ワタクシの名前はジョセフィーヌ!(シュラ×ユマ) 著者:義勇兵様
ワタクシの名前はジョセフィーヌ。
なによりも文化を愛する万能芸術家ですわ。
アーメス? そんな文化後進国の名前をワタクシの前で口にするのはおやめなさい。
ユマ? わわっ、ワタクシの名前はジョセッフィーーーヌ! ユマなどという田舎臭い名前ではありませんわあっ!
ジョセフィーヌ、それは魂の名前。ワタクシが三日三晩寝ずに考えた、真実の名前なのですっ!
…こほん。
ワタクシは今ジーンさんが経営する娼館で娼婦として働いています。
え? なんで娼婦なんかやってるのか、ですって?
これだから文化を理解しない輩はイヤですわっ! ジーンさんの魅惑のフェロモンに感銘を受けたからに決まっているじゃありませんの。
ワタクシ、彼女から文化の香りを感じましたわっ! ええ、感じましたとも。
そういうわけでワタクシはさらなる文化追求のために彼女のもとにとどまることにしたのですわ。
ところがしばしの訓練の後、娼婦としてお客をとるようになってみればなんですの、ワタクシの磨き上げられた文化的テクニックの前にあっさり達してしまうものばかり。
このワタクシの相手をするからには、相応の文化人でなければならぬというのに!
こんなことではなんのためにここで働いているのかわかりませんわ。
まったくいつになったらワタクシにふさわしいお客が現れるのかしら。
そんなある夜、いつものようにワタクシに指名がかかりました。
まったくまた文化不感症の相手をしなければならないと思うと気が重いですわ。
ワタクシがここにいるのは、さらなる文化の高みを目指すためだというのにまったくもう。
でも指名が来たからには行かないわけにはいきません。
お仕事はしっかりこなさねばいけませんわ。それが文化というものです。
「オーッホッホッホッ! ワタクシの名前はジョセフィーヌ!」
既にお客が待っている部屋の両開きの立派な扉を景気よく開き、まずは一発名乗りをあげます。
自己紹介は文化の基本です。でも大抵のお客はワタクシの名乗りを聞くと妙に腰が引けるんですのよね。
まったくこのジョセフィーヌを相手にしようというくせに、腰が座ってないものばかりですわ。
でも、今夜のお客はすこし様子が違っているようで…
「オーッホッホッホッ! オーッホッホッホッ! オーホッホッホッ、けほんけほんけほん」
いつまで経ってもお客が止めないものだから、うっかり笑いすぎて咳き込んでしまいましたわ!
まったくこれだから文化不感症は、と憤慨しつつソファにゆったりと腰をかけているお客をはったと睨みつけてやりました。さあ顔をよくお見せなさい、今宵のワタクシのお相手はどんな…
「あ、あわわわわ」
ワタクシはくるりとお客に背を向けて、咳払いをして呼吸を整えるとぱっ、とパラソルを開いて背中を向けたまま言葉を搾り出しました。
「では、ごきげんよう」
そのまますたすたと歩き出し、何事もなかったかのように扉を閉めて…
「待ちなさい、ユマ」
「わわっ、ワタクシの名前はジョセッフィーーーーヌ!!!」
瞬間移動にも等しい速度で踵を返し、ワタクシはくわっ、と宣言してやりました。
やたらとカッコつけたポーズでソファにかけて足を組んでいる…
アーメス西海神将にしてワタクシの実の兄、シュラ・ヴァルヤに…。
時計の針が正確なリズムで動く音以外、部屋の中は完全に静寂に支配されています。
いつものカッコつけた嫌らしい薄ら笑い(←ジョセフィーヌ視点)を浮かべたまま黙っているお兄様と向かい合うようにソファに腰を下ろしてから既に五分ほどが経ったかしら。
ふんっ、何か言いたそうな顔ですわね。わかってますわよ、おおかた次に出てくる言葉は「こんなところでなにをしているんだ?」でしょう。
まったく何が悲しくて、こんなところでまでお兄様と顔を突き合わせなきゃなりませんのかしら。
お兄様が何を言ったってワタクシは帰りませんわよ、ここで文化の真髄を見つけるまでは。
「…それで、いったいなにをしているのかな」
ほうら、来ましたわ。ワタクシが娼婦になったことをどこで嗅ぎつけたか知らないですけれど、娼婦を勝手に連れ出そうとしたらいくらお兄様といえど、館の用心棒が黙っていませんわよ。
チーズケーキ好きのおかしな眼帯男やら、重い甲冑を着ているくせに物音一つ立てずに歩く不気味な黒騎士やら、頭からすっぽりゴミ袋みたいなものを被ってガンとかいうおかしなものを弄り回している無愛想な男やら、変人ばかりですけど腕の方は抜群の人ばかり揃っているんですからっ。
