5主人公×リオン 著者:9_793様

「王子、お疲れ様です。」
白く輝く石造りの塔の廊下に、二人の人影が歩きながら話し合っていた。
「うん、有難うリオン。リオンもお疲れ。」
王子と呼ばれた少年、ファルーシュは護衛の少女であるリオンといつものようなやりとりで話していた。
「いえ、そんな。私には勿体無いお言葉です。」
「そんなに遠慮しなくても良いよ。いつもリオンには感謝してるしね。」
「王子…あ、有難うございます!」
リオンは丸い頬を少し朱に染め、心底嬉しそうに感謝の意を伝える。これもいつものやりとりであった。
「それにしても、今日の軍議は長引きましたね。私、不謹慎ですが途中から眠たくなっちゃいました。」
「リオンも?実は僕も…。まぁ途中からヴォリガさんとオロクさんの喧嘩になってたり、ルクレティアの雑談になってたしね。」
「ふふ、そうでしたね。…あれ、王子?顔色が優れないようですけど、大丈夫ですか?」
「ん?ああ、大丈夫だよ。ただ、今日は色々あったからね。汗かいちゃったから、早くお風呂に入りたいんだ。」
「あ、お風呂ですか…」

「…あ、あの…それなら私もご一緒してよろしいでしょうか?」
「え?」
突然のリオンの頼みに、ファルーシュは少し動揺した。しかし、冷静に考えるとすぐに思い当たる節があると考えた。
「ああ、リオンは今日はずっと僕と一緒にいたし、僕の護衛もやってたもんね。僕よりも汗かいてるだろうし、疲れてるよね。」
「あ、いえ、そんな…すいません、気を使わせるような事を言ってしまって…」
「良いよー、そんな事。じゃあほら、行こう!」
王子は単純に善意からリオンと共に風呂に行くことにした。リオンの手を握り、廊下をミルーンの番台へと歩いた。
その時、リオンの赤い頬がいつもよりも少しだけ赤みが増してることは、まだファルーシュは気付いていなかった。
程無く歩くと、すぐに離れにある風呂の番台に辿り着いた。

「あれ、ミルーンがいないね?」
「もう大分遅くなってしまいましたから…お風呂も閉まっちゃってますね。」
「うーん、まいったなぁ…早く疲れを落としたかったのに…」
「あ、王子…それなら最近出来たって評判の露天風呂へ行ってみませんか?」
「え、露天風呂?…でも確かあそこは…」
ファルーシュはそこで少し言葉に詰まった。
露天風呂。そこは最近この城に出来たばかりの風呂である。風呂自体の質も中々の評判であったが、何よりもそこは「混浴」である事が最も評判であった。
室内風呂は管理者のミルーンがいる時しか開いていないのだが、露天風呂は深夜でも入れるように自由に開放されている。
昼間に皆で入るのならともかく、深夜に二人っきりで混浴に入るというのにはファルーシュにはまだ抵抗があった。
「そ、そう。じゃあ僕は待ってるから、リオンが先に入っててくれ。」
「いえ、そうはいきません。王子は早く疲れを取りたいとおっしゃってましたし、護衛が主より先に風呂に入るわけには参りません。」
「え、でも…混浴は…」
「私は王子の護衛です。王子と共にお風呂に入れるのなら、そこまででもお供させて頂きます。」
「二人っきりはまずいんじゃ「お供させて頂きます。」
…もうこれは何を言っても無駄だな。リオンはこうなると何を言っても聞かなくなる時がある。またこれもいつもの事だった。

