ターニャ×アグネス 著者:6_6様
「ちょっと、ターニャさん!!」
本の整理に勤しんでいたターニャに、アグネスが怒りを隠そうともせずに声をかけた。
「何ですか、アグネスさん?」
「何ですかじゃないでしょう!? またあなたエレノア様の…」
大声で責めるアグネスを、ターニャが制す。
「ここは図書室ですよっ。…話なら、他でしましょう。」
そう言うとターニャは、腰のポケットから鍵を取り出した。
「これ、私の部屋の鍵です。本の整理が終わったら行きますから、部屋で待っててください。」
アグネスは刺々しい表情でその鍵を受け取る。
「わかりました。待ってるから、早くしてもらえるかしら。」
「はい。では、後ほど。」
バタン!!と大きな音を立て、アグネスは図書館を出て行った。
―うふふ、上手くいったわ…―
背後でターニャがほくそ笑んでいることに、アグネスは全く気がつかなかったのだった。
―まったくあの娘ったら何を考えてエレノア様に近づくのかしら!一度きつく言わなくちゃ…―
「怒っています」と書いてあるのでは、と勘違いされそうな表情で、アグネスは船内の廊下を歩いていく。
「ここね、あの娘の部屋は。」
鍵を開け部屋に入ると、アグネスは言葉を失った。
―なにこれ、本ばっかりじゃない―
さほど広い部屋ではないが、四方の壁全てが本棚になっている。その上、床には棚に入りきらない本が積まれていた。
―図書室よりも多いんじゃないの?―
呆れ半分、感心半分で周りを見回しながら、部屋の真ん中に置いてある机の椅子に腰をかける。
「…ん?」
周りから机に視線を落としたアグネスは初めて机の上の紙束に気付いた。
―何かしら、これ…―
何気なくその紙束を手に取り、ページをめくってみる。
「な、何よこれ!」
アグネスが手に取った紙束には、どのページにも口には出せないような卑猥な文章が綴られている。
―これ、印刷じゃなくて手書きしたものよね…ってことは、ターニャが書いたのかしら…―
見てはいけないと思いながらも、視線を外すことができない
―ダメよ、もしターニャが入ってきたら…こんなものを見ていたのがバレたら…―
と、その時、ドアの開く音がした。
慌てふためいたアグネスは、とっさに紙束を手に持ったまま、机の下に隠す。
「お待たせしました…あれ?」
ターニャは何かに気付いたようだ。
「ななな何かしらターニャさん。」
いかにも、何か後ろめたいことがあります、と言わんばかりの反応にターニャは内心苦笑していた。
「いえ、…あのー、この机の上に置いてあった紙の束、知りませんか?」
「ししし、知りませんけど?」
―嘘が下手ねえ…。この娘、本当にエレノア様の弟子なのかしら…―
「そうですか、じゃあ本の中にでも紛れたのかしら…それで、お話って…?」
「そ、そうね、お話だったわね。まあ、その…」
アグネスが話を始めると、ターニャが突然立ち上がった。
「そうだ、お茶でも入れましょうか?」
ターニャの提案にアグネスも同意する。
「そ、そうね、頂けるかしら。」
―お茶を飲めば、冷静になれるかも。そうすれば、いい考えも浮かぶわ…―
自分の手の中の「秘密」をどうするか、いまだにアグネスは決めかねていた。
「ちょうど特製のお茶っ葉が手に入ったんですよ。」
棚から小さな袋を取り出すと、お湯の入ったポットにさらさら、と入れた。
「このお茶、赤月帝国から取り寄せたんです。」
「そ、そうなの。よく分からないけど…」
「あら、お茶はお嫌いですか?」
「そういうわけじゃないけど、詳しくはないから…」
そんな話をしているうちに、お茶も入れ終わったようだ。
「赤月帝国では有名なお茶なんですよ。どうぞ。」
「へぇ…。じゃあ、頂きます。」
アグネスは早速カップに口をつける。
「うっ…結構苦いんですね…」
「あら、そうですか?甘いお茶の方が良かったかしら…」
「いえ、そんなことないれふ…。はれ? なんらかくひが…」
そういえば、ターニャはまだお茶に口をつけていない。
―まずい!これ、毒茶だ!―
「有名なお茶なんですよ。『ぬすっと茶』という名前で…あら、もう眠っちゃったかしら…」
アグネスの手から、紙の束がばさり、と落ちた。
―ん…あれ、私、眠って…ここは…―
「あら、お目覚めですか?」
―…そうだ、私、ターニャの部屋で…―
アグネスはやっと全てを思い出した。
ターニャの部屋で毒茶を飲まされたことを。
「ちょっとッ!!どーゆーことよッ!!」
アグネスはベッドから飛び起きようとする。
が、手か動かない。そして足も。
「あんまり暴れると、縛ってある手や足が痛くなりますよ。」
アグネスの手足は、ベッドの四隅にしっかりと括り付けられている。
「それよりも…」
ターニャは紙束を取り出した。
アグネスも見覚えのある、あの紙束。
「これ、やっぱりアグネスさんが持ってたんじゃないですか。」
「それは…でもッ!こんなことまでしなくてもいいじゃない! 勝手に見たことは謝るから、だから、早く縄を外してよッ!」
激昂するアグネスに笑いかけながら、ターニャが声をかける。