「…それで、いったいなにをしているのかな」
ワタクシが答えないのに業を煮やして、お兄様がもう一度言いました。
すぅっ、と息を吸い込んで、ワタクシが娼婦を辞めるつもりがないということを伝えようとしたら…
「早く奉仕をしてくれないか」
「がぷっ!?」
思いもよらない台詞を聞かされて、ワタクシ思わず変な声を出してしまいました。
「時間は有限なんだよ、妹よ。さあお前のテクニックで私を快楽の海へと誘っておくれ」
「な、な、なにを言ってるんですの!? ワタクシを連れ戻すために来たんじゃありませんの!?」
「誰がそんなことを言った。妹が娼婦をしていると聞いたのだよ。ならば兄としてとるべき行動は一つ、妹のテクニックを試してみるしかないだろう」
「アナタの発想はいつもどこかおかしいのですわっ!」
しばらくぎゃーぎゃーと言い合いを続けましたが、昔からワタクシ口喧嘩でお兄様に勝てたことがありません。
やがて疲れてきてぜーぜーと肩で息をするワタクシに、改めてお兄様の声がかけられました。
「では…そろそろ始めようか」
「…わかりましたわよ」
こんな風にお兄様に口づけするなんて、小さい子供のころ以来ですわ。
近くで見るとお兄様の顔は本当に整っていて、世の女性達が騒ぎ立てるのもわからないでもありません。
しかしこの人が綺麗なのは見てくれだけです。中身は妹をいじめてワタクシの悔しがる顔を見ては楽しむ変態ですわ。
はあ、と内心溜息をつきつつ軽いキスを繰り返していると、いきなり肩をがっちりとつかまれ無理やり顔を正面に向けられました。
そしてこともあろうにワ、ワタクシの唇に無理やり自分のそれを重ねてきたのです。
「んむっ!? むー! むー、むー、むー!」
「じゅぱっ…れろ、ちゅぅっ、ちゅぅ〜」
無遠慮にねちっこく口内を蹂躙してくるお兄様。抵抗しようと暴れてみましたが女顔のくせにやたら力が強く、びくともしやがりません。
結局ワタクシは為すがままにされ、お兄様がいやらしく口と口の間に唾液のアーチを作ってキスを終わらせるのを待つしかありませんでした。
「ぷはっ! はぁっ、はっ、な、なにしやがりますの!?」
「唇を合わせて舌をねじ込み、歯の一本一本にいたるまで丹念に舐めまくり、舌をからませて唾液交換を行った上、妹の唾液の甘さに興奮した」
「誰がことこまかに説明しろと言いましたかっ!」
「いやあどれほどのものかと正直不安だったのだが。意外とやるではないか」
「と、当然ですわ。ワタクシだっていつまでも子供では…な、なにしますのっ!?」
「うん確かに子供ではないね。よい感触だ」
ドレスの上からワタクシの胸を揉みしだくお兄様は、心底嬉しそうな顔でそう言いました。
そういえばこの男はおっぱい星人でしたわ…
「おっぱい! それは女体の神秘! おっぱい! それは男を狂わせる魅惑の存在! いいかい妹よそもそも男がなぜおっぱいに惹かれるのかと言うとだねこの世界の創生にまで話を遡らねばならないが…」
「遡らなくていいですわっ! それよりアナタ、妹の胸を揉みながらおっぱいについて熱く語る自分の姿になにか疑問は感じないのですか!?」
「ふむ」
思案顔で宙を睨むお兄様。しかしその間も胸に当てた手は離そうとしません。
というか緩急をつけたり、左右別々の動きを駆使したり、ドレスの上から乳首を刺激したり、むしろ激しくなっています。
「素晴らしい」
「たっぷり一分も考えた末に出てきた言葉がそれですのっ!」
「ええいやかましい妹だ。いいからそろそろ兄をさらなる至福の世界に導きなさい」
「きゃうっ!?」
きゅっ、と両の乳首を捻り上げられ、ワタクシが怯んだ隙にお兄様はついにその実力を見せました。
流れるような二本の手。いったいどんな動きをとったものか、複雑な構造のワタクシのドレスをやすやすと脱がせブラジャーまで一気に外してしまったのです。
さすが神将の名はダテではありませんわ。
「……」
「な、なんですの」
ワタクシの胸を露にしたとたん、お兄様は難しい顔で黙り込んでしまいました。
その視線はワタクシの胸に縫い付けられたかのように動きません。そ、そんなにじっと見つめられると…あっ、ち、乳首が立ってきてしまいますわ…
「……」
なおも黙ってままワタクシの胸を凝視するお兄様。どうでもいいけど、頭の上に乗せたままのブラジャー、なんとかしてくれませんかしら。
「あのおにいさ」
「SS」
「は?」
いきなりわけのわからない単語を呟くお兄様に、思わずマヌケな声で聞き返します。
「SSっ! 素晴らしいおっぱいだ妹よ。まさに鬼神に達する器の持ち主!