リオンに引き摺られるように連れて行かれ、ついに露天風呂まで来てしまった。
さすがに更衣所までは男女別であったが、着替えてる最中にファルーシュは色々と考えてしまった。
リオンはたまに強引になる時もあったが、今日は何時にも増して強情であった気がする。
そういえば、前に露天風呂が出来たと聞いた時、その時のリオンはとても入りたがっていたような目をしていた気がする。
色々思案するファルーシュではあったが、鈍感なファルーシュはそれが何を意味するのか、その時はさっぱり分かっていなかった。
考えている内に着替えも終わり、ファルーシュは露天風呂へと更衣室を出た。
「うう、少し寒いな…」
少し肌寒い夜の気温の中、ファルーシュは風呂へと急いだ。気温が低いからか、風呂の湯気が視界を遮りかける程に起ち込めていた。
ゆっくりと体を湯に沈める。外気との温度差に体を震わせながらも、ファルーシュは体から疲れが抜け出ていくのを感じた。
空を見上げると、無数の星と月が輝き、夜空を薄明りに照らしていた。
ファルーシュが湯船に入ってから間もなく、湯気の向こうから声が聞こえた。
「王子、もう入ってますか?私も入りますよ。」
ファルーシュはここが混浴だったことを思い出し、恥かしさに近い感情で肩を少し震わせた。
少し離れたところで、ちゃぷんと水音が鳴り、熱さに身を震わせるリオンの吐息が聞こえた。
「はぁ…熱いですね、王子。えっと、今何処にいらっしゃいますか?」
ファルーシュは答えなかった。リオンと風呂に入るのなんて子供の頃からの何年ぶりだというのに、
その時以降、異性として意識し出してから、恥かしくてずっと一緒に風呂など入ってはいない。その上まだ14,5歳前後である王子には異性との経験など全く無かった。
それゆえこの様な状況でも堂々としていられる訳が無く、ファルーシュの心臓はまるで早鐘を打ち鳴らすように高鳴っていた。

しかしその時、無常にも一筋の風が吹き抜き、湯船の蒸気を吹き流した。ファルーシュの風呂によって上気していた顔色が更に赤くなる。
「あ、そんな所にいましたか。今行きますね。」
リオンの控えめな胸の上半分が見える。それだけでファルーシュの脳裏は焦りと興奮に包まれていた。
王子は自分のそれが勃っていくのが分かった。駄目だ、来ないでくれ、頼むから…
しかし、そんなファルーシュの悲痛な願いとは裏腹に、リオンはそのままこちらへ近付いて来ていた。
「王子、どうしました?具合でも悪いんですか?」
「いやいや大丈夫!ちょっと熱さでのぼせちゃっただけだから!」
「そ、そうなんですか?じゃあ、早くお湯から上がらないと!」
「うっ…」

まずい。非常にまずい。今立ち上がったら、勃ち上がっているそれを思いっ切り見られてしまう事になる。それだけは避けたい。
「あははははは、大丈夫大丈夫!僕はもうちょっと空を見てたいから、リオンが先に上がりなよ!」
声が上ずってしまった。誰でも不自然だと分かるだろう。恥かしさで本当にのぼせ上がってしまいそうになる。僕は思わずリオンに背を向けてしまった。
「…………王子……」

突然、背中に柔らかい感触を感じた。僕の肩の後ろから白い腕が回ってくるのが分かった。
「……王子、もしかして…私の体で興奮してくれてるんですか…?」
「!!!!!」
驚きのあまり声が出なくなっていた。リオンに後ろから抱き疲れているのだと分かるのに少し時間をかけてしまった。
それ以上に驚いたのが、耳元で喋るリオンの言葉だった。…バレてしまった。
「ちちち、違うよリオン!僕は決して君を変な目で見てたって訳じゃなくて!」

突然、背中に柔らかい感触を感じた。僕の肩の後ろから白い腕が回ってくるのが分かった。
「……王子、もしかして…私の体で興奮してくれてるんですか…?」
「!!!!!」
驚きのあまり声が出なくなっていた。リオンに後ろから抱き疲れているのだと分かるのに少し時間をかけてしまった。
それ以上に驚いたのが、耳元で喋るリオンの言葉だった。…バレてしまった。
「ちちち、違うよリオン!僕は決して君を変な目で見てたって訳じゃなくて!」

「…王子…良いんです。私、嬉しいです。王子には…私は女の子として見て貰ってないのかもしれないと思ってました。」
「そ、そんな!僕はリオンが女の子じゃないなんて思ってないよ!」
ファルーシュは混乱のあまり、言葉の意味を履き違えるような言動をしている。リオンは構わず続けた。
「王子…王子は、私の事を女性として意識して下さいますか?」

