シード×ジル「愛しい人」 著者:種様
俺は貴女が好きだった…ずっと、ずっと…
貴女と初めて出会ったときからこの気持ちは変わらない…。
なのに…貴女は俺ではないほかの男のモノになっていた。
既に日付が変わった真夜中のことだった。
シードはなかなか寝付けずに少し散歩する事にし、ついつい興味本位で皇王夫妻の寝室の方へと足を運んでしまった。
そして、ちょうど廊下を曲がろうとしたその時…声が聞こえた。
「っ…あ…ジョウイ…こんなのダメッ…」
「くす…そんなこと言って…いつもより興奮しているじゃないか…」
そっと、覗いてみるとそこには半裸状態で壁に手をついているジルとそのジルを後ろから貫いているジョウイがいた。
「んぅ…み、見回りの兵士が来たら…っ」
「大丈夫だよ…そんな野暮な事をする様な兵士はいないよ」
ジョウイの腰の動きが早くなる。
「んっ…んぅ…ぁ…も、もうだめぇぇぇ!!!」
艶っぽい声にシードの背筋がゾワリとする。
「…っ」
欲情、する。
果てる瞬間の、その表情に。
ホシイ、と切に願う。
シードは2人に気づかれない様にそっともと来た道を戻った。
それから、何事もなく1週間が過ぎた頃…
ジョウイが同盟軍との戦いの作戦の為、何日か城を空ける事になった。
いつもならば先頭をきってジョウイの護衛となるシードだが今回は城の守りを担当する事になった。
「シード…この城を…ジルを…頼むよ」
「勿論です。ジョウイ様もお気をつけて…」
心配など、していない自分に心の中で笑う―自分がこんな男だったとは今まで知らなかった…と。
「さて、ジル様…お部屋までお送りいたします」
返事がない。
ふとジルの顔を見てみると寂しそうな表情で微笑んでいた。
「…ジル様?」
「…ぇ…あ…ごめんなさい…何でもないわ」
それより、よろしければ一緒にお茶でもしませんか?といつものやんわりとした微笑で尋ねてくる。
チャンスだ…と心の中で考えてしまう。
「…喜んで」
そう言った自分の顔が笑っているのではないかと思い不安になる。
「昨日、美味しい茶葉を頂いたの…一人では…勿体無いものだから…」
ジルはシードの心の中など知らず、少しだけ先刻よりも笑顔になっていた。
―─ジルの自室に入るのは初めてだった。
一介の兵士は勿論、将軍クラスの人間でも簡単に入れる様な場所ではないのだ。いつでも入ることが許されているのは…ジョウイ。そう考えると悔しい…と感じた。
「シード?どうか…なさって?」
「あ、いえ…綺麗な部屋だと思ったもので…」
「其処に掛けていてください。今、用意をしますから…」
微笑んで、ジルはお茶も用意を始める。その後姿はとても儚くて…今にも消えてしまうのではないかと思わせるほどだった。シードは立ち上がるとジルを後ろから抱きしめた。
「…シ、シード…?」
ジルは慌てて振り返った。だがシードは今度こそしっかりと正面からジルを抱きしめた。自分の腕に抱きしめて改めて感じた…自分が思っていたよりも遥かに儚い存在だと。
力を込めれば簡単に折れてしまいそうなほど……
「…ジル様…俺は…」
耳元で呟くとビクリと体を震わせる…まるでその続きを聞くのを拒むかの様に。
「ずっと…貴女が好きだった…勿論…今も…」
手をそっと取り手のひらに口付ける、柔らかく、美しいその手に。
「こういう冗談は…やめて…?私の事…慰めてくれているのでしょう?」
手のひらにキスをする事―それは『愛している』という事を意味している。
「冗談なんかじゃない…俺は本気ですよ」
ジルの顎をもち、上向かせる。不安げな瞳がシードの目に映る。
「慰めなんかじゃない…愛していますよ」
唇を重ねる。想像していたよりもずっと柔らかい唇が欲情を誘う。
「んっ…!」
ジルはシードの腕の中から逃げようと抵抗をみせるがビクともしない。力の差は歴然だった。
「っ…ん…ぅ…っ!!」
唇が開放されるとジルは息を乱しながらシードに言った。
「…ありがとう…でも、でも…私は…ジョウイ様しか…」
シードの中で何かがプツリと音をたてて切れた。
──何故、自分ではいけないのか…何故、ジョウイでないといけないのか…
嫉妬心がシードの中でザワザワと膨らんでいく。
「…ジル様…あまり手間をかけさせないでくれますか」
腕を掴みジルの抵抗を許さない。掴まれた腕が痛いのかジルはその端正な顔を苦痛に歪ませる。シードはそのままソファにジルを押し倒した。
