トーマス×セシル 著者:508様
深夜。
海辺にある人気のないレストラン。
白い椅子に座ってテーブルにヘバッている一人の男の姿が見える。
彼の名はトーマス。ここビュッデヒュッケ城の城主である。
…件の戦争から2年。
ゼクセンとグラスランドの交易を一手に引き受けることになったビュッデヒュッケ城は
双方の商人が活動する唯一の地、という事もあり急速に発展していった。
しかしその発展に比例して城主トーマスのこなすべき雑務も迅速なる発展をする事とあいなった。
そんな訳で彼はヘバッている。目の下に真っ黒なクマまでこしらえてご立派な面相だ。
今は激務の合間のつかの間の休憩で命を繋いでいる最中らしい。
と、そんな時。
交易屋の向こうから「ガチャリ、ガチャリ」と何だか剣呑な金属音が響き渡った。
辺りを見渡すトーマスの目に、小柄な人影が映る。
頭上で揺れる赤い羽根飾りを見るに、どうやらそれはセシルの様だ。
初めは「こんな時間まで警備かぁ。感心だなぁ。」とか思って眺めていた
トーマスであったが、彼女の足取りが何やらおぼつかないのに気づく。
声を掛けるべきかと迷
どがらばちゃーーーーーん!!!!
盛大な水しぶきと共に鉄塊は海に落下した。
トーマスは転げ落ちるように海岸に駆け寄ると、躊躇せず飛び込む。
鉄塊を助けるために。
星と月に照らされ2メートルほど下に見える海底にて、豪快な土煙を上げながら
鉄塊がもがいている。どう考えても鉄塊は水より比重が重いので、浮き上がらない様だ。
このままでは鉄塊は窒息死してしまうだろう。早く助けなければ、とトーマスは思う。
と同時にどうやってあの鉄塊を救助すればいいのか??とも思う。
いくら泳ぎの得意なトーマスとは言え、あの鉄塊を持ち上げて泳ぐことは無理そうだ。
海中で鉄塊のプレートメイルを脱がすのも不可能だろう。
考える、考える、考える…
思いつく。
トーマスは右手をかざし、そこに封じられた風の紋章の力を解放する。
使用した魔法はレベル3の「きりさき」。
回転する空気の渦が壁となり、一時的に海中に空気の層が形成された。
…我らがトーマスはなんとか鉄塊を地上に戻すことに成功した。
「きりさき」を通り抜けたときにHPが4分の1になったのは内緒だ。
鉄塊のパンツを見たことも内緒だ。ちなみに白かった。
しばらく二人仲良く地面にぶっ倒れて喘いでいたが、やがて始めたセシルの弁解は何とした事か。
「ハァハァ…あのですね!きちんとベッドで寝た筈なんですけど!寝ぼけちゃったみたいで
…はくしょん!」
「そ…そう。濡れたままでいると風邪引いちゃうから、お風呂にでも入ってきた方が良いよ。」
「そうですね!!いってきまーす!!」
先ほどまで生と死の狭間にいたとは思えないほど快活な返事をして、去ってゆくセシル。
その後ろ姿を見ながらトーマスは考える。
「人間って鎧付けたまま寝ぼけて歩きまわれるものなんだろうか…」
しかし彼は立派な天魁星、そんなことを口に出したりはしない。
1時間後。トーマスは部屋に戻り事務作業を再開していた。
のだが、廊下から時たま聞こえる謎の金属音が気になって集中できない。
怪音の正体を確かめにドアに向かう。古ぼけたドアが軋みながら開く。
廊下に立っていたのはほかほかの鉄塊、もといセシル。
「…とりあえず、そんなとこにいるのもなんだし、中に入ろう。」
「はい!!わかりました!!」元気なお返事。
トーマスは部屋に一つしかない椅子を彼女に勧め、自分はベッドに腰掛ける。
セシルはその椅子には腰掛けず、
「ありがとうございました!トーマス様!トーマス様がいなかったら私、死んじゃったかも
知れません!!」ぺこり。
「え、ああ、うん。いいよ。僕がセシルを助けるのは当然だよ。君には
