トーマ×リムスレーア(5主人公×リオン) 著者:7_422様
カン、カァンッ、キィン!
金属質の物体がぶつかり合う音が、太陽宮の一角にある、女王騎士のための稽古場から聞こえてくる。
日の光が燦々と降り注ぐ中、汗を輝かせながら武器とともに己の闘志をぶつけ合い、高めあう。
女王家に伝わる三節棍を自由自在に振り回す臨時女王騎士長と、その身にはまだ不釣合いに見える戟を携える女王騎士見習い。
どちらが優勢であるかは一目瞭然である。
その証拠に、女王騎士長――ファルーシュは、汗はかいていたものの、
余裕のある表情でまだ自分よりも背の低い相手の攻撃をひらりとかわし、
女王騎士見習い――トーマは、息を切らせ、闘志を剥き出しにしながら鋭い目つきでファルーシュを見据え、
隙らしきものを見つけては重い戟を勢いよく振り上げ、ファルーシュに向かって振り下ろすのだが、筋を見極められて避けるなり三節棍で
受け止めるなりされてしまう。
大きな動作の後にこそ、隙は生まれやすい。模擬戦を始めて十数分、ファルーシュは疲弊の色が隠せなくなってきたトーマの腹に
遠心力が乗った一発を打ち込んだ。
どすっ、と鈍い音がした後、「う……」と一言口から漏らしながら、トーマは戟にしがみつきその場にうずくまる。
少しやりすぎたか、と内心反省をしながら、武器を仕舞い、ファルーシュはトーマに近づき、手を差し伸べた。
「ごめん、トーマ、少しやり過ぎたか」
「こ、これくらい、何ともねェ――と言いたいけど、
流石に今のはキツかったなぁ……やっぱり王子さんは強いや」
「だけど、ここに来たばかりの頃より、トーマは格段に強くなったと思うよ。
この前リオンも言ってたんだ、“トーマくんは本当に強くなりましたね”ってね」
「はは……、実感は湧かないけど、騎士長と現役女王騎士の両方のお墨付きを貰ったから、本当なのか…な」
ファルーシュの言葉に頬を綻ばせたトーマは、素直に彼の手を取り、立ち上がる。
「うむ、見事な手前であったぞ、兄上!」
女王騎士の詰め所に繋がる扉の方向から、少女の声が聞こえてきた。
16歳ながらこの太陽宮の主であるファレナの女王、リムスレーアの声だ。
「これは女王陛下、ご覧でありましたか」
「兄上、そのような言葉遣いをするでない、兄妹なのじゃから気遣いは無用じゃ!
トーマも、なかなかの戟の使いであったぞ」
「へ、陛下……ありがとうございます」
しどろもどろになりながら、トーマはリムの言葉に答えた。
女王家に仕えるからには、敬語はきちんと使えなければいけないのだが、トーマはどうにもそれを苦手としていて、
見習いになってから年月が経ったが、未だに正しい使い方をすることができない。
王族であるリムスレーアもファルーシュも、言葉遣いを気にするような人間ではないのが幸いであった。
もっとも、しどろもどろになってしまった理由は、別のところにあるのだが。
「リム、公務はいいのかい?」
「半分片付けたから、今は休憩の時間じゃ。今日はチーズケーキを食べるのじゃが、
侍女が珍しく準備に手間取っていてのぅ、暇じゃから兄上とトーマのところに来たのじゃ」
「ミアキスがしょんぼりしているのが目に浮かぶよ。
リム、折角来てくれたのは嬉しいけど、僕はこれからリオンのところに行くんだ、ごめんね」
ごねんねと謝罪の言葉を口にしつつ、ファルーシュの表情は限りなく明るい。
「明日も同じ時間から稽古だ、トーマ。しっかり休んでおけよ」
背中を見せ、ひらひらと手を振りながら、ファルーシュは詰め所への扉を開き、稽古場から去っていった。
「いったい、何なのじゃろう……?
