シロウ×ヒルダ 著者:11様
ハイランドと同盟軍の戦争が終わり、この地にも静けさが戻ってきた。
戦争に参加していた人々も各々の思いを持って各地に散って行った。
平和になったからと言って、全てが良い方向に変わるということはなく。
相変わらずの日常に頭を悩ませている人がここにも1人―――。
ばたん!
「はぁはぁ……、やったぞヒルダ!新しい情報だ!
ここから西に行った所にお宝が埋もれた洞窟があるらしいぞ!」
白鹿亭の入り口が大きく開き、息を荒げながら男が入って来た。
その男はカウンターの奥に立っていた女に近づき、爛々と眼を光らせて語り始めた。
「少し遠いんだが、洞窟が最近になって発見されたらしい。
あの戦争が原因なのかは解からないが、まだあまり手付かずの状態みたいなんだ。
だから今のうちに俺がお宝見つけてくるから!そうしたら、ヒルダももっと楽にさせて
やれるし、ピートも良い学校に入れてやれるぞ!」
ヒルダと呼ばれた女性が一気に捲し立てる男にふぅ、と溜息を吐いた。
「ちょっと落ち着いてアレックス。財宝探しもいいけど、白鹿亭もおろそかに
しないって約束したでしょう?最近ずっと外出ばかりだし……。」
怒りを通り越して最早呆れた表情を浮かべるヒルダに、アレックスが少し怯む。
「う……、す、すまん。でも、平和になってからそういう話が全然なかったし、
久々のお宝だからちょっと興奮してしまっているのかな……。」
「うふふ、気持ちはわかるけれど慌ててケガでもしたらピートが悲しむわよ。
もちろん私も…。」
ヒルダは手を口に当てて、上品に笑う。
そんなヒルダを見てアレックスは照れたように鼻の下を指で擦り、
自分が入ってきた扉の方を向いた。
「そ、そうだな…。でも、結構金がかかりそうなんだよ。モンスターがいるかも知れないから
腕利きの奴を雇って、旅費なんてのも考えたら……。」
わずかにヒルダの表情が曇る。
「その洞窟、そんなに遠いの?危なそうだし、大丈夫かしら……。」
「なぁに、大丈夫だよ。それに冒険には危険はつきものだしな!
同盟軍の知り合いに声掛けて何人かついて来てもらうよ。なら安心だろ?」
「そんな…皆さん忙しいでしょうし、無理言っちゃダメよ。」
場の雰囲気がまずくきたと感じて、アレックスはまた出かけようと扉へ向かった。
「わかってるよ。じゃあ暇そうな奴に声掛けてくるから!」
「本当に無理しないでね……?」
一月が過ぎた。
買い出しに出たミューズの街でも財宝の埋まった洞窟の噂は広まり始め、
すでに何人かはそこへ向かったという話も聞こえてくる。
しかしアレックスは今だ金策に奔走していた。
ヒルダに迷惑はかけないと、決して白鹿亭の収入には手をつけなかった。
そんなある日。
「いらっしゃいませ。」
「おう、ヒルダさん。」
紫色のズボンにランニングシャツを着て、頭上のあたりを金髪にした男が入ってきた。
その目つきは鋭く、無駄な肉のついていない引き締まった身体をしている。
「あら、シロウさんじゃありませんか…ご無沙汰しております。お元気でしたか?」
「ああ、俺は元気だけどよ……。今日はアンタに話があって来たんだ。」
久しぶりの再会を楽しむのもつかの間、シロウはカウンターに乱暴に肘をついた。
ドン!と大きな音がして、ヒルダが身体を竦ませる。
「アンタんとこの旦那な、どうにかなんねぇのか?」
「えっ?」
「だから、アンタの旦那の借金が結構かさんでるんだが、懲りずにウチで打っていくんだよ。
その借金をいつまで経っても払わねぇから、こうして直談判にきたんだよ。」
「ア、アレックスが……」
予想だにしなかった真実に、ヒルダは憮然としている。
「俺も知り合いにキツイ事は言いたくないんだけどよ、
ケジメはきちんとつけてくれねぇと困るんだよな………。」
カウンターに置いた肘を立てて、顎に添える。ヒルダを見るシロウの眼が更に鋭くなった。
「す、すみません!ウチの人がそんな事をしていたなんて……。私、払いますから!
