もしもこの2人が出会ったなら… 著者:通りすがりのスケベさん様

カレリアの街は今日も交易商人達で賑わいを見せていた。
金回りのよい彼らを客取ろうと、道端で露店を開く者も少なくない。
照りつける太陽が残しゆく蒸し返すような暑さの中、
額に汗を浮かべながら大声を張り上げて客寄せに精を出す売り子達。
そんな中を、1人の男が思案顔で歩いている。
白いコートでほぼ全身を覆いながらも、彼はこの暑いカレリアにいながら
汗の1つも浮かべていない。
あきらかに異邦人であろうその風貌に、周りの人々は奇異の視線を向けている。
しかしその眼差しの多くは、好奇心と羨望の光を含んでいた。
整った顔形にスラリとした身体。
異性なら誰もが興味を引かれてしまいそうに美麗な目鼻立ちをしている。
それなのに声をかけられず遠巻きに見てしまっているのは、
彼が放っている独特の『近寄りがたい』雰囲気のせいだろうか。
そんな異様な空気の中を気にするでもなく、
彼は涼しげな顔で、2人雑談している女性に近づいていった。

「失礼。あなた方は『真の炎の紋章』について何か聞いた事はないだろうか?」
話しかけられた女性達は、話しかけられた嬉しさと
間近で改めて見る彼の美しい顔立ちにドキドキしながら、お互いに顔を見合わせている。
「知っている事があれば教えていただきたいのだが…」
「え、あ、ほ…炎の……? ねぇ、知ってる?」
緊張で喉をつまらせながら隣りの女性に聞いてみるも、
聞かれた女性は首を左右に振るだけだった。
そんな2人を見て男は特に表情を変える事なく、
「そうですか。お手数をおかけしました……では。」
と短く告げて、その場を去ろうとする。
「あ、あの!」
「? 何か?」

「不躾なお願いですけど、お名前をお聞かせ願えませんか?」
身体の前できゅっと握り締められた手が、
緊張している彼女の気持ちを代弁しているようだった。
そんな彼女の様に可笑しくなったのか、
氷のように冷たく感じる彼の表情にはかすかに笑みが見えた。
「これは…名乗りもせずに失礼をしました。アルベルトといいます。」
「アルベルト……様……。」
一瞬見せたその神々しい笑みを脳裏で反芻しながら、女は彼の名前をボソ、と口にした。

(あまり有益な情報はなかったな……念の為、もう少し当たってみるか)
街の奥へ進み、緩やかな坂を上がりながら、アルベルトは周りを見まわした。
ふと、周りの人々からはやや浮いている服装の人物が目に入る。
身体の線の細さから見て、女性だろうか?
彼女は何やら急いでいるようで、後ろを見ながらこちらに駆けて来る。
前方にいる自分に気づく様子はなく、よほど急いでいたのか
彼女はスピードを緩める事もせず真っ直ぐアルベルトにぶつかってきた。
「いたっ!?」
ぶつかる寸前、アルベルトは両手をクッション代わりにして彼女の身体を支えたが、
それでも衝突した衝撃はかなりのもので、彼女の身体は後方へ尻餅をついてしまった。
「前を見てないと危ないぞ、お嬢さん。」
「……!」

驚きの表情を浮かべてアルベルトを見上げる彼女。
まだあどけなさの残る顔や、近くで見て初めてわかった彼女の小ささから
まだ年端のいかない少女のような印象を彼に与えた。
「そ、そっちが突っ立ってるから悪いんだろ!?」
可愛らしい口から出た悪態に、アルベルトは目を丸くした。
勝手にぶつかって来ておいて……と思うや否や、少女は自分の手を引いて走り始めた。
「おい!?」
「ボク追われてるのっ!おにーさん助けて!」
少女にしては強い力で引っ張られ、アルベルトは足元をよたよたさせながら
彼女の後に続いた。

