リリィ×ヒューゴ 著者:2_85様

「バニラアイスがなかった、ですって?」
 半分飲みかけのアイスティのグラスをトンとテーブルに打ちつける。
青い上着は肩にかけただけで、襟元を開いた白いブラウスが
ノーブルな身体の線を覆っている。
「申し訳ございません、お嬢さん。なんでも、アイスのレシピは
持っていないとのことで…そのまえに、人前でその格好は
いかがかと思いますが…」
 困ったように頭を下げるサムスに、リリィはいつもの調子で文句をつけた。
「なによ、ここの料理人はレシピがないと料理ひとつくれないの?
料理人だっていうならレシピの100や200ぐらい覚えてなさいよね!!」
「ええ、まあそうなのですが…あの、せめて人前では
下着が見えるような格好は…」
「何よぉ。いいじゃない、暑いんだもの」
 とばっちりを受けないように視線をそらしたリードの目に、
風呂から上がってきたばかりのヒューゴがうつる。
「あの、ヒューゴさん…倉庫にアイスのレシピはないですか?」
「え?」
 唐突にたずねられて、ヒューゴは答える前に考えてしまう。
 その顔に、リリィは手にしていたグラスの中身を浴びせかけた。
「何するんだ!」
 アイスティまみれにされたヒューゴはさすがに不機嫌になった。
が、下着にブラウスを着ただけの格好に思わず横を向いてしまう。
 リリィは構わずヒューゴの胸に指をつきつけた。
「大体あなたがアイスのレシピを手に入れてこないから悪いのよ。
あなた英雄なんでしょ?怠慢だわ!!!」

「おれはレシピを集めるために戦ってるわけじゃない!」
「レシピぐらい集められなくて英雄になれると思ってるの?
英雄っていうのはいろんな人の心を掴まなきゃなれないのよ。
紙ペラ一枚集められない人に人の心が集まるわけないじゃないの!」
 よくわかるようなわからないような理屈である。
「あんたのわがままの為に英雄になったんじゃないんだ。
アイスのレシピが欲しければ、アイクさんに頼んで在処を調べてもらえばいいだろ」
「な、な、なによその言い方!」
 湯上がりでもともと上気していたリリィの顔が、怒りのせいでさらに赤くなる。
「あの、お嬢様、なにか他のものでよければ…」
 おそるおそる訊ねたサムスに向かって、リリィは叫んだ。
「お仕置きよ!」
「お、お嬢さん…?」
 サムスの脇でリードが額を抑える。「またか」
「お仕置き?」
 ヒューゴがむっとして顔をしかめる。「何様のつもりなんだよ」
「お嬢さん…」
 困り顔のサムスを後目に、リリィはつかつかとヒューゴに歩み寄ると、
思い切り平手打ちを見舞った。
「あなたのそういう態度が気にくわないの」
 突然の成り行きだったが、さすがにこれには腹を立てたヒューゴが
少しは痛い目を見せてやろうと身構える。

「リード?」
 リリィに顎で合図され、リードはヒューゴの背後から足払いを食わせた。
さすがにそこまで予想していなかったヒューゴが、もんどり打って倒れる。
「何するんだ!」
 リリィが指を鳴らすと、起きあがろうとしたヒューゴの耳元で鈍い音が
二度響いた。
「悪いな、ヒューゴさん」
 リードは愛剣の柄から指を解きながら呟いた。
 ヒューゴののど元で、床に突き立てられた2本の剣が交差している。
一方はリードの、もう一方はサムスのものだ。下手に身動きしようものなら
怪我をせずにはいられないだろう。
 ならば、とヒューゴは右手に宿る紋章に意識を集中した。
 が、その前にサムスが水の紋章の詠唱を終え、印を結ぶ。
「これで紋章はつかえないわよ?」
 リリィは勝ち誇って宣言した。
「くそっ…」
「それじゃ、あなた達は邪魔者が来ないように見張っててちょうだい」
「ちょっとちょっとお客さん、困るんですよ!」
 それまで目の前で繰り広げられる騒ぎに呆然としていたゴロウが、
慌てて止めに入った。「せっかく磨き上げた床なのに、
傷なんてつけられたら、他のお客さんが…」
「まぁまぁ、そう叫ばずに」
 サムスが適当にゴロウをなだめるふりをしながら、彼を番台の外へと引っ張り出す。
その背中を押しながら、リードが振り返った。
「お嬢さん、あまり…その…しないでくださいね?」
「あなたたちこそ聞き耳たてないのよ!」

適当に返事を返す二人をリリィが見送っている間に、
ヒューゴは手を伸ばしてのど元の剣を抜こうとした。
 その手をリリィが鞘に入ったままの剣ではたく。
「悪い子の癖に悪戯しないの」
「ふざけるなよ!おれが悪い子だって?」
「そうよ。すごく悪い子だわ。生意気だし道案内は下手だし
私がいないあいだに勝手に炎の英雄になってるし
アイスのレシピは見つけられないし!」
「そんなの勝手だろ」
「そういう言い方!まったく、気にくわないわね!親の顔が見てみたいわ」
「…いや、しょっちゅう見てるじゃないか」
「ごちゃごちゃうるさいのよ!もう、黙りなさい!」
 リリィは鞘の先でピシリとヒューゴの股間を打った。
「!!」
 慌てるというよりは愕然としているヒューゴを見て、リリィは満足そうに頷いた。
「あら、結構かわいいところあるじゃないの」
 鞘で服の前垂れをはね上げ、布の上からふくらみをなぞる。
「変なことするな!」
「ひょっとして、まだ女の子を抱いたことないの?
そうでしょうね、あなたみたいな気の利かない男の子は、
どう考えてもモテないわよね」
 ヒューゴが身勝手な言い分に抗議するか、邪魔な剣に手をかけるか迷っている内に、
リリーは彼の膝の上に馬乗りになっていた。

