サスケ×カスミ 著者:11様
「ああぁ〜〜、カスミさぁ〜〜ん……。」
妙な猫なで声が部屋の中を漂う。
そこは、枕をぎゅっと抱えてごろごろと寝返りをうつサスケの部屋だった。
「ちっくしょ〜〜〜、俺がこんなに想ってるのに全然気づかないんだもんな……。」
サスケは幼い頃からカスミと共に過ごしてきた。
時には頼れる姉と慕い、時には優れた忍として尊敬し、カスミは憧れの人だったが、
最近になってその想いが過剰になってきていることにサスケは戸惑い始めていた。
「これは……俺はカスミさんのことを……。」
誤魔化し続けてきた想いを確かなものにしたことで、今度は照れが生じ始める。
自分がどれだけカスミのことを好きになろうが、
決してカスミの方はそういう目で見てくれないことはサスケも知っている。
カスミには想い人がいるということも。
「でも……好きなんだよぉ〜〜〜!!」
ごろごろごろごろごろごろ。
枕で顔を覆って転げまわるサスケ。忍びである彼の寝返りはとてつもない速さだ。
もうもうとホコリが立つ部屋の中を転げまわっていると、ふいにドアがノックされた。
こんこん。
「誰だ?」
訝しげにドアを睨み、少し警戒する。こんな姿を見られた日には外を歩けない。
サスケはすっと立ち上がり、何もなかったようにドアに近づいて行った。
「あの……私よ。」
「カ、カスミさん!?」
ドア越しに聞こえてきた声は、今まさに妄想に耽っていた人の声だった。
すかさずドアを開くと、赤い忍装束を着たショートカットの女性が立っていた。
短いスカートの中から、白い美脚がスラリと伸びている。
「たまにはゴハン一緒に食べようかと思って……ダメ?」
サスケより少し背の高い彼女が上方から見下ろす。
「いっ…いやっ、俺はやめとくよ!これから訓練しようと思ってたところだから!」
自分の気持ちとは裏腹に、ぷいっと顔を背けてしまうサスケ。
「そう……ごめんね、お邪魔しちゃって。」
残念そうにそう言って、カスミはその場を去って行く。
振り向いた時の悲しそうな眼が、サスケの心を締めつける。
サスケはカスミの寂しそうな背中が見えなくなってからドアを閉めた。
ごろごろごろごろごろごろ。
(あああ〜〜〜!!どうして俺は素直になれないんだぁ〜〜〜!!)
頭を抱えてベッドに横たわり、再び高速寝返りを始めるサスケだった。
「ふ〜〜……。」
用を足したサスケが部屋に戻ってくると、カスミが部屋の前でドアに寄りかかっていた。
ささっと隠れて、彼女の様子を窺う。
(あ、あれカスミさんだよな…。何やってんだろう?)
焦りながら、まとまらない頭で考える。
(まさか俺を待ってるのか…!?ななななななんで!?)
自分の部屋の前でじっとしているのだからそう考えるのが至極当然なのだが、
舞い上がってしまっている今のサスケにはそれを当然とは考えられなかったようだ。
いつまでもここでじっとしている訳にもいかず、サスケは意識しないように平然と部屋に
向かって歩き出した。いつもは口にしない口笛なんぞ吹きながら。
「あ、サスケ!」
カスミがそんなサスケを見て声を上げる。
にこっと笑うその顔は、サスケより年上だと思わせないぐらいに愛らしい。
(ややややっぱり俺に用事なのかそうなのかどうしよう!?)
