ホワイトデー(5主人公×リムスレーア・ミアキス・リオン) 著者:アホキチ様

序章 バレンタイン

――1ヵ月前
僕が部屋に1人でいると、突然リムが部屋にやってきた。
「殿方の部屋に勝手に入るなんてはしたないですよぉ」などと言いながら、リムの護衛のミアキスも一緒に入ってきた。
「兄上、今日はバレンタインなのじゃ!」
リムは何かを後ろ手に隠しつつ、体をもじもじさせながらそう言う。
「え?う、うんそうだね。あぁ、リムもチョコくれるのかい?」
「…『も』?もとはなんじゃ。もう誰かにチョコをもらったと申すのか!?」
急に怒り出すリム。コロコロと表情が変わって見てて飽きない妹である。
「うん。さっき母上から貰ったけど…それがどうかした?」
「な、なんじゃ。母上からであったか。びっくりしたではないか」
リムは胸に手を当てて、ほっと安堵する。
「あらあら、良かったですねぇ。王子が本命チョコを貰ったりしてなくて」
ミアキスがそんな風に混ぜっ返すと、リムはまたしても顔を真っ赤にしてわめき始めた。
「ななな何を言うかミアキス!わらわは別にそんなつもりで言ったのではない!」
「駄目ですよぉ姫様。兄妹は結婚できませんから、王子に本命を渡しても恋が実ることはありませんよぉ」
まったくミアキスの妹いじりにも困ったものだと僕はこっそり苦笑する。
「じゃから違うと言ってるであろう!…ほれ、兄上。ぎ、義理じゃ。さっきミアキスと一緒に作った」
そう言いながらリムは、ぎゅっと握り締められてくしゃくしゃになった小袋を手渡してくれた。
中を覗くと、そのチョコは義理と言いながらハート型をしている。
王子「ありがとう。嬉しいよ」
「………(////)」
しばし見詰め合う僕とリム。そこへタイミングを見計らったように、ミアキスが小さな袋を渡してきた。
「はい、王子。私からも義理チョコですぅ。お返しは10倍返しでいいですよぉ」
「…アリガト。思いっきり『義理』ってコーティングしなくてもいいと思うんだけど…」
「あら、だって勘違いされたら大変じゃないですかぁ」
こいつは…。絶対楽しんでやってるな?
「ミアキス!よ、用が済んだら帰るのじゃ!」
「あら?いつもだったら王子の側にずっと居たがるのに、恥ずかしいんですか?」
「う、うるさい!早よう帰るぞ!」
リムとミアキスが帰って、ようやく僕は一息つくことが出来た。
ところで、今日はリオンの姿をみない。どうしたんだろう。
「…あれ、机の上に何か置いてある…チョコ?贈り主の名前がないけど……
 もしかしてリオンかな。今日はなぜか姿を見なかったし。……ありがとう、リオン」

――そして3月14日
「ホワイトデーか…どうやってお返ししようかな……」
と、その時!不意にエロスの紋章の化身が(脳内に)降臨した。
『ホワイトデー、つまり白い日だ。白といえば精液。精液をぶっ掛けて女たちを白く染めてやるのだ。さぁいけ王子よ!』

次回、第1章 リムスレーア
まだ幼い妹に対して王子は一体どうするのか!

第1章 リムスレーア

リムの部屋ヘと向かう僕は、いつもと違ってひとりだ。
いつも後ろを付いてくるリオンは、女王騎士の詰所に行っていていない。
つまり、リムにあんなことやこんなことをするチャンスは今を置いて他にない。
「でも、リムはまだ幼いからな。あまり激しいプレイは可哀想だし…」
僕は懐に隠し持った小さなコップをぎゅっと握り締めた。

「リム、いるかい?」
「おぉ、兄上!今ちょうど1人なのじゃ。退屈じゃ〜、話し相手になって欲しいのじゃ」
そう、この時間はミアキスも女王騎士の詰所にいるはずなのだ。
しかしあまり時間はない。ミアキスはリムの護衛が仕事なので、詰所にいる時間は短いからだ。
「今日はミアキスが」とか「今日の父上は」とか話し始めるリムを制して、僕は隠していた小さなコップを取り出した。
「リム、珍しい飲み物を手に入れたんだ。飲んでみないか?」
コップの中には白いドロドロした液体が少量だけ入っている。
中身はもちろん僕の精液だ。
「変わった飲み物じゃな…それにこれだけしかないのか」
「これは貴重な飲み物なんだ。1日にこれの何倍かの量しか取れない」
「ほぅ、それは随分と少ないものじゃのう。どれ、ちょっと匂いを…」
リムはコップを鼻に近づけ、くんくんと臭いをかぎ始めて…顔をしかめる。
「なにやら妙な匂いがするぞ。悪くなっておるのではないか?」
「ううん、さっき取ったばかりの新鮮そのものだよ。元々そういう臭いなんだ」
「む〜〜〜」
コップの中の白い液体とにらめっこするリム。
僕が持ってきたのでなければ、正直に飲みたくないと言っていただろう。
でも持ってきたのが僕だから断りにくいのだと思われる。
我ながら、兄思いの妹の気持ちを利用しているようで心が痛むなあ。
「さあ、これっぽっちだから一気に飲んでみようよ。それに、この液体はタンパク質が豊富で美容に良いんだって」
「び、美容に効くのか…兄上はわらわが綺麗になった方が嬉しいか?」
「そりゃもちろん。リムは僕の自慢の妹だからね」
「そうか!…わかった…の、飲むぞ」
リムは恐る恐るコップを口に運ぶと…目をつぶって中身を一気に流し込んだ。
…つもりだったのだろうが、その液体は粘度が高くて中々流れてこなかった。
中身を全部口に入れたつもりでリムがコップを口から離すと、まだ残っていた精液が糸を引いて垂れる。
「ん、んむ〜〜!?」
口の端から精液を垂らしながら、なにやら呻いているリム。
予想以上に味が不味かったのか、飲み込むに飲み込めないのだろう。
精液を口に含んで目を白黒させる妹の姿は実に可愛らしかった。
「リム、どうしても飲めなかったら吐いてもいいよ。リムのためにと思って持ってきたけど…口に合わないなら仕方ないから」
「ん〜、ん〜!」
思ったとおり、リムは頭を横に振った。飲み込むつもりらしい。
うーん、何てけなげな妹なんだ。
小さなのどをこくりと鳴らして僕の精液を飲み込むと、リムはのどに手をやりながら言った。
「な、なんかのどに引っかかる感じがするが…全部飲んだぞ」
「美味しかった?」
また意地悪な質問をしてみると、リムは一瞬言葉に詰まるがぎこちなく笑って答える。
「そ、そうじゃな。変わった味じゃったが……そう、不味くはなかったぞ。うん。
 でもそんな貴重な飲み物は手に入れるのも大変じゃろう。もう無理に手に入れなくてもよ…」
「実はもう一杯あるんだ」
「い……」
ハトが豆鉄砲を食らったような顔で、リムは硬直した。