だいぶ世話になっているしね。」
その返事を聞いたセシルの表情が少し曇った。
彼女の表情の変化には気づいてか気づかずか。クスクスと笑いながらトーマスが言う。
「前にもこんな事あったよね。覚えてる?」
「勿論です!トーマス様がこの城をでてくって聞いて、どうしたら良いんだろう、って
すっごぉく悩んだんですから!!」
「うん、君たちのおかげで僕は今ここにいることが出来るんだ。凄く感謝してるよ。
ありがとう、セシル。」
「そう言えば…」ぽつりとセシルが呟く。
「うん?」
「こうやってトーマス様と二人でいるのも久しぶりですよね。ブラス城に親書を
届けに行って以来です…」
「そう言えばそうだっけ。あの時はセシルが凄く頼もしく見えた。僕なんか
何だかもさもさした奴にはたかれてすぐ気絶しちゃったっけ。」
「そうかぁ。もうあれから2年になるのか。」
トーマスは目を閉じた。2年前の動乱の時代の事を思い返す。
ビュッデヒュッケ城に初めてやってきた時の事、ここを守るための戦い、
真の紋章の力が引き起こした悲劇、この地に集った仲間、
そして去っていった仲…
がちゃん。
間近での金属音にトーマスは驚いて目を開ける。
いつの間にやら、目の前にセシルが立っている。
大きなブルーの瞳に貯まった涙はもういっぱいいっぱいだ。
ぐわっしゃーーーん!!
盛大な音を立ててベッドに押し倒されるトーマス。
「ちょ…あ…え…?」突然の事に声も出ない。
トーマスの胸の上でセシルは叫ぶ。
「お忙しいのは分かってるつもりです!!!!」
「トーマス様がここのみんなにとってとっても大事な人だってのも分かってます!!!」
「…でも、でも、でも!!今だけは、今夜だけは私の…トーマス様でいて…
くれませんか…おねがい、おねがいじまず…!!」
トーマスの顔に熱い液体が落ちる。
「ぐすっ…とーまずざま、まえは、わだぢのぞうだんにのっでくれたり、
せいもんとおるとぎにはかならずはなしかげたりしでくださいまじたよね…。
でも、このごろはちっとも…えぐっ…わだじ、わずれられ…わずれられぢゃったんだと
おもっで…」
自分の上で、しゃくり声をあげている少女を呆然と見上げるトーマス。
しかし、その瞳にはいつしか決意の光。
勇気を出せ。気合いを入れろ。お前は男だろ。愛だ、努力だ、根性だ。
目の前で泣く女の子をこの期に及んで放っておくつもりか?
「ごめんね、セシル。」彼女の頬を両手で挟み、
「僕は、君を忘れたりしないよ。」泣き顔を正面に向けてやる。
「死んだって、忘れてやるもんか。」言ってやった。
セシルは15秒ほど固まった後、体当たり攻撃を敢行。
「とぉぉぉまずさまぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ごつっ
「……・!」
体当たりはトーマスの鳩尾にクリティカル。
がんばれトーマス、君のHPは残り14だ。
トーマス選択
1,「よ…鎧は危ないので脱がせよう…」(推奨)
2,「僕も漢だ。そんなことをしたりはしない。」
3,「何だこの駄文は!出ていけゴルァ!!」
草も木もコボルトも寝静まった深夜。
巨大な影と化したビュッデヒュッケの一室に闇を押しのける僅かな明かり。
小刻みに揺れる小さなランプに照らされる影二つ。
僅かに聞こえるくぐもった泣き声。
青年の胸に顔を埋め少女は泣いている。
甲冑に覆われた小さな背中を震わせて泣いている。
青年は少女を胸に抱きながらその背中を優しくなぜてやる。
何も、言わずに。
…
やがて泣き声は止む。
ちゃりっ…
鋼のすれる音、そして衣擦れの音。
いつしか窓に映る二つのシルエットは重なり、どちらからともなく…くちづけを交わした。
