5主人公×ビッキー 著者:マチルダ執筆団員K様
シンダルの遺跡であり拠点でもある僕達の城で久々の休みを満喫していた。リオンの護衛も今日はどうしてもと遠慮してもらい一人ゆっくりと部屋で寝ていたが、こう天気が良いと散歩をしたくなってきて部屋を出ることにした。
「王子様〜」
ゆったりとした声で僕を呼ぶ声が後ろから聞こえてきた、僕は眠い目を擦りながら後ろを振り向くと、そこには無垢な笑顔で僕を見つめるビッキーがいた。
「おはよう」
「王子様、もう、こんにちは、だよ」
「そう?もうそんな時間なんだ」
近くの窓に行き空を見てみると、気がつかないうちに太陽は真上になっていた、こんなに寝ていたとは相当疲れが溜まっているのかなと苦笑する。
「いままでずっと寝ていたの?」
「うん、でも寝すぎたなぁ」
「うーん、でも王子様はいつも頑張ってるから、たまには寝坊してもいいんじゃないかな」
「そうだね」
僕が笑顔で応えると彼女もまた笑顔で返してくれる、リオンとはまた違う純真な笑顔に僕は少し惹かれてしまいそうになった。
「あれー?王子、新しい彼女ですか?」
とそこに釘を刺しにでも来ましたーと言わんばかりに、ニタニタしながら僕とビッキーの会話を聞いていた青年がいた。
彼の名はカイル、ソルファレナの女王騎士であり僕のお兄さん的存在の人間だ、この人は確かに強くて優しいのだが…
女性の事に鋭く匂いを嗅ぎ、平気で覗きもやってのける体は大人、心は少年のままだぜ!みたいな人なのが珠に傷だ。
「カイル…」
「王子もとうとう浮気ですかー、リオンちゃんやミアキスちゃんって可愛い女の子がいるのに」
「浮気って…僕はそんな…それにリオンやミアキスは別に…」
「いいんですよ、王子!オレにはわかります!女の子がほっとかない美形に生まれた罪の重さ…いけないと思っていても受け止めてしまう想い…」
「あの…カイル…何か勘違いしてるよね」
彼も彼でミアキスやビッキーに負けないくらいの天然要素がたっぷりと詰まっているなと僕は確信した。
「……リオンさんやミアキスさん…か」
「ビッキー?何か言った?」
「えっ?あ、ううん!なんでもないよ!」
話し掛けると焦りながらビッキーは僕から離れる、何なんだろう?と思ったがカイルの方に意識が集中していたので大して気にも留めなかった。
「あのさ、カイル…僕まだご飯食べてないから…」
「あ、そうですかー、すいません、何かこういうの久しぶりで」
「いや、いいよ、カイルらしくて」
「王子にそう言って貰えて光栄でありまーす」
僕はそんな彼を見て苦笑した、やっぱり戦いの無い時が一番良いなと改めて思う。
「じゃあね、カイル、ビッキーも」
「いってらっしゃーい」
「……うん、またね」
二人とも返事を返してくれたがビッキーの方はどことなく元気が無かったが、またしても僕は気のせいだろうとまたしても気に留めなかった、そして僕は前を向くとそのまま食堂の方へと歩いていく。
「…ふぅ、王子…ちょっとは元気になったかな?」
「あ、あの…カイルさん」
「何?ビッキーちゃん」
「王子様って…どんな娘が好みなのかな?」
「ビ、ビッキーちゃん?ま、まさか…よ、よしっ!ここは女の子の味方のオレの出番だな!」
カイルが騒いでいる…どうでもいいか、僕は空腹には勝てなかった為にレツオウさんの元に導かれていった。
「本当に大丈夫かなぁ…明日になったらシルヴァさんの所に厄介になってなきゃ良いけど…」
立ち去った後も、ボキバキ!とか音が聞こえてきていた…普通だったら死んでいてもおかしくない音だった。
ログの心配をしながら歩いていると、もう僕の部屋がある2階まで来ていた。
「あれ?」
僕の部屋の前に誰かいる…僕がいる場所とは違って月明かりで照らされていない為暗くてよく見えないけど、ドアに寄りかかって立っているのは分かった。
「あ、王子様」
ゆったりとした声で僕に気づいたその人が話し掛けてくる、このゆったりとした呼び方は…。
