5主人公×リオン 著者:8_291様

ファレナからリオンとゲオルグと旅立ってしばらくたった。僕たちは北の赤月帝国にいる。ゲオルグがここに用事があるらしく僕たちもそれについていく形になった。
 そして、今僕たちは首都のグレッグミンスターに到着。宿をとりゲオルグと別れ僕たちは今町を見て回っていた。
「うわ〜、すごいですね王子!ソルファレナにも負けないぐらい活気にあふれていますね。」
「…うん。」
「王子?大丈夫ですか。お体の調子が良くないようでしたら宿に戻りましょうか?」
「いや、大丈夫だよ…。ちょっと考え事をね。」
 心配そうに僕を見るリオンにそういって僕は笑いかけた。
「本当ですか?私にできることがあったら何か言って下さいね。」
「ああ、だけど大丈夫だから。」
 まさか、君のことで悩んでいるなんて言うことができるはずがない。そう、僕は今リオンのことで悩んでいた。

 太陽の紋章をめぐる戦いを通して僕には一つ分かったことがある。それは、僕にとってリオンが失いたくない、一番大切な人だということだ。太陽宮にまだ父上母上がいた頃からリオンは僕にとって家族だった。だけど今は…、まぁそのなんというか異性として…、妹のリムとはまた違った存在として好きになっている。
 自惚れかもしれないがリオンは僕のことは嫌いではないと思っている。第一嫌いな男の護衛なんてするはずがないし、父上に恩義があるとしても僕が嫌いなら向こうから積極的に話しかけてくることなんてないはずだ。だけど…、もしその好意が僕とは違って家族としての物だったら、身分の違いを理由にリオンに拒絶されたら…そう思うと怖くなる…。

「ゲオルグ、少し相談があるんだけどいいかな?」
「ん、別にかまわんが。」
 僕は夜、ゲオルグにこのことを相談しに行った。ゲオルグは何も言わずに僕の話を聞いてくれた。リオンが好きなこと、拒絶されたらと思うとどうしようもなく今の関係から一歩も踏み出せないこと…。
「ふむ、俺がお前にしてやることはすべて終わったと思っていたが、まだやれることがあるようだな。」
「ごめん…、本当は自分で解決すべきなんだろうけど…。」
「かまわんさ、気にしなくていい。まぁ、お前もやっと恋愛にも目覚めてきたか。なんか自分の息子に初恋の相談をされているみたいだな。」
「ゲオルグ…」
「っと、すまん。まあ俺から言えることはだな、回りくどいことはせず正面からぶつかってみろ。悪いようにはならんさ。」
「でも…。」
「不安になってると、見えないこともあるもんだぞ。それに踏み出さなければ何も変わらん。変えたいならば勇気を出し、一歩踏み出てみろ。そして自分の思いを伝えろ。」
 そうだよね…、何もしないでいたら何も変わらない。必要なのは変えようとする僕の意志なんだ。
「ありがとう、ゲオルグ…。やってみるよ。」
「なに、俺からは気の利いた愛の告白みたいなのは教えてやることはできないが、自分の気持ちから出てくる言葉を素直に伝えればいい。このくらいかな…。」

 ふぅまったくそろいもそろって不器用ときたもんだ。このまま俺が何も言わなかったら、二人とも胸の中に気持ちを押し込めてファレナに帰ってたかもしれないな…。まぁ頑張れよ、ファルーシュ、リオン。

「あ…。王子。」
 僕の部屋の前でリオンが待っていた。
「もしかして、ずっと待ってた?」
「はい、少しお話したいことがありまして…。」
 お話?なんだろうか。
「なら、立ち話もなんだし部屋で話そうか?」
「はい、よろしいですよ。」

 王子の部屋に入り私たちは今日グレッグミンスターで見たことなど、たわいもない話をした。思えばあの戦いの日々がほんの昔のようだった。
 護衛としての任務、軍の大将としての役割、そして大切な家族との別れ。常に義務、責任に追われつぶれそうになりながらも互いに支えあい、戦いぬいた。
 私は、王子の護衛。幽世の門から私を救ってくれたフェリド様へのご恩返しのため、そう思って私は女王騎士を目指した。だけど、王子と触れ合っていくうちにその優しさ、人柄、志を護りたい。そう思うようになった。その気持ちを知ってか、フェリド様は私を護衛に推してくれた。私にとって王子は汚してはいけない、そして汚す物は誰であろうと許しはしない大切な人…。なのに…、私は王子に護衛として、臣下として許されない感情を持っている。

