ナッシュ×クリス 著者:3_29様
カレリアに向かう山道を、銀髪の長い髪の女と、金髪の男が歩いていた。
かなりの日数歩いていたらしく、衣服は汚れ、表情にも疲労の色が見えた。
「……ハァ、いったい何時になったらカレリアに着くんだ?」
クリスがやや愚痴めいた声でナッシュに話し掛けた。その透き通るような白い肌には気温のせいか汗が流れていた。
「さぁ…。でも少なくともあと2日はかかるだろうな。」
ナッシュは意地悪っぽく、いつもの笑いを含めた表情で言った。
やはり、いくら町で「銀の乙女」やら「白き英雄」などと称えられていても所詮は年頃の娘である。体力では、男には勝てないようだ。長い山道を何日も歩き続けていると、男のナッシュに比べ、あきらかにそれが解る。
「…………………ハァ…」
深いため息をつくクリス。“少なくとも2日”と聞き、ますます気落ちしたように見えた。
「…なぁに、2日なんてあっとゆう間さ。それよりクリス、もう少し歩いたら少し休もう。」
と、予想以上に気落ちしているクリスを見て少し焦ったのか、励ましの言葉をかけるナッシュ。いつになく無口なクリスに、さっきから気を使いまくっているようだ。
「…………あぁ…そうだな…。」
そんなこんなで、2日後2人は、やっとの事でカレリアに到着した。