リオンは肩に回した腕でファルーシュを少し強く、そして優しく抱きしめる。
いまやファルーシュの顔色は茹ったタコよりも真っ赤になっていた。心臓はもはや高鳴りを通り越して痛みさえ感じる。
「ぼ、僕は…リオン……リ……オ…」
「きゃっ!?お、王子!?王子っ!!」

そして…そのままファルーシュは本当にのぼせ上がり、その場に倒れてしまったのだった。

「…ぅじ…、起きて下さい!王子っ!」
「う…ん……?…うわっ!リオン!?」
気が付くと、リオンの顔が目と鼻の先にあった。またもや驚きを隠せなくなる。周りを見渡すと、風呂場の床に寝かされているのに気付いた。
寝ていたので空が見えたが、月の位置を見ると、倒れた時からさほど時間は経っていないようだ。
体を起こそうとするが、その体は痺れに支配され、首は微かに動くものの、その他の部分は全く言う事を聞いてくれなかった。

「良かった…王子、大丈夫ですか?」
「う、うん。大丈夫。でもリオン、何で…」
そう言おうとして顔を上げると、そのままファルーシュは固まってしまった。
ファルーシュの視線の先にはタオルさえも巻いていない、一糸纏わぬリオンの姿があった。

「リリリ、リオンっ!?な…何でそんな格好を!?」
当たり前である、何故ならここは風呂場なのだから。それにタオルを巻いた状態でファルーシュの体を運べる訳が無かった。
ファルーシュはまだ頭がうまく回転していないようである。
そしてリオンはというと、惚けた様な表情でファルーシュの体のある一点を見つめていた。
「嬉しいです…王子。王子は、私の体なんかで喜んでくれるのですね……」
ファルーシュはリオンの視線の先を追うと、そこには遥か天へ向かってそびえ勃つ、自分自身があった。
そして、今更自分が裸である事を認識した。何故ならここは風呂場なのだから。
「うわわわわわっ!?み、見ないでよリオン!」
ファルーシュは慌てて満足に動かない手で雄雄しく勃ち上る肉棒を隠そうとするが、自分の手よりも先にそこに触れるものがあった。

そこにはリオンの両手が、優しく包むようにその肉棒を握っていた。
「……凄いです、王子…苦しくありませんか?」
「だ、大丈夫だからリオン、駄目だ、離して…」
まだのぼせ上がっているのか、舌が上手く回らず、声がか細くなってしまう。
リオンはまるで聞こえないと言う様な素振りを見せる。どうしたのだろうか、今日のリオンはやけに強引過ぎる気がする。
「…私のせいでこうなってしまったのなら、これを治めるのもまた王子に仕える者の役目です……」
まるで自分に言い聞かせるようにリオンは話した。
リオンの顔を見ると、その頬は真っ赤に染まっており、惚けた表情と相まって、それはまさしくファルーシュの意識した女性の姿であった。
「王子…今、楽にして上げますね。」
そう言うとリオンはゆっくりとファルーシュの肉棒をしごき始めた。
「リオンっ…!や、やめてくれ…」
リオンの手はとてもぎこちない物だったが、異性を受け入れた事の無いファルーシュにとって、それは未知の感覚だった。
「王子、苦しそうですね……でも、これならもっと早く楽にさせられるでしょうか…?」

リオンはそう言うと、正座に座り直し、手の動きに加え、自分の唇をファルーシュの肉棒へと運んでいった。
「や、やめてよリオン!汚いから駄目、だ………う、くうぅっ………」
リオンは大きく張り詰めたそれを口元の深くまで咥え込み、裏側に張る筋を丹念に舐めあげた。
ファルーシュは腰が浮くような感覚に襲われ、それに耐えるために指に力を入れ床石を掴もうとする。
「んん……王子…どうですか……?」
もごもごとリオンは喋り、ファルーシュに質問するが、ファルーシュには答えを返す余裕も無くなっていた。
「リ、リオン…離れてくれ…頼む…!」
しかし、リオンは離れようとはしなかった。微かに首を横に振ると手と口の動きを加速させていく。
このままではファルーシュはリオンの口の中に精を放つ事になってしまう。ファルーシュは歯を食いしばってリオンの攻めに耐えた。
しかし、それは長くは保たなかった。
リオンの指先が、爪と共にファルーシュの陰嚢を引っ掻くように揉みしだいた。途端にファルーシュは予想外の攻め手に息を切らし、我慢の限界を迎える。
「は、離れて!離れるんだ、リオン!」
ファルーシュの精液が、リオンの口内へ飛び出していった。王子には今までの行為は刺激が強すぎたのか、とても力強い勢いで発射されていく。
「んん!!………んくっ…………うん……はあ……」
リオンはその瞬間は目を丸くするものの、すぐにその目は艶やかになり、精を味わうように飲み干す。ファルーシュは興奮と羞恥心で頭がいっぱいになっていった。

