エロいアンヌ 著者:通りすがりのスケベさん様

それはまだ陽の高い穏やかな午後のこと。
来たるべく夜の賑わいに備えて、ヒュッケビュッケ城の酒場で1人
下ごしらえに勤しむ若い女性がいた。
前々から自分の店を持ちたいと願っていた彼女にとって、
集まってくる人達に楽しんでもらうが為のその仕事が
辛く感じることはなく、むしろ楽しみとなっていた。
「よぉアンヌ、精がでるのぉ。」
「やあジョーカーさん、今日は1人?」
カウンターの横の扉から現れた男にアンヌが声をかける。
肩の骨をコキコキと鳴らしながら、伸ばした後ろ髪を結わえた男が
どっかとカウンターの椅子に腰掛けた。
「ふん、みんな訓練やら馬乗りやらで時間を潰しとるわい。
戦いに備えて身体を休めることが大事なのに、自分から疲れてどうするんじゃ。」

席に座るや否や愚痴をこぼし出したジョーカーにアンヌが苦笑する。
酒場を取り仕切る立場の者にとっては、客の不満を聞くのも仕事のうちだ。
「真昼間からお酒を飲みに来るジョーカーさんもどうかと思うけど?」
「何を言うか……酒はわしの身体から疲れを取り除いてくれる薬じゃ。
昔の人も言うてるだろ、『酒は百薬の長』と…」
「呑みすぎは毒だよ。昨日もあんなに呑んでたのに……。」
「あんなもの全然序の口じゃ。それよりキツいのを一杯頼む。」
ジョーカーはすでに酒場の常連客だ。
言っても聞かない性格だという事はアンヌにも解かっていた。
ふぅ、と軽く溜息をついて、アンヌは棚から彼の好みのワインを一本取り出した。
カウンターの隅に置かれていたグラスを持って、トクトクと注いでいく。
「今日はお代、払ってくれるんだろうね?」
ワインを注ぎ終わると同時に、アンヌが鋭い目つきでジョーカーを睨みつけた。
連日の酒盛りは結構なのだが、彼はその代金を全てツケにしている状態だったのだ。
今日こそ溜まったそれを戴かないと、アンヌとしても困る事になってしまう。

ジョーカーはいつもよりややキツイ彼女の視線を横流しして、グラスに手を伸ばした。
「何を言うておる、あんたとわしの仲じゃあないか。そんなカタい事を…」
「払ってくれないなら、これは没収。」
伸びてきた手からグラスをつい、と逃がしてアンヌはにこやかな笑みを浮かべた。
空かされた手を握り、ジョーカーの眉が八の字に歪む。
「ぐむむ……わしはあんたが寂しがってると思って、こんな昼間からわざわざ…」
おおよそ本気とは思えぬ下手な芝居に、険しかったアンヌの表情が綻んだ。
真面目な空気も上手く掻き消す彼の手腕に感心しながら、
アンヌはジョーカーの前に取り上げたグラス、それと注がれたワインを差し出した。
自分の前に置かれたワインのボトルの意味が解からず、ジョーカーが彼女の顔を見る。
「じゃあ私におごってよ、今日はそれで勘弁してあげるからさ。」
「む、客にたかるとはなっとらんマスターじゃな。」
「それじゃあこれは…」
「わ、わかったわい! 奢ればいいんだろうが! 全く…」
再びグラスを取られそうになったジョーカーは、慌ててボトルを持って
彼女の手元のグラスへと濃い色をしたワインを注ぎ出した。

「もぉ無いの〜〜〜?」
ぐでん、とカウンターに首をもたげて、アンヌが舌っ足らずな口調でぼやいた。
グラスに残った一口を飲み干して、ジョーカーが彼女を呆れ見る。
「お前さん、もうまわったのか?」
「そぉんなことありませんよぉ〜〜〜……わたしがお酒強いの知ってるくせにぃ〜〜〜!」
そうなのだ。
事実、アンヌはかなりの「うわばみ」だった。
以前飲み比べをした時、彼女は事もあろうに男3人を相手にして飲み勝ったのである。
それが今日はワイン一本でこのあり様だ。
いくら”強いもの”を頼んだと言っても、たかがワイン一本で
まいるような胃袋はしていないはず…。
もしかして体調が悪いのでは、と心配になってきたジョーカーは
カウンターの奥へまわりこみ彼女の側へかけよった。

