どことなく達観した雰囲気があった。
常から周りをあまり気にしない二人だけに、周囲もそれを察しているような所もあった。
遠謀なる軍師はフォーのそういう所を「足元が危なっかしい」と評していたが、明日からは
多少雰囲気が変わっているのをいち早く感じ取るかもしれない。
「フォー…」
キカの小さな声に耳をそばだてる。彼女は目前の自船、グリシェンデを見つめながら呟いた。
「男は船、女は港―――と言ったりするが……」
そういって振り向き、自らの立つ巨大船を眺める。
「そういう意味では私もお前も言わば船。共に蒼海を駆け抜ける魂の宿り木」
呟き、改めてフォーに目を向ける。
確固たる意思をもった瞳、そこには先ほどの淫靡なる響きなど捨て去った誇り高き義賊の志。
そうか。
これがかの高潔なる「海賊キカ」。視線にて対峙するものを殺傷しうると言われる瞳。
「共に戦おうぞ…」
「戦いが終わるまで私はお前の側で駆け抜ける」
「そして、いつか―――」
その先を呟いたのは、どちらだったか―――
FIN