目隠しをされて、不安げな顔できょろきょろするリム。
「兄上、まだそこにおるのか?」
「大丈夫、ちゃんといるよ」
僕はリムの前に立つと、下半身をでろリと露出させた。
つまりはこういうことだ。
あの液体はある動物から出るミルクのようなもの。
今からその動物をつれて来るから、絞りたてを直接飲ませてあげよう、という計画だ。
なんで目隠しさせたかは深く突っ込んではいけない。
妹は僕には素直なので、適当にごまかしたらあっさり目隠ししてくれた。
「はい、手を伸ばしてー」
「う、うむ…」
「それを握って」
「あ、暖かいな…それになにか……だんだん硬くなってきたぞ」
「う…そう、優しくしごくんだよ…」
ぎこちない手つきで僕のペニスをしごき始めるリム。
テクニックも何もあったものじゃないが、リムの小さな手で優しく握られているというだけで十分だ。
「な、なにかびくんびくん脈打っておるぞ」
「ああ、気持ちが良いから…じゃなくて、ミルクが出る前はそうなるんだよ」
「そ、そうか…。ん?なにか先端が濡れているような気がするのじゃが…ぬるぬるするぞ」
リムは亀頭の先端をぷにぷにと触りながら、先走り液をぬちゃぬちゃといじっている。
「あ、ああそれはミルクが出る前にそういう液が出るものなんだよ」
リムの手は既に先走り液でべとべとになっているので、それが潤滑油のようになってとても気持ちがいい。
「そう、いいよ…先端の部分をもう少し念入りに……うっ…そ、そうそう上手だよ…」
「兄上…まだ出ぬのか?」
ずっと目隠しをされていて不安になってきたのだろうか。
リムは心細げにそう言った。
もう少し妹の手の感触を楽しみたかったけど、これ以上時間をかけてミアキスが戻ってきてもいけないし…
「わかった。じゃあ、もう少しだけ強く握ってみて…」
「こ、こうか?」
リムの手にほんの少し力が入る。
柔らかな妹の手のひらの感触が、さっきまでよりも強く感じられて、快感の波が急激に押し寄せてきた。
絶妙の力加減で握られて、思わず腰の力が抜けそうになる。
「あ、あ…リム、そろそろ出そうだよ。口を開けて」
「う、うむ…」
リムがその小さな口を開けるとほぼ同時に、僕はリムの可愛い顔に精を放っていた。

「あ、兄上ぇ……」
「あはは、ごめんごめん。すぐに拭いてあげるから」
放たれた精液はリムの口には上手く入らず、もろに顔射する形になってしまった。
白濁に汚されたリムの顔をもう少し眺めていたいけど、リムが泣きそうな顔をしているので早く拭いてあげることにした。
「はい、これで綺麗になった。あとで顔をよく洗っておけば、臭いも取れると思うよ」
「ありがとうなのじゃ」
髪にはほとんどつかなかったから、たぶんこれで大丈夫なはず。
ひと段落したところで、精液の感想を聞いてみた。
「ところで…どうだった、ホワイトデーのお返しは?」
「え……そ、そうか。今日はホワイトデーであったか。すっかり忘れていた。
 …わらわは忘れていたのに、兄上はちゃんと覚えていてくれた…それだけで嬉しいのじゃ」
この無邪気な顔を見ていると、なんだか心が痛む。
こんな無垢な妹を騙すなんて、僕は何てことをしてしまったんだろう。
「姫様ぁ、ただ今戻りましたよぉ」
「あ、ミアキスが帰ってきた…じゃあ僕はもう行くから。今日の事はみんなには内緒にしといてね」
「ん? なぜじゃ?」
なぜと言われても…そうだなあ、何てごまかそうか。
「えーと…あぁ、そうだ。僕がリムのために特別な飲み物を手に入れたなんて知ったら、
 またミアキスにからかわれるんじゃないか?『らぶらぶですねぇ』とか言われたりして」
「む〜〜〜、ありえるのう。わかった、ミアキスには内緒にしておこう」
「ナニが内緒なんですかぁ?」
部屋の戸を開けてミアキスが入ってくる。
「な、なんでもないぞ。何も隠し事などしておらぬ」
あちゃ〜、それじゃバレちゃうよ……
と思ったのだけど、ミアキスはあっさり引き下がってくれた。
「そうですかぁ?あら王子、姫様とお話でも?」
「いや、もう帰るとこだよ。じゃあね」

僕は足早に妹の部屋を後にする。
しかし…リムを騙したと思うと、今さらながら罪悪感が…
どうやら脳内エロスの紋章よりも、妹への愛情の方が勝っていたらしい。
ごめんね、リム。

次回、第2章 ミアキス
突如部屋にやってきて、リムとの行為を詰問するミアキス。
あのことがバレていたのか?どうする王子!

