桃色スパイス(セシル×トーマス) 著者:アホキチ様

「ついに…ついに届きました!これさえあればトーマス様に最高のカレーを食べてもらえます!」
怪しげな文字が書かれた袋を持って、スカートをひるがえしながら嬉しそうにくるくる回るセシル。
袋に書かれている文字はセシルには読めないし、どこの国の文字かも分からない。
でも、交易所のスコットを通じて仕入れてもらったので、間違いはないはず。
「えへへー、このスパイスさえあればー…って、あれ?スパイスにしてはあまり香りが…」
そう、セシルが特別に仕入れてもらったのは、カレーに使うスパイス。
これをよく炒ってカレーに混ぜることで、普通とは比べ物にならない香りと辛さが加わる…はずなのだ。
だが、この袋の中身からは、思っていたよりも良い香りはしてこない。
「くんくん…変ですねえ。あ、でも火を通せばきっと凄くいい香りがするのかもしれませんね」
セシルはひとりで勝手に納得すると、さっそくカレーを作るべく調理場へ向かった。

「ふんふんふーん♪」
ごきげんな様子でカレーを作るセシル。
てきぱきと手際よく調理して、あとはスパイスを炒って入れるだけという状態である。
「ちょっと味見を…うーん、ちょっと物足りないけど、後でスパイスを入れるから今はこのくらいでいいですね」
普通の人にとってはこのままで十分辛口なのだが、辛党のセシルはもっと辛くしたい。
トーマスが甘党なことはすっかり忘れているようだ。
「さーて、いよいよスパイスを炒りましょう。…あ、でも分量が分かりません……
 適当に大さじ5杯くらいでいいかなぁ」
スパイスを適当に袋から取り出すと、フライパンをよく熱してから念入りに炒り始めた。
少しすると、なにやら良い香りがフライパンから立ち昇り始める。
…が、カレーのスパイスにしてはちょっと変わった香りだ。
セシルは今まで、こんな香りのスパイスを嗅いだことがなかったのだが…
「へ〜、変わった匂いですねえ。さすが遠くから仕入れてもらっただけあります!」
…彼女は恐ろしく前向きだった。

「できました!さっそくトーマス様に…っと、その前に味見しないとですね。どれどれ…?」
セシルは少量のカレーを皿に取ると、ふぅふぅと吹いてから味を確かめる。
「……???あまり辛くありません…もうちょっと食べてみましょう…」
今度はご飯もよそって、そこにカレーをかけていっしょに食べてみる。
…が、やはりあまり辛くない。
辛くはないのだが……
「あれ?辛くはないけど、なんか妙に後引く味です…もう少し食べたくなっちゃいました」
今度は大きめのお皿に山盛りにして、いっきにパクついた。
「いただきまーす!」

「…はぁ…はぁ……なんか身体が…?」
山盛りカレーを食べている最中、セシルは身体の異変に気がついた。
胸の辺りが苦しいような変な感じがして、呼吸が荒くなる。
おまけに下腹部が妙に熱いような、おかしな感覚だ。
「はぁ…はぁ…はぁ…うぅ、私どうしちゃったんでしょう…?」
セシルはテーブルに突っ伏したまま、身体の疼きに悶える。
自然と手が何かを求めるようにスカートの中へと伸びていく。
「ダメです…そこは……」
そこはセシルも書物等の知識だけでしか知らないが、男女の営みに用いる場所。
セシルがもっと小さい頃、父親と一緒にお風呂に入った時に「そこは女の子にとって大事な所だから、
綺麗にしとかなきゃダメだぞ」と、そんなような話を聞いたことを思い出す。
「はぁ、はぁ…」
手でそこに触れるのを耐える代わりだろうか、セシルは無意識のうちにふとももを擦りあわせていた。
しかし、その程度では興奮は収まらず…
「はぁはぁ…も、もうダメです…誰か、何とかしてくださ……」