とりあえず身を隠したいという少女の提案で、
半ば強引にホテルの一室に連れこまれたアルベルトは、
少しでも実りのある時間にしようと、お互いの実情を話しあう事にした。
お互いといっても、アルベルトが巧みな話術で彼女から情報を聞き出しただけで、
自分の事はほとんど話していないのだが。
「じゃあ君は“炎の運び手”と合流するためにここまで来たと言う事か?」
「ボクの連れがね。ボクは別にそんな事はどうでもいいんだ。
 退屈だったから着いてきただけだよ。」
はるか南方の竜洞から来たという少女は、なるほど見た目もそれらしい風貌だった。
小さいながらもしっかりとした胸当てを装備し、今は壁に立てかけられているが
手には槍、丸盾を持っていた。
竜の翼を想像させる羽根のアクセサリーをつけた額当てが、
何より彼女のいう事を裏付けている。
ここらではそう見当たらないファションだ。

「で、その“炎の運び手”とやらは今何処に?」
「知らないよ。ここいらの事なんてボクもフッチも知らないもの。
 いつまで立ってもウロウロしてたから、目を盗んで逃げてきたら…」
「見覚えのない者に声をかけられた……と言う訳か。」
そこまで言って、彼女の顔が歪む。
事あるごとに彼女の表情はコロコロと変わるので、
考えていることが顔に出やすいタイプだなとアルベルトは思った。
彼女が相手なら、誘導尋問もさほど難しい事ではない。
「ボクは知らないヤツなのに、『シャロンさんですか?』だって。絶対あやしいよ!
 もしかしてボクを捕まえに来たのかも……!」
「どうしてそんな事をする?」
「だってボク騎士団長の娘だもん。ボクを誘拐しておカネ要求したり……」
「竜騎士団に喧嘩を売る物好きもいるまい。」
少女の妄想に付き合う気はない、と
アルベルトは椅子の背もたれにぐっともたれかかった。

聞き出した情報をもとに、頭の中を整理する。
(ふむ……真の炎の紋章を継承した者はこの近くにいるかも知れないな。
 後々厄介な事にならないよう、早急に手を打っておかねば……)
「何ボクの足ジロジロ見てんのさ、おにーさんのスケベ。」
意識していなかったが、どうやらアルベルトの目線は
露わになっているシャロンの脚に向けられていたようだ。
ブラブラと宙を遊ばせていた足を地について、彼女が短いスカートをぐっと前に寄せる。
もとより膝上にあるスカートの裾を上げたところで白い脚を隠す足しにはならないのだが、
そうせずにはいられないのが、異性の視線に敏感な年頃だということなのだろう。
「別に意識して見ていた訳じゃない。」
「でも見てたでしょ。ダメだよ、ボクのカラダは安くないからねっ。」
見れば目の前の少女は、やたらと肌の露出が多いように思えた。
只でさえ短いスカートには際どいスリットが刻まれ、
傷の1つもついていない綺麗な腰周りは、あられもなく外気に晒されている。
アルベルトは目の前の勝気な少女に興味を引かれている自分に気づいた。
そんな自分を嘲るかのようにこみ上げてくる笑いに顔を伏せる。

(そういう趣味はないはずなんだがな……少し遊んでやるか。)
漏れる笑みをクックッと堪えながらアルベルトはすっと椅子から立ちあがった。
黒い手袋を脱ぎ、少女の前にかがみこむ。
急に接近してきた彼に、シャロンはやや怯えた様子を見せた。
「な、何さ……。」
「ではどれくらい払えばいいんだ?」
質問の意味がわからず、ただオドオドするだけのシャロンの肩にアルベルトの手がかかる。
適度な温度を持ったそれの感触にビクリと身体を竦ませて、
動揺の色を含んだ瞳でシャロンはアルベルトを睨んだ。
「どどういう事…」
「知らない人について行ってはいけない、とママに教わらなかったのか?」
今回はシャロン自らが今の状況を望んだのだが、
よく知らない男と2人密室にいるということは、やはりマズイことだったかも…と、
シャロンの脳裏に後悔の念が走った。
「こ、子供扱いするなっ!」