第2章 ミアキス

リムの部屋から戻ると、僕の部屋の前にリオンが待っていた。
「あ、王子。ただいま戻りました。姫様のお部屋に行かれてたんですか?」
「うん、ちょっと用があってね。お勤めご苦労様」
さーて、お次はリオンにお返しをしようかな。
「じゃあリオン、ちょっと僕の部屋で話でもしようよ」
「はい」
僕の企みに気づく様子もなく、リオンは部屋に入ってくる。
よーし、後は部屋の鍵をかけてしまえば、多少強引に迫ってもすぐには逃げられ…
「王子ぃ。いらっしゃいますかぁ?」
……これからって時に…あの声と喋り方はミアキスだな?

「やあミアキス。リムの側にいなくていいのかい?」
「姫様はお昼寝の時間です。侍女に見てもらってますのでご心配なく」
ミアキスはずかずかと部屋に入ってくると、僕の顔をじっと見つめた。
…なんだなんだ?
「王子ぃ、私がいない間、姫様のお部屋で何をなさってたんですかぁ?」
うっ…!まさかリムが何か言ったのかな?
「な、何をって…?」
「姫様のお部屋が『イカ臭かった』んですけどぉ」
しまった…リムの顔を拭いた紙をそのまま部屋のクズカゴに捨ててきちゃったんだ。
「…?いかくさい…ってなんですか?」
どうやらリオンは『イカ臭い』が何のことか分かってないようだからとりあえず安心だけど、いつバレるかわからない。
その前にリオンを部屋から出してしまおう。
「あ、リオン。ちょっとミアキスと大事な話があるから、席を外してくれないかな」
「え……はい。あの…私には聞かせられないお話なんですか?」
リオンはわずかに眉を下げて、悲しそうな顔をする。
うぅ、またしても罪悪感が。
と、意外なところから助け舟が出された。
「リオンちゃん、私からもお願いします。とっても大事なお話なんですよぉ」
「…………わかりました」
明らかに消沈した様子で部屋を出て行くリオン。
ごめんよリオン。あとでホワイトデーのお返しあげるからね。
「さて王子。姫様とナニをしてたのか…事細かに白状してもらいますよぉ」
マズイ、目が本気だ。
えーい、こうなったら!
僕はミアキスの腕を掴むと、ベッドに押し倒した。

「大人しくしてもらうよ、ミアキス。僕のホワイトデーのお返しを素直に受け取ってくれれば…んむ!?」
言葉の途中で、僕はミアキスに口をふさがれた。ミアキス自身の口で。
僕はそのまましばらくキスを続けたかったけど、その気持ちをなんとか振り払って彼女から唇を放す。
「ぷはっ…ど、どういう……」
「自分から押し倒したくせに、往生際が悪いですよぉ」
「なっ…」
なんかいつの間にか主導権を握られている気がする。
当初の計画だと僕の方から強引に唇を奪うはずだったのに…
「それにしてもさすがに王子は若いですねぇ。さっき姫様のお部屋で出したばかりなのに」
「…い!?」
やっぱり気づかれてる!?
リムを相手にあんなことをしてたのをバッチリ見られてたのか〜!
「でも王子、いくら溜まってたからって実の妹君を相手にあんなことをしちゃ駄目ですよぉ。
 本番まではいかないみたいだったから黙って見逃しましたけどぉ、もし一線を越えようとしてたら…」
…こ、越えようとしてたら?(ガクガク)
「……うふふ、ナイショです」
うぅ、目が怖い。
「だ・か・らぁ。そういう時はちゃんと言ってくだされば、私がお相手しますから」
「…………………え?」
何を言ってるんだミアキスは?
私が相手をするって…つまり、そういうことの相手をしてくれるの?なんで?
「なんで?ってお顔ですねぇ。実は王子の護衛が女なのは、そういう役目をさせるためもあるからなんですよぉ。
 リオンちゃんはまだ子供ですから、そういう役は早いですけどねぇ。でも、今のうちから王子の側にいれば、
 いざ、そういうことをする時に抵抗が少ないじゃないですか?」
「……は、はぁ」
「私はリオンちゃんが大人になるまでの代用品ですけどぉ、お役目はしっかり果たしますから」
「で、でもそんな話聞いたことないんだけど…」
確かに昔話に登場するような国だったら、そういうのがあってもおかしくないけど…
って、ファレナは歴史が長い国だから、昔からの伝統でそういう制度が残ってるのかなあ。
「さて、あんまりリオンちゃんを待たせても悪いですから、早めに終わらせちゃいましょうねぇ」
僕が考え事をしているうちに、いつの間にか服を脱がされ始めていた。
抵抗する暇もなく、あっという間に裸に剥かれてしまう。
「わぁぁぁぁ、ちょ、いきなり全部脱がさなくても!」
「あらぁ?着たままでする方がお好きですかぁ?ちょっとマニアックですよぉ、それって」
「そういうことじゃなくて!」
「大丈夫ですよ。私もちゃんと脱ぎますから」
あーもう、僕の反応をいちいち楽しんでるよなぁ、絶対。
でも、当初の予定とはかなり違うけど、結局やることは同じなわけで…これでも別にいいか。