「んっ、苦いです……王子、いっぱい出ましたね…。あ…でも王子のここ…まだとっても苦しそうです……」
「うっ…うぅ、リオン……待ってよ…」
ファルーシュの肉棒はあれだけ精を放出したというのに、まだ堅さも大きさも失ってはいなかった。
これ以上無いほどの恥かしさや興奮、そして湯当たりを一気に食らったファルーシュにとって、それらの自己主張はまだ衰えを見せていなかった。

ファルーシュの体は、さっきよりは楽になったものの、まだ満足に動かせる状態ではない。まともな抵抗も出来なかった。
だが、それらで頭がさっぱり回らないファルーシュに、リオンは更なる追い討ちをかけた。

「王子…まだ治まらないのなら……わ、私のここ…を、使ってみませんか?」
リオンは正座のまま膝で立ち上がると、足を少し開き、指で自らの秘所をファルーシュに見せ付けるかのように少しだけ広げた。
「!!!!!」
ファルーシュは言葉にならない声を上げる。リオンのそれは、以前一緒に風呂に入った幼少の頃の、ひとすじのみのそれとは少し違って、
ちょろちょろと控えめに生えた陰毛の下に、分け目の上部から伸びるように桜色の小さい突起が覗いていた。
その奥に、ひくひくと震える同じ桜色をした裂け目があり、ファルーシュを本能の底から興奮させていった。
しかし、ファルーシュは残った精神を振り絞り、今までの情事の疑問を投げかける。
「ど、どうしちゃったんだリオン…こんな事まで……」
「………………」
しかし、リオンは答えなかった。だがその代わりのように、リオンは王子に喋りかける。
「王子……もう私、我慢できないんです……王子を…王子を、下さい……」

「えっちですね…私、王子のを舐めていたら、もうこんなに濡れていたんですよ……」
「リ…リオン……」
その言葉にファルーシュはその理性とは関係なく、これから起こるであろう情事を期待し、求めていく。いや、その理性も同じだったかもしれない。
リオンは、その秘裂をファルーシュの精液とリオンの唾液でてらてらと光るその肉棒の上へとまたがり、亀頭と秘裂をこすり合わせた。
くちゅくちゅと水音のような音が響き、二人の心を否応無しに昂ぶらせていく。

「……じゃあ、いきますよ……王子……」
リオンは動けないファルーシュの上にまたがり、騎乗位の形を取る。そして…リオンは一気に腰を落とした。
リオンの小さめな秘裂が、ファルーシュの肉棒を絡めとるように受け入れていく。
肉棒は秘裂の壁をこじ開けるように進み、その締め付けや壁のうねりを余すところ無くファルーシュ自身に伝えた。
「う、あぁっ!リ、リオン!?駄目だ!」
「はぁっ、はぁ…、王子、どうですか?私は…気持ち良いでしょうか……?」
「くぅ、うっ…リオンの中が……とっても、熱くて…きつい……」
「私もです…王子の、凄く…熱い……」
二人とも、痛さからか、快感からか、息も絶え絶えとなる。そして、先に動き出したのはリオンであった。
「王子、…動きますよ……辛かったら言ってくださいね…」
そう言うと、リオンは大きく腰を動き始めた。リオンは辛かったら、と言ったが、当のファルーシュは最早言葉も返せないほど辛い状態であった。
接合部からはジュプジュプと音が漏れ、リオンの瞳は艶やかにその輝きを増す。
「あぁっ!く、うう…リ、リオン…」
「まだ苦しそうですね、王子…でも、これでどうでしょう……?」
リオンは、その言葉と共に腰の動きを一気に加速させた。体全体を上下に揺らし、控えめな胸が大きく揺さ振られる。
その動きに比例し、接合部から漏れる音も大きくなる。まるで水を汲み出す手押しポンプのようにじゅっぽじゅっぽと卑猥な音が響く。
最早ファルーシュには、悲鳴のような嬌声を上げることしか出来なかった。