あの……、いくらでしょうか……?」
「昨日の負け分込みで27000ポッチってところだ。
全く…こんなに負けてもあきらめねェんだから、余程大金が必要なのか?」
「そ……っ、そんなに!?」
自分でもかなりの金額を見積もったつもりだったが、さらに上を行く破格の金額に
ヒルダは驚きの表情を隠せないでいる。
「まぁ顔なじみだし、一度に返せなんてことは言わねぇよ。
でもなるべく急いでくんな。」
「はい……。」
用件を告げると、シロウは前屈みになっていた状態を起こして一度大きく伸びをした。
「あーそれと、今日はここに泊まってくからよ…久々に遠出したんで疲れちまった。」
「あ…はい、それではお部屋を用意します………。」
ヒルダは震える指を必死に押さえて、2階へと上がっていく。
梟の声が聞こえる。
もうすっかり夜もふけ、シロウは疲れた身体をベッドに横たえてまどろんでいる。
こんこん。
「……起きてるぜ。」
それを入室の許可だと感じたのか、静かにドアが開く。
軽い足音をさせて部屋に入り、後ろ手にドアを閉めた。
シロウが入室してきた人物に目線を向ける。
「こんな夜遅くに、男の部屋を訪れる格好じゃねぇな……。」
そこには、ネグリジェを纏ったヒルダが立っていた。
「すみません…こんな時間に。」
ヒルダが本当に申し訳なさそうに顔を伏せて謝罪する。
「なんか話があるんだろ?」
ちらりとヒルダに目をやっただけで、シロウは目を閉じた。
ドアの近くに立ったままだったヒルダがベッドに少し近づく。
「あの……厚かましいお願いなんですが、お金を貸して頂けないでしょうか…?」
ヒルダの口から出た言葉は、シロウの考え得ないものだった。
「………理由は?」
瞑っていた目を開いて、シロウがゆっくりと身体を起こす。
その鋭い目がヒルダを射抜き、ヒルダの身体を固くさせる。
ヒルダはきゅっと下唇を噛んで、シロウの目を見据えた。
「……アレックスが財宝探しに行くのにお金が必要なんです。
こんな事頼めた義理ではないんですが……。」
「財宝か……まぁ博打やってる俺が言うのも何だが、
厄介な趣味の夫を持つと苦労するな。」
シロウがふ、と口元に笑みをこさえる。それは少し自嘲気味にも見える。
「あの人は…家族のためにそれをやってくれているんです。
アレックスは優しすぎるんです……。」
ヒルダが嬉しいのか、悲しいのか、そっと瞼を伏せる。
それを見たシロウがニッと白い歯を見せた。
「ハッ、アイツも幸せモンだな…アンタみたいな女房を持って。」
「………。」
零れそうな涙をこらえて、ヒルダがシロウから目線を外す。
シロウはつまらなそうに鼻を鳴らしてごろん、とベッドに寝そべった。
「それじゃあ、アンタの誠意ってヤツを見せてもらおうか。」
「え……?」
指先で零れてしまった涙を拭き取りながら、ヒルダが寝そべったシロウを見る。
目を瞑って言葉を整理しているようだ。
「借金してるアンタ……ま、正確にはアンタじゃないが。
ヒルダさんの家族にさらに金貸そうってんだ。
必ず返す保証ってのをしてもらわねぇとな。」
「な……何をすればいいんですか……?」
「そうだな……。例えば、自分の大事にしているモノを担保にするとか、な。
他にも………」
「………。」
大事なもの。
シロウの言いたい事は理解できるが、大事なものなんてそう多くはない。
また家族皆が知っているものだと困る。不審に思われるからだ。
失くなってもアレックスやピートに気づかれないもの……。
ぎし…。
ヒルダの片膝がベッドに乗り上げる。
「あの……私じゃ、駄目でしょうか………」
「ん?」
両手を頭の後ろで組んだシロウが目を開けてヒルダを見る。
下から見上げるヒルダのネグリジェ姿は一際艶かしい。
「わ、私、担保にできるものなんて持ってませんから……」
「………へぇ、じゃ、アンタは自分の身体に自信があるんだな……」
「そ、そんな!」
顔を紅潮させて大きな声を上げてしまう。
自信をもっている訳ではないが、『大事なもの』として自分の身体を差し出したのだ。
それを違う意味に取られて恥ずかしくなり、ヒルダはベッドから離れようとした。
「おっと。別にそれでも良いが、アンタの態度次第だぜ。」
シロウはそんなヒルダの手をぐっと掴み、言い聞かせるようにゆっくりと話す。
「私の……?」
「そうさ。アンタの身体がそれ相応のモンだったら俺も文句はねぇよ……。」
「あ……」
シロウを満足させられるか……そう求められているのが解かった。
夜の営みなど、子供が生まれて以来随分ご無沙汰だったが……やるしかなかった。
ヒルダはゆっくりとシロウの身体に覆い被さっていく。
そしてランニングシャツをぎこちなく脱がし、硬い上半身に遠慮がちに舌を這わせていく。
ちろちろとヒルダは丁寧に舌を這わせるが、シロウの表情は変わらなかった。
「ん………、んん………。」
シロウの首筋から腋に、腋から乳首に舌が伸びる。
「っぷぁ……ど、どうですか……?」
「あー、悪かねぇが、もっと強くしてくれても良いぜ。」
どこかつまらなさそうに天井を見上げていたシロウは、