「王子、ファレナに戻ったらどうなさいますか?」
 王子はどうしたの、急にといった顔をしてる。無理もないいきなり帰ってからの話をしてるんだから。
「いえ、ですからファレナに戻ってからの話ですよ。お帰りになったら多分縁談の話とかいっぱい来ていると思いますよ。」
「リオン?」
 どうしたんだろう、私。
「王子は、お人柄もいいですし武術にも長けてます。なによりもファレナを救った英雄なんですから。」
「そういった縁談はいっぱい来ると思うんですよ。」
「あっ、大丈夫です。もしもバロウズ卿みたいに王子を利用しようとする人が現れたら私がお守り致しますから。」
「私は、王子が結婚なさってもお傍で…お傍でお守りいた…っ!!」
 急なことで、私は王子にベッドに押し倒されたんだと気付くのに数秒かかった。
 王子は…、とても怒ったような顔で私を見ていた。

 何をしているんだろう、僕は…。でも、自分をとめる事ができなかった。
「本気でいってるの?リオン…。」
「お、王子?」
「だからさっきの事、本気で言ってるのって聞いてるんだよ…。」
「本当に平気なの?僕が他の女の子と結婚して…、それでも傍にいて平気なの!?」
「王子…、私は…、王子の護衛ですから…。一生お傍でお守りするって…」
「僕はだめだよ…。リオンがもし他の人と結婚して、それでも傍にいることなんてできない!!。」
 それを考えるだけで気が狂いそうなることがあった。リオンが死んでしまいそうになった時と同じように。
「僕は…。僕はリオンが好きなんだ!君を護りたい、誰にもわたしたくない、危ない目にあわせたくない!!」
 言ってしまった…。拒絶されるかな。無理やり押し倒してるし…。ごめん、ゲオルグ…。せっかく相談したのに…。
「…きです。」
「…リオン?」
「私も…、私も王子のことが好きです!!嫌です!!王子が他の女の子と結婚するなんて…それを見てるしかできないなんて…。でも…でもっ。」

 なんにせよ、このまま押し倒したままだといけないと思い、僕はリオンを起こしベッドに座らせた。
「私なんかに王子の伴侶になる資格はないです!!身分だって違います!!」
「関係ないさ、父上だって闘神祭に優勝して身分に関係なく母上と結婚できたんだ。それに同じ位にならなければいけなくても、僕がリオンと同じ女王騎士の位に降りればバロウズ卿のように僕を取り込んで覇権を狙うような人はいなくなる。かえって好都合だよ。」
「私は幽世の門にいたことを王子に隠してました…。そんな卑怯な私が王子の伴侶になる資格なんて…」
「だれだって知られたくない過去はあるもんだよ。卑怯じゃないしリオンは僕に話してくれた。」
「でも…私。」
 ああ、もう!じれったいなぁ。リオンらしいといえばリオンらしいんだけど。僕はリオンの隣に座り彼女の顔を見た。気が高ぶったからなのか目が潤んで少し涙が出ている。
「女王騎士リオン!今からファレナ女王国王子ファルーシュが質問する!正直に答えるように。」
「は…はい!」
 リオンは急に変わった僕にきょとんとしながらもすぐに背筋をのばして返事をした。
「リオンは僕のことが好きかい?」
「ぇ…その…はい。」
また煮え切らない。
「はいじゃ分からないよ。好きなの…それとも…」
「好きです!」
「うん、じゃあ次の質問。僕が別の女の子と結婚したら嫌?」
「…嫌です…そんなの嫌です!」
「君の正直な気持ちがそれだよ。資格なんか考えなくていい。もっとリオンは自分に正直に、自分を大事にして欲しいんだ。」
「王子…。」
「まあ、僕も戦いの頃はいろいろ押し込めていたから説教できる立場ではないんだけど。」
 そう言うと、リオンに笑顔が戻ってきた。うん、やっぱり笑っているリオンはかわい…ってなんかカイルみたいになってきたぞ。なに考えてんだよ僕は!!
「王子?どうしたんですか。」
 急に何かを考え始めた僕を、リオンが心配そうに見つめる。
「あ…うん、それで…いいのかな。こんな僕で。」
「もう、それは私の台詞ですよ。こんな私でいいんですか?」
 愚問だよ。いいに決まってる。
「いいに決まってるよ。…好きだよ、リオン…」
「王子…、私も」
 そう言うと、リオンは僕の方を向き僕もリオンを見つめる…。え〜と。どうしよう?