「あっ、あぁっ…なんとか、しないと…誰か来たら……うぅ、指が止まりません…」
セシルはもはや椅子に座っていることもできず、床に這いつくばるような格好のまま、自分を慰め続けている。
まだわずかに残っている理性がなんとかやめさせようと試みるが、身体の方は言うことを聞いてくれない。
セシルの下半身を覆うスパッツは既にぐっしょりと濡れ、ふとももを愛液がつたって床に染みを作っている。
「…はぅっ、ん…あぁっ……だ、ダメっ…うぁっ…うぅーーーっ!」
初めての絶頂。
自慰行為の経験などないセシルだったが、身体の異変はわずか数分で達する程まで肉体を敏感にしていた。
「はぁ…はぁ……な、なんでこんな…?」
絶頂の余韻に浸りながら、セシルは事の原因について考える。
身体がおかしくなったのはカレーを食べている最中だが、カレーでこんなことになるとはとても思えない。
とすると、思い当たるのは…
「まさか…あのスパイスが…………ひぁっ…ま、また…?」
さっきの絶頂からまだ間がないというのに、再び身体がおかしくなる。
今度こそ耐えなくてはと思うセシルだったが、やはり意思に反して指が勝手に動いてしまう。
「ダメ…!やめて、くださいぃ……また、変になっちゃいます……」
その時、調理場の外から聞きなれた声が聞こえてきた。
「セシルー!…おかしいなぁ、どこに行ったんだろう」
「…っ!?トーマス様…は、早く…うぅっ、やめないと…あぁっ」
トーマスだけには自分のこんな姿を見られたくないと、なんとか身体を抑えようとするセシル。
その必死の想いの力で、どうにか身体を起こして、椅子にしがみつきながら立ち上がる。
そしてセシルが椅子に腰を下ろすと同時に、トーマスが調理場に入ってきた。
「あぁ、ここにいたんだ。何してるの?」
「はぁ、はぁ…その、カレーを…あぅっ…くっ…カレーを作って、いたんです…」
「へ〜カレーか、いいなぁ…って、セシル大丈夫?顔が赤いよ」
「…え?…は、はい…んんっ…だ、大丈夫……です…」
なんとか平静を保とうとするセシルだったが、身体の疼きに耐え切れず、言葉は途切れ途切れに、
表情は切なげで色を含んだものになってしまう。
「はぁ、はぁ…トーマス様…」
「な、なんか変だよ、セシル…」
普段見せたことのない艶っぽい表情のセシルに、トーマスは頬を赤らめてうろたえる。
一方のセシルは、トーマスという異性が近くに来たことで、身体が今まで以上に疼き始めていた。
なんとか身体を抑えなくてはと思っても、身体が言うことを聞かない。
手が勝手に自分の胸を押さえ、発育途中の胸をゆっくりと揉みしだく。
もう片方の手は下腹部へと伸び、スパッツの上からその秘所を触り始める。
「あんっ…はぁ、はぁ…あっ……」
「せせせ、セシル…?」
自分で自分を慰めるセシルの姿に、トーマスは顔を真っ赤にして見ていることしかできない。
「トーマスさまぁ…あはぁっ…わ、わたしもう……だめ、れすぅ……んんっ!」
セシルは身体を大きく震わせると、二度目の絶頂を迎えて崩れ落ちた。

「セ、セシル…ど、どうしちゃったの?」
椅子から崩れ落ちるように床に倒れたセシルを抱きかかえて揺り起こすトーマス。
セシルはしばらく虚ろな目をしていたが、やがて我に帰ると大慌てでトーマスの腕の中から離れた。
「す、すみませんトーマス様!わ、わたし…さっきから身体がおかしくて……」
「う、うん。なんか様子が変だったけど…その、あの……なんて言うか…」
トーマスが言葉を捜していると、セシルが再び悶え始める。
「あ…またっ…!?も、もう嫌です…あぅっ!」
「セシル!」
「ああぁっ……トーマスさま……身体が…んっ………んぁっ!」
「ど、どうしよう…そうだ、お医者さんを…ミオさん呼んでこよう!」
そう言って調理場を出て行こうとするトーマスを、セシルはしがみついて止めた。
「うわっ、セシル!?」
「行かないでくださいぃ……はぁ、はぁ…トーマスさまぁ…わたしもう……」
セシルは背後からトーマスの脚にすがりついたまま、すこしずつその腕を這わせていく。
膝から腿へ、腿から腰へ。
「せ、セシル!しっかりしてよ!」
「トーマスさまぁ……うふふふ…ここ、硬くなってますよ……」
「ちょっ…!ななな、何を言ってるんだよセシル!」
13歳という年齢からは想像もつかないほど妖艶な表情で、セシルはトーマスのズボンの前をさすっている。
一体どうしちゃったんだと思いながらも、先ほどはセシルの自慰を見せつけられ、今は身体に触られて、
トーマスの肉体は正直に反応してしまっていた。
「男の人って…んっ…えっちなことを考えたり見たりすると…あふっ…硬くなっちゃうんですよね……」
「せ、セシル…やめてよ…」
「わたしもよくは知りませんけど…はぁ…はぁ……でも、トーマスさまがわたしを見て、わたしに触られて、
 こんなにされてるんだとしたら…んっ…う、嬉しい、です…」
セシルの豊富とは言えない性知識でも、肉体が本能的に求めているものがどんなものなのかは理解できた。
「トーマスさまぁ…ひとつになりましょう…わたし、もう我慢できません……」
「だだだ、ダメだよセシル!そんな…いきなり言われても…!」
「わたしのこと嫌いですかぁ…?」
「そ、そうじゃなくて!その、ほら、こんなところじゃ誰か来るかも…」
「じゃあ隣の倉庫でもいいですから…このままじゃわたし…おかしくなっちゃいます…」
「いやあの、そうじゃなくて…と、とにかく医者を呼んでくるから!」
しがみつくセシルを振りほどき、調理場の出口へと走るトーマス。
だが、セシルにズボンの裾をつかまれて倒れてしまう。
「はぁ…はぁ…はぁ…に、逃げないでください……」
「……」
「…トーマスさま?」
打ち所が悪かったのか、トーマスは気絶していた。
倒れたまま動かないトーマスの側で、セシルは口の端をゆがめて笑うと、トーマスの身体を引きずって
調理場の隣にある倉庫へと入っていった。