まだこの情事に興味が涌いていないようだ。
「ちゅ………ちゅっ、んむ………」
気持ち、ヒルダの舌遣いが強まる。だがそれは微々たるもので、
シロウに与える刺激はさほど変わらなかった。
そろりそろりとシロウの股間にヒルダの指が伸びる。
肉棒の型を確かめ、ズボンの上から腫れ物に触るように優しく撫でる。
「そんなんじゃいつまで経っても終わらねェって!」
「きゃ……っ!」
シロウはいきなりがばっと起き上がり、ヒルダの上に組み伏す。
そしてネグリジェの中の透けて見える乳首を長い舌で捕まえ、ベロベロと舐めまわした。
「ああぁっ!シ、シロウさん……!」
ヒルダは快楽を与える立場から与えられる立場に逆転されて、激しく身をよじる。
「いつもそんな生易しいことヤッてんのかよ!」
チュウチュウとわざと大きな音を立ててヒルダの乳首を吸い上げる。
服の上からでもかなりの刺激だ。
「あぅぅぅ………っ、はぁっン!」
開いている片方の乳房をぎゅっと握りつぶし、ぐにゅぐにゅと形を変えて弄ぶ。
「い、痛い………、んん!!」
シロウの指がヒルダの秘部へと移動し、強引に掻き入っていく。
「はぁぁぁぁっっ!!!」
痛みを覚えるぐらいの急激な刺激がヒルダを襲い、激しく抵抗する。
しかしシロウが上から覆い被さっているため、状態をあまり動かすことができない。
「……はっ、まだこっちは準備できてねぇな…。」
「あっ!何を……」
シロウはネグリジェの下から強引にヒルダの下着を脱がし、大きく脚を広げさせた。
「へぇ、綺麗な色してんじゃねぇか……。」
「は、恥ずかしい……脚を、閉じさせて下さい……」
ヒルダは顔を両手で覆って、シロウの顔を見ようとしない。
脚を閉じようと力を入れてみるが、足首をがっしりと掴まれて
その努力は無駄に終わってしまう。
シロウは一回舌なめずりをして、真っ赤なクレヴァスに長い舌を突っ込んだ。
「ひっううぅぅぅ!!」
異物の侵入にヒルダは一度大きく身体を反らす。
ぐっちゅ、ぐちゅん、ぐちゅっ……
「あっっハァァァァ!!は、激しいィィィッ!」
あまりの刺激に身体を捻って上方へ逃げようとするが、
シロウの舌は秘壷から抜ける事なくヒルダの膣内を掻きまわす。
「い……ッ、アアアアアぁ!」
「ふん、中はものグッショリじゃねぇか……漏れるのを我慢してたのか?」
「うァァァァッ!」
ぐるぐると膣内をのた打ち回るシロウの舌から逃れる術はなく、
ヒルダはただ嬌声を上げることしかできない。
「返事できねぇくらい感じちまってんのか……まぁその方が燃えるがな。」
シロウは口を離すと、2本の指をヒルダの秘部に一気に差し入れた。
「ヒ、う、う、うぅぅぅンンン!!」
その指が根元までずっぽりと入りきった途端、ヒルダの腰がガクン、と大きく跳ねた。
秘部から大量の愛液が噴出す。
「お、もう気をヤッちまったか……。段々ノッてきたなぁ、ヒルダさんよぉ。」
「う、うぅぅ……」
ヒルダの表情はその顔に乗せられた腕が邪魔で見えないが、
かすかな息が漏れるその唇は艶やかに光っている。
「普段のアンタも綺麗だが、乱れる姿は一段と来るモンがあるぜ……。」
シロウは入れたままだった指を膣内で大きく広げ、交互に動かしてみた。
「あっ!」
イッた余韻に浸っていたヒルダがまた現実へと呼び戻される。
ヒルダの反応を見て、シロウが激しく指を動かし始めた。
「はっ、はっ、はっ、はぁ、はぁ!」
指が動くリズムと同調してヒルダが喘ぎ声を漏らす。
シーツをぎゅっと掴んで押し寄せる快感に抵抗している。
「ほら、もっと良い声聞かせてくんな!」
シロウの指が膣内で曲がり、クリトリスの裏側を刺激した時、
大きな快楽の波がヒルダの全身に走った。
「はッ、う、うあ!」
今まさに絶頂に達しようとした瞬間、その波が弱まる。
「あ………」
ヒルダが気をヤる一歩手前を見極め、シロウは指を抜いた。
そしてその場に立ち上がり、ベルト代わりの紐を解いてズボンを脱ぎ捨てる。
ヒルダの視線は大きく勃起したシロウの赤黒いペニスに釘付けになっていた。
「ほら、欲しかったらおねだりしてみな。」
シロウは自分の肉棒を軽く擦って、ビクビクと脈打たせる。
「そ、そんなこと……」
イク手前でお預けを食ってしまったヒルダだったが、
残った理性が卑猥な言葉を口にするのを邪魔する。
シロウはふるふると身体を震わせているヒルダの顔近くにしゃがみこみ。
自分の意志とは無関係に動くモノを眼前に持っていった。
「これが欲しいんじゃねぇのか?ちゃんと言わねぇと解かんねぇぜ。」
ヒルダは潤んだ瞳でシロウのモノをじっと見つめる。
その赤黒いモノから漂う『男の匂い』が残った理性を打ち砕く。
「あぁ……シ、シロウさんのその嫌らしいモノを、私に……、私に、ください……」
涙目で訴えるヒルダがとても淫靡に見え、さらにシロウを欲情させる。
「はん、まぁ……いいだろう。アンタにしちゃあ上等かも知れねぇ。」
普段は見本のような淑女のヒルダが考えられないほど乱れている様を見せられ、
いつの間にか興奮していた自分を楽しみながら、シロウは一気にヒルダを貫いた。
ズブウゥゥゥ!