「え、え〜とそれじゃあキスしようか?」
「お、王子?」
「あ、やっぱりだめ…か「だめじゃないです!!」」
「あ、すいません…その。」
 急に大声を上げたリオンにびっくりしながらも、キスをしていいとリオンから了承を得た。そのままリオンは目を瞑って僕を待っている。
「それじゃ…いくよ。」
 僕は決心をし、リオンと唇を重ね合わせた…。子供の頃出会ってから今までずっと近くにいたけどここまで近づいたのは初めてだ。しばらくたって僕たちは離れる。
「ん…王子…」
 リオンの甘い声が聞こえて僕の理性は決壊した。
「ごめん…リオン…」
「きゃ!王子っ…んっ」
先ほどと同じ様にリオンを押し倒し、僕は再び彼女にキスをした。さっきの様に唇を合わせるだけではない、相手の口の中に下を入れる荒々しいキスだ。
「んっ、ふぅっ、んんっっ!」
 最初は驚いていたが、少したつと彼女から積極的に舌を絡めてきた。カイルとかからこういったキスがあることは教えられたことはあったけど、そこで教えられたやり方なんかもうすっかり頭から飛んでいた。ただ…、ただリオンが欲しい。それだけを考えていた。
「っ…、はぁ…はぁ」
 再び唇を離す。リオンを見ると、彼女はトロンとした目で僕を見つめていた。
「して…、いいかな」
 僕がそう言うと顔を赤らめうなずいてくれた。

 王子とキスをした…。それだけでもう嬉しくて何も考えられなくなった。さらにそこからまた深いキスを…。ただ必死だった。性教育は私もそれなりには受けてきたし、サイアリーズ様やミアキス様から王子をネタにそっちの方面でからかわれることもあったので、耳年増なほうなのかなとは思ったことはあるけどいざ本番になるともうなにも考えられなかった…。
「リオン…服を脱がすよ…」
 はと意識が戻る。服を…脱がす…!って…!!
「王子、すいません!!自分で脱ぎますから!!勘弁してください!!」
「ぇ…、あ…ごめん」
「あ…あと向こうを向いてください…。ごめんなさい…。」
 なにやら自分でもすごいことを言っているのかもしれない、と一瞬思い直したが自分で脱ぐといったのだ。お待たせするわけには行かないと思い、私は服を脱ぎ始めた。
 女王騎士の正装ではなく、お忍びのときに着る服装なので脱ぐのにはそんなに手間はかからなかった。しかし、こうしてみると自分の体は結構貧相に思えてくる。同年代の子の中でも自分はかなり胸が小さいと悩んだこともあった。今はそんなこと気にしてる場合ではない。私は思い直し王子に声をかけた。

「…王子。もういいですよ…。」
 僕が振り向くとそこには裸のリオンが顔を赤らめてベッドに正座していた。
「いや…、なんというかその…」
「すいません…やっぱり胸、大きくないですよね」
 …そんなことよりといったらリオンに失礼かもしれないけど僕には目に留まったことがあった。
「傷…」
 彼女のわき腹には傷跡が残っていた。僕の…忘れることのできない失敗だった。
「王子?」
「ごめん、リオン…。僕が油断したから、君にはいっぱい苦しい思いをさせたね…。」
 リムを助け戦いを終わらせようとした新女王親征。目の前にリムがいる。そのことが僕に警戒心を無くさせ、リオンを傷つけられリムを再び奪われるという最悪の事態を引き起こさせてしまった。
「王子…。でも王子はあの後私を助けてくださいました!軍を率いなければならないのに私のために一生懸命になってくださって…。意識が戻ってそれを聞かされた時私は不謹慎ですが嬉しいと思いました。それに王子をお守りするためなら傷の一つや二つ、どうってことないです。」
「リオン…、でももうあんなことはしないで…いや…。あんなことはもうさせないよ。」
「王子…」
「ごめんね、なんか変なこと言って。」