肩を抱かれ、彼の腕の中に自分の身体を包まれながらもシャロンは抵抗を試みる。
しかし初めて感じる男性の腕の中の居心地は、想像していたよりも温かかった。
「では大人として扱おうか?」
アルベルトの顔が目前に迫る。
高鳴る胸の鼓動を必死に押さえようと努力するが、
彼の優しい扱いにシャロンのそれは高まる一方だ。
「な……」
近づく唇。
(ほ、本当にしちゃうのボク!?)
冗談か本気かわからないアルベルトに自分の態度を決めかねていると、
ふっと彼の唇が自分のものに重なってきた。
初めて交わした異性とのキスはどこか現実感のないものだった。
雲の上にいるようなフワフワした感覚が身体中に満ちて、
何も考えることができなくなってくる。

シャロンがそんな感覚に囚われていると、
そっと唇を離してアルベルトは不敵な笑みを浮かべてきた。
「どうですか、お嬢さん?」
自分の口許を指でなぞってみる。
今さっきまであった他人の唇の感触が甦り、シャロンは顔を赤らめた。
「……い、いきなり…!」
「お気に召さなかったみたいで。ではこういうのは?」
そう言ってアルベルトはがば、と彼女の腕をとり、強引にキスを重ねた。
彼女の固く閉じられた唇を舌で丁寧になぞる。
「ん―――!!」
柔かい頬を軽く摘んでできた隙間を逃さず、アルベルトの舌先がシャロンの口内に侵入する。
忍びこんできた生暖かい感触に身震いしながらも、どこか不思議な感覚に戸惑いながら、
自分の口内を暴れまわる彼の舌になすがままに犯され続ける。
歯型をなぞられ、舌を絡ませられ、シャロンは未知の感覚に呑まれつつあった。

心は拒絶しようとしているのに、身体がそれを許さない。
心地良いぬるま湯から決して上がらせないように固まる自分の身体。
だが彼女の肩を抱いているアルベルトの手はあくまで優しかった。
肩を抱かれ、手を掴まれ、口内を蹂躙されるシャロンの身体から力が抜けていく。
目の前の男は得体の知れない人物ではあるが、困っていた自分を助けてくれた。
容姿だけを見るなら、文句のつけようのない美形だ。
別段嫌う要素が見当たらず、シャロンの意識はふらふらと揺れ動き出していた。
抵抗する力がなくなってきたのを感じて、アルベルトは手の拘束を解いた。
焦点の定まらないシャロンを覗きこみ、言葉を投げかけてみる。
「こういうのはどうだ?」
「……はぁ……」
アルベルトは返事を待たずに彼女の両脇に手を入れて持ち上げると、
椅子に着席した自分の腰の上に彼女を降ろした。
小さいながらもしっかりした尻の感触を感じながら、
アルベルトがスカートの裾を持ち上げる。
「あ!」

ぴらり、と裾が持ちあがり、彼女の股間を隠す白い下着が現れた。
「どうした?」
その秘められた部分を布地の上からそっと撫でると、シャロンの身体が敏感に反応する。
くすぐったそうに身体を捩る彼女を楽しみながら、アルベルトは手の動きを大きくしていった。
「あぅっ……!」
強すぎる刺激のためか、シャロンがビクリと身体を仰け反らせた。
下着の上からではあるものの、他人に触れられた事などない秘部の入り口への刺激は
相当なものだった。
だがそれと同時に、理解できない気持ち良さが身体を走るのも事実だったのだ。
その甘い感覚は嫌悪するものではなく、むしろもっと受け入れたい感覚。
アルベルトの行為を無下に拒否する事ができないのは、
シャロンの無意識下でそういう欲求が発生しているからであった。
「イヤか?」
アルベルトの眼が細くなる。
こちらの心の内を把握しているかのような、含んだ笑み。
「う―――……、イヤだけど…………………………………もっと、して……」