なんともぎこちない不慣れなキス。
だけど、想いの籠もったキス。
初めはおずおずと唇の先を合わせるだけだった二人。
しかしながら、2回、3回と唇を重ねるごとに慣れていったのだろうか、
固く抱き締め合いながら、貪るように相手の口を吸い始める。
じゅぷっ…じゅむっ…・ちゅっ…んっ…
二人の舌が時に激しく、時にはゆっくりと絡み合い巻き付く音が響く…。
互いに相手の気持ちを確かめ合うかのように、唾液と吐息の交わし合いが続いた。
またちゃりっ…と鋼の音。ぎし、とベッドのきしむ音。
ちゅっ…
…やがて満足したのかしないのか、唇を離した。
その二つの唇の間を名残惜しげに唾液の線が繋ぐ。
息を弾ませ青年と少女は見つめ合った。
恥ずかしさと興奮のためなのか、二人の頬は真っ赤に染まり、こころなしか瞳は涙でうるんで
いるように見える。
たっぷり1分ほど見つめ合った。
「ひぇぇっと…」
沈黙に耐えきれず、言葉を発したのは青年の方であった。
「セシル…できれば…僕の舌…噛まないでもらえると…嬉しいな…」
「あぁあっ!!ごめんなさいっ、トーマス様っ!!私、あの、その、こーゆーの、
初めてで、ええぇっと、きんひょう、緊張して、どきどきして、思わず!!!!
あぁぁっ!!!」
涙をにじませながら弁解する彼女を、トーマスは優しくなだめる。
軽く抱きしめ、さらさらした金髪を撫で、とどめに軽くキスをしてやった。
すぐにいつもの笑顔が戻ってきた。頬を少し赤く染めているのはご愛敬。
その表情の変化を見計らってトーマスは言う。
「鎧…脱がせても良いかな?」
その言葉にセシルは、
目を見開き、ビクっと体を震わせ、うつむき、鎧の小手の部分をカチャカチャならし、
ブーツをトントンさせ、30秒モジモジして、3分悩んで、4分目に勇気を出して顔を上げ、
その顔を真っ赤っかにして頭から湯気をぽこぽこ出しながらもトーマスを見つめ、
瞳に決意の色を秘めて…伝えた。
「はい…!」
「でも…お父さんからもらった、だいじな、鎧なんです。優しく…してくださいね!」
当たり前だ。
兜、小手、ブーツ、ブレストプレート、バックプレート、スリーブ、下地の皮鎧、
…上着、…スカート、…ブ、ぶらじゃあ、
……少々悩んだ後に…いや、とってもたっぷり悩んでから…白いパンツ。
順に不慣れな手つきで外してゆくトーマス。
セシルの体からそれらが取り去られるたび、彼は息をのむ。
ビュッデヒュッケの守護天使は美しかった!
洗われて艶を増した綺麗な金髪。成長途上ながらも整った形の二つのふくらみ。
その上にツンと立つ桜色のつぼみ。引き締まった細い腰。対比するようなふっくらとした脚。
まことにもって残念なことに、大事な部分は手で隠されているが。
いつもは重たい鉄の鎧に封じ込められた彼女の魅力が、美しさが、
遮る物のなくなった今、遠慮をする事もなく放たれている…。
そして、何よりもトーマスの心をとらえたのは。
彼女の表情。恥じらって視線を逸らして横を向くその表情。彼女が普段見せることのない表情。
背徳感が彼を支配する。
彼は、微かな痛みと快感を感じた。
自分のモノが充血し、ズボンをテント状に押し上げているのがはっきりと分かる…
…それは突然解放された。
同時に、腰が崩れるようなザラッとした快感が彼のモノを伝わって背筋に走り抜けた。
彼が放心してる隙に、セシルがズボンとパンツを引き下げ、
しかもしかも、あろう事か、いきり立ったトーマスのモノを舐めたのだ。
「セ…セシル、どこでそんな事…覚えてきたの???」思わず尋ねる。
「だって、男の人は、ここを舐めたり銜えたりすると気持ちいいって…
アイクさんが貸してくれた『世界のお約束一〇〇撰』って言う本に載ってました!!
