ジャック×アイラ 著者:腐れSS書き様
紅蓮の炎。
空に立ち上る黒煙。
燃え盛るのは…カラヤの村。
「――――――――――――――!!!」
熱いものが頬を伝う。
その感触であたしは現実に引き戻された。
顔を横に向ければ、隣のベッドでクイーンがすやすやと眠っている。
「…また…あの時の夢…。」
指で涙を拭い、ベッドから起き上がった。
ふと窓の外に視線をやれば、満天の星。
「カラヤから見た星のほうが、ずっと綺麗だった…。」
また、涙が流れていった。
もう帰れない故郷に想いを寄せ。
ずっと泣いていたせいか、喉が渇いてきた。
「水…もらえるかな…。」
クイーンを起こさぬようにそっと部屋を出る。
階段を降り、酒場にある水瓶に向かう。
すると、ぽつんと机に座っている人影があった。
「…ジャック?」
「…アイラ。」
真っ白な肌が月光に映える。
相変わらず、綺麗な人だと思った。
「こんな…夜中に何を?」
「………ソーダ、飲む…?」
ジャックは質問には答えず、黙って机から離れた。
酒場のカウンターの下に潜り込む。
「飲む!あ、けど…無断じゃ駄目…あれ?」
差し出してくれたソーダのボトルには、『アイラ』という札が貼ってあった。
「取って…おいた。」
「アイラこそ…こんな夜中に…?」
ソーダをグラスに注ぎながらジャックは話を続けた。
「……眠れなかっただけ。」
「でも、目赤い…。」
カウンター越しにそっと差し出されたソーダと手。
ジャックの手はゆっくりと頬に触れ、撫でる。
「泣いてた…?」
涙の後を伝うかのように、指を滑らせて確認する。
「一人で…泣くな。」
どうして、この人は気付いてくれたんだろうか。
ずっと持ち続けていた苦しみに。
もう、一人で泣くのはつらかった。
涸れ果てたと思っていた涙が、再び頬を伝っていった。
今日は相部屋の筈のエースが居ない、ということでジャックの部屋に行くことにした。
流石に真夜中の酒場は寒い。
長話するにはやはり、部屋のほうが最適なのだ。
ベッドに座り、沢山の話をした。
とは言っても、ジャックはやはり無口なほうなので喋るのはアイラ一人なのだが。
それでも満足だった。
誰かに聞いて欲しくかったのだ。
ジャックはそれを静かに聞いてくれていた。
泣き疲れ、ベッドに横になったとき。
そっとジャックが頬に唇を寄せた。
…何となく、は解っていた。
部屋に来た時から、期待はしていた。
こうなることを。
「アイラ…。」
ぎゅう、と体を抱きしめられた。
ぬくもりが直接肌に伝わってくる。
「……いいのか?」
ぽつり、とジャックが呟く。
アイラは頷く形で、答えを出した。
悪いも何も。
こうなることを望んでいたのは自分自身だったから。
初めて逢った時は無口でわかんない人だな、なんて思っていたけど。
そのうち、いい人なんだとわかってきて。
気になってきて。
ずっと触れたい、という気持ちでいっぱいだった。
クイーンに話したら、それは『好き』って気持ちなんだよ、とか言われ。
自分でもやっと解り始めていた。
ジャックの気持ちも、何となく気付いていた。
でも、やっと今確認できた。
「……アイラ、好きだ。」
「うん…。」
小さくキスを交わし合う。
そのたびに、いつもは笑わないジャックの顔が綻ぶ。
綺麗な顔立ちが、笑うとさらに綺麗だ。
見とれているうちに、ジャックの手は乳房に下りてきた。
服の上から揉みしだかれ、甘い感覚が脳に伝わる。
「んっ…。」
声を漏らすたびにジャックが唇をキスで塞ぐ。
「隣…聞こえるよ…?」
意地悪な貌で見据える。
くりくりと乳首を転がし、服の上から啄む。
そのたびに甘い声が喉の奥から湧き上がってきた。
押さえ切れない甘い衝動。
「ジャック…もう、脱いでいい…?」
返答を待たずに、服を脱ぎ捨てる。
成長しきれていない体だけれど、なんて言っている場合ではない。
欲しがっている。
それだけで十分なのだ。
全てを露にした身体で、ジャックに擦りよる。
「アイラ…可愛い。」
身体中にキスの雨を降らせて、痕を残す。
這いずる舌が双丘に辿り着いた。
茂みに隠れている丘を広げ、湿った部分に唇を寄せる。
「っ…ジャック…。」
脳天を突き破られそうな感覚に必死で耐える。
ぴちゃぴちゃと響きわたるおとが厭らしい。
気持ちのいいところを引っ掻かれ、思わず声を上げる。
入り口を舐められ舌の先端が中に押し込まれると、恥ずかしい声を上げてしまった。
「あぁぁっ…やっ…。」
感じた事の無い感覚に戸惑いを隠せない。
一応、カラヤの住人は15歳になると『勉強』として教わるが、こんな気持ちよさは無かった。
「ジャック…ひあっ!?」
舌で犯されるのと同時に白い指が蜜壷の中に差し込まれる。
じゅぶじゅぶ、とやらしい音を立てているのが聞こえた。
「いやらしいね…アイラ。びしょびしょだ…。」
その声がさらに気持ちよさを加速させる。
急に腰を掴まれ、股間にジャックの憤ったものが押し付けられた。
濡れた感触に、体躯が震えた。
快感か、それとも…そんな大きいものが入るのか。
一応処女では無いとはいえ…慣れないものだ。
「愛してるよ…アイラ。」
ずぶ、という音がして、身体の中に激しい圧迫感が起きる。
指で慣らされてるとはいえ、いきなりの挿入はかなりの負担だ。
あまりの痛みに悲鳴が零れてしまった。
「大丈夫…?」
ぴた、と動くのをやめ、ジャックが心配そうに顔を覗き込んできた。
「ん…平気…。大丈夫だから…ジャック。」
ジャックは頷くと、再び腰を突き出す。
ずん、と身体の奥に突き上げられる感覚。
「はぁっ…。」
熱い疼きが身体の中に生じてきた。
全ての神経がひくついているような、そんな感じ。
ジャックと繋がっているところに神経が集中する中、身体の中のジャックの存在にただ翻弄され矯声を上げ続けるしか出来なかった。
「だ、駄目だ…イク………っ。」
どくん、と一瞬ジャックのモノが大きくなったかと思うと、中に熱い何かが注ぎ込まれていった。
その衝動に脳天まで痺れる快楽に包まれた…。
気がつくと既に朝になっていた。
どうやら、隣のベッドの住人は帰ってこなかったらしい。
すやすやと眠るジャックの頬にそっとキスをする。
そして再び、横で眠りについたのだった…。
「…って、早く起きて来いよぉ…ちくしょー。」
一方、酒場のカウンターで朝から飲んでいる一人の男が居た。
名前はエース。
ジャックの相部屋の住人だ。
女にフラれ、寂しく一人寝しようと思い部屋に帰ればジャックは真っ最中。
入るに入れないので此処で飲み明かすしかなかったのだ…。
「隊長もどっか行っちゃうしクイーンとジャックは二日酔いとかで起きねぇし…ちくしょぉぉぉぉぉ……。」