月夜に響く笛の音(リューグ×ミアキス) 著者:8_626様

「眠れないなぁ…」
そう呟いてミアキスはベッドの中でもぞもぞとその日何度目の寝返りをうった。
明日ついにソルファレナへと突入する。
この日の為、王子をはじめ皆戦ってきたのだ。
気負いは、無い。ただ、やっと姫様をお救いできる。
そう考えると期待と不安で綯い交ぜになった心が眠りを妨げるのだった。
「もぅ、明日は早いのにぃ…」
はぁ、とため息をつくとベッドから起き上がりサイドテーブルに置かれた水差しに口を付け、喉を潤す。
どうせ眠れないなら外にでて少し風にでも当たろうか、そう考えた時
僅かに開いた部屋の窓から懐かしい笛の音が聞こえた。
サウロニクスにいた頃、よく聞いていたあの笛の音だ。
かすかに聞こえる音色を辿って外へ出ると、城の中心から少し離れたセラス湖のほとりに見慣れた人影が見えた。
「……リューグちゃん?」
驚いたように人影が振り返る。
「なんだミアキスか」
リューグは少し安心したように笑った。
「悪い、起こしちまったか?」
「ううん」
私も眠れなかったから、とリューグの隣に腰を下ろす。

「そうか…」
「リューグちゃんはどうして?」
「あぁ俺は…その、明日ついに決戦かと思うと興奮しちまって眠れなくてな」
照れくさそうに言うリューグにそういう所は昔から変わらないなとミアキスも微笑む。
もっとも、変わらない所と同じくらい変わった事も増えた。
思えばサウロニクスから女王騎士見習いとして出てきてからもう6、7年は経っただろうか。
会わない間にお互い大人になった。
自分は守るものが出来て、あの頃より少しだけ強くなれた気がする。
昔はリューグとラハルに守ってもらうばかりだった自分も、こうして肩を並べて戦う事まで出来るようになった。
それはミアキスにとってとても嬉しい事であった。
剣の鍛錬だってもとを正せば大好きな二人に追いつきたかったから、一緒にいたかったから頑張っていたのだ。
だから女の身では竜馬騎兵になれないと聞かされたとき
大泣きしてずいぶん皆を困らせたものである。
「あの頃はまだ子供でしたからぁ…」
くすりと笑ってミアキスは呟く
「こうやってリューグちゃんと話すのも久し振りですよねぇ」
「そうだな、ミアキスも全然サウロニクスに帰ってこなかったもんなあ」
「だってぇ私は名誉ある姫様の護衛に抜擢されたんですよぉ?そうそう太陽宮を離れられません!」
それは半分本当で半分は嘘。
何度か休暇をもらって故郷に帰るようフェリド様が勧めて下さったのを断ったのは自分だ。
会えばまた頼ってしまう、甘えてしまう自分が容易に想像できた。
せめて一人で立てるよう、出来ることなら誰かの支えになれるようになるまではサウロニクスには帰らない、そう決めていた。

「そうか…そうだよな
 泣き虫だったミアキスがちゃんとやれてるか俺もラハルも心配してたけど
 今のミアキスを見ればわかるよ、強くなったって」
「えへへ…なんだか照れますねぇ」
はにかむように微笑んでミアキスは静かに湖面を見つめた。
さざ波に揺れる湖面に映った満月がゆらゆらと形をくずしながら揺れている。
まるで自分の心のようだとミアキスは思った。
リューグはミアキスを妹の様に可愛がってくれていたし、それは今も変わらない。
嬉しいようで本当はそれが悲しい。
ミアキスが初めてこの感情に恋という名前を付けたのは女王騎士見習いとして故郷を離れる少し前だったろうか。
拒絶されるのが怖くて伝えることは出来なかった。
言葉にして関係が壊れるよりは妹のままでいた方がどんなにか幸せだろうと、自分を偽った。
まさかこんな形で再会することになろうとは思いもよらなかったけれど
何年経っても思いは風化することもなく未だ心の奥底で燻っている。
いっそ全て吐き出してしまえば楽になれるのだろうか。
壊れてしまっても、平気と笑えるぐらい自分は強くなれたのであろうか。

