ヒックス×テンガアール 著者:通りすがりのスケベさん様

「ハイ。お疲れさまっ」
「はぁ、はぁ、はぁ、あ、ありがと」
息を整えるので精一杯の僕に、テンガアールがタオルを投げてくれた。
思うように力が入らない腕を懸命に伸ばして、宙に舞うそれを捕まえる。
わずかに冷たさを含んだ風が、熱くなった身体に気持ちいい。
僕がその場にしゃがみこんで汗を拭っていると、冷やかしを含んだような声が聞こえた。
「そんなんじゃ俺に一本入れられるのはまだまだ先だなぁ、ヒックス!」
今日の稽古相手をしてもらったビクトールさんは、
息を乱すことなくへたりこんだ僕を見下ろしている。
はぁ、今日も全然歯が立たなかったなぁ……。
「ヒックス、お前の剣は正直すぎるんだ。先が見えている剣なんて
 ある程度の手練なら簡単に見切ることができるぞ」
さっきまでの打ち合い(僕が一方的に打たれていたけど)を見てくれていた
フリックさんがそう教えてくれる。

確かに僕の剣はビクトールさんに当たらない。
それは経験の差だけが原因ではないみたいだ。
「そういうことだ。素直なのは性格だけにしておけよ」
「なんじゃ、まだまだ力の差は歴然じゃな。ビクトールの伸される姿を見たかったが」
その時、僕らの後方から残念そうな声がした。
白いスカートを風にひらひらと舞わせて、
その人は風に髪をさらわれないように手で押さえながらしずしずと近づいてきた。
「ババァ!!」
「へぇ、珍しいじゃないか。あんたが見に来るなんて」
「散歩をしていたらおんしらが目に入っただけじゃ………何か言ったか? ビクトールよ…」
薄く微笑んではいたけど、真っ赤な瞳だけがビクトールさんを突き刺すように射抜いている。
それは端から見ているだけだった僕にまでおぞましいほどの恐怖を植え付けた。
「い、いえ!何も言っておりませんよ!
 こらフリック! 失礼なことを言ったのはお前だろ!? シエラ様に謝れ!」
「俺、言ったか?」
「さぁ?」
テンガアールとフリックさんが顔を合わせてそんなことを言っている間も、
ビクトールさんはシエラさんに引き攣った笑顔を返していた。
シエラさんって、ビクトールさんより強いのかな……?

「ふぅ、なんか誰かさんのおかげで急に身体が冷えちまったぜ。
 おいテンガアール、俺にもタオルくれ」
「ヤだよ。自分でとれば?
  ヒックス、頬が少し切れてるよ。ボクが手当てしてあげるから部屋に戻ろう?」
冷たい言葉をかけられて固まってしまったビクトールさんを
見かねたフリックさんが、気の毒そうにタオルを渡している。
僕は先に戻る旨を伝えて、テンガアールと一緒に部屋へ戻ることにした。
「じゃあ僕達は先に失礼します。今日はどうもありがとうございました」
「ああ、ちゃんと身体は休めておけよ。……ほら、ビクトール。それで顔拭けよ」
「……お前にもらっても嬉しくねぇ……」
「贅沢言うな。風邪ひいても知らないぞ」
「なんじゃ、おなごがいいのか。よし、それならわらわが…」
「いッ!? け、結構です!」
「遠慮するな……ほれ、顔を出せ」
「ち、近づくなぁ! 笑うなぁ! こ、恐い歯を見せるなぁっ!! あっ」

「痛い?」
テンガアールが消毒液を染みこませたガーゼを恐る恐る当ててくる。
まるで自分の治療をする時のように慎重な手つきだ。
「ん、平気」
「痛かったら言ってね」
ピタピタと冷たい感覚が傷口を撫でまわすのを、僕は目を閉じて感じていた。
太陽の光を吸って日焼けしたテンガアールの赤毛の匂いが僕の鼻をくすぐる。
その匂いが明るい彼女の性格と重なっているような気がして、僕の頬が独りでに緩んだ。
「うん? 何笑ってるの?」
「テンガアールの髪の毛、お日様の匂いがするね」
僕は目を開けてテンガアールにそう告げた。
彼女の顔が思っていた以上に近くにあったことに少し驚く。
「え、そう? 焼けちゃったかな……」
テンガアールはそう言って、自分の肩で髪を寄せて鼻をならしている。