いやあ私は前からお前のおっぱいは見所があると思っていたのだよ。
巨乳ではないが素晴らしい美乳! 透き通るような白い肌、アーメス最上級の陶器でもこうはいくまい。
さらにこの吸い付くような感触! 私の指を跳ね返す弾力! いやあまさに至高、まさに究極。
うむ、少し兄の欲目が入っているかな? そこのところどう思う妹よ」
「そ、そんなこと知りませんわっ!」
堰を切ったように褒め言葉を並べ立てるお兄様に、思わず赤面してしまいます。
ワタクシが素晴らしいのは当然としても、こうも面と向かって言われると照れてしまいますわ。
「さてそれではおっぱいを堪能させてもらうとしようか」
「きゃっ!」
寝台に押し倒され、お兄様はいそいそとズボンを下ろして肉棒を取り出し、ワタクシに馬乗りになりました。
既に肥大化しているソコはとんでもない大きさでした。我が兄ながらやはり只者ではありません。
まったく優男風の外見に騙されてノコノコ近づいてきた女性の何人を、これでめちゃくちゃにしたのやら。
こんなもので攻められたら普通の女性では到底持ちそうもないですわね。
「では頼むぞ妹よ」
両手で胸を掴んで寄せ、肉棒を挟みこませるとお兄様は偉そうに言いました。
「はいはいやりますわよ、やればいいのでしょう」
やけっぱち気味に呟き、ワタクシはお兄様のモノをパイズリし始めました。
肉棒をきつく挟みこんで、双乳を揺すり、胸から飛び出した先端に舌を伸ばして舐め上げます。
熱くたぎりはじめた肉棒の熱をもっと感じようとするように両手を激しく揺すってしごきたてると、お兄様の口から感じている証の声が漏れ始めました。
「どうですか、お兄様っ。気持ち、いいですか?」
「う、うむ…なかなかのものだ。も、もっと舌を使ってくれると、なおよい」
「こう、ですかっ…」
舌の動きを激しくさせ、亀頭と言わず裏筋と言わず、めちゃくちゃに舌を絡ませるとお兄様は興奮を抑えかねた様子でぐっと腰を突き出してきました。
「ちゅぶっ」
突き出された先端を、口を開いて受け止め、咥え込みます。
「ちゅぱっ、ちゅぷっ、ちゅっ…ちゅっ、じゅっ、じゅぷっ」
パイズリしながら激しいフェラをすると、お兄様はだらしなく顔を緩ませてワタクシのなすがままにされています。
ふふっ、お兄様のこんな顔が見れるなんて収穫ですわ。しかしそうしてワタクシがいい気分になっていた時、お兄様は言ってはならない言葉を言ってしまいました。
「ああ…いいよ、最高だよユマ…」
「…がぶっ」
「はうあっ!?」
躊躇いなく肉棒に歯を立てると、お兄様は飛び上がらんばかりの痛みに震え上がりました。
まったく主導権が誰にあるのかわかってませんわね、このスットコドッコイはっ。
「な、なにをするんだ! そこは敏感なんだから、大事に扱わなければいけないのだ」
「うるさいですわっ! 次にワタクシをその名で呼んだら、今度は食いちぎりますわよっ!」
がるるるる、と歯をむき出して本気であることを匂わせると、お兄様はさすがに顔を青くしてコクコクと頷きました。
勝った! 勝ちましたわ! これに懲りたらワタクシを軽く見るのはやめることですわねっ。
「い、以後気をつけよう。続きを…頼めるかな妹よ」
「…いいですわ」
どうあってもジョセフィーヌとは呼ばないつもりですわね。まったく誰に似たのやら、頑固なオトコですわ。
改めてお兄様の肉棒を咥えなおし、今度は一気に喉の奥まで飲み込み、唇を思い切りすぼめて吸い付きます。
これくらいのこと、ワタクシにかかればちょちょいのちょいですわ。
勢いあまって時々先端が喉の奥を突っついてきますが、ワタクシは文化的なので問題ありません。
「くっ…こ、この私ともあろうものが…!」
ふっ、効いてますわっ。