「大丈夫か?」
「………。」
「おいアンヌ……返事をせんか。」
「……によ……。」
アンヌの虚ろな瞳がジョーカーを映す。
どうやら眠ってはいないようだが、彼女の意識は宙は彷徨ったままだった。
「何? 何だ、気分が悪いのか?」
「なによぉ……ジジィのくせに馴れ々々しく触んないでよぉ……」
「………。」
普段から彼女は気さくに話しかけてきてはいたが、
面と向かって『ジジィ』と言われた事は今の瞬間が初めてだ。
まだまだ若い者にも体力的に負けてはいない、と自負するジョーカーは
老人扱いされるのをとかく嫌っていた。
介抱してやろうと思って駆けよってきたのに、いきなり悪態をつかれたジョーカーは
その必要もないな、と腹立たしげにその場から去ろうと彼女に背を向けた。

「あン、待ってよ……こんな広いところに私1人置いていく気〜〜?」
去ろうとしたジョーカーの腕をアンヌが咄嗟に掴む。
長袖の服の上からは解からなかったが、意外と筋肉のついた逞しい腕だった。
「あんた疲れてるんじゃないか? 店を開けるまで少し眠ったらどうだ。」
若干顔をしかめながら、ジョーカーは彼女に言い放つ。
「いやン、じゃあジョーカーさんと一緒に寝るぅ〜〜〜〜……」
「何を言っとるんじゃ……酔っ払いは静かに寝とれ。」
彼女の細い腕を振り払おうとした時、上体を起こしてアンヌがジョーカーに身体を向けた。
ぐったりとしていたアンヌが姿勢を正したように見えて、ジョーカーの気もそちらへ向く。
「んふふふ………。」
不敵な笑みを浮かべたアンヌの挙動を、ジョーカーが見守る。
(おげぇぇぇぇ……というのは勘弁してくれよ……。)
最悪のシナリオを思い描きながら、ジョーカーは取るべき行動を考えていた。
アンヌは徐に自分の胸元に手をかけて、
「ほら!」
と、ジョーカーに見せるように襟元を引っ張った。
褐色の肌が露になり、豊かな乳房が顔を覗かせる。

「!!」
「あ〜〜〜〜、見たぁっ!ジョーカーさん、私の胸見たよ今ぁ!!」
「おっ、お前さんが見せたんだろうが!!」
ジョーカーは必死に否定したものの、彼女が見せた一瞬の光景が頭から離れなかった。
『見せられた』とは言え、実際目を釘付けにされてしまうほど、
アンヌの胸は大きく魅力的だったのだ。
「ねぇジョーカーさん………良かったら、味見してみる?」
「な、何ぃ!?」
その大胆すぎる提案に、大きく目を見開いてジョーカーが驚く。
アンヌは酔いのせいなのか、顔を紅く染めて彼の反応を待っている。
「な、何を言っておる! からかうのも大概にせい!」
「からかってると思う……?」
いきなりアンヌの声のトーンが下がったかと思うと、彼女はふらりと立ちあがり、
自分のズボンに手をかける。
脱ぎにくそうに片足をあげてズボンから引きぬき、もう片足で踏みつけるようにして
完全にズボンを脱いでしまった。
「よいしょ……。」