瞳を伏せミアキスは言葉を紡いだ
「…リューグちゃんは覚えてますかぁ?」
何を、とリューグが口にするより早く
「昔…私が竜馬騎兵になれないってわかって泣いた時、俺がミアキスの分まで頑張るって…ファレナもミアキスの事も守ってやるって言って私のこと慰めてくれたんですよねぇ」
「あぁ、そんな事もあったなあ。あの時はクレイグ団長も困り果ててて、あんな困った顔した団長は見たことないってぐらい」
懐かしそうにリューグは目を細めて笑った。
「でもミアキスはその後、女王騎士になって…もう俺の助けもいらないぐらい立派になったんだな…」
兄貴分としては少し寂しい気がしないでもないけど、とミアキスの頭をくしゃくしゃとなでる。
「そうですよぉ!もう子供じゃないんですからお兄ちゃんは卒業したんですぅ」
くしゃくしゃになった髪を直しながらミアキスは頬を膨らませた。
「だから…今から私が言うこと嘘なんかじゃないって、信じてくださいね?」
「ミアキス…?」
深呼吸をひとつ、決心してミアキスは口を開いた。
「私…リューグちゃんのことが好きだったんです。だからずっと対等になりたくて…妹のままはイヤだったから」
リューグはどんな顔をしているだろう、確かめるのが怖くて視線は湖の水面に落としたままミアキスはさらに言葉を続ける。
「でも拒絶されるのが怖くて言えなくて…妹でい続けるのも苦しくて。逃げ出したんです。私、ずるいですよね。」
リューグは何も言わない。
「ごめんなさい…今言ったこと忘れてくれちゃってかまいませんからぁ」
泣き出しそうになるのを堪えて無理矢理笑顔をつくる。今私はどんなに酷い顔をしているのだろうか。
ごめんなさい、消え入りそうな小さな声でもう一度そう呟いてミアキスは立ち上がる。
泣いてしまう前にこの場を去ってしまおうと思った。

踵を返そうととしたその時、腕を強く引かれミアキスはバランスを崩す
倒れそうになるのをそのままリューグに抱き留められる。
「リュ、リューグちゃん?」
強く抱きしめられているからミアキスからリューグの表情を伺うことは出来ない。
「…ごめんな
俺、馬鹿だからお前の気持ちに全然気づけなかった。守ってやってるつもりでミアキスのこと…傷つけてたんだな」
優しい声、堪えていた涙があふれ出た。
大きな手があやす様にミアキスの背中を撫でる。
潤んだ瞳でリューグを見上げると困った様にもう泣くな、と言って微笑んだ。
涙の跡を辿るように口づけが落とされる。
瞼に頬に、そして唇に
薄く開かれたミアキスの唇を先ほどまでの啄む様なキスとは反対に、荒々しく奪う。
「…ん……むぅ」
唇が糸を引いて離れる。
「は…はぁ…これが大人のちゅうってヤツですかねぇ」
慣れないキスに呼吸を乱しながらも軽口を叩いてみせる。
いつも通りに振る舞おうとするのは余裕が無い事の現れだ。
行為の先を予感して、怯えたようにミアキスの瞳が揺れる。
「…いやか?」
耳元でささやかれビクリと体が震える、答える代わりに背中にそっと腕を回した。

