ベルクート×ハヅキ 著者:お茶様
大きな手が、歳相応に膨らんだ乳房を包み込む。
「あ…」
ハヅキの華奢な身体が小さく震えた。ほんの一瞬漏らした声さえも、恥ずかしそうに飲み込んで、
うっすらと開いていた瞳をきつく閉ざした。
緩やかに揉みしだき、熟れた先端を指で摘むと、抑えていた声がまた洩れた。
こうしてハヅキを抱くのは何度目になるだろう、ベルクートはふとそんな事を考えた。
いくさの最中に不謹慎だとは思いながら、それでも、いつからかこの少女の身体を求めずにはいられない自分が居る。
確かハヅキはまだ17だ。自分よりも11歳も年下の、子供と言ってもおかしくない年齢。
どんなに身体は成熟していても、まだ子供なのだ。
そんなハヅキの身体を、自らの欲を満たす為に汚している。
こうして抱くたびにそう思い、これで最後にしようとも思う。だが、そう簡単に忘れられるわけがない。
割り切れるわけがない。そうして結局何度も求めてしいまう。堕ちてしまったのは自分の方だと思い知らされる。
どんなに葛藤しようとも、ハヅキに触れて、ひとつになって、情事を終えて抱き合って眠る。
僅かな時間でも触れている時が今の自分にとって最も満たされる時間なのだ。
「…何を、考えている?」
甘く掠れた声で囁かれ、ベルクートは意識を戻した。熱く潤んだ瞳が自分を見上げていた。
いつもきっちりと結われた髪は解かれ乱れている。誰も知らない、自分だけが知っているハヅキの顔。
「…あなたの事です」
「嫌なら、その…無理を、しなくてもいい…」
少し、悲しげな色を帯びた瞳が伏せられた。ハヅキは今まで男を知らなかったどころか、
誰かを好きになったことが全くなかった。ベルクートが初めて好きになった男で、
初めての相手だった。そのせいか剣士としての自分には自信があっても、女としての自分にはまるで自信がないのだ。
「お前はいつも…その、最中に…考え事をしている」
いつも目を閉じて必死だとばかり思っていたが、意外と見ているものだ…と内心で驚くが、
そんな素振りは見せない。見せてしまえばハヅキが不安になるのを知っているからだ。
何度好きだと言っても、何度睦みあっても、些細なことで落ち込んだり傷付いたりしてしまう。
いわば年齢に相応の女性なのだ。
「そうですね…いつも考えています」
「何度も言うが、嫌なら無理をしなくてもいい。私は平気だ」
気丈にそう口にするが、表情はそう言っていない。普段とは正反対と言ってもいい程の
弱気で脆いハヅキを、心から愛しいと思う。手放したくない。
「無理なんてしていませんよ。…考えているのは、あなたの事ばかりです」
「本当か?」
「信じられませんか?」
逆に聞き返すとハヅキは黙ってしまう。
「私はハヅキさんを抱いているときが一番幸せですから」
「は、恥ずかしいことを言うな!」
「そんなこと言われても本当の事ですから。ハヅキさんは美人ですし、
スタイルもいいし、敏感」
「もういいと言っている!馬鹿!」
そう言うとまた目を閉じて顔を背けた。耳まで赤くして照れている。
「ハヅキさんはどうですか?」
「何?」
「いつも、どんな事を考えていますか?」
問いかけながらハヅキの最も敏感な部分に指を這わせる。胸だけで十分に感じていたのか、既に蜜を溢れさせていた。ゆっくりと指を挿し入れるとほんの一瞬だけ体が強張った。
「あッ…そ、そんな事…」
強すぎる刺激を与えないように、ゆるやかに内部をかき回しながら、答えを待つ。もうそんな事を考える余裕などなくなっているのは見て取れるが、敢えて先を促した。
「…お前は馬鹿か」
絶え間なく与えられる快感に細い腕を伸ばしてベルクートの首にしがみついた。空いた手をハヅキの背に回し支えてやると、耳元でハヅキが怒ったような声で囁いた。
「…お前の事以外、考えることなどない。私はそんなに器用ではない」
そもそも、どうでもいい男に身体を許すほど私は軽くない。ハヅキはそう続けると、「もういいだろう」と余裕のない声で言った。その答えにベルクートは満足げに笑った。