「ふふっ、暴れるから、可愛いおっぱいがぷるぷる揺れてますよ。」
その言葉で、アグネスはやっと気が付いた。
―あれっ?私、服着てない―
そんなアグネスに構わずに、ターニャは言葉を続ける。
「それに、私は別に怒ってるわけじゃないんですよ。…ただ、私の小説を読んで感じちゃったアグネスちゃんに、ちょっとサービスしてあげようかな、と思って。」
「…だ、誰が感じてんのよッ!服返せバカッ!!」
アグネスの言葉を聞いたターニャは、ベッドに歩み寄る。
「可愛いんだから、バカなんて言っちゃだめですよ? それに、これでも…感じてない、って言うつもりですか?」
そう言うと、アグネスの秘唇に指を這わせる。
「ふぁっ…」
謀らずも声が出てしまった。
―な、なんで!?何でこんなに簡単に感じちゃうのよ!?―
「まあ、これが小説のせいか、それともお茶に混ぜておいた媚薬のせいなのか、分からないけど…。」
指先に付いた粘度の高い液体を眺めながら、ターニャは呟く。
そういえば、体が熱い。
―うう、おまたがじんじんする…―
「な、何でこんなことするのよお…」
「うふふ、可愛いからよ…」
そう言いながら、またアグネスの秘唇に指を這わせる。
「あっ…んんっ…」
「ふふ、いい声ですねえ…可愛い…」
「可愛い」と言われて、アグネスは体だけでなく、顔まで熱くなってくるのを感じた。
「もっと…アグネスさんの可愛い声…聞きたいわ…」
そう言うと、ターニャはアグネスの胸に舌を這わせる。
乳首の周りから首筋、脇の辺りまで…
「あっ…やっ…やめてぇ…もう…許して…」
「でも、可愛い乳首がツンって立ってるわよ…」
たしかに、ターニャの愛撫をうけ、アグネスの乳首は立っている。
しかしターニャが舌を這わせるのは乳首の周りだけで、その乳首自体はなかなか責めてはくれない。
―もう、おかしくなっちゃう…焦らさないで、乳首をなめて欲しい…―
口を開くと、そんなことを言ってしまいそうで、アグネスは唇を噛みしめる。
「ここが舐めて欲しい、って自己主張してるわねえ…」
自分のはしたない考えを見透かされたようで、アグネスの頬は羞恥に紅く染まった。
「そんなことな…ふぁっ!」
アグネスの精一杯の反論の最中に、ターニャはその乳首を口に含んだ。
「ああっ…んっ…くっ…ふあっ…」
快楽に頭を支配され、反論を続けることができない。
「ああっ…もう…ホントに、やめてっ…」
「やめてもいいの?ココはもっとして、って言ってるみたいだけど…?」
そう言いながら、ターニャは指をアグネスの下半身のほうへ伸ばした。
「あらあら、ちょっとおっぱいを舐められただけで、こんなに濡れちゃったんですか? アグネスさんは淫乱ですねえ…」
そう言うと、アグネスの愛液で濡れた自分の指に、舌を這わせる。
「おいしい…胸を舐められた位でこんなになるんだから、ここを直接舐めたらどうなるのかしら…」
―やめて欲しい、でもやめないで欲しい…―
「そんなこと…されたら…ホントに…おかしくなっちゃうぅぅ…」
「うふふ、おかしくなってもいいんですよ…」
そう言うと、ターニャはアグネスの股に顔をうずめた。
「はぁぁぁっ…あんっ…そんなのっ…ダメぇぇっ…!」
先ほどまでとは段違いの快楽が、アグネスを襲う。
ちゅぅぅぅぅ…
「ふあぁぁぁっ…!」
秘唇から頭の先までを駆け抜けるような刺激に、いっそう声が出てしまう。
「ふふ、クリちゃんを吸われるのがお気に入りみたいね。」
そう言いながらも、指でアグネスを苛めるのは忘れない。
「じゃあ、もっと吸ってあげるわ…」
ちゅうっ、ちゅうっ、ちゅぅぅぅ…
「はっ…やっ…やめてぇぇぇ…アタシ…なんか、もう…ダメぇぇぇ…!」
「イきそうなの?」
ターニャの問いかけに、アグネスはこくこくと頷く。
「いいわよ。イっちゃっても。」
そう言うと、今までで一番強く、クリトリスを吸った。
「あ、ああぁぁぁっ…!」
アグネスの体が細かく震える。
「イっちゃったのね?」
しかし、アグネスはこの問いかけに答えることができなかった。
「うふふ、お楽しみはこれからよぉ…」
ターニャが何かを持っている。絶頂の余韻に浸っていたアグネスの目には、ぼんやりとしか映らない。
数秒して、アグネスの目にも「それ」がはっきりと映った。
その物体は、男性の局部そっくりだった。
「そそそそそれは無理ッ!!!」
それを聞いたターニャは、何をいまさら…といった表情だ。
「何言ってんのよ…生娘じゃあるまいし…」
「…き、き、生娘だわよッッ!!!」
ターニャの目が、はっきりと点になった。
「…え…、初めて、だったの…?」
「あ、あ、あ、当たり前じゃないのッッ!」
しばらくの沈黙の後、
「あ、あははは…ごめんねぇ…」
「…笑い事じゃないでしょおおおお!!!!」
船内に、アグネスの怒号が響いた。
後日談であるが、この一件の後、この二人がしばしば一緒にいるところを目撃されている。
周りの仲間たちは、「なぜあの犬猿の仲の二人が…?」
と、不思議そうに話していたという…。