ワタクシの口淫は素晴らしい素質ありとのお墨付きをもらっているのです。
いかにお兄様といえど、そうそう耐えられるものではありませんわ。
「ちゅぶぶぶっ…ちゅぶっ…ぷはっ。そろそろとどめを刺させてもらいますわよっ」
「なっ、なんだとぉ…こ、この私をここまであっさりと追い詰めるとは。だ、だがこの程度でイッては兄の威厳が…」
「そんなもの、精液と一緒に吐き出してしまえばいいのですわ!」
高らかに言い放ち、ワタクシはお兄様の肉棒に再びむしゃぶりつきました。
舌をいっぱいに伸ばして肉棒全体に絡みつかせるように舐め上げてから、根元まで飲み込んでは抜き出る寸前まで引き出すという動きを全開のスピードで行います。
「グッ! もう限界だ…出すぞユ…い、妹よ!!」
いまユマって言いそうになりましたわね…宣言どおり食いちぎってやろうかと一瞬思いましたが、せっかくここまでしたのだし、と思いなおして受け止めてあげることにします。まったくワタクシったら寛大ですわ。
「うおおおおおおおっっっっ!!!!」
優しげな顔に似合わない荒々しい雄たけびを上げて、お兄様が果てました。
どくっ、どびゅるっ、びゅびゅっ!
咥えたままの口の中で、暴力的な勢いで肉棒が跳ね回りながら白濁液を噴き出していきます。
噴き出して…噴き出して…噴き出して…いつまで射精してるんですのっ! これ以上はさすがに飲みきれませんわっ。
「…ぷはっ!」
たまらず肉棒を吐き出しても、まだ暴れん棒は収まらず、ワタクシの顔に白い粘液を吐き出し続けました。
「あはあぁ…」
熱い欲望の塊を顔で受け止めながら、ワタクシもまた恍惚の声を上げていました…。
「実によかったよ妹よ。正直なところこれほど楽しめるとは思っていなかった」
「それはよかったですわね」
仏頂面を作って答えましたが、内心はそんなに悪い気はしていません。
珍しくお兄様を翻弄してやったのが楽しくて仕方ありませんもの。
これでお兄様もワタクシの実力を思い知ったことでしょう。
「まだ続けるのかい?」
「当然ですわ。ワタクシはここで性の文化を極めるのです。ワタクシの文化追求の旅はまだまだ始まったばかりですわ」
「ふぅむ…まんざら口だけでもなさそうだし。そこまでの覚悟があってのことならば、私がとやかく言うこともあるまい」
「お兄様…」
どうやらお兄様もやっとわかってくれたようですわ。ただの変態かと思っていましたが、いいところもありますのね。
なんだかんだ言ってもやっぱりワタクシのお兄様。文化を理解するだけの懐の深さも持ち合わせていますわ。
なんだかいい気分になって、ワタクシは鼻歌まじりでお兄様の身支度を手伝ってあげました。
思えばこんなことをするのもひさしぶりですわね。
「では頑張れよ我が妹よ。兄はいつでもおまえを見守っている」
「ありがとうお兄様。ワタクシ、やりますわっ」
ああ、今日はいい日でしたわ。最初はどうなることかと思いましたけど、こうしてお兄様とも分かり合えました。
ワタクシは今日という日を生涯忘れ…
「ではさらばだ! 我が妹、ユマよ!」
「さらばですわ、シュラおにいさ…」
笑顔で手を振り、お兄様の背中を見送り…
「…ちょ、ちょっとお待ちなさいっ! だからワタクシをユマと呼ぶなとあれほど言ったではありませんかっ!」
「はっはっはっ、また来るぞ! その時はまた楽しませてくれ!」
「二度とくるなですわ〜っ!」
「はっはっはっ、元気でやれよ〜!」
なんとも楽しそうな笑い声を上げてどんどん小さくなっていくお兄様。
ちょっとでもいいところがあるなんて思ったワタクシがバカでしたわっ! やっぱりあのオトコは筋金入りの変態です!
「うわああん! お兄様のいじわる〜〜〜〜っ!!!!」