トーマス様、気持ちいいですか??」
そう言うなりセシルは彼のモノを
「あむっ…」
口に、くわえた。
…間。
「ちゅくっ…ん…とーまふはま、どうでふは?」
しばらく奉仕を続けたセシルが、トーマスのモノから口も離さずに尋ねる。
トーマスの感想。
ひ ど い に も ほ ど が あ る 。
12回凶悪な角度で歯が当たり、5回噛みつかれ、そのうち一回は食いちぎられたかと思った。
…だけど。
暖かく、ぬっとりと包み込む口内。
時たま乱暴に触れる舌。
「くちゅっ…ちゃぷっ…ぴちゃッ…。」泡だった唾液と粘液が奏でる淫靡な音。
頬をいっぱいに膨らませ、口の端から液体を垂らしながらも、懸命にトーマスのモノを
ほおばるセシルの顔。少し上目遣いな表情。
そして、何よりも、先ほどより高まり続け、留まる事のない感覚が、
セシルに、あのセシルにこのような行為をさせているという背徳感!
その感覚たちは、セシルの、幼くたどたどしい奉仕による快感を、何倍にも何十倍にも
引き上げた。
トーマスは未だ体験したことの快楽に腰がくだけ、思わずセシルの頭を両手で押さえてしまう。
「あ゛、とぅまふぅはま…むぐぅ」
その行為により、彼のモノはより深くセシルの口内に押し込まれる。
さらに激しく高ぶる快感。
…舌が強めに先端を舐め上げた。
感覚が暴走する。凶悪な射精感。
思わず声を上げてしまうトーマス。
「う…セ…セシル、で…出ちゃうっ…!」
「…え??」
トーマスが上げた叫び声に反応し、思わず銜えた口を離してしまうセシル。
射精直前まで昂ぶったトーマスのモノが、口から離された衝撃に勢いよく弾ける。
もはや我慢できなかった。
プピュッ…ピュッ…
亀頭の先端からほとばしる白い液体は、遮られる事もなくセシルの顔に飛びかかっていった。
手のひら、鼻、頬、驚きに閉じられた瞼、半開きになった口。
白く濁った液体が順番に付着し、そして、汚していく。
「ご、ごめん!セシル、大丈夫!? 気持ち悪くない??痛くなかった!?」
女性の顔に射精する、という初めての経験に狼狽して妙なことを口走るトーマス。
それと対照的に放たれた本人の方は気楽な物だ。
「あれ!?トーマス様、なんか白いのが出てきました!
なんですかこれ??べたべたしてます…うぇぇ…にが…苦い…!」
ぺたぺたと顔に体に張り付く白い粘液を手で拭いながらそんな事を言っている。
その仕種に、一度果てたばかりの筈のトーマスのモノが、またムクムクと鎌首を…
「あ、トーマス様のそこ、また大きくなってきましたよ?
また舐めたりくわえたりしましょうか?苦いのはちょっと嫌ですけど、
トーマス様が気持ちよくなるんだったら、私、全然へっちゃらですよ。」
「あ、いや、いいよ、だいじょぶ、大丈夫だから!…それよりもさ、
セシルにしてもらったんだから、今度は僕がセシルにしてあげる番だよ、うん。」
「そうですか。」
内心ほっとする。幾ら気持ちよくても、脳天に突き通るような
あの痛みはやっぱりちょっとごめんこうむりたい。
「…じゃあ、ベッドに横になって。」
「はい!」
セシルは快活な返事を返してベッドに駆け上がり、仰向けに倒れ込んだ。
妖精を思わせる白い肢体が、古ぼけたベッドの上で弾む。
トーマスは据え膳を前にして思い悩む。
(ええと…どうすれば良いんだっけ…たしか『世界のお約束百撰』には…)
あんたもか。
(まずは…)
セシルの乳房に目をやった。その双球は彼女の呼吸に合わせ、ゆっくりと上下している。
覚悟を決めて…手を伸ばした。
「んあっ…」
セシルが小声で悲鳴を上げる。
…くるむようにそっと、手のひらで覆う。
少し力を込め、優しく揉み始める…若々しい肉体の張りが、その手のひらを
押し返す感触が伝わった。
(それから…うん)
ぴんと勃ち始めた桜色の頂点に口を付け、音を立てて吸いあげる。
軽く乳首を歯で挟み、先をちろちろと舐めてやる。
余った右胸を、手のひらですくい上げるように刺激する。
セシルの未熟な肉体は、トーマスの拙い責めに対しても敏感に反応した。
胸に刺激が加わる度に、ぴくん、ぴくんと躯が跳ねる。
既に朱に染まった頬に、じっとりと汗ばんだ肌。
「………っ!」「ん……あ……!」
抑えても抑えきれない喘ぎが唇から漏れだし、あたりに漂っていく…。
(…そろそろ、いいかな?)