……って、いいわけあるかー!
僕は服を脱ぎかけのミアキスの上に勢いよく覆いかぶさると、身体を押さえつけながら服を強引に脱がしていく。
「あっ、ちょっ、王子、そんな乱暴な…」
ミアキスは少し抵抗してみせるが、僕はそれを無理やり押さえ込む。
いつもからかわれたりしてるミアキスに、こんな時までリードされてたまるか。
「あん、駄目ですってばぁ…服が破けちゃいますぅ」
「女王騎士の服はそう簡単には破れないから大丈夫だよ」
そう言いながら僕はすっかりミアキスの服を剥いで下着一枚にしてしまうと、まずは彼女の首筋を責めてみた。
ぺろぺろ舐めてみたり、つつーっと舌を這わせてみたり。
「はぅっ、ひゃっ」
「ミ、ミアキス?」
いつもと違うミアキスの嬌声に、僕は戸惑ってしまう。
見ると、ミアキスは頬を赤くして息を荒げている。
「…首、弱いの?」
「…」
やや潤んだ目で僕を見ながら、こくりと小さく頷くミアキス。
そうかそうか、首が弱いのか。
「じゃあ、もっと念入りに舐めちゃおうかな」
「あっ、やめてくださいぃ。本当に弱いんですぅ」
首をしつこく責められて力が抜けてしまったのか、もうミアキスは抵抗してこない。
僕は舌でミアキスの顎のラインを舐めながら、空いた手で彼女の胸に手を這わせる。
大きくはないが小さくもない、程よい大きさの胸。
その感触があまりに気持ちよくて、僕は首筋を責めるのも忘れてそっちに夢中になってしまった。
「あらあら…王子はおっぱいが好きなんですかぁ?うふふ、そんなに夢中になっちゃってぇ」
う…バカにされてる気がする。
ミアキスはまだ頬を赤らめているものの、その瞳はいつものそれに戻っている。
ここでペースを取り戻されてたまるか。
「まだ余裕があるみたいだね…そんな生意気なことを言う口は…こうだ」
「んっ…!」

僕は今度こそ自分からミアキスの唇を奪うと、むさぼるように唇を重ね合わせ、舌をねじ込んで彼女の舌と絡めていく。
彼女の舌もそれに答えるように、僕の方に絡ませてくる。
「…んんっ……ぁっ…んぅっ……」
キスを続けながらミアキスの下着に手を伸ばすと、その秘所は湿り気を帯びてきていた。
「…ふふっ、濡れてきているよ」
「王子ぃ…キス、お上手なんですね……感じちゃいましたぁ」
「そう?……じゃあ今度は、こっちにキスをしてあげようかな」
僕はミアキスの下着を脱がせてしまうと、彼女の秘所を舌で舐めた。
「あんっ、そっちはダメですぅ…」
ダメと言いながら抵抗しないミアキスをいいことに、僕は執拗に舌を動かし続ける。
割れ目の入り口に舌を這わせてみたり、舌を突っ込んで中をかき回してみたり。
そうしているうちに、彼女のそこはねっとりとした液体で洪水のようになっていた。
「さて、そろそろ…入れてもいいかな?」
僕がゆっくりと腰を近づけていくと、ミアキスは潤んだ瞳で僕を見ながらそれを制した。
「ま、待ってくださいぃ…」
「ん?いまさら止めてなんて聞けないよ」
「そ、そのぉ…私、初めてなんですぅ……だから、そこは……その…」
「え、初めてなの?」
とてもそうは見えない。
「っていうか、王子の側にいるのが女なのはそういう役目をするためじゃなかったの?」
「あれはそのぉ…王子をちょっとからかおうと思って言った嘘なんですぅ、ごめんなさいぃ」
やっぱり嘘なんだ。どうも変だと思った。
「ふーん、嘘ついたくせに、いざ本番ってなるとカンベンしてくださいってわけ?」
「本当にすみません…」
「まぁそれはいいけどさ、これ、どうしてくれんの?」
僕は自分の硬くなったペニスを指差した。
「……そ、そのぉ、口でよろしければぁ、させていただきますけどぉ…」
「口ねぇ…まぁいいか。じゃあお願いするよ」
「…はい」
ミアキスは僕の前に四つんばいになると、ゆっくりと僕のペニスを口に含んだ。
綺麗な背中だなぁ。鍛えられてはいるけど、それでいてしなやかで…肌が白くて…
そんなミアキスが僕の前に膝を着いてフェラチオしている…
僕はそれだけでたまらないというのに、彼女はどこで覚えたのかテクニックも上手かった。
舌先だけで亀頭の先端を舐めてみたり、裏筋を念入りに責めてみたり、口の奥まで咥えこんでみたり…
キスの時も思ったけど、舌使いもとても上手で、カリ首を舌で攻められたりすると背中が痺れるほどの快感だった。
「ちょっ、すご……ミアキス…もうちょっとゆっくり……」
「んふっ…ちゅぱっ……んんっ…」
ミアキスはいつの間にか、フェラチオをしながら自分で自分の秘所を慰めている。
腰をくねらせながら僕のペニスを咥え込む様は、とってもいやらしくて素敵だった。
「ミ、ミアキス…もう出そうだよ……あっ…」
「…っ…まっ、待ってくださいぃ。私も一緒にイキますからぁ」
そう言われたら、男として先にイッてしまうわけにはいかない。
僕はなんとか射精を堪えながら、ミアキスの絶頂を待つ。
「んっ…王子ぃ、そろそろ私も……んぁっ…」
「あぁ……く、口に出すよ……」
「んんっっっっ!!」
僕がミアキスの口の中に射精するのとほぼ同時に、彼女も身体を震わせてぐったりと崩れ落ちた。
そして口の中の精液を飲み下したミアキスは、にっこりと笑った。
「王子、お疲れ様でした…」