自分の匂いって、自分じゃ解かりにくいんだよね。
「なんかピッタリだなぁって思ってさ」
「ピッタリって?」
「テンガアールとお日様が、さ。どっちも明るくて…」
「……それって、誉めてるの?」
彼女の顔がわずかに曇る。
相手の意図がわからずに少しイライラしているような顔だ。
「も、もちろん」
「そ、なら良し。ボクもお日様好きだもん」
傷口に薄い血液の膜ができているのを確認してから、
テンガアールは僕の頬を一撫でして、手当てを終えたことを示した。
「ハイ、終わり。次はこんなケガしないでね」
「ははは……頑張るよ。ありがとう」
僕はベッドの上に身体を投げ出して、大きく息を吸いこんだ。
見慣れた天井が僕の視界に広がる。

テンガアールは慣れたもので、僕の部屋の構造を
熟知しているかのようにてきぱきと後片付けに勤しんでいた。
彼女のためにも、僕は強くならなきゃ…。
片付けを済ませたテンガアールは、僕の横に腰を下ろして擦り寄ってきた。
彼女の頭が僕の胸の上に乗ってくる。
小さいながらも確かな重みと、きれいに編み込まれた赤毛が辺りに散らばる。
「何考えてたの?」
「え?」
僕の顔を覗きこむように上目遣いでそう問いかけてくるテンガアールに、
僕は間の抜けた返事を返してしまった。
「なんか真面目な顔してた」
「そ、そうかな……」
「ま、いいや。それよりも……ねぇ……」
テンガアールの声のトーンが急に小さく、甘くなる。
その声を耳にしただけで、僕の身体が硬直するのがわかった。

「あ、ヒックスの心臓、ドキドキ言ってるよ?
 ……もしかして、期待してる……?」
僕の心臓の上に手を当てて、テンガアールはくすくすと笑みをこぼした。
違うんだ、テンガアール。今日は僕、疲れてるんだよ……。
「しよ……ヒックス……今日もいっぱい……」
「あ、あの……今日はちょっと……疲れちゃったからさ……」
「………」
テンガアールはいきなり僕から飛び退くと、自分の服の帯を解きだした。
瞬く間に帯は解けて、黄色い服が床に落ちる。
下着姿になったテンガアールが形のいい胸を突き出してきた。
「ボクの裸見ても、そんなこと言える?」
適度に日焼けした肌に白い下着が映えて見える。
もう何度も目にしたはずなのに、今だ見飽きることのない彼女の身体は
ある種の芸術品のようだ。
だけど、彼女との激しい行為を想像するとその感動も翳りを見せる。
「いや、今日は本当に……」
「むっ。ひどいや、ボクのこともうキライになっちゃったの?」

頬を膨らませたテンガアールが再びベッドの上に乗りこんでくる。
「そ、そんなことないよ」
僕は慌てて上体を起こし、テンガアールの横に並んだ。
それでも不機嫌そうな表情は変わらず、どうにも困った状態だ……。
「ねぇ、テンガアール…怒った?」
「……ふん。絶対『したい』って言わせてやる」
僕に聞こえよがしにそう言うと、テンガアールはベッドの上で股を開き出した。
「!」
大きく開かれたその股間を包む下着の奥には、いつも僕を痛いぐらいに
締めつけて離さないテンガアールのモノがある。
僕は息をするのも忘れ、目の前にある彼女の姿に魅入られてしまっていた。
「ふふっ……見てる見てる」
テンガアールが楽しそうに呟いた後、その光景はすぐにお開きになった。
彼女が大きく開いた脚を閉じてしまったからだ。
僕は無意識に残念がっている自分に苦笑しつつも、
お預けをくらったように思えて何かもどかしい気持ちに包まれた。