「ビッキー?」
「うん」
何でこんな夜中に僕の部屋の前にビッキーがいるんだ?疑問に思いながらも深い意味を考えずに彼女と会話する。
「どうしたの、こんな時間に?」
「あ、あの…お話があって…え、えーと…その…」
「取り合えず、僕の部屋に入ろうか?」
その問いに無言で頷くビッキー、立ち話だと言い難いのかなと思い、僕は部屋の鍵を開けて中に入りランプに火を灯すと、「どうぞ」と言って彼女を招き入れた。
「まぁ、座ってよ」
「…ありがとう」
僕が椅子を後ろに引くと彼女はお礼をしてから座った、僕も対談出来る様に反対側の方に座る。
「珍しいね、ビッキーが夜遅くに来るなんて」
「ごめんね、どうしても今日のうちに渡しておきたい物があったから…」
そう言うとビッキーは、ビンの様な物をテーブルの前に置いた。
「おくすり?」
「う、うん…お昼にも言ったけど、王子様がんばりすぎじゃないなぁ〜と思って…」
「これを渡すために?」
コクンと頷いてそのまま下に顔を伏せるビッキー、僕はそんな彼女の行為をありがたく思った、ただのおくすりだけどこうやって心配してくれることが、嬉しくて仕方なかった。
「ありがとう、僕の為に」
お礼を聞いて余計に縮こまるビッキーを見て、僕は思わず笑みを零す。
「じゃあ、早速頂くよ」
僕はビンの蓋を開けると、飲み口に口を合わせるが…。
「………」
「…………」
何か視線を感じる…それも近くから…僕はゆっくりとその視線の方向を見ると、さっきまで顔を伏せていたビッキーが目をパチパチさせている。
「ど、どうしたの?僕がおくすり飲むのそんなに珍しい?」
「えっ?う、ううん!」
頭を左右に振って慌てる素振りを見せるビッキー、僕は頭を傾げながら、またおくすりの飲み口に口をつけようとしたその時だった。
「や、やっぱりだめだよぉ…」
「…?」
いきなりだった、彼女は僕の手にあったおくすりを奪うと…それを一気に飲み干し、ビンを手放したと同時に床に倒れ込んでしまった。何がなんだか理解出来なかった僕だが、ビッキーが倒れている事だけは確かと分かった。
「ビ、ビッキー!大丈夫?」
「ごめんね、ごめんね…」
「と、とにかく…シルヴァさんかムラードさんを…」
ガクガクと震えているビッキーをまずはベットに運ぼうと彼女を抱きかかえる事にしたのだが…僕は信じられない彼女の声を聞いてしまった。
「ひゃぅ!」
「!?」
ただ肩に触れただけだった、肩に触れただけなのに喘ぎにも似た声が耳に入ってきた。
「ビ、ビッキー…一体…」
「はぅ…王子さまぁ…熱いよぉ…身体が変だよぉ…」
可愛い…不謹慎にもそう思ってしまった、男の性なのだろうか…しかしそんな事を考えてる場合ではなかった、尋常ではないビッキーをどうにかしないと…。
「ごめん、ちょっと苦しいかもしれないけど…ベットまでの辛抱だから」
「ふぇ?きゃぁ…!」
僕は無理矢理彼女を抱きかかえると一目散にベットまで向かう、その間にも彼女からは到底考えられない声が耳に木霊する。
衝動に襲われそうになるが、何とか耐え凌ごうと必死に唇を噛み締めながら、彼女をベットの上まで連れて行きゆっくりと寝かせた。
「ビッキー、待ってて、今シルヴァさんかムラードさんを呼んでくるから…」
早く知らせないと…ビッキーの顔を見ながら僕は、そう言って彼女の元を離れようとしたのだが。
「だめぇ!」
「え、ちょ、ちょっと!」
叫び声と共に服がビッキーに掴まれる、そしてベットに引きずり込まれる形で、僕は彼女の上に乗りかかっていた。
「ふぁぁ…お、王子さまぁ…いっちゃだめぇ…」
「え?」
「やだぁ…いかないでぇ…ぐすっ…」
僕の背中に手を回し服をギュっと掴んで悶える彼女…僕に衝撃が走る、彼女の甘い声が耳を劈く…身体中に伝わる彼女の熱い体温…そして柔らかくていい匂いがする彼女の女体…頼りになるわずかな理性すらも打砕いてしまう程の彼女の魅力に負けそうになる自分がいた。それでも何とか王子としての自覚は失わないようにと努力している。