「あら、割と立派ね。子供なのに」
 服ごとモノを握られ、ヒューゴは喉の奥から漏れる息を必死でかみ殺した。
 リリィはそんなヒューゴの様子ににっこりと笑うと、彼の腰ひもを解き
下着ごとズボンを足首まで引き下ろした。
「なんのつもりだ!」
「教えてあげるわ」
 リリィは答えて剣を床に置くと、その手でヒューゴのモノを愛撫し始めた。
じゃじゃ馬とはいえ名家の令嬢だ。普段は手袋に包まれている指先は柔らかく、
強く握られても痛み以上に甘い感覚が残る。
「いったい、何を…」
 のど元の剣のことより、少しずつ熱く堅くなっていく男根に気をとられ、
ヒューゴは呟いた。リリィはそんなヒューゴの反応が楽しいのか、
なおも慣れた手つきで刺激を加えていく。
 屹立した男根から透き通った液体が流れだした。
「グラスランドの人たちって本当に野蛮人なのね。
この歳になってもきちんと子供に異性の扱いを教えないなんて」
 ヒューゴの頭に電撃が走ったのは、決して愛撫のせいばかりではなかった。
我に帰って両手を伸ばし、床に刺さっていた剣を2本まとめて一息に引き抜く。
それを遠くに投げ捨てる音で、リリィは手を止めた。

「なによ、何が気に入らないの?」
「なにもかもだ!」
 ヒューゴは身を起こして叫んだ。「そこをどけ!」
「いやよ」
 そう答えるリリィの顔を見れば、むっとしているのはすぐわかった。
「だいたい、わたしがどいたとして、これをどうするつもり?」
 ヒューゴが逃げるまもなく、リリィは彼の分身の付け根をぐっと握った。
「くはっ!」
 それだけで自分が熱くなるのがわかる。「やめろよ!」
「カマトトぶるなんて最低。別にいいじゃないの、減るもんじゃなし」
「そういう問題なのか!」
「そうよ。だからもう少しだけおとなしくしていればいいの」
 リリィはそういってヒューゴから手を放すと、立ち上がった。
じっとりと塗れた下着が、嫌でも床に座ったままのヒューゴの目に入る。
リリィはその下着を脱ぎ捨てると、ヒューゴの腰の上に身を落とした。
「えっ?」
 ヒューゴが止めるまもなく、自らの花弁の中にヒューゴのものをくわえ込む。
「はぁっ…」
 目を細めて漏らした声が意外にもかわいらしくて、
ヒューゴは思わず彼女の顔を見つめた。
「そんなのじゃ、やりにくいわ。寝なさい」
 リリィはヒューゴの胸に両手を押し当て、彼をその場に横たえさせた。
男根を包んで締め付けるリリィの感触があまりに刺激的で、
ヒューゴの意識は腰のあたりだけに引きつけられていた。

 リリィが好き勝手に腰を動かすたびに、それまで知らなかった快感が
ヒューゴの身体を走る。
「ん…あっ…んふ…ふぁ…」
 リリィは甘い声を上げながら、しつこくヒューゴの身体に自分の腰を
押しつけていた。彼女が動くたび、愛液がヒューゴの股間にまといつく。
 少しずつその感覚に慣れてきたヒューゴは、リリィの姿を見上げた。
汗ばんだ彼女の肌に白いブラウスが吸い付き、胸と乳首の形がはっきりと見える。
喘ぎながら首を振ると長い赤毛が頬に張り付き、上気した頬や開いたままの口元は
赤みを増している。
 いつものリリィなら絶対に見せない表情だ。
 もっとよく見ようと身体を動かした途端、リリィがその刺激に声を上げて
身体をのけぞらせた。
「あはっ!」
 長い髪が流れ、ブラウスの下の胸が揺れる。
 ヒューゴはリリィの両腕を掴むと本能のまま繰り返し彼女を突き上げた。
「ひっ…はぁ…ぁんっ…」
 リリィの口から悲鳴にも似た嬌声が漏れ、ヒューゴの腕に絡んだ指に力がこもる。
彼女の腰の動きが速く激しくなり、ヒューゴも自分が何かに達しようと
していることを感じた。
「ぁあっ…イく…もう…くっ!!!」
 もう一度リリィを突き上げると、ぎゅっと締め付けられるような快感のあと、
熱いものがはき出されるのが感じられた。
 リリィの指がゆるむ。
 潤んだ目でゆっくりと倒れかかってくるリリィの身体を抱き留めると、
ヒューゴはブラウスの前を開いてリリィの乳房に手を伸ばした。

「もう一度、お風呂はいるわ」
 自分の身体にこびりついた白濁液を指でぬぐいながら、リリィは呟いた。
「おれも…」
「お嬢さあん、もう気がすみましたかぁ」
 外からリードの声が聞こえてくる。
「なによあなたたち、聞いてたのね?」
 リリィが途端に不機嫌になる。
「聞こえますよ、そりゃ…」
「じゃあ私、またお風呂にはいるから。上がるまでにメロンシャーベット買ってきて」
「…ま、またですか…」
 サムスのため息混じりの声は無視して、リリィはさらに付け加えた。
「あと、着替え取ってきて。汚れちゃったわ」
 床に散らかされた服をそのままで湯船にむかうリリィに声をかける気力もなく、
ヒューゴはあきれて見送るだけだった。

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