「見たい?」
彼女の掌で踊らされているような気がした僕は、
すぐに首を縦に振ることができなかった。
このままテンガアールの思い通りになるのも気に入らない。
「べ、別に……」
「ホントに?」
テンガアールは閉じた両脚を上に伸ばして、下着を自分で取り除いた。
長い脚を薄い布きれがするりと通過していく。
そしてまた彼女は脚を広げて見せた。
今度は邪魔なものなど存在しない、正真正銘の生まれたままの姿を。
「ごくっ……」
「ほら、見てよヒックス……」
テンガアールは自分の大事な部分を指で広げて、中の様子を見せつけてきた。
こんな明るいところで見るのは初めてかもしれない…。
真っ赤に熟した柔肉が、彼女の呼吸と共にヒクヒクと蠢いて僕を誘惑する。
「ボクのここ、美味しいよ♪」

「……!」
その一言で、僕の理性は吹き飛んだ。
息をするのを忘れてしまったぐらいに頭の中が酸欠状態で苦しい。
僕は無我夢中でテンガアールに飛びついた。
「んむっ!」
「ふう、ふぅっ……!」
僕を苛めて楽しむ唇を塞いでやる。
彼女の口の中にある唾液を全部舐めとってやる。
後悔させてやるんだ……僕をその気にさせたことを。
「んはっ……ヒ、ヒックス、いきなりなんて反則だよっ……」
「はぁはぁ、はぁ、はぁっ……!」
「いやぁ……そんなに…ぃ、舐めないで……ぇ」
僕の舌は彼女の唇から首筋へと降り、テンガアールの味を堪能する。
汗の混じった塩味のする身体を飽きる事なく舐めまわし、
彼女の膨らみを目指して一直線に道をつくっていく。
「あっ!?」

頂上で僕を待つかのように隆起したそれに辿り着いた刹那、
テンガアールは驚いたような声を上げた。
ピンク色のそれを歯で確かめるように軽く噛んで、
唇で捕らえたそれにむしゃぶりつく。
「あぁっ……ん! ヒックスぅ……」
「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
手で彼女の秘裂を探ってみると、熱い液体がべっとりと絡みついてきた。
濡れてる……テンガアールの身体の状態を確かめ終え、
僕は痛いほどに張り詰めた自分のモノを取り出した。
それを見たテンガアールが控えめに声をかけてくる。
「ヒックス、ズボン脱がないと汚れちゃうよ……?」
「構うもんかっ……!」
受け入れる準備は充分な秘裂にモノを当てがい、
僕は一息にテンガアールの一番奥まで突き入れた。
外部から侵入してくる異物を周りの襞が締めつけてくる。

「きゃぅッん!!」
テンガアールが可愛く鳴いて、僕にぎゅっと抱きついてきた。
子宮を突き破らん勢いで激しく突き入れ、
名残惜しそうに絡みつく肉襞を強引に引き剥がす。
初めての頃はよくわからなかった腰の動かし方も、
回数をこなすことで身体が勝手に覚え始めていた。
どうすれば一番刺激が強いのか……どうすればテンガアールが悦んでくれるのか……。
僕はあらゆる角度でテンガアールのきつい膣内をモノで刺激した。
腰を突き入れる度に寛恕は様々な反応を見せてくれ、僕も動く意欲が出てくる。
訓練の疲れはどこへやら、僕の腰は快感を求めて休もうとはしなかった。
「ヒッ、ヒックスっっ! いいっ! いいよぉ……っ! ボク、ボク、すごく感じちゃうぅぅッッ!!」
「もっと感じなよ! もっと可愛い顔を見せてよっ! もっと色っぽい声を聞かせてよっっ!!」
「あぁ! ヒックスぅぅ……気持ちいいッ! 気持ちいいのッ!!」
テンガアールの引き締まったお尻が、僕の腰を打ち返す。
小気味よい肉の弾ける音が響き、僕を聴覚から興奮させる。