ドキドキする心の内を悟られないように無理矢理顔を作る。
カスミはそんなサスケの引きつった顔を見て一瞬ひるんだが、
すぐにいつもの顔に戻ってサスケに用件を述べる。
「ねぇ……私、サスケの気に障ることした?」
少し困ったような表情でカスミはサスケを見る。
思いもしなかったカスミの問いに、サスケはぐっと喉をつまらせた。
「い、いきなり何だよ…。そんなことないよ。」
本当にそんなことないことはないのだが、カスミはぐっと顔を近づけて
こちらの真意を探ろうとしてきた。
サスケは息遣いがわかるぐらいに近づいたカスミの顔を
まともに見れなくて視線を泳がせている。
「本当に?」
目を合わせようとしないサスケの両肩に手を置いて、カスミはじっと視線を合わせる。
「ほほほほほ本当だって!」
吸いこまれそうほど深い黒の瞳に見つめられ身体が動かせないサスケは、必死になって答えた。
「でも……サスケ、最近私を避けてるように思うんだけど……。」
思い当たる節はある。でもそれはカスミと一緒にいると変に意識してしまうため、
思わぬことを言ってカスミに嫌われないようにと考えてのことだった。
「そんなことないってば!」
顔が紅潮していくのが解かる。サスケは拷問に近いこの状態から一刻も早く抜け出たいと思い、
両肩に置かれたカスミの手を少し乱暴に払いのけた。
「あっ……。」
ばしっと振り払われた両手をさすりながら、カスミは悲しそうにサスケを見やる。
「そう……私の考えすぎだったのね……。
ごめんなさいサスケ。気にしないでね……おやすみなさい。」
「あ……」
目を伏せて、カスミは自分の部屋に戻って行った。
(ああああぁぁぁーーーー!!!もーーー!!)
ごろごろごろごろごろ。
ここに立ったまま5分は過ぎただろうか。
サスケはカスミの部屋の前まで来たまでは良かったが、ノックすらできない状態で
ドアの前で立ちすくんだままだった。
(くそう……このままじゃダメだ。わだかまりを消さなきゃ俺もカスミさんも気持ち悪いよな…)
そう思い意を決してここまで来たのだが、なかなか勇気を出せない
自分に心底腹が立っていた。
(ああもう、どうしてノックもできないんだよ!)
こんな状態ではまともにカスミと話が出来ないと思い、いくらかホッとした気持ちで
(話をするのは明日にしよう……)
と自分の部屋に戻ろうとした時、部屋の中から声が聞こえた。
「誰?……サスケ?」
一瞬の心の乱れを読まれたのだろうか。いきなり声を掛けられ、しかも自分の正体を知られた
サスケは文字通り跳び上がった。
「眠れないの……?」
カスミがドアを開けようと歩いてくるのが解かる。解け始めていた緊張感が再び戻ってきて、
サスケはどうしていいか解からずおろおろとしてしまうのだった。
かちゃり、と静かにドアが開き、タンクトップに短パンというラフな部屋着のカスミが顔を覗かせた。
惜しみなく露出されたカスミの白く眩しい肌にサスケは顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「サスケ……そんなところに立ってないで入らない?」
カスミが部屋の中に招き入れようとする。
サスケは緊張のあまり硬くなってしまった足をやっとの思いで動かし、部屋の中に入った。
部屋の電気をつけてぽす、とベッドに腰を下ろしカスミは穏やかに声をかけた。
「でも、どうしたの?こんな時間に……。私に何か話があったの?」
「あ………、あの、俺は別に、その…、カスミさんが、何か気にしてるみたいだったから……」
あたふたとどもるサスケ。カスミは何か様子がおかしい彼を見て怪訝に思う。
「……何?少し変よサスケってば。」
カスミは両膝に手を置いてキョトンとしている。
(おかしいのはカスミさんだって!大体カスミさんは無防備すぎるんだよ……)
くっと歯を食いしばって部屋の隅に目線をやる。まだサスケは薄着のカスミを見れないでいた。
「でも、ちょうど良かった。私も少しお話したいと思ってたから。」
窓の外から月が見える。すっかり高く昇ったそれは、夜遅いことを鮮明に現していた。
「ねぇ、さっきも言ったけど……最近サスケおかしいわよ?私とお話してくれないし。
昔はもっと素直だったのになぁ……。」
カスミが昔を思い出してふっと笑う。
そう、昔の記憶がある限り、自分と彼女の距離は縮まらないのだ。
だがその事実があるからこそ2人の距離はこんなに近いのだということもサスケは判っている。
「いつまでも昔のままって訳にもいかないだろ……。」
サスケの呟くように漏らしたその言葉にカスミは目を大きく見開いて驚いていたが、
やがて視線を落として悲しそうに呟いた。
「そう……そうだよね。もうサスケも大きくなったもんね。
いつまでも昔みたいに仲良くなんてできないか……。」
カスミはふふふ、と乾いた笑いを浮かべて、はぁと溜息をつく。
「ごめんね。サスケももう年頃なんだし、気になる女の子がいたっておかしくないよね。
それなのに私が気安く話しかけたりしたら、鬱陶しく感じちゃうのかな…。」
まるで見当違いのカスミの考えをサスケは慌てて否定した。
「なな、なんでそうなるんだよ!俺は別に気になる女なんて……」
「いないの?」
「い……いないことは、ない………。」
「ほらぁ、やっぱりいるじゃない。でもよかった。サスケも普通に恋愛してるんだね、ふふふ。
それで誰なの?この軍の人かな?可愛い子いっぱいいるもんね。」
カスミの顔からは寂しげだった表情は消え去り、サスケに興味深そうに聞いてくる。
「そんなの言える訳ないだろ!」
自分でも驚くぐらい大きな声が出て、カスミは身体を強張らせてしまった。
「……そ、そうだよね、簡単に言えないか……。でも、気になる事があるなら何でも相談して?