抱きかかえられていた体がベッドに降ろされると、すぐにリューグの体が覆い被さってきた。
首筋に口づけながら薄い寝間着の隙間から手を差し入れるとすぐに柔らかな膨らみに行き当たる。
緊張で身を固くしてしまっているミアキスを宥めるように、優しくキスをしながら形の良い胸をやわやわと揉みし抱く。
「ぁ…はあ…なんだかくすぐったいですぅ…」
熱のこもった瞳。この先の行為を恐れていても体の奥底で情欲の炎が灯り始めているのが自分でもわかった。
胸の先端をつままれてびくり、と面白いように体がはねる。
「ん…ふぁ」
既に固くなっているそれに気付かれるのが恥ずかしくてミアキスは身を捩る。
いつの間にか衣服は取り払われ窓からの月明かりが白い肌を照らし出していた。
「綺麗だ…」
「あ…あんまり見ないでくださいぃ」
羞恥に頬を染め、潤んだ瞳で抗議してもそれは逆効果というもの。
嗜虐心を煽られもっといじめてみたくなってしまう。
胸の先端を口に含み舌先で転がしてやるとミアキスは切なげに声を漏らした。
リューグはそのまま片方の手を下腹部の方にへと滑らせる。
薄い恥毛におおわれた入り口をゆっくりと指でなぞる。

「…ん…あぅ…そ、そこは」
弱い刺激にも反応してしっとりと潤んだ秘裂からクチュといやらしい水音がなるのが嫌でも聞こえてしまう。
はしたない、そう思う心とは裏腹に体はより強い刺激を求めて熱くなる。
「!ふっあぁ…いた…!」
ふいに秘裂をなぞっていた指の内の一本がミアキスの中へと差し込まれた。
かすかな痛みに身を固くする。経験のないこの体は指の一本すら拒んでしまう。
「少し我慢してくれ、慣らさないと後でお前が辛い。」
こくりと頷いて、浅く呼吸を繰り返し息を整える。
ぐちぐちと音を立てて中を刺激すると悲鳴とも嬌声ともつかぬ声を上げ
差し込まれた指によってもたらされる痛みと未だ知らぬ快楽の狭間でミアキスは小さく悶えた。
痛い、指一本で情けないとは思うが痛いものは痛い。こんな事ならどこかで済ましておくべきだったななどと余裕のない頭で考える。
処女は面倒くさい、と誰かが言っていたのを聞いたことがあるが
なるほどその通りだとミアキスは思った。
それでも解され少しずつ潤みを増してゆく中に二本目の指が挿入される。
「ひっあぁ!」
一気に倍になった質量に内壁が圧迫される。苦しげに喘ぎ涙を滲ませているミアキスの瞳にそっとリューグはキスを落とした。
二本の指に中を蹂躙されグチュグチュとよりいっそう水音が大きくなる

頬はうっすらと上気し、ミアキスは痛み以外の感覚が芽生え始めるのを感じていた。
自分からキスをねだり薄く開いた唇に舌が差し込まれ絡ませ合う。
「む…うん……ぁふ」
激しい口づけの間にも内壁をひっかくように刺激され慣れぬ体がびくびくとはねた。
「うあ…う、あぁっ」
目を固く閉じ小さな快楽をやり過ごす。
呼吸を整える間もなく刺激は次々へと送られてくる。もう耐えきれないとばかりにミアキスの瞳から涙がこぼれ落ちた。
ふいに指が引き抜かる。
急に圧迫感が無くなりミアキスは体から力が抜けるのを感じた。
弛緩し息を荒くしているミアキスの耳にリューグが囁く
「いいか…?」
肯定するかわりに瞳を伏せ小さくミアキスは頷いた。
大きく開かせられた足の間にリューグが割って入ってくる。
「あ!…や、やっぱりちょっと待ってくださいぃ!」
「あ?」
突然の制止に困惑しているリューグをよそにミアキスは言葉を続ける。
「その………私ばっかりしてもらって悪いですぅ!私にも…リューグちゃんを気持ちよくさせて下さい!」
恥ずかしそうにそう告げるミアキスにリューグは少し面食らった。
ダメ、ですかぁ?と上目遣いで見つめられて断れる理由がどこにあろうか。
予想していなかっただけに驚いたが嬉しい事には変わりはない。