「ところで王子…ホワイトデーのお返しとか言ってましたよねぇ。あれって何か意味があるんですかぁ?
 お返しなんてただの口実で、王子がばっちり性に目覚めちゃったのかと思ってましたけど」
性に目覚めたって…まぁ、意味分からないのも当然か。
だから僕は、この馬鹿馬鹿しい計画を話してあげた。
「ホワイトデー、つまり白い日に、精液という白い液体をお返ししたわけだよ」
「…………」
あ、マズイ。怒ったかな。
でもこれを言っとかないと意味わかんないだろうしなあ…言っても意味が分からないという説もあるかも。
ミアキスはしばらく黙っていたが、やがて肩を震わせながらふきだした。
「……ぷっ、なんですか、それ?オヤジギャグじゃないですかぁ」
クスクスと笑い続けるミアキス。
馬鹿げてると自覚してるからこそ、笑われると非常に恥ずかしいんだけど…
「なーんだ、てっきり王子が片っ端から女を犯して回る鬼畜になっちゃったのかと思いましたよぉ」
「……それはさすがに酷いなぁ」
でも、やってることが鬼畜なことには変わらないか、我ながら。
「…わかりました。王子も男の子ですし、たまには強引に女の人を押し倒したいこともあるでしょう。
 今日のことは姫様にされたことも含めて目をつぶりますよ」
僕としては助かるけど、それでいいのか?
「それに…」とミアキスは続ける。
「…さっきも言ったように『したく』なったらこれからもお相手してさしあげますよぉ。口以外でも、ね」
「え…?だって初めてなんじゃ……」
僕が驚いてミアキスを見ると、彼女は意地悪く言った。
「…う・そ・で・すぅ!そんなはずないじゃないですかぁ」
「だ、騙されたの……?でも、なんでそんな嘘…」
もう何が本当なんだか分からなくなってきた。
ミアキスはイタズラっぽく笑うと、僕のおでこをツンとつついた。

「だってぇ、王子は本当に初めてでしょぉ?」
「あ…バレてた?」
「そりゃもちろん。何度もしたことある人だったら、私が初めてじゃないって見抜けると思いますよぉ。
 それに、必死に主導権握ろうとしてましたよねぇ…うふふ」
おかしくてたまらないといった様子でくすくす笑うミアキス。
うぅ、恥ずかしい。
「それでですね、王子はリオンちゃんにもお返しするんですよねぇ」
「うん、まぁ…」
「だからぁ、初めてはリオンちゃんに上げてください。王子の初めてを、
 いつも王子の側にいるリオンちゃんから横取りする権利は私にはありませんからぁ。
 あ、でも初めて同士なんですから、がっついたりしないでちゃんと優しくしてあげてくださいねぇ」
「は、はい」
「最初はしちゃおうと思ってたんですけどぉ、王子が初めてだって気づいてからはためらっちゃいまして。
 だって、やっぱりリオンちゃんに悪いじゃないですかぁ」
…結局、全部ミアキスの掌の上だったってワケか。
なんだかなぁ…まぁいいけど。
「でも……」
ミアキスは急に真面目な顔に戻ると、怖い声で言った。
「姫様にあんなことするのはもうやめてくださいねぇ」
う、やっぱり怒ってるのかな。
「う…うん、もうしないよ……………たぶん」
「や・め・て・く・だ・さ・い・ね!」
ひー、マジで怖いです。フェイタス河に沈められそうな勢いです。
「はい、わかりました!」
「よろしい。……するんなら、騙したりしないで正直にやってください」
「…はぁ?」
「それならちゃんと応援しますよぉ」
前からそうだったけど、ミアキスがなに考えてるのかさっぱりわからない…

さて、あまりリオンをほったらかしておくのも可哀想なので、ミアキスはそろそろ部屋に戻ることにした。
しかし彼女は、去り際に恐ろしい言葉を残していったのである。
「チョコのお返しに精液って言いましたけどぉ、リオンちゃんにお返しするのはともかくとして、
 当然、陛下にも同じようにお返しするんですよねぇ」
「……はっ、しまった!」
母上にもチョコを貰っていたんだった。
エロスの紋章が頭を支配してたせいで、エロ以外のお返しのことはちっとも考えてなかった!
「陛下だけお返し無しじゃあ可哀想ですから、ちゃーんとお返ししないといけませんよぉ」
「ごめん、許して……焼き殺される……」

第3章 リオン

夕方、ミアキスとの情事を終えた僕は、隣のリオンの部屋へ向かった。
結構長く待たせちゃったから、早く行って謝ってあげないと。
「リオン、いる?」
扉を軽くノックすると、すぐに返事が帰ってきた。
「は…はい、今開けます」
「やあ、さっきはミアキスが来て話せなかったから、今度はリオンの部屋で話そうかと思って」
「そうですか。どうぞお入りください」
僕はリオンの部屋に入ると、勧められるままに椅子に腰掛ける。
そして、僕の正面に座ろうとしたリオンを制して、隣に座るように促した。
「こっち、座りなよ」
「あ、はい…」
少し戸惑いながらも、リオンは大人しく従った。

