大浴場 著者:5_21様
ほんのりと湯気がこもる大浴場に明るい、軽い声が響いていた。
声は20にもならないであろうと思われる若い女性達の物、
落ち着きの出を感じさせる明るくも美麗な声が聞こえる。
声の主の名はセシル、シャロン、ネイである。
風呂の湯に多少上気し、肌が明るい桃色を帯びていた。
セシルはクリスと話した事同様に、他の女性と、自分の体の
差異を気にしている、という話をしていた。
「ネイさんが羨ましいです」
その視線はネイの胸元や腰を追っていた。
「ホント!僕とも体型が違うね。でも、ここ1年くらいで
胸が大きくなったんだよ!」
成長期を感じさせる小さくやわらかそうな乳房を
自ら上に軽く持ち上げながらシャロンは答えた。
「もう、二人でどこを見てるんですか」
恥ずかしそうにネイが白い右腕で胸元を、左手で局部を隠す
セシルはその仕草をからかうように制止する。
「折角なんですから、かくしちゃ駄目です。」
「そうそう!そう言う事をすると…!」
シャロンは相槌を打つと同時にネイの右腕の手首を掴み体から引き離した。
「キャ!」
ネイが驚きの声を上げるが不快の様子の声ではない。
シャロンはそれを聞いて取り、くすりと笑いを浮かべた。
「えーい!触っちゃえ!」
あらわになったネイの乳房を遊び半分に、シャロンはその手に含んだ。
「僕のより張りがあるよー!」
「あ!私も触ってみたいです」
セシルも同様に、ネイの乳房を軽く揉む。
「本当だ。全然トップが下向いてませんもんね!
張りがあるからですか?」
セシルが考察する横でシャロンは今だネイの乳房を弄んでいる。
「ぽいんぽいんだよ〜」
「キャー!やめて下さい〜!」
子供の馴れ合いと見てネイは強くは言わないので止む気配は当然無い。
胸部に走るくすぐったさに、生理的な反応を示し
ネイの乳首は硬くなっていた。
「あ!ネイさん、トップスが!」
地声の大きいセシルがさも新しい物でも発見したかのような
声で告げる。
「ちょ…ちょっと、大きな声で言わないで下さい!」
さすがに恥ずかしさを感じたかネイは制止する。
「隣の男湯に聞こえてしまったらどうするんですか!」
「平気平気、聞こえないって!
えーい、もう一揉み〜!!」
「きゃぁ!」
シャロンは覆い被さるようにネイに抱きつき、湯の中に
ともに倒れこんだ。
一方、その頃男湯では声を殺して話し合う男性陣がいた。
「筒抜けだなんて、思ってないのかな…」
トーマスが心配するように小さな声を出す。
しかし、そのトーマスも内心聞こえている事実に感謝している。
「錐!錐はどこだ…!?くそ、俺の服には常備されているのに」
「絶対取りになんて行かせませんからね」
錐を取り、壁に穴をあけて覗きかねないナッシュを
小声ながら強く制止しているのはフッチである。
「穴なんてあけないで下さいね」
城主はそう言うが
「若いのに…」
ナッシュににやりと笑われ返事を返されている。
「理性の問題です」
フッチは厳しい一言をナッシュに言っていた。
しかし、止める者も止らない者も、この城の浴場の構造に、感謝している。