「はぁ! はぁ! はぁ! あぁ!」
「ヒックスっ、がっ……我慢しなくていいからねっ……出してねっ、いっぱい出してねっ……!」
「うん、出すよ……テンガアールの中、溢れるぐらい出すよ!!」
「来てっヒックスぅぅ!! ボクの中いっぱいにしてぇッッ!!」
テンガアールが僕のモノを引き千切れるほどに締めつける。
物凄い膣圧に、腰の奥に溜まっていた欲望の塊が一気に暴発した。
「うっく……!」
「好き! 好きっ! 好きッ!! 好きぃッ!! ヒックスっっ……ああぁ!!!」
彼女の中の一番奥深く、僕の突き刺さったモノが容赦なく精を吐き出している。
僕らは身体を震わせて絶頂感に身を委ねていた……。

「はぁ……スゴかったね、ヒックス」
「え、あ、あぁ……」
テンガアールは潤んだ瞳で僕を見つめてきた。
こうして僕の身体の下にいる時はひどく彼女が小さく感じられる。
「でもいきなりだったから、ビックリしちゃった。まだ『したい』って言わせてないのに」
そう言ってテンガアールは小さく頬を膨らませる。
僕は自分のしたことを思い出して、妙に気恥ずかしくなった。
「だ、だってさ……」
「ま、それだけボクにコーフンしちゃったってことだよね。嬉しいよ、ボク」
少し笑ってから、彼女の頭の両横についている僕の両手を掴んで
テンガアールは起き上がった。
「じゃ今度はボクが上になるね」
どっと僕の上に倒れ掛かってくるテンガアールに僕は顔を引き攣らせる。
「え? ま、まだするの?」

「当たり前じゃない。いつも1回で終わりじゃないでしょ? 何言ってるの?」
「い、1回で済むように頑張ったじゃないか」
ぎゅうっと首筋に抱きついてくるテンガアールは流し目で僕を誘ってくる。
僕は物欲しそうなその目を見まいと、さっと視線を反らした。
「だぁめだよ、ボク満足してないもん。いっぱいしなきゃ上手くならないよ、剣もエッチも」
「そ、そんなぁ……僕もう駄目だよ……勃たないよぉ……」
「大丈夫。ボクに任せておけば……あれ?」
テンガアールは何かを見つけたようで、ボクの前髪に手を伸ばしてきた。
そっと髪をかきあげて、僕の額をじっと見ている。
「ヒックス、ここも切れてるよ。髪が邪魔で見えなかったんだね」
「あ、あぁ……そう」
切り口を確かめようとした僕の手を、テンガアールが掴む。
「あ、待って。ボクが直してあげるから」
「え?」
そう言うが早いか、テンガアールはその傷に口をつけてきた。
生暖かい舌が、その傷口を労るように舐める。

僕の眼前にはテンガアールの柔かい胸が広がっている。
強引に押しつけられてくるそれは、僕の顔をこれ以上ない弾力で包み込む。
「………(わざとやってるよな……これって)」
「ぺろぺろ……ぺろぺろ……」
女性の身体に素直に反応する自分の身体が怨めしいよ……。
もう勃たなくていいのにムクムクと元気になる分身に涙しながら、
僕はこれからまた始まるだろう情事に溜息を漏らした。
「あ、ほら! おっきくなってきたじゃない! まだまだ大丈夫だネっ?」
助けて、誰か……。
「犯される……」
「もー、しっつれいね! 大体さっきボクを犯したのは誰?
 次はボクの番だからね。覚悟しなよ〜、ヒックス!」
「あぁぁ〜〜〜………」

また明日も身体が重く感じるんだろうなぁ……。
僕の剣の腕が上がらないのは、テンガアールにも責任があるんじゃないか?

                  完

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