そのまま僕たちは少しの間話をしていたのだけど、どうもリオンの様子がおかしい。
うわの空と言うか、別のことを考えているみたいだ。
「どうしたの?さっきから様子が変だけど」
僕がそう聞いてみるが、リオンはなんでもないという風に首を振る。
「な、なんでもありません…」
「なんでもないってことないだろ。話もちゃんと聞いてないみたいだし」
僕がさらに食い下がると、リオンはためらいがちに口を開いた。
「申し訳ありません…個人的なことですから、王子にお話しするようなことでは…すみません」
そう言いながらリオンは俯いてしまう。
たぶん、リオンにとっては重要なことなんだろうと思う。
「全部じゃなくてもいいから、話せるとこだけ話してみてよ。何か力になれるかもしれないし」
「……そ、そうですね…。王子は…誰かを好きになったことはありますか?」
いきなり重い質問だ…。リオンが誰かを好きになって悩んでるってことかな?
誰だろう…ちょっと気になる……いや、凄く気になる。
「誰かを好きに…?それはリムのことを好きとかじゃなくて…」
「はい、そういうことではなくて……その、異性として、というか…」
だんだん声が小さくなっていく。
かなり深刻な悩みなのかな。
なんだか可哀想になってきたなあ。
「でもその方は私なんかとは身分が違って…いえ、これ以上はもういいです…」
身分?女王騎士見習いのリオンと身分が違うってことは…大貴族の連中とか?
いやだなぁ、そんな奴らにリオンを取られたくない。
取られるくらいならいっそ…僕が先に奪ってしまえば…

「リオン、ちょっとそこに立って」
「え?はい…こうですか?」
リオンは憂いを秘めた表情のまま僕の前に立っている。
僕はリオンの背後にゆっくり回ると、その背中にいきなり抱きついた。
「きゃっ…お、王子!?」
「ふふっ、驚いた?」
「な…なにを…?」
驚いているリオンに、僕はまずバレンタインのことを切り出した。
「バレンタインの日に、机の上にチョコを置いてくれたのはリオンだろ?」
「あ…気づいて、くださってたんですね」
肩越しに見るリオンの頬が、心なしか赤くなっているような気がする。
「なんでじかに渡してくれなかったの?」
「……私はただの護衛ですから…そんな差し出がましいことはできません…」
「そんなことなら別に気にしなくても良かったのに」
いつも一緒にいるんだから、ねぇ。
…ん?護衛と王子……ってのも身分が違うってことなのかな?
僕の中で生じた疑惑は、瞬く間に膨れ上がっていく。
リオンは僕といつも一緒だ。
そのリオンが好きな人がいると言ってきた。
その相手は身分が違うという。
…………あぁ!なるほど!

とりあえず(思い込みかもしれないけど)僕の中で答えが出たので、その辺を突っついてみる。
僕はリオンに抱きついたまま、彼女の耳に口を寄せる。
「本当は恥ずかしかったからじゃないの?」
それを聞くと、リオンは顔を赤くして首を振った。
「そそ、そんなことは……ありませんよ…」
「本当に?嘘は良くないよ」
僕はリオンをこちらに向かせると、その瞳を覗き込む。
あらら、リオンの顔がどんどん赤くなっていくよ。
「お、王子……」
「ふふっ、真っ赤になっちゃって…可愛いね」
「…か、からかうのはやめてください……」
もうちょっといろんなことを言って反応を楽しんでみたいけど、この辺で本題に入ろうかな。
僕は改めてリオンを正面から見つめると、背中に両手を回してそっと抱きしめた。
「あっ………」
リオンは一瞬だけそのまま僕に身を預けそうになったけど、護衛としての理性が働いたのだろう、すぐに僕から離れようとする。
「王子、だめです……」
「…リオンは僕が嫌い?」
意地悪な質問をしてみる。
答えは分かりきっているのに。
「…嫌いなわけ…ないじゃないですか……でも、それとこれとは…」
「じゃあ好きなんだ?」
「そ、そういうことじゃなくてですね……」
なんだかんだ言っても、リオンは僕に抱きつかれたまま腕を振りほどこうとはしない。
「……僕は君が好きだよ、リオン」
「………王子…?」
「護衛としてとか、友人としてとかじゃない。異性としてリオンを愛してる。
 リオンがどこの誰を好きなのかは知らないけど、僕は君を渡したくない」
「王子……わ、私も……」
「……リオン…」
僕たちはしばし無言で見つめあう。
やがて、リオンの腕が僕の背中にも回され…
どちらからともなくその距離が近づいていき…
僕の唇とリオンの唇が重なり合う瞬間……

「兄上〜、兄上はおらぬか!」
「ダメですよぉ姫様ぁ、王子はいま大事な用が……あら?」
部屋に乱入してきたリムとミアキス。
二人の前で抱き合っている僕とリオン。
「あらあらあらあら…これからいいとこだったんですねぇ」
「な、なななな何をしておるのじゃ!」
口を押さえて笑うミアキスに、頭から湯気をふきだしているリム。
リムは僕たちの間に割り込んでくると、強引に離れさせた。
「兄上!こ、こんな時間から…えーと……その…だ、抱き合うなどとは何事じゃ!
 リオン、そなたもじゃ!そちは護衛であろう!?それが兄上と…兄上と……」
「…も、申し訳ありません!」
リオンは思いっきり頭を下げてリムに謝っている。
あーあー、もう少しだったのに。
「姫様、せっかく良いところだったのに邪魔しちゃダメじゃないですかぁ」
「い、いいい良いところとはなんじゃ!あのまま放っておいたら……ど、どうなったんじゃ?」
「あら、興味ありますかぁ?じゃあ私たちは退散して、後は若いお二人に任せるということでぇ」
と、ミアキスはリムの背中を押して部屋を出て行った。
と見せかけて、扉の隙間から部屋の中を覗いているのがバレバレだ。
「姫様、ミアキス様…やめてください……」
「え?ここには誰もいませんよぉ」
「そうじゃ、早く続きをせぬか!」
っていうか思いっきり喋ってるし…
僕はリオンの耳元に口を寄せると、そっと呟いた。
「じゃあ、今夜遅くなってからまた来るから」
「…………あ、あの、その……」
「そこでキスですよぉ。ほら、早くぅ」
「キキキキスじゃと!?」
…うるさい外野がいなくなったらね。