「シ…シード…やめっ…ん!!」
再び唇を奪い無理矢理舌を差し入れる。抵抗しようにも口内を舌で執拗に掻き回され体の力が抜けてしまう。ジルの体から力が抜けていくのを感じ取り、シードは唇を開放した。
そして、自身の服のベルトを外すとジルの細い手首をそれで縛りつけた。
「やめて…シード…こんなっ…」
涙目でそう言うジルを見ながらシードは服をはだけさせた。
「…軍人が女の貴女の前で鎧を外す事の意味…解りますね?」
くっくと笑いながら怯えた目をしているジルの頬に口付けた後、剣を鞘から抜くとジルは一層恐怖をその目に映す。胸元に剣の切っ先を向けるとガタガタと体を震わせている。
「そんなに怯えないでくださいよ…」
シードの剣はジルのドレスを下着ごと破った。白い肌が露になる。シードは形の良い胸が目に映ると自然と顔を綻ばせた。
「綺麗だな…」
胸に指を這わす。ジルの体は思わずピクリと反応してしまった。
「随分いい反応だな…俺に感じているのですか?」
わざとジルの羞恥心を煽る言葉を選んで話しかける。案の定、ジルの顔は一層赤くなった。ふと、胸元に赤いあざの様なモノがあるのを見つける。
怪我をしているのか…と思った―だが、それが怪我などではない事にすぐに気づいてしまった。
「……キスマーク…か」
「…ぇ?」
まるで、この場所にいない筈のジョウイが居る様な気がして、シードは悔しくなった。その、ジョウイが付けた所有の証に噛み付くように口付けた。
「は…ぁっ…」
ビクビクと体を震わせ突然の行為に驚く。唇を離すとジョウイのキスマークのあった場所にはシードのキスマークがジルの肌に残る。
「こんなに汚されて可哀想に…俺が綺麗にしてあげますからね?」
少し乱暴な手つきでジルの胸を揉みしだく。
「んっ…痛っ…」
シードの手の力は強く、ジルには痛い…と感じる。だが、胸の薄桃色をした突端は言葉とは裏腹にピンと尖ってしまう。それを口に含み甘噛みする…コリっとした感触だった。
「へぇ…こんな事をされて感じるのですね、貴女の体は…さぁ、もっとその可愛い声を俺に聞かせてくださいよ?…最も、誰かが通るかもしれませんが…」
「っ…やぁん…」
頬を紅潮させ、必死で拒む…手を拘束されているせいで声を抑えたくても抑えることが出来ずただ首を振り拒むしか出来ない。
「…体はこんなにも正直なのに…困ったお姫様だ」
乳首を指で転がしながらジョウイが付けた痕を消してゆく。
「っ…んぅ…いや…シード…いやぁ…」
「…何が嫌ですか…?ちゃんと言ってくれないと解りませんよ?」
今のジルは息を乱し、潤んだ瞳をしており、まるで犯してくれと言わんばかりの表情だった。
「あぁ、まだイってないんだな…イかせて欲しいんだろ?」
「ち…違いますっ!」
ジルの言葉を無視し、シードの指は脚の太腿の間に手を入れた―─グチュ…と水気を含んだ音が聞こえた。
「ひっ…痛っ…ぁ」
まだ幼さの少し残るソコには大きすぎる、ゴツゴツとしたシードの指が3本ジルの秘所へ侵入する。
「…痛いのは最初だけ…ジョウイ様より悦くしてやるよ」
力ずくで脚を大きく左右に開かせる、秘所が無防備にシードの前に曝け出される。
「イ、イヤ…!こんな明るい…のっ!!」
「本当、いやらしい体だな…ジョウイ様以外の男でもこんなに濡れるなんて…」
「おねがっ…見ない…で…あ…ぁあ」
指を激しく抜き差ししながらジルの胸への愛撫を再開させる。すっかり硬く尖った乳首をきつく吸われ、秘所を乱暴に掻き回されるとジルは声を押し殺せず露骨な艶っぽい声を漏らす。
「んん…あ、あぁ…ァ…ひっ…ィ…ィヤ…いやぁぁぁぁ―!!!」
何度も体を痙攣させ涙目でシードを見る。
「…悦かっただろ…?」
指を抜き取り絡みついた愛液を美味しそうに舐める。
「俺が…欲しいか?」
シードが敬語を使わなくなった事によって更に恐怖心を煽られる。自分が知っているシードではなく、一人の男なのだと改めて思い怖くなる。
また、それはシードの中のオスが敬語などに気にしている余裕がなくなっている事も表していた。
ジルはただ拒むことしか出来なかった…自分の体が相手を欲しがっていると解っていても簡単に受け入れる事など出来る訳など出来なかった。
「…どうしても…俺を拒むんだな…」
シードは口元だけで笑う、それがジルには恐怖心を抱かせる。
