2オールキャラ 著者:ぶっつけパイヤー様
リオウ達は舞台のある部屋に入った。そこには覚醒モードのカレンがいた。彼女はくるくると踊りながら
パイを投げている。そして真っ正面に我らがお姉ちゃん…だったはずのナナミがいた。
だがその顔はパイで汚れていた。笑っちゃいけない。でも笑ってしまった。
「ぷ…ぶぁっはっはっは!結構白塗りが似合うじゃないか!ナナミ!!」
「くっ…くぅ…ぷぷぷ」
「ひ、ひぃ、しぬよ〜〜〜〜〜!!!」
「う、うるさいっなぁ!!こら!リオウ!!お姉ちゃんの顔を見て笑うなんて許せない!!
リオウの顔も真っ白にしてやるんだから!!フリックさん、ビクトールさんも覚悟してよね!!」
そしてここで死闘が始まる。ナナミは持っていたパイを三人の中心にいるリオウに投げつけるが
持ち前の素早さで避けられてしまう。ナナミは近くにあったパイ補給所でパイを手にとって今度は
一番動きのとろいビクトールを狙うが彼が投げてきたパイに相打ち、落とされた。
その間のフリックの攻撃を素早くかわしてパイを装填、運のレベルが一番低いフリックに
向かってシュート!…避けきれなかった…。蒼いマントの隅が、パイで汚れていた。
「あああ!!?俺の空色のマントが!」
「そ…」
「空色…」
「ナナミ…大人を…怒らせたなぁぁ!!」
「な、なによぉ〜〜〜。そういうルールでしょ!!」
ナナミは視界を塞ぐパイクリームを両手でぬぐいながら、負けじと言い返す。そしてすぐにパイを補給すると
いつもの姉の権限を利用して詰め寄った。
「さあ、リオウ!!顔を出すのよ!おとなしくお姉ちゃんにパイをぶつけられなさい!!」
「絶対やだっ!!」
「なによ、お姉ちゃんの言うことが…」
「だーーーーっ!!うるっさい!!よくも俺のマントを…」
フリックは隣にいたビクトールの手からパイを奪うと両手でパイを持ってナナミの所に突撃した。
一方、どうやってリオウに当てようか考えていたナナミがはっと気づいた時にはパイが目の前に!
それはナナミの素早さでも避けきれなかった。動けないほどの殺気を漲らせてフリックは
ナナミの顔にパイをつっこむ!!「きゃ!?」どべちゃん!!「わばふむん!!」
次の瞬間、パイがナナミの顔一面を覆っていた…・・完全な勝利であった。
「や、やばいよぉ…やりすぎなんじゃ…」
このパーティが終わったらナナミに何をされることか…怖くなったのか震えるリオウ。
「お、おう!逃げるぞ!!」
怒り覚めやらぬフリックの手を引いて三人は次のエリアへと走った。
…しかし、これで引き下がるナナミでない。ことリオウの事となると、その執念深さは凄まじいものがあった。
ナナミは怒りもろともパイを顔からはがすと、顔にまとわりつく不安定な視界と生クリームの
しつこい香りも気にせず、パイ補給所の前に猛ダッシュ。そして…
「もぉぉ、怒ったんだから!ゲンカクじいちゃん直伝!奥義!花鳥風月百花乱竜万歳投げをくらわすわよ!」
ナナミの素早い動きと同時に無数のパイが宙を舞う。…だが、ナナミはそこに既にリオウがいなくなっている
ことに気づいていなかった。そして、その花鳥風月〜略の被害をモロに受けたのは、フリックを追ってきた
グリンヒルチームのニナだった。
「きゃあああ!!…もう、フリックさんったら…私にも容赦してくれないのね…でも、そこが…素敵…
フリックさんならいくらでもぶつけてくれていいわ…だって、あなたの投げるパイが私への愛の証ですもの…」
パイまみれになったニナは、ナナミの仕業とは気づかずに自分の世界に酔いしれている。
それもつかの間、すぐに現実に戻されることになった…。
「ニ、ニナさん…フリックさんじゃなくて、ナナミさんみたいだね…うん」
後ろからやってきたジュドの言葉に時が止まるニナ…。そして、風…。その後ろで笑いを堪えるエミリア。
「……………」
シンとテレーズも言葉を失っている。…時が再び動き出す。
「え…やだ!?ひ、ひどいわ!ナナミちゃん!!友達だって思ってたのに!!こんなことするなんて!
…いいわ、こうなったら勝負よ!!」
クリームを手で払いながらニナはパイを手に取る。
「え、えぇぇ〜〜、違うよぉ〜。私はただ、リオウに…」
しかしニナは聞く耳を持たずにナナミにパイを投げる。うまくかわすナナミ。2発目も余裕…のはずが
「きゃっ!?」
避けたついでに落ちているパイに足を滑らせてナナミは尻餅をついた。そのスキをニナは見逃さず、
さっとジュドからパイを奪い、距離を詰めると、ナナミの顔にシュート!ぶちゃん!「ひぃやん!」
満足したニナ。しかし、その時…どこからともなく耳に入ってきた言葉は…
「やだ、真っ白ね…特にあの顔…小娘にはお似合いだけれど、ふふふ。あ、ジュド君、せっかくだから
次回作の彫刻モデルにしてみたらどうかし…きゃん!!」
「あーら、ごめんなさい。何か言った?お・ば・さ・ん!」
次の瞬間、エミリアの顔に眼鏡の上からパイがぶつけられた。