最終章 アルシュタート

――3月14日 深夜 太陽宮 女王の寝室

部屋の入り口からこっそり中の様子を覗う。
中は暗く、人が動く気配はない。
「……母上はもう眠ったかな…?」
邪魔な衛兵は、母上と内緒の話があるからといって下がらせてある。
お金を掴ませといたらしいから、しばらく戻ってこないだろう。
「ふふ…失礼しまーす」
僕は用意してきたカンテラに火を灯し、ゆっくりと部屋の中を歩いていく。
目的地は天蓋付きの大きなベッドだ。
抜き足、差し足、忍び足…
ベッドを覆うカーテンを開けると、目の前には目的の女性が…
「こんばんは〜、母上…」

話は少し遡って。
約束していたとおり、夕食後にリオンの部屋に行った僕は、あんなことやこんなことをして愛し合ったわけで。
めでたく童貞を卒業いたしました。
初めてはやっぱり大変だったけど、好きな人同士でできたのは良かったと思う。
で、周りにバレると何かとうるさいだろうから、その日はとりあえず自分の部屋に戻って眠りについた。
…はずだったのに。
気がつくとミアキスが部屋の中にいた。
「王子、こんばんはぁ」
「な、なななな、なんでここにいるの?」
「あら、心配しないでくださいぃ。別につまみ食いに来たわけじゃありませんからぁ」
「つ、つまみ食いって…」
ミアキスは声を殺して小さく笑うと、手に持っていたカンテラを机に置いた。
「で、リオンちゃんとはどうでした?」
「どうって……まぁ、上手くいったよ、たぶん」
たぶんね。それなりに上手くやった方だと思う。
ミアキスはそれを聞くとにっこり笑った。
「それはよかったですねぇ」
しかし、その笑みには裏があったのである。
「……じゃあ、最後は陛下ですねぇ」
「ぶっ…そ、それはカンベンしてって言ったじゃない!」
本当に焼き殺されちゃうよ。
日干しにされるのもごめんだ。
「だいじょうぶだいじょうぶ。そこまで酷いことにはならないと思いますよぉ」
「なんでそう言いきれるんだよ!他人事だと思って!」
しかしミアキスは、笑みを浮かべたまま言葉を続けた。
「実はぁ…フェリド様によるとですね、最近おふたりは『してない』らしいんです」
「………は?」
なにをしてないの?
僕はよっぽど間抜けな顔をしていたのだろう。
ミアキスは吹きだしてしまった。
「ぷっ、なんて顔してるんですかぁ?『してない』って言ったら『アレ』をしてないに決まってるじゃないですかぁ」
「……え、『アレ』っていうと…アレ? ……って、父上はなんでそんなことミアキスに話してるの!?」
アレは分かったけど、今度はそっちが気になるぞ。

「まぁ、上手く話を誘導したとだけ言っておきますぅ。話に乗ってきたのはカイル殿くらいでしたけどねぇ。
まぁそうだろうね。ザハークやアレニアやガレオンがそういう話をするのは想像できないし。
「で、フェリド様は『いやぁ、俺も最近忙しくてな。陛下の相手をなかなかしてやれんのだ』
 …そう仰ってましたぁ。でも、傍目から見るとちゃんと仲良くされてるように見えるじゃないですかぁ」
「うん、確かに。相手をしてないってことはないと思うけど…」
「つまりぃ、相手をしてないっていうのは夜のお相手をしてないってことですよぉ!」
「えーーーーーーーっ!!」
僕は思わず叫んでしまう。
「しーーーっ!声が大きいです」
「ご、ごめんごめん」
謝ると同時に、僕は父上と母上のそういう行為を思い浮かべてしまい、慌てて頭を振って振り払う。
うーん、そうか…母上はご無沙汰か……
「…じゃなくて!それがどうさっきの話と繋がるのさ」
「まだ分からないんですかぁ?王子も鈍いですねぇ」
むっ…人を小バカにして…僕だって、言いたいことは分かってるよ。
「ご無沙汰だから多少エッチなことしても許してくれるっていうんだろ?
 それは分かるけど、そう上手くいくものかなぁ?」
「上手くいきますって、絶対」
妙に自信たっぷりなミアキスにそう言われると、なんとなく上手くいきそうな気がしてきた。
「もし上手くいかなくても、たったひとりの可愛い息子を日干しにするようなことはないと思いますしぃ」
……やっぱりちょっと不安。
でも、ここまできたらやってみたい気もするなぁ。
この夜が明ければ3月15日。ホワイトデーにお返しできなかったことになってしまうし。
「よし、わかった。…やるよ」
「それでこそ王子ですぅ。陛下の部屋の前の衛兵には、王子が大事な話をするからって下がらせてあります。
お金を渡してありますから、しばらくは大丈夫だと思いますよぉ」
「うわ、準備万端だったのね…」
「うふふ…はい!」