ポツリと出た彼女の本音にアルベルトが口許を上げる。
うっすらと濡れた下着をずらし、
「脱がすぞ。」
と呟くと、了解も得ず一息に彼女の膝までずり下ろした。
「えッ!」
そのいきなりで迅速な行動にシャロンが驚く。
人前で大事な部分を晒すには、心の準備が整っていなかったようだ。
「綺麗な色をしている。」
シャロンの慌てようなど意に介さず、アルベルトはヒクヒクと蠢く秘裂の周りに指を這わせた。
ピクピクともどかしそうに身体を動かすシャロンの反応が面白い。
最近見ることのなかった新鮮な反応だ。
「ヤダよぉ……そんな、触んないで……っ!」
口に手を当てて、自分の望まない声が漏れるのを絶えた。
うずうずする身体は最早止める事などできず、
弱電流を流される如くビクビクと反応し続ける。
つぷ……。

「痛っ!」
アルベルトの指が秘裂を割っていこうとしたその時、シャロンが苦痛に顔を歪ませた。
「初めてか?」
その反応を見る限りそうとしか考えられなかったが、念の為探りを入れてみる。
後ろを向いたシャロンは、うっすらと涙で眼を潤ませていた。
「あ、当たり前だよっ!ボク、こんな事されるのも初めてなんだからぁ……っ!」
「しかし嫌がりはしない、か……君はもとから淫乱な体質のようだな。」
秘裂の上部にある可愛い蕾に指を伸ばし、
アルベルトは包皮に覆われたそれを剥き出しにした。
小さな花芯がぴょこ、と顔を出す。
「あぁッんん!!」
跳ねあがった刺激が全身に伝わり、一際大きくシャロンの身体が爆ぜた。
「ここを自分でいじった事はあるのか?」
指で花芯を摘み優しく擦りあげると、その刺激に呼応して彼女の身体が痙攣を起こす。
その刺激があまりに強すぎるのか、言葉を発する事すらできないようだ。

「……ッ!! ひ、ぅ!!」
喉がつまったような喘ぎを漏らし、シャロンの背がしなる。
秘裂から流出する液体の量が増したのに気づき、アルベルトはシャロンを見つめた。
「なんだ、もうイッたのか?」
「……ぇ………、イ……ッた?」
靄のかかる頭の中、シャロンはアルベルトの言葉を今一度繰り返す。
花芯を摘まれた瞬間、頭が真っ白になって意識が跳んだような感じがした。
これがイク……?
自分で慰める事はあっても、決して足を踏み入れる事のなかった領域に
シャロンはいとも簡単に踏みこんでしまった事を理解した。
人にされる事がこんなに気持ち良いなんて…。
「こんなに濡らして、君はスゴイな。」
「え……」
眼前に現れたアルベルトの指は、透明の液体でベトベトになっていた。
それが自らが出した愛液だというのが解かって、シャロンは耳まで紅く染める。
「イヤだ……そんなの見せないでよっ!」

恥ずかしそうに顔を背ける彼女。
アルベルトは意識がはっきりしてきたシャロンを確認して、行為を再開した。
(痛がる女は趣味ではないのでな……)
何ものの侵入も許した事がない秘裂の中は諦め、その周りをネチネチと弄る。
くすぐられているような、もどかしい感覚にシャロンが顔をしかめる。
「うぅっ……んん……、はぁぁ……」
「これでは満足できないか?」
「ちっ、違うよ……ボクそんなエッチじゃないもん……。」
しかし彼女の腰はアルベルトの指の刺激を求めて自ら動き出していた。
気持ちと身体がバラバラな彼女の行動はいちいち面白い。
「そうか。こっちは触った事はあるのか?」
アルベルトの指先が後ろの小さな蕾に伸びる。
「だ、だめッ! そんなとこ、汚いよぉ……!!」
シャロンの制止も聞かず、クリクリと蕾を苛める。
柔かい弾力が押しこもうとする指を押し返し、その侵入を許そうとしない。