私も一応女だし、ちょっとは役に立てるかも知れないから、ね?」
カスミは重くなってしまった部屋の雰囲気を紛わせようと、勤めて明るい声で言った。
「………。」
「あ、そうか、気軽にお話なんてできないか…。わかった、これからは私も気をつけるから。
でも、挨拶くらいはいいわよね。それぐらいなら……」
「俺の好きな人はカスミさんだよ。」
「え?」
ぼそっと呟いたサスケの声が聞き取れなくて、カスミは聞き直す。
真っ赤な顔でぎゅっと拳を握っているサスケを見ていると、こちらの息が詰まりそうだ。
「お……、俺の好きな人はカスミさんなんだ!」
長い付き合いだ。冗談かどうかは顔を見ればすぐ判る。
サスケの顔は始めて見る顔だったが、決してこちらをからかっているような表情ではなかった。
生まれて初めての異性からの告白にカスミの頭に急速に血が上る。
「あ、ありがとう……私もサスケのことは好きよ。」
カスミは、はにかみながらサスケに笑顔を向ける。
「俺は、ひ、1人の女性として、か、か、カスミさんが好きなんだーー!!」
「え、え、え、え……?」
もしかすると部屋の外まで聞こえてしまうかも知れないほどの大きな声。
先程は少し年上ぶってみたものの、あまり恋愛経験がないカスミはこういう時に
どうすれば良いかわからず戸惑っている。
「カスミさん……。」
サスケが彼女の両膝に置かれたままだった手を取った。
「あ、あ、サスケ、ちょっと待って……」
そしてそのままベッドに膝を着き、カスミの胸元に顔を埋める。
自分が想像していたよりもふっくらとした感触を持っていたその胸に、
サスケの股間は瞬く間に硬さを持ち始めた。
「サ、サスケの気持ちは嬉しいけど、私……」
どさっ、とベッドに押し倒され、カスミはサスケの熱くなった頬に片手を当てる。
「知ってる……。」
カスミの胸に顔を埋めたまま、サスケが呟いた。
「カスミさんに好きな人がいること……知ってるよ。
でも俺、最近カスミさんのことばっかり頭に浮かんできて
どうしたら良いかわかんないんだよぉ……。」
「サスケ……。」
不安を少しでも和らげてあげられたらと、
カスミは胸の中にある頭をぐっと抱え込んだ。
サスケもそんな彼女の気遣いがわかったのか、黙ってカスミの香りを嗅いでいる。
「カスミさん、いい匂い……。」
サスケの手がカスミの腰に伸び、型の良いお尻を撫でる。
「あ………」
なまじサスケの気持ちがわかるだけに無下に払う事も出来ず、
カスミはその行為を受け入れている。
お尻をもじもじと動かせてなんとか逃れようとするが、
サスケの手はぴったりと着いて離れない。
「カスミさん、カスミさん………!」
突然顔を上げると、サスケはタンクトップを素早く捲り上げた。
下着を着けていなかったカスミの白く綺麗な乳房が目の前に広がる。
華奢な身体の割には大きめなそれを見たサスケの興奮はさらに高まる。