「…う……せ、セシ…ル……?」
「あはっ…気づきましたかぁ、トーマスさまぁ…んっ…すみません、気絶させてしまって……あんっ…」
「…え?……う、うわわ!せせセシル!?な、なんで裸なの?…って、うわぁ!」
「んぁっ、はんっ…だ、だって……裸の方が…んっ…トーマスさまにじかに触れられるじゃ…ないですかぁ」
トーマスは裸で手足を四方の棚に縛られ、その上にセシルが馬乗りになって身体を上下に振っていた。
「ホントはこんなこと…あっ…したくなかったん、ですけどっ…トーマスさまが…んっ、逃げようと、したから…
 ごめんなさい…あんっ…ごめんなさい、トーマスさまぁ…」
悲しみと恍惚の入り混じった表情で、セシルはトーマスに詫びる。
しかし詫びながらも、身体の動きは止まらない。
一方のトーマスはと言えば、襲い来る快感の波に耐えるのがせいいっぱいで、返事をする余裕がなかった。
「せ、セシル…抜いて…で、出そう……」
「出してください…あぅっ…トーマスさまのを…わたしにください…!」
「ううっ…で、出ちゃうよ!うあっ…!」
「あっ…トーマスさまぁぁぁっ!」
体内へと吐き出される精を感じながら、セシルは3度目の絶頂を迎えた。

「はぁ、はぁ…トーマスさま…」
「はぁ、はぁ、セシル…終わったなら、縄を解いてくれないかな」
「……ごめんなさい、トーマス様」
トーマスの上に跨ったまま、セシルは俯いて身体を振るわせる。
セシルが泣いていると思ったトーマスは、慌てて慰めの言葉を探す。
それに仕方がなかったとは言え、中に出してしまったわけで、自分にも非がなくもない気がするトーマス。
「い、いや…もう済んだことは仕方がないし…それよりその…中に出しちゃったけど…」
「……いえ、それはいいんです。ごめんなさいって言ったのは…まだ、身体が治まらないからなんです」
「……へ?」
射精を終えて萎えかかっているトーマスの男性器をセシルは優しくつかみ、ゆっくりと指を動かしていく。
その表情は、再び妖艶なそれに戻っている。
そしてセシルは、身体に動かされるまま、トーマスの男性器に顔を近づけて舌でゆっくりと舐め上げる。
「うわぁっ、そ、そんなとこ舐めたら汚いよセシル!」
「でも…トーマスさまのおちんちんは喜んでるみたいですよぉ」
セシルの言うとおり、トーマスのそれは再びむくむくと起き上がってくる。
「で、でも…うっ」
「また…元気になってきましたね……それじゃあもう1回…」
「セシルぅ、正気に戻ってよぉ!」
セシルはトーマスの言葉には耳を貸さず、再び己の秘所にトーマスをあてがった。

…その日の深夜遅くまで、ビュッデヒュッケ城の倉庫からは謎の喘ぎ声が聞こえたという。
そして翌朝、真っ白に燃え尽きたトーマスと、やたらつやつやしたセシルが、仲良く倉庫から出てきたそうな。
残りのカレーはトーマスの手で廃棄されたのだが…スパイスの方はどうなったかというと…
「あれですか?…あのスパイスなら大切に保管してありますよ…うふふ」

「ふっふっふ…ついに手に入れた。ファレナの幽世の門に伝わっていたと言う『淫魔の秘薬』……くくく…」
女に服用させれば男の精を大量に受けるまで収まらない淫乱な身体となり、
男が自らの男根に塗れば精力絶倫になるという究極の秘薬。
マイクはどういうルートから仕入れたのかは謎だが、この秘薬を交易所のスコットを通じて取り寄せていた。
ただし、スコットが手違いで激辛スパイスの袋と間違えていたことなど…マイクは知らない。
「ふふふ、これで城内の……ん、何かヒリヒリして…………うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
こうして、哀れなマイクの自慢のマイクは、1ヶ月ほど使用不能になるのでした。

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