―─拒まれるのなら…だったら…俺は…
「…犯すだけだろ」
「!?」
ジルの目が見開かれる。シードは今まで見せようとしなかった本心を露にした。
─カチャ…
「っ…!?イヤ!!」
シードが自身の服を脱ぐ。首を振る事でしか拒む事の出来ないジルの体に跨ると既に反り返っている自身をジルの胸の谷間に挟み込んだ。
「!?いや…やめてっ!」
「した事…あるんだろ?ジョウイ様になら…自分からしてやるんだろ?」
口元だけで笑いながらシードはジルの乳房を寄せてゆっくりと動かした。
「あっ…」
自らも腰を動かしながら乳房で自身をこするように動かすとその柔らかさ、弾力性が直に伝わってくる。
「ぁん…」
「はぁ…何だ…感じてるのか?」
「っ…ち、違います!」
「ほら…舐めろよ…出来るだろ?」
ジルの口元に自身を突き出して先端を舐めさせようとする。ジルはぎゅっと目を閉じ拒む。
「ジョウイ様になら喜んでしてやるんだろ…?やれよ、ジル」
ジルはそれでも目を閉じたままその行為をしようとしないのでシードは小さく溜息を吐く。
「まぁ、いいさ」
そう言うと再びシードはジルの乳房を寄せて動かし始めた。反り返ったモノが豊かな双丘の間で揉みくちゃになる様子に興奮が高まり、そのまま乳房の谷間で己の欲望を吐き出した。
「っく…」
「んぅっ!!」
シードのモノはビクビクと脈打ちながら谷間は勿論、顔や髪にまで白濁の液体を飛び散らせた。だが、シードの欲望は一度出しただけでは飽き足らず未だ硬さを保ったままだった。
ソファでぐったりとしているジルは既に抵抗をする気力も失っていた。
「…気持ちいいな、ジルの胸は…でもここはもっと悦いんだろうな」
ジルの腰を持ち上げ、マングリ返し状態にする。
「い…や…だれか…助け…」
抵抗しようにも両足をしっかりと掴まれており、ジルの腰は完全に固定されている。そんな無防備な秘所に自らの張り詰めた亀頭をあてがった。
「…ひっ…」
ぐちゅ…と音を立てながらシードのものはジルの膣に侵入していく。
「…よく…締めるな…俺がそんなに欲しかったのか?」
「んっ…はぁ…違っ…ぁん…」
どれだけ口で拒絶しようともジルの体は間違いなくシードを求めていた。ジルの体は一度受け入れてしまったオトコを受け入れる事を望んでいる。
―イヤ…でも…苦しいのは…もぅ……イヤ…
ジルはとうとう、自らシードの体を求めた。
「ぁっ…ああぁ…あっ…」
サオの部分まで埋め込みジルの秘所を激しく蹂躙する…正常位よりも屈曲位に近い体位で挿入がかなり深く艶かしい結合部が丸見えだった。
「俺と…ジョウイ様…どっちの方が気持ちイいんだ?」
荒々しいピストン運動でジルを犯しながらシードはそう尋ねてみるがジルは話すこともままならず、ただ喘ぎながら首を左右に振る。
「っ…はぁ…はんっ…あぁん!!」
大きな瞳を細め必死で快楽に溺れてしまわないかの様な表情にシードの興奮は一層高まる。
「…っ…すげぇな…ジルのナカは…」
気持ちよさそうに目を細め、シードは熱い吐息を吐き更に激しく腰を動かす。腰を引くと膣内のヒダがシードのモノに絡みつく。そして思い切り奥まで突き入れると秘所は侵入物を締め付ける。
「あっ…あぁぁ…抜いて…っ」
激しく責めたてる度、その腰の動きに合わせて円やかな胸も揺れ動く。
腰の動きは単なるピストン運動だけでなく、腰を回転させる様にしてすっかり濡れそぼった秘所を掻き混ぜる。ジルは過敏な秘所を熱い楔で擦られるとただただシードのされるがままになっていた。
シードもピストン運動の動きを速めるにつれ、己の欲望の制御が出来なくなっていく。
「…は…っく…ナカで…だすぜ…」
「!?…ダメ!!ナカは…ナカはダメ…っ…ぁぁっぁあああぁぁ…―っ!!!!!!」
最後の拒絶すら叶う事なくジルは体を弓なりに仰け反らせて果ててしまう。
その直後にシードはジルの子宮めがけてドクドクと溢れ出る欲望を隠す事なく全て注ぎ込んだ。
ジルは涙を流し下半身を痙攣させながらその熱い奔流を受け入れていた。
その後も、シードはまるで獣の様にジルの体を貪り続けていた。途中で失神してしまったジルの体を掻き抱いて何度も何度も貪り続ける。ようやく犯す事を止めたシードの心の中にはオスとしての征服感が巣食っていた。
「…ジョウイ様には…渡さない…俺のモノだ…ジル…」
細い体を抱き締めシードはジルの唇に口付けた…
【END】