「ああぁっ、やめて……!」
サスケが乳房の頂上にあるピンク色の突起を口に含んだ時、
初めてカスミが否定の言葉を口にした。
「カスミさんのおっぱい、ミルクの味がする……。」
「くぅ………っ」
夢中になって乳首をしゃぶるサスケには、カスミが苦悶の表情を浮かべているのに
気づく余裕はなかった。
「はぁはぁ、むちゅっ、ちゅば、ちゅば、っはぁはぁはぁ」
「っあ、サスケ、く、苦しい、よ、お願い、止めて、止めて………」
「あ………!」
涙声になっているカスミに初めて気づき、サスケは今までの自分の行為が恥ずかしくなった。
「カ、カ、カスミさんごめん!俺、つい……」
サスケは頭をベッドにつけて懸命に謝っている。
その姿は見ている方が申し訳なく思うぐらいに縮こまっている。
「そんなに謝らないで、サスケ……怒ってないから……。」
「本当にごめんよ……カスミさん。」
乱れた衣服を直しながら、カスミは苦笑いする。
「あ!」
「え?」
カスミの驚いた声と、サスケの間の抜けた声。
驚きの原因を尋ねようとカスミの顔を見てみると、目線が自分の股間に集中していた。
そこには装束の上からでもはっきりわかるぐらいのテントが張られていた。
「あ、これは、いや……そのぉ………」
なんとか言い訳を探すが、あまりに立派なそれを前にしてはどんな言い訳も立たないだろう。
カスミはまたまた顔を赤面させて俯いてしまった。
「サ、サスケも男の子だもんね、仕方ないわよね!うん、仕方ないわよ。
わ、わ、私は別に……」
「…………カ、カスミさん……俺……」
切なそうな、申し訳ないような表情をするサスケにカスミは少し不安を覚えた。
「すごく大きい……サスケ、痛くないの?」
「え……うん、す、少し、痛い…かな?」
すでにサスケのペニスは痛さを感じるぐらいギンギンに猛っている。
「大変!ど、どうしたらいいのかしら……」
サスケよりは年上とは言えど、幼少の頃からロッカクの里で修行を積んできた
カスミは同年代の女性と比べると性の知識も心許ない。
況して、その正直な性格から猥談などもした機会のないカスミよりも、
そういう話を仲間内でしていたサスケの方が性の知識は豊富なのかも知れなかった。
「そ、そりゃ…出したら治まると思うけど……。」
「出したら……?………あ!」
いつ貧血で倒れてもおかしくないぐらい赤くなっているカスミの顔がまたまた真っ赤に染まる。
「〜〜〜。」
「あ、えっと……。カスミさん?別に俺、我慢できるから………。」
ははは、とサスケは股間を隠すように手を置く。
「で、でも、そうなっちゃったのだって私が原因でもあるし……。
私にできることだったら、き、協力するから……。」
「え!?そんな、いいよ!恥ずかしいからぁ!」
「遠慮しないで、私にさせて?」
私にさせて……。
(なんて嬉しい言葉なんだぁーーー!!)