「な、な、何をしとるんだ!?」
「何って……わかってるくせにぃ〜〜!!」
にやけ顔のままアンヌがジョーカーにがば、と抱きつく。
彼女の柔かい身体とほのかな香水の匂いが、ジョーカーを困惑させた。
「こ、こら! やめんかっ!!」
「……やめていいの?」
ジョーカーの胸元で、アンヌは誘うように甘い声を出す。
やや酒気を帯びた熱い吐息が、彼の心を揺さぶった。
酒の勢いに任せて女を抱くなど、男として情けない…!
そう思いつつも、アンヌの成熟した肢体に徐々に変化を見せるジョーカーの身体。
「………お前さんが誘ったんじゃからな。」
「そうだよ……私がジョーカーさんを誘惑してるの……。」
はちきれんばかりにムチムチした太股を見ているうちに、
ジョーカーの自制心は崩れ落ちていった。

彼女から誘うのだから、それに乗らなければ彼女に
恥をかかせてしまうかも知れない。
半ば無理矢理自分を納得させて、ジョーカーはアンヌに覆い被さった。
カウンターを背に、アンヌがジョーカーをその胸に引きこむ。
「ほら、触ってよ……。」
「……でかいな。イヤらしい乳をしとる。」
服の上からでもその柔かさは充分に堪能できた。
ジョーカーは指全体を使ってアンヌの乳房を揉みしだく。
布地の感触がじれったく感じて、彼女の襟元から直接じかに腕を突っ込んだ。
「あん……!」
強引に侵入した手がアンヌの乳房の先端に触れた瞬間、ビクリと彼女が身体を竦ませた。
突如走った電気のような快感に震えながら、
アンヌは愛撫を自ら望むかのようにジョーカーの身体に密着する。
「もっと、もっとして……!」
「こうか?」
乳房を掴む力が増し、指先で乳首を扱き上げる。
みるみる固さを持っていくその先端に、ジョーカーの興奮の度合いも
さらに高まっていった。

「何じゃこれは? どんどん固くなっていきおるぞ、お前さんの乳首は。」
「あっ……はぁ! だって……感じるんだもの……っ!!」
はぁはぁと荒い息を吐きながら、ジョーカーの思うがさまに乳首を扱かれるアンヌ。
ガクガクと脚が震え、両腕をカウンターにかけて立つのがやっとの様子だ。
「もう、ダメ……! ジョーカーさん、私、もうダメ……!!」
「よし、尻を向けろ。ちと早いが、わしのをくれてやる。」
くいっと腰を回転させて、アンヌはボリュームのある尻をジョーカーの前に曝け出す。
薄い布地の下着をずり下ろして見えたそこは、テラテラと光る蜜ですでに溢れていた。
「こんなに濡らしおって……アンヌはイヤらしい娘じゃのぉ……。」
「いいからぁ、早くぅ……! おまんこでもお尻でも、好きな方にちょうだい……っ!!」
可愛らしく蕾んだ尻穴を隠そうともせず、アンヌが腰を振って懇願する。
その眩暈のするほどの卑猥な光景にジョーカーの一物はさらに固く、大きくなっていった。
普段のアンヌを思い出そうとしても、
その姿はぼやけたままはっきりと脳裏に映し出せなかった。
いつもの彼女を忘れさせるほど、
今のアンヌはジョーカーに強烈なインパクトを与えていたのだ。

「……わしは後ろの趣味はないのでな。では行くぞ……!」
「はっう! ううぅぅぅんんんん!!!」
アンヌはゆっくりと息を吐きながら、ジョーカーの挿入を迎え入れた。
痺れるような快感が身体全体を駆け巡り、彼女に充足感をもたらす。
「いいぃ……太ぉいっ……ジョーカーさんの、固ぁい……!!!」
「ほぉ、そうか! わしもまだまだ現役じゃなぁ!!」
ビチ、ビチと大きなお尻に腹を当てて、ジョーカーが律動を開始した。
ぬるぬるに濡れた彼女の秘部は彼のモノをぐしょぐしょに濡らして
2人の結合部をさらに滑りよくさせる。
「ああぁ……!! すごぉいぃぃぃ……っっ!!」
「ふっ……! ふっ……!」
リズムよく動く2人の口から、それぞれ喘ぎ声と息継ぎが漏れる。
突き入れる度に締めつけるアンヌの肉壷を味わいながら、
ジョーカーは彼女の胸に手を伸ばした。
「くっ……恐ろしいほどの締めつけじゃ。お前さんの膣は最高にイヤらしいぞ……!」
「あん! あんっ! 私の、私のおまんこ気持ちいいっ? 気持ちいいっ!?」