「ど、どうして…こんな…あのおくすりは…」
「ごめんね、ほんとうは…こんなことしたくなかったの…でも…でもぉ…」
より一層強く抱きしめられ、彼女の吐息が僕の耳にかかる、それに同調するかのように僕の股間も大きく膨らんでいった。
「王子さまが…好きだから…カイルさんにもらった…びやくで…」
「ぼ、僕のことが好き!?そ、それに、び、媚薬…!?」
カイル…なんて事を…それじゃ、あのまま飲んでいれば…僕が…だけどそんなことを想定してる場合ではない。
「ね、ねぇ…ビッキー…僕のことを想ってくれるのは嬉しいんだけど…こ、こういうのは…順番があって」
「やだぁ…!もうがまんできないよぉ…からだがおかしくなっちゃうよぉ…んぁ…んん」
「う、うぁぁ…だ、駄目だよ!そんな…」
僕の首筋を走る生暖かくて柔らかいもの…時折混じる熱い吐息で彼女の唇だと分かった…衝撃がまた走り、王子としての自覚も崩壊されそうになっていた。
「や、やめ…」
「ふぅん…はぅ…」
その唇は首から這いずり上がる様に顎まで到達し、やがて僕の唇まで侵食していく。
「んむぅ…はぁ…すきぃ…王子さまぁ…だいすきぃ…」
「うぅ…くぁ…」
彼女の方から口の中に舌を挿入すると、僕の舌を味わうように絡ませてくる、まるで僕を吸い付くさんとばかりにと。
「キスしてる…王子さまぁ…と…」
「ビッキー…く…」
逃げようと思えば逃げられる…だが逃げたくない…このまま彼女を抱きたい…そういった想いが僕の身体を縦横無尽に駆け巡り、やがて崩壊への道を辿って行った。
「も、もう…」
「んっ!」
僕の理性と王子としての自覚は消えた…ただあるのは一人の男としてビッキーを抱く事だけだった。
彼女の肩を掴むと今度は僕が彼女の口の中に舌を侵入させる、ビッキーは最初驚いていたが、やがて受け入れようと蕩けるような顔になっていた。
「ん…」
何度も絡まる舌と舌の間にいやらしく糸が引き、プツンと切れ、また糸が引く…。
「…えっちな娘だね…ビッキーは」
「そ、そんなこと…ないよぉ…王子さまが上手だから…」
色っぽい表情で見つめる彼女にもっと触れたい…僕はローブから出ているビッキーの素足に指を這わせると、そのまま彼女の太ももまで進めていった。
「あっ…」
「感じてるの?」
震えている彼女は返事もせず、その身に襲う快感を感じている、僕はそのまま彼女の秘所まで指を進ませると、ぷっくりと膨れている場所を指でツンツンと突いてあげた。
「ひゃぁぁ!だ、だめぇ!王子さま!そこは!」
「…すごく濡れているね」
軽くイッていたのか、ショーツはすでにびしょ濡れで、くちゅ、くちゅ、と音が経つ。そして隙間から指を入れて彼女の秘所に直接触った。
「あぅ…まだ、そこはぁ…」
「温かいよ、ビッキーのここ…」
ぷにぷにと弾力のある肌を弄り、割れ目に人差し指と中指を挿入し少しだけ前後に動かすと、彼女の卑猥な声と共に愛液がとろりと垂れて、僕がその愛液がたっぷりとついた指を彼女の前に突き出すと、ビッキーは恥らって顔を背けてしまった。
「ほら…」
「いやぁ…」
「やっぱり、えっちだ」
「うぅ…ひどいよ…私も王子さまの…」
泣きそうな顔になりながらもビッキーは、その繊細かつしなやかな手を僕の股間に当てていた。もう膨張しきっている僕のアソコは、彼女の掌で脈を打ちながら開放の時を待っていた。
「いいよね?王子さま…」
「うん、ビッキーがしてくれるなら」
僕達は共感したのかお互いの服を脱がしあっていく、少しばかり気恥ずかしさがあるけど、ビッキーの白くて美しい女体が露になっていく様を見るとそんな事は考えていられなかった。
「綺麗…だ」
バランスの取れた身体に瑠璃色の肌…女性の象徴である胸は程よく膨らんでおり、腰からお尻にかけて見事な曲線美…いやらしさを感じないわけではないが、それよりも強調される美しい身体が僕の視線を釘付けにする。