「それじゃ、とりあえず手をどけて。」
「…はい。」
 おずおずとリオンは胸を隠していた手をどけた。
「ごめんなさい…」
「胸?べつにきにしてないよ。そんなことでリオンのこと嫌いになったりなんかしない。」
そういって僕はリオンに笑いかけた。
「王子…」
「それじゃ…触るよ。」
「はい…、初めてなので…、やさしく…してください…」
 僕はリオンの胸に触れた。なんというか…女の子ってこんなに柔らかいのか、そう思った。本人はないない言っているが僕にはこれだけでも十分だった。そのまま掴もうとすると
「っ…痛い!」
「あっ…ごめんリオン!」
 だめだ、痛がらせてどうするんだよ。もっと優しくしてあげないと…。はやる気持ちを抑えて…。優しく。
「あ…ふぅ…お…うじ」
 胸を円を描くように優しく撫で、ときどき指で乳首を触り転がす。
「はっ…ん…くぅ…っ」
「大丈夫?痛くない?」
「んっ…だいじょう…ぶです…あぅ!」
 今まで話だけで教えられてきた知識を思い出し胸を愛撫する。痛がってはないみたいだ。良かった…。だけどもっとリオンを気持ちよくしてあげたい。後ろに回り、胸を愛撫しリオンに言った。
「ね、リオンこっち向いて…」
「は…い…!んん〜〜っ!」
 リオンにキスをした。リオンが僕に合わせるように舌を動かしてくる。キスによる水音が部屋に響く…。もちろんその間に愛撫する手も止めない。リオンはときどき体を震わせ反応するが必死に僕の舌に自分のを絡めようとした。そんなリオンの反応に僕は愛おしさと理性を再び決壊させようとするなにかを感じた。だめだ、自分でリオンを傷つけるなんてしたくない。何とか理性で踏みとどまる。
「…っぷ、はぁ…リオン…気持ちよかった?」
「はぁ…はぁ…はい…」
「お世辞じゃないよね?」
「はい…その…王子…今度は私が」
 リオンがそう申し出てくる。けど…。まだ君を気持ちよくしてあげたい…。

 王子の愛撫を受け私は快感を感じていた。王子のことを異性として意識するようになってから、一度自分を慰めたことはあったがそれとは比べ物にならないほどの興奮と快感が私に押し寄せてきた。それだけじゃない。その…王子に後ろから愛撫された時お尻になにか硬い物が当たってた。多分…その、王子の大事な部分だと思う。我慢して私を愛撫してくださるのは嬉しい。だけど私も…王子を気持ちよくしてあげたい。
 私も王子を気持ちよくしてあげたい、そう申し出ると
「だめだよリオン。まだ君を気持ちよくしてあげたいんだ。」
「王子!やめてください!恥ずかし…ああ…」
 王子は私の閉じていた足をこじ開け、まだ私しか触ったことのない部分を見た。その下の部分のシーツは私の愛液で湿っていた…。
「ああ、ちゃんと濡れている。本当に感じてくれてたんだね!良かった…」
「王子!お願いです!もう手を離してください!まだその…心の準備が…」
 本当に恥ずかしくて死にそうになる。こうなることは覚悟はしていたけどいきなりこられると…。
「だめだよ、ここをしっかり濡らしておかないと痛いんでしょ?」
 そう言って王子は私の…それに顔を近づける。
「ああっ…おう…じ…お願いします…やめてく…ださい…おねが…ひゃうっ!」」
 ああ、王子が…私のを舐めている。本当に恥ずかしくて涙が出てきた。それと同時に快感も私に流れてきた。
「あっ…くぅ…お…う…じ…っあああ!」
「リオン!もっと…もっと気持ちよくさせてあげるから!」
 王子はもっと私への愛撫を強めた。舐めるだけでなく、押し広げてその周辺を、包皮のかぶった突起をその上から指で優しくなで上げた。…もう、何も考えられない。
「あああ!王子…おうじ…!ふぁあっ…あああああああ!」
 …あ、頭の中が…真っ白に…。

「リオン!リオン!」
 急に激しい反応を見せたと思ったらくたっとなったリオンに心配になって声をかける。
「あ…王子。大丈夫です…ちょっと気持ちよくて…その…」
「はぁ、良かった…。」
 安心した。それに気持ちよくなってくれた。嬉しくないはずがない。
「それじゃ、王子。次は私の番ですね。 服脱いでいただけますか?」
「あ…えっと」
「それじゃあ、私が脱がしましょうか?」
 リオンがこちらに笑いかけてくる…が、目が笑ってないように見えるのは気のせいだろうか。
「いえ、自分で脱がせていただきます。」