「ハッ……ッ、アアアァァァ!!」
息ができなくなるぐらいの大きな刺激がヒルダを襲う。
クレヴァスをこじ開けて入ってくる熱い塊に、ヒルダの中の”雌の本能”が嬌声を上げた。
絶頂寸前だったヒルダの意識が遠くなる。
「まだまだこれからだぜ……っ!!」
シロウの激しいピストン運動が、宙を舞っているヒルダの意識を戻らせた。
「はッ、ああ、そ、そんな激しく動かないでッ…!私……!」
気をヤッたばかりのヒルダをまた快楽が包み込む。
「いいぜ、好きなだけイきな!」
シロウは両膝をついてヒルダの腰を持ち上げ、より深く結合する。
パン!パン!パン!パン!
「あぁ!ん!い!嫌ァ!」
腰を打ちつける度に悦楽の声を上げるヒルダ。
口元からだらしなく垂れる唾液が、全身から吹き出す汗と重なって、
シーツの色を変えていく。
「あぁ……またイク!また、はしたなくイッてしまうぅ……!」
「俺しか見てねぇから遠慮すんなよ!イきたいだけイケよっ!!」
シロウはさらにペースを上げて、ヒルダの中を貪る。
2人の結合部からはどちらのものとも判らない液が止めど無く溢れ出している。
「はああぁ!!」
ヒルダが身体をヒクヒクと痙攣させると、強張っていた身体から力が抜けていく。
「―――ッ、よし、俺もそろそろ出させてもらうぜっ…!」
「あッ!?」
激しく絡み付いてくる膣内を楽しみながら、
シロウはヒルダの片足を大きく上げて、ぴったりと腰が密着するぐらいに肉棒を押しこんだ。
「いぃぃ……っ、深い……です……!」
ネバネバと糸を引く結合部を激しく動かし、シロウはただ果てるために快楽を高める。
「嫌……嫌ッ、もうイキたくない……イカせないで、嫌っ、イカせないで………!!」
「おら、おら、おらっ!」
「ああぁッ、アレックス、ごめんなさい…ッ、ごめんなさいッッ!!」
「うっ……出すぞ!」
シロウが限界まで膨張したモノから欲望を吐き出そうと、膣内の奥深くに突き刺した。
びゅくぅぅぅ!!
「ひッ、…………ッッ、アアアアア―――――――!!!」
体内に熱い液体を感じたと同時に、ヒルダの身体が大きく反り返る。
足の指がピンと張って、すさまじい絶頂感に襲われているのを如実に表していた。
「くっ……スゲェぜ、抜けねぇぞ……!」
「あ……ッ、………ん」
「おい、ヒルダさん。いい加減……」
ヒルダは口をだらんと開けた状態で動かない。
「ちっ……気ィ失っちまったのか………」
シロウは傍らにあったタオルをヒルダのお腹の上に被せた。
その日、アレックスは帰ってはこなかった。
「おいヒルダ!すごいぞ!」
数日後。あれから、何変わることなく生活は続いていた。
息せき切ったアレックスがヒルダに詰め寄る。
「あら、どうしたの……?」
「ああ、やっと金が工面できたんだよ!これでお宝にありつけるぞ!」
満面の笑みでアレックスが言う。
「そ、そう……良かったわね……。」
「それがさぁ、シロウって博打うちがいただろう?彼が大金を貸してくれたんだよ!
見かけは何だが、すごい良い人だよ!」
「そ………そうね………。」
突然涌いて出た大金にただただ喜ぶアレックス。
彼がその金の意味を知ることは決してないだろう。
完