「そ、そんなに見ないで…恥ずかしいよぉ…」
「…あ、ご、ごめん」
だが可愛い娘が一糸纏わない姿で恥らっているのを見るなと言うのは、地獄に等しい…それに僕の物は既に我慢の限界を超えてしまいそうになっている。
「わわわ、すごぉい…男の人ってこんなになるんだ…」
「って、ビッキー!そんなに顔を近づけない!」
「えへへ、おかえしだよー」
ボケーっと彼女の裸体を見ていた僕は不意を突かれていた、いつの間にか四つん這いになっているビッキーに間近くで股間に付いているペニスを見られていたのだ。
「ふわぁ〜、た、確か…これを口でしていいんだよね?」
「口で…うぁ!」
二重に不意を突かれる形で僕はペニスを優しく握られると、彼女の繊細な手の感触に思わず情けない声をあげてしまった。
「ご、ごめんね?」
「い、いや…いいよ」
「じゃあ、してもいいかなぁ?」
「…お願いするよ」
コクンと小さく頷く彼女…目を潤ませながら握っていた僕のペニスに口を近づけると、まずは舌先でチロチロと鈴口を舐める。
「はぅ…ちょっとしょっぱい…」
そんな可愛い文句を言いながらもペロペロと、まるで子猫がミルクを飲んでいるかのように、僕の先走ってる汁を舐めとり唇でチュッ、とキスまでして愛撫すると慣れてきたのか、口の中に僕のペニスをくわえ込んでいった。
「んむっ…んんっ…はむっ…」
「ビ、ビッキー…温かい…ビッキーの口…気持ちいい…」
あのポケッとして笑顔が可愛い彼女が僕の欲望を吐き出すペニスを美味しそうに咥えている…。嬉しいけどなんか複雑な気持ちもあることは確かだ。
「ふぁぁ…ぺろっ…」
「くっ…」
「王子さま…私…一生懸命がんばるからぁ…はぁ…あむっ…」
ポロポロとビッキーの頬を伝って涙が零れ落ちる、本当は初めてで苦しいのに健気にしてくれるのが嬉しくて堪らなかった。
「はぁ…ぴちゃ…れろっ…」
亀頭から根元まで咥え込み、舌で竿を丁寧に舐めるビッキー…その行為は僕に自慰とは違う未知の快感を襲わせる。
「も、もう…射精る…」
「ふぇ…?んっ!…んっ…ふぅ…」
「ビ、ビッキー…」
僕の鈴口からビッキーの口膣に精液が勢いよく注がれた、彼女は初発で目を大きく開けて吃驚したいたが、僕の腰に腕を回して根元まで咥え込むと、喉越しに僕の欲望を飲み込んでいった。
「あぁぁ…ビッキー…」
「ぷはぁ……ぜ、ぜんぶ……のんだよ…」
ちゅぱっと亀頭にキスをしてから口を離すビッキーの唇から、今度は僕の精液が糸を引いて下に垂れていた。だがやっぱり無理していたのだろう…彼女はまだ喉を動かしながら口膣に残っている僕の精液をコクコクと飲んでいる。
「無理して飲まなくても…」
「だ、だって…王子さまのだから…もったいないよ」
「ビ、ビッキー!」
「きゃぅ!」
見上げるように僕を見るビッキー、口を開くごとに僕の精液がピチャ、ぺチャと耳を劈く。そんな彼女がいやらしくて可愛くて、僕は我慢できずそのままベットに押し倒す形でビッキーに覆い被さった。
「ごめん、ビッキーが可愛くて…その…我慢出来ない…」
「えっ…それって…してくれるの?」
「ビッキーがいいなら…」
「いいよ…王子さまなら…王子さまになら奪われても…」
彼女は顔を逸らしながら了承する。僕は片手でビッキーの太ももに触れるとグイッと横に逸らす。
「初めてだよね?…なるべく痛くないようにするから」
「うん…」
怖いのだろうか、ビッキーは目を瞑って僕の首に手を回す、その手は震えていてキュッと僕を引き込む。
「それじゃあ、挿入るから」
ビッキーのまだ未熟な女性器に僕はペニスをあてがって擦りつけると、身悶えしながら講義してくる。
「はやくぅ…はやくしてぇ…」
「きつ…!」
「あぁ…はいって…」
僕はペニスを掴んでビッキーの女性器に亀頭までを侵入させていく、亀頭だけなのにビッキーは苦痛の表情をしながらシーツを握り締めていた。
「痛い…?」