トーマスは乳房からそっと口を離し、セシルの秘められた場所に顔を近づける。
薄い金色の毛に覆われたその中心。
そこは、彼女が受けた快感を反映するかのように潤い、ピンク色の花弁が
顔を覗かせていた。
トーマスの舌が微かな水音を立てて秘所に触れた、その途端。
「ひゃっ!!」
びくんっ!!
セシルは叫び声をあげ、ひときわ大きくその体を跳ね上げた。
慌てた様子でトーマスに告げる。
「と、と、トーマスさまぁ!そんな所舐めたら汚いです!バッチイです!
病気になっちゃいますよ!!?」
「いや、でも。僕もセシルに舐めてもらったし、お返ししないと…
大丈夫、セシルのここはちっとも汚くなんか無いよ。とても、きれいだ。」
そう返すと、トーマスは花弁に舌先をのばし、優しく突き入れ始めた。
始めは浅めに、段々と深く。
「ああっ!!んあっ!!んっ!!うう…!!」
未知の快感に、セシルはもはやあふれ出る嬌声を抑えることも出来なかった。
視線がとろりと解けて宙をさまよい、ベッドに突き立てられた爪先がびくびくと震える。
…トーマスの舌先が、包皮から顔を覗かせた肉芽をくりくりとねぶり始める。
いっとう激しい快感がセシルを襲う。
もう駄目だった。
「あ、あ、んあ…とーます、さま、なんか、なんかきちゃう、来ちゃいます!!
んぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
体を弓なりに反らし、全身をぴくぴくと痙攣させながら、セシルは
生まれて初めての絶頂を迎えた。
…
セシルの呼吸が落ち着くのを待って、トーマスは伝える。
「セシル…その、えっと、して…いいかな? もう我慢できない…」
「?」な顔つきで首を傾げるセシル。何を「する」のか分からないらしい。
(フェラチオは知ってたのになぁ…あの本に書いてなかったっけ?)
疑問は胸にしまい込み、トーマスはこれから何を「する」のか、彼の
乏しい知識を振り絞って説明する。
かくかくしかじか。
耳打ちされた途端、セシルは頭から「ボムッ」と煙をあげ、三たび顔を真っ赤に染めた。
「や…やっぱり駄目かな?初めては痛いって聞いたし…」
ぶんぶんと首を振りながらセシルが答える。
「トーマス様と一緒にいたいってわがまま言ったのは私ですよ?