「う、くうぅっ!だ、駄目だリオン!もう離れて、抜いてっ!!」
ファルーシュはその強烈な攻めに、数刻も耐えられなくなる。達するほどの快楽の波が押し寄せていった。
「王子、そろそろ出るんですか…?それなら、私の中に下さい……」
リオンはそう言うと、腰を深く、更に早く落とした。まるで全ての精を余すところ無く受け入れるように。
そして…ファルーシュは我慢の限界を向かえた。
「 !! …そ、そんな、これ以上は…!……だ、駄目だ!出る!」
先程出したばかりだというのに、ファルーシュの精はとても力強い勢いを付けて放出された。
ドクドクと体の奥まで流れ込むそれを受け、リオンも達するほどの快感を受けていった。
「ああああぁっ!!王子っ、王子ぃ……王子のが…奥まで入ってきます……」
リオンも同時に達し、体の力が抜け落ちてしまう。支えきれなくなった体がファルーシュの胸に倒れ込むように覆い被さった。

二人とも、事後の疲れで肩で息をしていた。互いの息が顔に触れ合う。体は抱き合うように密着し、互いの体温を伝え合っていた。
ようやく体を動かせるようになったファルーシュが息も絶え絶えにリオンに質問する。
「リオン……何でこんな事を…?それに、何でこんなに強引に…」
「…………」
リオンは暫く押し黙る。目を伏せ、とても申し訳無い様な顔をしていた。少し間が空いてから、ようやくリオンは口を開いた。
「王子…すいませんでした。私、王子を振り向かせたかったんです。こんな方法しか思い付きませんでした。
だって…王子は何をしても私の気持ちに気付いてくれませんでした。だから、王子は私を女として見てないんじゃないかって思っちゃったんです。
でも…王子が私の体で興奮してるのを知って、私…本当に嬉しかったんです。」
ファルーシュはそう言われて、今までのリオンの態度や反応を思い出した。自分がリオンにどう接していたかも。
そして、ようやく自分の究極に近い鈍さと、リオンの自分に対する気持ちに気付いたのだった。
「私、王子に嫌われちゃいましたよね。こんな事しちゃって…軽蔑しましたよね……」
「そ、そんな事無いよ!僕は、君の事を嫌わないし、軽蔑なんてしない!」
「お、王子…?」
「だって…僕が悪いじゃないか。僕が何も気付かないから、君を思い詰めさせてしまった。君に…こんな事をさせてしまったのは、僕のせいだ。」
「ち、違います!王子は何も悪くありません!私が変な事を考えるから……んんっ!?」
そう言っている途中で、リオンは何かに口を塞がれた。
ファルーシュが、リオンの唇に自らの唇を押し当てていた。

リオンは一瞬、何が起こったか分からずに目をきょとんとさせる。しかし、目の前の、ほんの手前にあるファルーシュの顔を見て、何が起きたかを悟った。
そして、ファルーシュはゆっくりと唇を離した。今度は驚きのあまり声の出ないリオンに、ファルーシュは喋りかけた。
「ふふ、これでおあいこだね。」
「お、王子?」
「僕も、これで君に変な事をしちゃったんだ。君に嫌われても仕方ないよね。」
「そ、そんな事ありません!私は、王子を嫌いになんて絶対になれません!」
「僕だって一緒だよ、リオン。僕だって、君を嫌いになんかならない。」
「え?…あ……」
そう言うと、ファルーシュはリオンを優しく抱き締めた。目の前のリオンの頬が、涙で濡れていった。
「王子……あ、ありがとう……ございます………ありがとう、ございます……」

そう言いながら泣くリオンを、ファルーシュは優しく抱き締め続けていた。

そして、気温の低い風呂場で情事を行ったお陰で、この後に二人は揃って盛大な風邪を引き、周囲の人間にニヤニヤされていたのは言うまでも無い。

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