「わかった」
「はい、あまり上手には出来ないと思いますけどぉ…大目にみてくださいね」
体勢を変え、今度はミアキスが上になる。
恐る恐るリューグのモノに手を伸ばす。それは既に熱を持ち固くなっていた。
大きい…予想していたよりもそれはずっと大きくて、こんなものが本当に入るんだろうかと不安になる。
しばらく逡巡してからミアキスは決心して握った手を上下にゆっくりと動かした。
先端から出る先走りの液がミアキスの白い手のひらを汚していく。
心なしか先ほどより大きさが増しているリューグ自身に躊躇いがちに唇をよせると
一気に口の中へくわえ込んだ。
「く…」
低く呻くような快楽の声
ミアキスは手を動かしながら舌先を使ってリューグ自身をなめ上げる。
「あむ…ちゅぷ……はぁ」
小さな口一杯に先走りの苦みが広がる。
ぴちゃぴちゃと卑猥な音が響いてミアキスの羞恥と欲情を加速させる。
「う…んむう…はぁ…りゅ、リューグちゃん…気持ちいいですかぁ…はぁっ」
「っく…あ、あぁ」
快感に顔を歪ませながらミアキスの頭を撫でてやるとさらさらとした髪が指から滑り落ちた。
ミアキスはリューグをさらに追い立てようと口に含んだまま激しく上下に頭を振る。
「んーっ…はむ、ちゅ…じゅぷ…はあぁ…んむう!」
「ミアキスっ…!もういい!!」

急に制止されミアキスは不安げに顔を上げる。
「やっぱり…気持ちよくないですかぁ」
「ち、ちがう!」
慌てたようにリューグは言う。
もう一度ミアキスをベッドに押し倒すと
「最初はこっちの方でお前を感じたいんだ…」
言って潤みきった下の口をするりとなぞる。
「…今度こそ、いいか?」
顔を真っ赤にしてミアキスは頷いた。先ほどの行為の最中にも渇くどころか待ちかまえていたかの様に秘裂は濡れそぼっている。
熱い固まりが入り口に押し当てられた。
「力…抜いていろよ」
そう告げて、リューグは一気にミアキスを貫いた。
「いっ!!あああぁ!……う…いたぁい」
みちみちと肉が裂けるようなイヤな音がして指とは比べ物にならないくらい大きなものが割り込んでくる。
痛みと圧迫感に苦しくて涙がこぼれた。
リューグは陸に打ち上げられた魚のように呼吸を荒くして痛みに耐えようとするミアキスの背中を優しく撫で、落ち着くまで待ってやる。

「も…もう大丈夫ですからぁ……動いてくださぃ」
とても大丈夫なようには見えない、言おうとするリューグの唇をミアキスが塞ぐ。
「お願い…ですからぁ…っ!」
わかった、静かに呟いてリューグはゆっくりと、自身を抽送させる。
「うっ…あう!」
内壁は異物を押しだそうと蠢く、しかしそれも男を悦ばせる快感になってしまう。
奥を抉るように深く突き上げられミアキスはリューグの背中に爪を立てた。
体が、熱い。先ほどまでの痛みの他に快楽の炎が灯り始めるのが自分でもわかる。
熱い猛りが内壁を擦り上げ滑ったそこからグチュグチュと音がもれた。
「ひっあああ!!…りゅ、リューグちゃん…あっ…すき!すきぃ」
熱に浮かされうわごとの様にそう繰り返すミアキスを追い立てるように荒々しく中を蹂躙する。
「くっ…ミアキス!」
逃がさないとばかりに内壁がリューグ自身を締め付け奧へと誘おうと蠢く。
「うあっ!うあああ!!!」
ぐい、とより一層深く最奧を抉られてミアキスの体が痙攣した。
「く、ふ…」
ミアキスは体の中が熱い滴りで満たされていくのを感じながら、意識を手放した。

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