『それ』をすればトーマス様とひとつになれるんですよね。
だったら、少しくらい痛くたって…大丈夫、大丈夫です。」
「有難う…セシル。」
トーマスが怒張したモノをセシルの秘所にあてがう。
その先端が潤った秘裂にあたり、小さな水音を立てた。
「んっ…」
小さく声を上げて、ひっくり返った子猫のごとく手足を引きつらせるセシル。
それを見て、
「そ、そんなに固くなってると痛いと思うよ…もうちょっと楽にした方が」
なんて言ってるトーマスもやっぱりガチガチだ。
二人ともガチガチだ。あそこも(以下略)
…
「それじゃ…入れるよ」
セシルは無言でこくん、と頷く。
トーマスは自分自身をセシルの奥底にゆっくりと沈めていく。
先ほどの愛撫により沸きでた愛液が潤滑剤となり、狭い膣穴へのトーマスの侵入を助ける。
…
暖かく濡れた膣壁がトーマスのモノをぬっとりと包み
更に押し進めると中程に抵抗感が
力を加えた
「ぷつん」亀頭に何かが破れる感触が伝わる
「うあっ…」セシルが痛みに悲鳴を
破瓜の血が愛液と混じり合って太股をつたい流れおちた
(ごめんね…)トーマスは内心でセシルに謝罪する
だけどもう止まらない
止まれない
トーマスを受け入れる膣壁のざらつきが
彼の体に手を回すセシルの柔らかいからだが
苦痛と芽生え始めた快楽に歪む表情が
トーマスの欲望を無限に加速させてゆく
止まらせてくれない
わき出た欲望に後押しされてトーマスは
腰の動きを早めた
「ぬちゅっ…じゅぷ…ぐちゃっ…」
トーマスのモノとセシルの内部が擦れ合う淫靡な音が
より大きく
トーマスのモノの先端にコツコツと固い物が当たる感触
「うっ…あっ…いやっ…とーますさまっ…!」
もはや抑えようともしていない嬌声をあげながらセシルが
背中をおおきくのけぞらせた
もう限界のよう
トーマスももはや内壁の締め付けに耐えられな
あたまのおくがしろくそまる
「うっ…」
うめき声をあげる 射精の衝動
…
…
熱くたぎる固いモノがセシルを内部をつらぬき
「ぷつっっ」
何かが弾けるような音
鋭い痛み
「うあっ…」
思わず悲鳴を上げてしまった
だけど
トーマスは必死の表情でセシルの内壁を抉り続ける
トーマスが動き続ける感触
擦れ合う感触が
強まった
「ぬちゅっ…じゅぷ…ぐちゃっ…」
セシルの内部とトーマスのモノが擦れ合う音
痛みが徐々にうすれ
快楽が
高まって行く
セシルの最奥に衝撃が伝わる
何かが込み上げる
手足がぴくぴくと震える
その衝動を抑えようとして
いや、より味わうためか
トーマスとより深くつながるためか
セシルはトーマスを抱きしめて脚を背中でクロスさせた
「うっ…あっ…いやっ…とーますさまっ…!」
もはや抑える事などできない嬌声をあげてしまった
快感の衝撃に背中がのけぞる
「うっ…」
トーマスがうめき声を上げた
セシルの中で蠢くトーマスのモノがふくれあがる
…
「ううっ!!!!!」
「あああっ!!!!!」
声を上げて童貞と処女が果てた。
トーマスはセシルの奥底に白い欲望を吐き出した。
セシルはトーマスが吐き出した熱い欲望を飲み込んだ。
…
夜空が白み始め、小鳥が鳴き出した。
がばっ!!!
トーマスの腕枕で眠っていたセシルが跳ね起きる。
手早く服を着、驚くべき早さで鎧を装着。
「あ…セシル。もう起きるの?」
鋼の奏でる音に起こされたトーマスが尋ねる。まだその声は眠たげだ。
「はい、朝の見張りの時間ですから…あの、トーマス様。」
「うん?」
「一生の思い出を…ありがとうございます…私、絶対に絶対に忘れません…」
「うん…」
トーマスは他に何を答えるでもなく頷いた。
セシルはクルッと踵を返すと、ドアに向かって歩いていく。
ぎっちょん、ぎっちょん、ぎっちょん、ぎっちょ…
「待って」
トーマスは彼女がドアを開いたところで呼び止めた。
鎧姿が振り向く。その表情は「??」だ。
言葉を続けるトーマス
「あのさ…考えたんだけど。」
少し悩んで…また続ける。
「『今夜だけ』なんてケチな事は言わない。」
「決めたんだ。ずっと、僕が、死ぬまで…君の物になろうって。
ずっと、君と一緒にいようって。」
「……。」
返事がない。
焦るトーマス。小声で言う。
「いや…もちろんセシルが…嫌なら…あの、その」
「……。」
やっぱり返事はない。
「えぇと…聞こえなかった??」
「……。」
「???」
トーマスは立ち上がり、先ほどから動きを見せないセシルの肩に手を掛ける。
振り向いた姿勢の鎧姿がそのまま角度を付けて傾いていく……
がっちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!
…朝の光差し込むビュッデヒュッケに、城主の悲鳴が木霊した。
(完)