と、こういうわけで僕はいま母上の部屋の、ベッドのすぐ横にいる。
ベッドでは母上がすやすやと寝息を立てて、静かに眠っている。
起こさないように布団をゆっくり剥いで……う、随分薄い寝間着を着てるんだなぁ。
肌が透けてるよ…ちょっと目のやり場に困るというか…
それにしても…息子の僕が言うのもなんだけど、本当に綺麗だ。
いつまでも見ていたい気もするけど、それじゃあ勿体無いな。
ここまで来たらやるしかない!
僕は自分の息子を取り出すと、母上のお顔の側に腰を近づける。
「…ははうえー、突っついちゃいますよー」
息子の先でつんつんと唇をつついてみる。
はぅ、柔らかい唇だなぁ。
亀頭がぷにぷにと当たる感触が気持ちいい。
「…ん……」
母上はわずかに声を上げるが、起きる気配はまだない。
なんだかだんだん興奮してきたぞ!
まずはその綺麗なお顔に一発出してしまおうかな。
息子もむくむくと起き上がってきて、臨戦態勢はバッチリ整いました!
「ハァハァ…母上……」
実の母親にこんなことをしているという背徳感が、興奮を倍増させる。
僕はあっという間に絶頂に達してしまい…
「母上っ…で、出ます……」
母上の寝顔に思いっきり射精してしまった。
「……んん………っ!? ファ、ファルーシュ!?」
あ、目を覚ました。

「…ファルーシュ!そなたここで何をしているのです!」
「あ、起きましたか?ホワイトデーのお返しですよ」
いきなりこんなことを言われてもワケが分からないだろうけど、混乱させるにはちょうどいい。
「お返し……な、何を言っているのです?」
思ったとおり、僕が何言ってるのか分からなくて混乱してる。
大丈夫。自分でもよく分かりませんから。
「ホワイトデーだから白いお返しです。母上って息子の僕から見てもとっても魅力的なんですよ。
 さっきも寝顔を見ていたら、ついこんなことしたくなっちゃいまして……」
本当は『ついしたくなった』わけじゃないけど、魅力的っていうのは本当だ。
母上は精液にまみれた顔のまま、口をポカンと開けて目を何度か瞬かせる。
「そ、そなたは何をしているのか分かっているのですか…?」
「はい」
「……いえ、そう言いきられても困り…!」
いきなり母上にキスしてみた。とりあえずは軽くだけど。
そして唇を離しながら、耳元でささやく。
「親子でこんなことをするのがいけないのは解かっています。でも僕はもうガマンできません!」
いや、別に最初はするつもりなかったんだけど、実際に肌の透けたネグリジェみたいな寝間着を
着てる母上を見てから、ちょっとムラムラしちゃってるんだけどね。
「ファルーシュ……そなた……」
母上はいきなりキスされた唇を押さえ、そしてそのまま、頬についていた精液を拭い、それを見る。
しばらくそのまま固まっていた母上は、やがてゆっくりと笑った。
「ふふふ…わかりました。息子の成長を確かめるのも親の役目。たまにはいいでしょう」
そう言って、手についた精液をぺろりと舐めた。
うわー、なんか凄いエロい仕草だ。
「さぁ、どれほど成長したか…母に見せておくれ…」

「うふふ…随分と立派に育って…」
「うっ…は、母上…っ…すごっ…」
「まだですよ、ファルーシュ…もう少し我慢しなさい」
僕は今、母上の胸に挟まれている。
服を着ていても大きいとひと目で判るあの胸が、僕の目の前であらわになっている。
母上は僕の息子を胸で挟み、上下に動かしてくれているんだけど…
「ふふふふ…フェリドもこうすると喜んでくれました……」
絶妙な感触が僕を襲い、すぐに果ててしまいそうになる。
しかし、母上はそれを察知すると動かすのを止めてしまい、なかなか達することができない。
「そなたのこれも…フェリドに負けず劣らず、なかなかの大きさですね」
は、母上の胸が…目の前で上下に揺さぶられ、弾けるように揺れている…
僕とリムというふたりの子供を産んでいるとはとても思えないほど、肌の張りも形もよくて…
…って、こんなことを考えてる余裕がもうないです…い、イッちゃいそう…
「ふふ…そろそろ辛そうですね…さぁ、もう出してよいですよ。母が口で受け止めてあげます…」
僕の様子を察してか、母上はそう言って僕の先端を咥える。
「あっ…は、母上っ!……っ!」
僕が思いっきり母の口の中に精を放つと同時に、日付の変わり目を告げる鐘が鳴り響いた。
母上は口の中の精液をゆっくりと味わうように飲み下すと、僕に微笑んだ。
「…ホワイトデーのお返し…間に合ったようですね、ファルーシュ?」
「はぁ…はぁ……はぁ…」
僕はあまりの気持ちよさに言葉も出ない。
「さぁ、そろそろお行きなさい。衛兵を下がらせてあるのでしょうが、そろそろ戻ってくるかもしれませんよ」
「は……はい…」
まだ膝がガクガクする…
もうあの感触を味わえないかと思うと、ちょっと残念。かな。

「ふふふふ…ファルーシュ。また来年、バレンタインにチョコレートをあげますからね…」

――翌日
「で、誰がいちばん良かったですかぁ?」
「…………ははうえ」
「ぷっ……ククッ…あははははは!」
「わ、笑うなよミアキス!!」

― ホワイトデー 終 ―

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