「これが、王子の…」
「あのー、結構恥ずかしいんだけど」
「私だってさっき、かなり恥ずかしかったんですよ。これでお互い様です。」
 はじめて見る男の子のそれは想像してたのより大きく感じた。何よりこんな物が自分の中に入るのか、そんな不安が首をもたげてきたが…まずは王子を気持ちよくして差し上げないと。知識しかないけど王子も私を一生懸命愛撫してくださった。私も頑張らないと。
「それでは失礼します。」
 まずは、竿のあたりを舐めてみる。王子のが動くのを感じた。感じてくださっているのかな、そう思うともっとしたくなってきた。筋みたいな場所に沿って舐め上げそして確か亀頭と呼ばれている部分を舐める。
「ん…おう…じ…気持ちいいですか?痛くはないですか。」
「あ、う…うん。というかもう…。」
「気持ちいいんですね。嬉しいです…。」
 そう言って私は続ける。しばらく経つと
「だめだ、リオン離れて!」
「え、王子?っきゃ!」
 王子のそれからなにか白いような液体が出てきた。これが…精液なのかな…。
「ああ、ごめんリオン!ほら、すぐ拭って。」
「これが王子の…」
 そういえば、男の人は自分のを飲んでもらうと嬉しいって聞いたことがある。
「ん…。苦い。」
「あっ、だめだってリオン!汚いよ!」
 私は体についていた精液の一部を拭い取り舐めてみた。…苦い。変な味だ。
「だめだって舐めたら!体に悪いかもしれないじゃないか!」
「王子は嬉しくないんですか。」
「だっておいしくなんてないだろ。そんなの無理やり飲ませるなんて間違ってるよ。」
「私は王子が望んでいるのなら飲んでみせます。」
「とにかく…そんなことしなくていいから」

 再びリオンのあそこを愛撫する。さっきは舐めたり触ったりしただけだったが、今度は挿れるときになるべく痛くならないようほぐさなくては。
「それじゃ、リオン。痛かったら言ってね。」
「はい…」
 まずは、一本。よく濡らしていたからかなかなかスムーズに挿れることができたが、中は僕の指をきつくしめてきた。
「リオン…」
「はい…大丈夫…です。」
「少し動かすよ」
 僕は指を動かし始めた。それに合わせるようにリオンの中は僕の指に吸い付いて一緒に動く。
「はぅ…、おう…じ…」
「二本に増やすよ。いいかな」
 リオンはうなずいてくれた。そして、二本指を挿れる…。
「っ…いっ!」
「リオン!大丈夫!」
「へいき…です…。続けてください…。」
 そういわれても、最初に比べてかなり押し広げられている穴はかなりきつそうだった。とにかく優しく…焦らず…そう心がけた。

「リオン、慣れてきた?」
「ん…は…い…んっ…慣れて…っ…きました。」
 よし、それじゃあ…。ふぅ、なんか緊張してきたぞ。
「挿れるよ、リオン」
「…はい…お願いします。」

 僕は自分の興奮しきったモノをリオンのあそこにあてがった。びくっとリオンの体が震えるのが分かった。不安なんだろう。
「リオン…優しくするから。」
「王子…いえ、私のことは気にしないでください。どんな痛みがこようと耐えてみせます!」
「いや…。うんわかった。ただし!どうしても無理なら絶対言うこと!わかったね。」
 そして…僕はリオンの中に僕のモノを沈めていった。
「っリオン、大丈夫かい!?」
「っはぁ…だ…いじょう…ぐっ…いっ…い…たくないです。続けて…ください」
 どう見ても大丈夫じゃない。おまけにあそこからは血が少し流れ出している。まだ半分も入ってないしきつくてなかなか入らない。っ…このままだとリオンを苦しめるだけだ。
「ごめん、リオン!!一旦抜く「嫌です!!」」
「最後まで、うっ…最後までしてください!」
そう言ってリオンは僕の腰に足を回し、逃げないように固定した。
「リオン…分かった。それじゃ目を閉じて。」
「王子?…なにを…っん…」
 僕は先ほどみたいにリオンにキスをしつつ胸を愛撫した。これで少しは緊張もほぐれるのでは。…少しきつさが
なくなった…。今だ!
「んーーーーーっ!!」
 一気に奥まで挿れた。
「全部…はいったよ、リオン。」
「王子…ありがとうございます…私…わたし…うれしい…です。」
 泣き笑いの表情を浮かべてリオンは僕を見た。すぐにでも動かしたくなるがそんなことはできない…。
「まだ動かすと痛いだろうから…。」
 僕は再びリオンへの愛撫を始めた。いろんなところにキスをし、いろんなとこを愛撫した。
「あ…、ひゃっ…お、王子!首筋舐めないでください。くすぐったいです!」
「そ…んな、胸を…乳首を舐めないで…あんっ」
 だんだんと、リオンの息が上がってきている。感じてくれているのかな。
「リオン…少し動いてみるよ。いいかな?」
「…はい」