「あぁ、いい塩梅じゃ……くぉ!! い、いかん……出る!?」
「あぁん、ダメっ! まだダメっ! ジョーカーさんっ、我慢してぇッ!!」
限界まで肥大したジョーカーのモノはアンヌの膣内でブルブルと震えながら射精を堪えている。
ジョーカーは腰の動きを止めて、射精感が治まるのを待った。
「いやぁ、動かしてよぉっ!ジョーカーさん、動いて! 突いてっ!!」
「こ、こら、待て! 今動かしたら…!」
「あん!はぁっ……固いのぉ……もっと、頂戴っ……!!」
必死で絶頂を堪えているジョーカーの気も知らずに、
アンヌは自ら腰を動かして、自分の気持ち良いポイントを探し始めた。
膣内で揉まれる一物が、堪えかけた射精を再び呼び戻す。
「くぅ……! こうなったらもうヤケじゃっ!!」
「ひぁう! いっ……いきなりぃ! あぁ! あぁぁ!ッッ……くぅ!!」

「出るぞ、もう限界じゃ、出すぞ、アンヌ、出すぞっ!!」
アンヌの尻肉を掴み、ジョーカーが腰の動きを速めてスパートをかけた。
「うぅん! ううンンッ!! イクぅ……! イッちゃうっ!イクぅ、イクぅぅぅッッ!!!」
「むおぉッ!!」
アンヌの一番奥で、ジョーカーがありったけの精を放った。
夥しい量の液体が、彼女の中を満たしていく。
「あぁ……。」
恍惚の表情を浮かべアンヌはぼやける視界の中、窓の外に目をやった。
(まだお昼だったんだよね……。)
仕事場で淫らな行為に耽っていた自分を思い出しつつも、
その眩しそうな陽射しが彼女を現実へと引き戻していった。

「さて、お仕事しなくちゃね。」
達してから数分と経たないうちに、アンヌは脱いだズボンを履いて
カウンターの周りを片し始めた。
その足取りはしっかりしていて、先ほどまでの酒に酔っていた状態など影も見えない。
「お、おいアンヌ……お前さん、大丈夫なのか?」
「え?」
いつもの表情で振り向いたアンヌは、暖かな笑顔を携えてジョーカーを見た。
行為の後を残さないように綺麗に拭き掃除をしつつ、彼女は呟く。
「私……最初から酔ってなんかいないよ。」
その事実にジョーカーは顎が抜けそうになるほど驚いた。
信じ難い言葉だが、足取りもしっかりしている彼女が
いつもの調子と何ら変わりがないのは見てわかる。
アンヌは嘘は吐いていない。
ならば何故あんな事を…?

アンヌは狐につままれたような表情をしているジョーカーにクスリと笑いながら、
「だって……しらふじゃ恥ずかしいでしょ。
 酔った風に見せないとジョーカーさんも遠慮しちゃうだろうし…」
と、恥ずかしそうに先ほどの行為を振りかえった。
酔いを免罪符にしてジョーカーに罪悪感を残させないための、アンヌの気遣いだった。
今だ理解できずに呆然とするジョーカーに、アンヌはさらに語り掛ける。
「それに、溜まってたのは本当だもの。こんなところ、若い人なんかあまり来ないから
 出会いの切っ掛けなんてそうそうないし……。
 まぁ、ジョーカーさんならいいかな、と思ったんだよ。」
「………最近の若い娘の考える事は解からん。」
ジョーカーは、こめかみを押さえて痛み出した頭を堪えている。
いい思いをさせてもらったのは確かだが、どこか利用された気がして
すっきりした気持ちにはなれなかった。
「ははは、私もわからないよ。 取りあえずありがとう、ジョーカーさん。」
「うむ…。」
「後、お代忘れないでね。」
「……………うむ。」

                   完

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