「ちょっとだけ…だから…もっと…はいってきてぇ…」
「分かった…」
ビッキーが望んでいるんだ、僕はもう何も言わずにペニスを挿入していく。
「ふぁぁ…!」
入った…先端が奥まで届いた感触が伝わり、彼女の嗚咽と共に僕のペニスを受け入れている秘所からは、処女の証である鮮血が流れていた。
「い、たぁ…い」
「…ふぅ」
「あぅ…ぜんぶはいったの…?」
瞳は遠くを見つめ、唇は震えているビッキーに僕は小さく頷くと、彼女はより一層僕を強く抱きしめた。
「王子さまと…ひとつになってる…うれしいなぁ…」
「…僕も嬉しいよ」
ビッキーを優しく愛するように腰を動かし始める、彼女の卑猥な声が聞こえると僕はそれを塞ぐように口付けをした。
「ん、はぁ、はっ…」
「く、くぅ…」
ビッキーの膣内は柔らかくて、ギュッと僕のペニスを締め付けて放さない。その快楽は想像していた感覚を凌駕している。
「き、きもちいい…もっと、もっとしてぇ…!」
「うぁぁ…」
ただ受け止めているばかりのビッキーだったが、いつの間にか僕の腰には彼女の足が絡みついていた。そのせいで僕は腰を後ろに引けず、きつく締まっている彼女の膣に囚われていた。
「ビ、ビッキー!?」
「はぅぅ…王子さまぁ、王子さまぁ!」
涎を垂らし僕の名前を連呼しながら受け止めている彼女に、少しの背徳感を得た僕は、腰の動きを段々激しくする。
「だめぇ…もうだめだよぉ…!」
「ぼ、僕も…」
彼女が絶頂になるのを知らせるかのように、僕を抱きしめる力がさらに強くなる…僕も既に絶頂近くまで達していた。
「射精る…」
ペニスに全身の快感が集まってくるのが分かった、僕は彼女の膣からペニスを抜こうとしたのだが、腰に絡み付いている彼女の足がそれを許さなかった。
「ビ、ビッキー!も、もう射精るから!あ、足を!」
「だめぇ!だめぇ!このまま!私の膣内にしゃせいしてぇ!」
「そ、それは不味いよ!ってうくぁぁ!」
僕の願いは空しくも消え、ビュル、ビュッ!と1発目にも劣らない射精力で、彼女の子宮に欲望の種子を撒き散らしていた。
「はぁぅぅ…王子さまのぉ…いっぱぃもらって…いっちゃたよぉ…」
「あ、あぐっ…」
射精を終えた僕はわずかに戻った理性で、彼女の膣内に射精してしまった事に愕然としてしまった。
「王子さまの…あかちゃん…」
ビッキーの聞いちゃいけない言葉を聞いた僕は、彼女に覆い被さったまま果ててしまった。
どれくらい経っただろう…?月明かりは最高に輝いていて、僕の部屋を明るく照らしていた。
「ごめんね、ごめんね…」
「…いいんだよ、そんなに謝らないで」
ベットの毛布の中、まだ一糸纏わない姿で僕がビッキーを抱き締める形で話していた。
「私…ぐすっ…王子様にあんなことを…」
「ビッキー…そんな…君が悪いんじゃないよ」
「…私のこと…嫌いになったよね?」
やっと媚薬が切れてきた彼女だが、理性が戻ってさっきしていた情事にショックを受けているみたいだった。
「そんなことない…反対にもっと好きになったよ」
「ほんとう…?ほんとうに嫌いになってない?」
「当たり前じゃないか!こんなに僕の事を想ってくれてるのに嫌いになるなんて」
僕は泣いているビッキーの髪を優しく撫でると、ふわりとした感触と女の子の匂いが伝わってくる。
「えへ、嬉しい…王子様に好きになってもらえて…私、幸せだよ!」
ビッキーは恥ずかしいのか僕の胸に顔をうずめて小さく震える、その姿が愛らしく可愛らしくて僕は笑みを零していた。
「それでさ、ビッキー…あの薬のことなんだけど…って…ビッキー?」
「すぅ…」
僕はカイルからもらった媚薬の事を聞こうとしたのだが、激しかった性交に疲れていたのか、僕の腕の中で小さな寝息を経てていた。
「王子さまぁ…すきぃ…すぅ〜」
「ま、明日でもいいかな…」
無理に起こす必要も無いなと思った僕は、やる気のない欠伸をすると腕で寝息を経てているビッキーに「おやすみ」と挨拶をすると疲れた身体を癒す為にゆっくりと瞼を閉じていった。