「柔かいな。」
「そんなところ触んないでよぉ……!」
「君の身体は喜んでいるようだが?」
アルベルトがシャロンの身体の前方を覗き見ると、
彼女の花唇が菊座を押される事にヒク、ヒクと動いているのが見えた。
同時にそれを見つめていたシャロンは自分の身体の反応が信じられないようだ。
「嘘……嘘だよ、違うもん、ボク喜んでなんかいないよぉ……」
彼女の菊座を弄りつつ、アルベルトは片方の手を再び花芯へと向けた。
その動きにシャロンが過敏に反応する。
「だっ…だめだよ! そこは強すぎて……!」
「でも気持ち良かっただろう?」
シャロンの願いも虚しく、肥大した花芯に彼の指が迫る。
ぎゅ、と指の腹で押しつぶされた刹那、彼女の身体に電撃のような快感が走った。
「ああぁぁぁぁッッ!!!」
シャロンの嬌声と共に、秘口からトロリと蜜が溢れ出した。
新たな快楽に身体が喜んでいる証だ。

力を加減して、敏感な部分をやわやわと擦ると、
秘裂から涌き出る快楽の涙は量をさらに増していくのだった。
「気持ち良いか?」
「ひぃぅ……っ!! くぅ、んんっ!はぅっ…!」
どうしてこんな事になっているんだろう…?
シャロンは今更ながら、自分の置かれている状況に疑問を抱いた。
初めて自分の大事な部分を見せた男の人は、昨日まで知らない人物だった。
偶然出会ったその人は、どこか他人を寄せ付けない空気を持っていたけど、
少し優しくて、すごく格好いい人だったんだ。
ボクってミーハーなのかな…?
「ひぃッッ!?」
唐突に、シャロンの思考が遮断された。
アルベルトの指が彼女の菊座に侵入してきたからだ。
「止めて、ヤダよっ……汚いからぁぁ……っ!!」
「少しだけだ。」

彼の指は言う通りすぐに止まった。
第一関節も入らないところでストップし、菊座の入り口を探るように弄っている。
「あ……ぁ、イヤぁ……!」
そこで初めてアルベルトの指がクリトリスを引っ張るように摘み上げた。
きゅうっと抓られるような感覚に、只ならぬ快感が全身へ行き渡る。
「あはぁぁっぁぁぁ!!! あぁ、あぁッ!!」
「尻の穴を弄られてヨガるとは、君はイヤらしい娘だ。」
「イヤぁ! 強い……ッ!」
弱まる事のない刺激に、ぎゅっと目を瞑って堪えてみるも
感じた事のないほどの大きな快感の呑まれ、全身を気怠さが覆い始める。
「ひぃぁぁぁ! ボク……どうなっちゃうの!? あぁぁッ!!」
「またイクのか?」
「イ……ク……!? ッッ! イクッ! ボク、またイッちゃうッッ!!」
彼女の気持ちが高ぶるのを感じ、アルベルトはその花芯に爪を立てた。
「!!いッ………ああァァァぁぁぁぁ――――――――――――!!!」

大声で盛大に鳴くシャロンの秘裂から、ドプッと勢いよく愛液が噴き出す。
胸を反らして両腕をアルベルトの胸に突っ張り、フルフルと震えながら、
彼女は2度目の絶頂を全身で味わっていた。
力が抜けると同時に、シャロンがぐったりと倒れこんでくる。
「おい…?」
声をかけてみたが、返事はない。
(失神したか?)
ペチペチと頬を軽く叩いてやると、彼女の口から呻きが漏れた。
世話のかかる娘だと思いながらも、
先ほどまで行為に夢中になっていた自分に吹き出しそうになる。
「俺も物好きな…」
度の過ぎた『遊び』を反省しながら、アルベルトは立ちあがった。

シャロンをそっと抱きかかえ、側のベッドに寝かせる。
彼女の口許の唾液を拭い、服装を整えてやってから
起こさないよう静かに部屋を後にした。
重い頭を軽く振って、現実へと呼び戻す。
彼の耳には、まだ先の情事で散々聞いた可愛らしい喘ぎ声が残っていたからだ。
「時間をくい過ぎたな……。」
連れの尋問は免れないだろう。しかし気になる情報もしっかり手に入れた。
アルベルトは頭の中で報告すべき事を整理しながら、
まだ少女の香りが残る手に黒の手袋をはめ込んだ。

                完

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