天サド(ゲオルグ×ミアキス) 著者:10_431様

「ぐあッ……!」
「ゲオルグ殿ぉっ!」
「くっ…あんなに魔法使えるヤツが居るなんて…!
 ごめん、ゲオルグ…!」

 木の根元に座り込み、弱っているゲオルグ。
「相変らず、魔法には弱いんですねぇ」
「…すまんな」
「得手、不得手は仕方ありませんよぉ。その分、戦場では
 他の人の何十倍も敵を斬ってるんですからぁ、気にしちゃダメです」
「ああ。ありがとう…ミアキス殿」
「(あ………)」

 何か この立場 心 地 い い 。

「とりあえず、HPが1なので回復しなきゃいけませんねぇ。
 …じゃーん!ベークドチーズケーキですぅ!ちゃんと切って、お皿に乗せましたぁ!」
「ああ。気遣い、すまんな、ミアキス殿」
 ひょい。
 ゲオルグがよろよろと差し出した手から、皿を遠ざけるミアキス。
「………」
「ふふ」
 再びミアキスは皿を下げるが、手が伸びてくるとまた遠ざける。
「くっ……」
 ひょい。ひょい。ひょいひょいひょいひょい………
「ふふふふふふふふふふふ」
 悔しげに眉を顰め、唯一動く片腕だけでどうにか皿を取ろうとするゲオルグ。
 そんな様子を見て、長らく受けに回っていたせいか封印されていた天サドの血が目覚め、
 性的な興奮すら覚えてしまったのか、ミアキスは顔を赤くして息が荒い。

「ゲオルグ殿ぉ」
「…何だ」
「…“お願いします、ミアキス様、『あーん』して”って言ってくれたら、食べさせてあげますよぉ?」
「な………!」
「それも、ちゃんとあーんしてあげますぅ」
「いや、それはいい」
「…冷静に返されるとそれはそれで傷つきますねぇ…で、どうしますぅ?」
「くっ……」
「(ふふふふ…今なら反撃されることもありませんしねぇ…あぁ楽しいですぅ)」
「………」
「どうするんですかぁ?言わないと、食べちゃいますよぉ?」
「……う」
「ためしに一口………はぅ、美味しいですぅ!やっぱりエストライズのベークドチーズケーキは美味しいですねぇ…」
「……………おね……ます…」
「この口の中で蕩ける甘酸っぱさ…ぁん、まさしく姫様の肌の如しぃっ! …え?何ですかぁ?」
「…お願い、します……ミアキス様。 …『あーん』して、くれ」
 勝った……! ミアキスは内心ガッツポーズをした。
 絶頂を迎えかねない程に熱くなった下腹部の違和感をふとももをもじもじさせて堪えつつ、ゲオルグに近づき、
 耳元に唇を寄せて…甘く、甘く、チーズケーキのように、囁いた
「………だ・め。 …ですぅ」
「…………」
 ビキ。 ミアキスは顔の横で響いたそんな音に、きょとんと視線を走らせるが…
「………えっ!?」
 その開いていた右手で思い切りからだを引き寄せられ、ゲオルグの上に倒れこむミアキス。
 ぽとりと落ちた皿。草の上に転がるチーズケーキ。そして…圧倒的な威圧感。おそるおそる顔を上げると、
 今まで見たこともないような殺意に満ちた顔をしたゲオルグが――――
「…あ、ぁう、ぅ………ひ、ひぃっ………―――――!!」

「ゲオルグー、ミアキスー?そろそろ行…………!
 ……、あ、あの、ご、ごめんっ!! さ、三時間ぐらいしたらまた来るから……!!」

 その翌日、ミアキスは激しい腰痛で出撃不可能だったが、ゲオルグは魔法も何のその、かなり元気だったとか。
 怒りモードゲオルグ>80%天サド

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