「王子、起きてますか?王子!」
「う、うーん…」
僕の耳に激しくドアをノックする音が聞こえてくる、この声はリオンだ…一体なんなのだろう、と思いながらも心地良いベットに身を任せていたいと瞼を開けはしない。
「王子!入りますよ!」
「うーん」
適当な返事をしてリオンを招く、彼女に起こされるまでもうちょっとゆっくりしてよう…と僕はまだ起きない。
「王子、ほら、もう皆さん作戦会議室に……きゃ、きゃあぁぁー!」
「うわっ!」
耳を破砕する様なリオンの叫びが僕を襲う、どうしたんだ?何があったんだ?と僕はやっと目を開ける。
「お、王子…な、何してるんですか!?」
「な、何が?」
リオンの顔が真っ赤になって僕を見ている…何をしてるって寝ていたんだよ…って僕は答えようとしたのだが…。腕に何か…いや…誰かがいるのを知った。
「すぅ…すぅ…」
「ビ、ビッキー…はっ!あっあっ!」
思い出した…確か昨日ビッキーが僕の部屋に訪れてきて…カイルから貰った薬をビッキーが飲み干して…それでエッチしちゃって…膣に射精して…一緒に寝て…。
「ちちちち、違うんだよ!これにはとても深すぎていえない情事…じゃなくて事情が!」
「ふ、不潔です!なんでビッキーさんと寝てるんですか!」
「だ、だから!」
「どうしたんですかぁー?」
ふと今度はドアのほうから嫌にゆったりした声が聞こえてくる…この声は…
「あら、あら、リオンちゃん、王子のお部屋に入って何してるん…わぁー、王子〜のケダモノさん」
「ミ、ミアキス…」
「ミアキス様、王子が!王子が!」
「あーあ〜リオンちゃん泣いちゃったぁ〜」
リオンはミアキスに抱きついて声をあげながら泣いている…、こんなに取り乱して泣いているのは初めて見た。
「ふわぁ〜、う〜ん…あ、おはよう、王子さま〜」
「あ…ビ、ビッキー…」
「どうしたの〜?」
「う、うん…それが…」
「王子ぃー!どういうことか説明してもらいますよ!」
目覚めたビッキーの声に反応したのか、怒りの形相で僕を睨みつけるリオンに恐怖を覚えた。
「あ、あの…これは…その…なんというか…」
「王子様とエッチしたんだよ」
「わぁ、ビッキーちゃんったら大胆ですぅ〜」
言ってはいけない言葉に、ミアキスとビッキー以外の場が凍りつく…特に僕の周りは酷かった…もう心臓すら動かないんじゃないかの状態だ。
「え、えっち…えっち…えっち…」
「うん、それでねっ、初めて…あげちゃった」
「初めて…初めて…」
「あ、あの…リオン?」
「王子の裏切り者!もう知りません!」
ミアキスを振り払うと部屋を勢いよく飛び出していくリオン、僕は呆然としながらその後姿を見てるだけしか出来なかった。
「ふぅ〜、リオンちゃん…ショックで自殺しなきゃいいんですけどぉ〜」
「じ、自殺って!?」
「冗談ですぅ〜」
「冗談にもほどがあるよ…」
にこにこしながらリオンを追うように退室していくミアキス、僕は溜息をついて頭を抱えた。
「王子様…やっぱり私…」
「いいよ、気にしないで…それに僕が君を好きなのは変わらないから…だから、笑って」
「う、うん!」
「泣き虫だね、ビッキーは…」
彼女の髪に手を添えて流すように撫でると、ビッキーはまたベットに寝転がる、僕もそれにつられて覆い被さる。
「ねぇ、あの時の約束…覚えてる?王子様?」
「あの時って…?」
「私と王子様がはじめてあった場所の事…」
(あの…わたしのことを守ってはもらえませんか?)
(…いいけど)
「うん、覚えてるよ…」
僕はそう言うとビッキーの唇に自分の唇を重ねた…彼女もまた僕を求めるように抱きしめてくれた。
「あ〜、本当だぁ〜、フェイタス河って冷たいや〜、ミアキスちゃん〜、もう帰りたいな〜」
その頃、フェイタス河の下流で流される女王騎士によく似た男が多数目撃されていたが、それが王子の拠点の城に知らされる事はなかった…。おわり…