恐る恐る僕は腰を前後に動かしてみた。ゆっくり、ゆっくりと。リオンになるべく苦痛を与えないように。
「どう、大丈夫?」
「はい…そんなに痛くはなくなってきました。」
 良かった…。
「じゃあこのままゆっくり動かすから。また痛くなったら言ってね。」

「ん…あっ…ふっ…お…おうじ」
「どうしたの、また痛い?」
「もっと激しく…ん…動かしてもいいです。気持ちよく…ないですよね。ゆっくりだと。」
 いや、正直このままでもイけそうな気がする。
「気にしなくていいよ。これでも十分気持ちいいよ。」

 水音がグチョグチョと部屋に響く。それを聞いてるだけで私はさらに興奮してくる自分を感じてた。
 王子はまだ私に気を使ってあまり早く動かない。確かにはじめは痛かった。危うく悲鳴を上げるところだったけど。王子と結ばれたい。その思いが私を我慢させた。
 今は、王子が愛撫してくださったおかげで苦痛はかなり和らいできた。少し快感も感じ始めてきた。
「ん、ああっ!おうじ!おうじ!」
「っく、リオン!」
 王子の顔がだんだん切羽の詰まった表情になってきた。
「おうじ…、私の中で…っ…出して…ください。」
「っ…ごめん!僕だけ…」
 ここまで痛みを和らげて下さったのに、まだ私のことを気遣ってくださる。それを思うだけで涙が出そうになった。
「いい…んです。私に…ください!」
「くっ、リオン…!」
 王子は最後に強く私を突いた。それと同時に中にじわりとしみてくる物を感じた。
「あぅ…ああ…おうじの…出てます」

次の日…、僕は隣で寝ているリオンより早く目が覚めた。
 あのあと、一緒のベッドに寝るのを照れて嫌がるリオンを説得して二人で寝た。シーツには少しだけ血の跡が残ってしまったが宿屋の人が何とかしてくれるだろう。それにしても、リオンと二人で寝るなんて子供の頃以来だな…。
「ん…あ、王子。おはようございま「ストップ。」」
「もう僕たち恋人になったんだから名前で呼んで。」
「そ…そんなの無理です!私にとって昔から王子は王子です!恋人になっても変わりません!」
 まぁ、こうなることは分かっていたけど…。
「そんなの練習すればすぐ慣れるよ。それにお爺さんお婆さんになっても僕のこと王子って言うつもり?」
「そ、それは…」
「それじゃ、早速言ってみてよ。ほら、ファルーシュって。」
「ファ…ファ…ファル…」
 はぁ、前途多難だな。まあいいや。寝る前にずっと一緒にいるって約束したし。これからだよね、リオン。

 やはり夢ではない。王子と別れて部屋に戻り身だしなみを整えつつ頬を引っ張ってみる。やはり夢ではない。あのベッドの生々しい跡や、下半身に少し残っている異物感。本当に王子と結ばれることができたんだと思うと自然と顔が緩んでくる。
「リオン、準備できた〜?」
「はい、今行きます。」
 急いで、荷物を持ち部屋を出る。
「それじゃ、ゲオルグを待たせちゃ悪いしすぐ行こうか。」
「今日はたしか、テオ・マクドール将軍のところに行くんですよね。」
 王子、私はあなたに仕えるだけで幸せでした。でもあなたは私にもっともっと大きい幸せをくれた。一生かけてご恩返し致しますから。よろしくお願いしますね。王子。

(糸冬)

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