零れそうになった涙をぐっと飲みこんで天井を向いているサスケ。
(でも、カスミさんに何をしてもらえば……。きっと初めてだろうからまさか『入れさせて』
なんて言えないしなぁ……。)
あまり過激な事を頼んでこの機会を逃してしまわないように、
少ない知識を総動員して考える。
(できればカスミさんにも気持ち良くなってもらって、それで俺も気持ち良く……
そんなのないか……ああぁどうしよう……)
頭を抱えてしゃがみ込んでしまったサスケ。
身体に異変が起きたのかとカスミが心配して声をかけた。
「ど、どうしたのサスケ……頭痛いの?」
近づいてきたカスミの綺麗な脚が目に入る。
「だ大丈夫、そんなんじゃないって!」
(あ……あれって気持ちいいのかなぁ……)
ぼんやりとそんな事を考える。
「ねぇ……それよりカスミさん、本当にいいのか?」
「え……えぇ、わ、私にできることだったら……でも、あんまり痛くしないでね?」
うああ、可愛い……。
「……それじゃ、あの……そこの壁に手をついて……。」
「う、うん。」
カスミは素直に言われた通りに従ったが、その瞳は不安気に揺れていた。
サスケは下だけを膝の位置までずらし、ビクビクと脈うっているペニスを掴むと、
後ろからカスミの股の間に差し込んだ。
「きゃ…」
「カスミさん、脚閉じてみて……」
「あ、うん……」
ぴっちりと閉じられたカスミの太股に挟まれたペニスを、前後に腰を動かして刺激する。
その太股は引き締まって見えるが、柔らかい弾力を失ってはいなかった。
サスケはその感触に夢中になって腰をふる。
「カスミさん……っ!」
「………気持ち良いの?」
太股に熱くなったサスケのモノを感じながら、カスミは尋ねた。
快感を得ようと、サスケの腰の動きが激しくなっていく。
カスミのお尻が当たる度に、その肉の感触を自分の腰に感じる度に射精感が上がってくる。
「うん……っ、こんなの初めてだ……!」
「あっ!ちょ、ちょっとサスケ……、手が……!」
サスケの両手がカスミの胸を後ろから掴んだ瞬間、カスミが小さく声を上げた。
むにむにとタンクトップの上から胸を揉みしだき、乳首の位置を捉えて指で押しこむ。
「ん!ね、ねぇ、胸は、止めて……!」
カスミの懇願もサスケには届かなかった。
押し寄せてくる快感に酔い、ただひたすらに腰を振り、手を動かす。
すでに自らが出した液でヌルヌルになったペニスがカスミの太股を激しく犯す。
「ああぁぁ、もうダメだカスミさん、出そうっ!」
「えっ!?わ、私はどうすればいい………」
「あう!」
「きゃあ!」
どくっ!!
カスミの太股の間に挟まったモノが一際大きく脈うち、大量の精液を前方の壁に吐き出した。
生まれて初めて見た白い粘り気のある液体に眼を奪われる。
「あ……」
1つの行為が終わって、サスケが後ろからぎゅっとしがみついてきた。
熱い掌がお腹に当たる。
「カスミさん……俺、非道い事しちゃった……」
カスミの背中に顔を当てて、サスケが一言呟く。
「いいの、サスケは気にしないで……。私も協力するって言ったんだから……。」
そっとお腹の手の上に自分の掌を重ねて、優しく諭す。
「うぅ……。」
カスミの背中が熱い何かで濡れていく。
それは愛する人を汚してしまった罪悪感から流れ出たサスケの涙。
「サスケ、泣かないで………。」
2人はその夜、何年かぶりに同じ寝床で眠りについた。
「うあああーー!俺はなんて恥ずかしいことをーーー!!」
サスケが自分の部屋に戻ったのは明け方だった。
結局昨日は泣き寝入りしてしまい、気がついたのは空が明るくなり始めた頃だった。
カスミの胸の中で寝ている状況に混乱してしまって部屋を飛び出してきたのだ。
昨日の出来事を思い出すと、どうしようもない後悔の念が押し寄せてくる。
サスケが枕に頭を埋めて、顔の火照りが治まるのを待っていると、
やがて表が騒がしくなってきた。
「もうこんな時間か……。」
部屋の時計を見やると、部屋に戻ってから大分時間が過ぎていた。
「カスミさんも起きたかな……。」
そんな事を考えていると、ふとドアがノックされた。
「………。」
泣き過ぎてすっかり眼が腫れているサスケは居留守を決めこもうと思ったが、
ドアの外から聞こえた声に身体が先に動き出していた。
「いないの?サスケ…。」
「カカカスミさんっ!?」
がちゃ。
「ああ良かった。もう、帰るのならちゃんと私にも言ってよ。
起こさないようにしてくれたのは嬉しいけど、心配するから……。ね?」
にこっと笑うカスミの笑顔が眩しい。
「あ……」
「じゃあ、先に食堂に行ってるから。サスケも一緒に朝食とろうよ、待ってるね。」
「う……」
ぱたん…。
「ああーーー!カスミさーーん!かぁいいよーーーー!!」
ごろごろごろごろ。
サスケの恋の炎はますます燃え上がる。
完