ゲオミア小噺支援 著者:9_590様
「…は、はぁっ…ぁん、ゲオ…ルグ殿ぉ…っ」
「何だ?」
「やぁン…あッ、ちょ…やめ…って、ちょっとちょっとぉ!その手ぇ抜いて下さぁい!」
「…どうした」
「そんな、静かにムッとしないで下さいよぉ。
…えっとぉ、そのですね、盛り上がってきたところ何なんですけどぉ…」
ドガガガガ…ッ
「苦さを克服したい…ということで今回は色々用意してみましたぁ!!」
「何なんだこれは…?」
「コンデンスミルクにひいらぎハチミツ続いてメープルシロップピーナッツバター
マーマレードジャムミルクジャムチョコレートソースカラメルソースえとせとらっ!!
…ワンブレスで云い切りましたよさぁどうですかぁ…っ!」
「いや、何に使うんだ?」
「ナニに使うんですよぉ」
「………」
「ふふふ…見てるだけでよだれが出ちゃいますよねぇ。じゅるぅり」
「もしかして、これを…塗るのか?」
「わたしは、塗っても載せても掛けても垂らしても漬けてもいいと思いますけどぉ」
「……なるほどな」
「あ、他に生クリームなんかが良ければ、わたし今から頑張ってツノが立つまで泡立てますよぉ。
全裸で」
「…エプロンくらいは付けていても問題ないと思うぞ」
「あー、ゲオルグ殿はそっちの方がお好きでしたかぁ。次は用意しておきますぅ」
「しかし…ベッドや床が、クリームやらソースまみれになったりしないか?」
「それはちょっと困りますねぇ。そうだ、お風呂場行きますかぁ?証拠隠滅しやすいですよぉ」
「…夜中に誰もいないだろうとはいえ、公共の場を利用するのは感心せんな。
それに、あそこは声が響くだろう」
「あ、そうですねぇ。さすがにゲオルグ殿は抜かりないですぅ〜。
確かに、わたしもちょっと黙っていられる自身ありませんしぃ。誰かさんのせいでぇ」
「いや、それは単にお前の堪え性の問題だろう。…いや、こっちの話だ気にするな」
「…あ、それなら思い切って野外とか!
湖畔の茂みの方なら人もいないですし、きっと開放感もありますよぉ」
「甘露に蟻やらカブト虫やらひいらぎの精やらが集まってくるぞ」
「そ、それは嫌ですぅ…。じゃあ、お外もナシということで。
誰かに見られたりしても恥ずかしいですしねぇ。
二人でスポーツ黎明(注・新聞名)のゴシップ面を飾っちゃったりなんかしてぇ」
「………」
「で、結局どうするんだ?」
「…仕方ないのでここで、頑張っておふとんを汚さないようにする方向でぇ」
「やめる、という選択肢はないんだな…」