兄上、リオンが倒れてから、見舞いに行く度に嬉しそうな顔をするのじゃ……」
リオンが倒れたのは3週間前。ファルーシュが稽古付ける前は、リオンがトーマの稽古を担当していて、
彼女が倒れたのは戟と長巻で切り結んでいた最中のことであった。
「確かあの時、リオンさん、吐き気がするって言って倒れたんだっけ……
戟を直接身体に叩き込まなかったか、ってしつこく聞かれたし……」
「わらわが兄上に尋ねても、“近々話すよ”の一言だけじゃし、何があったのじゃろうなあ……」
小首を傾げ、何があったのかを懸命に考える2人がその答えを知るのはしばらく後のことである。
女王リムスレーア。先代のアルシュタート、そしてその夫のフェリドの意思を澱むことなく受け継ぎ、
まだ若いながらも、優秀な人材、そして彼女自身の尽力により、戦争で疲れ切ったファレナは再興し、繁栄の道を辿っていった。
アルシュタートに並ぶ名君として、多くの民から支持されている。
また、リムスレーアは美姫としても評判が高い。
癖のない柔らかな栗色の髪は昔から変わらず流れるように艶やかであり、
愛くるしい大きな瞳は成長して女王としての凛々しさも出てきたが、まだ少女としての部分も垣間見せる。
小枝のように細かった手足はすらりと伸び、大人の女性へ一段と近づいてきている。
そして、母性の象徴と言える胸はたわわに実り始めていた。成熟にはまだ至っていないが、十分な大きさで実っている。
母のアルシュタート、叔母のサイアリーズの遺伝子を確実に受け継いでいるようだ。
敬愛すべき女王に、女性としての魅力を少なからず感じつつ、トーマは紅茶を飲んでいた。
女王の目の前で。
「ふふ……こうしていると、初めてそなたと会ったときのことを思い出すのぅ」
「え、いや、その、お、オレもあの時は、世間知らずでしたから……」
ガレオンの元で修行を積み、女王騎士になるためにソルファレナに来たときのこと。
ファルーシュの紹介の元、謁見の間に入ったトーマは、鮮やかな衣装に包まれたリムスレーアを見て意識せずにこう言った。
「か、可愛い」、と。
幸いファルーシュとリオン、ミアキス以外に誰もいなかったから、咎められることはなかったものの、
その言葉を受けたリムスレーアは頬を赤らめながら酷く動揺したものである。
今まで、挨拶の一環としてお美しい、麗しいとはよく言われていたのだが、個人の率直な感情として言われたのは初めてだったのだ。
「そ、そ、そなたは、そなたは、なななななにを……………………きゅう」
思春期を迎え始めた純粋培養の女の子にとって、相当衝撃的な言葉であったのだろう、リムスレーアはその場で卒倒した。
「フェイタス河のお水は氷のように冷たいですよぅ」とミアキスに刃を突きつけられたのは忘れることが出来ない思い出だ。
「あれには驚いたが……とっても嬉しかったのじゃ、しかし、悪いことをしたのぅ、
あのせいでミアキスに睨まれるようになったのじゃろう?」
「でも、自業自得のようなものだし……だけど、本当にそう思ったから、言わずにはいられなかったというか、何と言うか……」
「なあ、トーマよ」
「……?何ですか、陛下」
「今でも、わらわを見てそう思うか?」
「ふぇ、陛下?」
「今のわらわでも、そなたは可愛いと言ってくれるかと聞いておるのじゃ」
「…………か、可愛いですよ、陛下」
はにかむ様に笑いながらトーマが答えると、リムスレーアも花のように微笑みながらチーズケーキを口にした。
「そなたの笑顔を見ると、わらわも嬉しいのじゃ、元気が出てくるのじゃ」
「陛下………」
「はぁい、そこまでですよ、トーマくん、それ以上進むと不敬罪ですからねぇ」
2人の間を割って入るミアキスに、リムスレーアは不満を隠さずこう言った。
「それならそなたは何度不敬罪に問われておる………?」
「いたたっ、王子さん、もうちょっと手加減してくれてもいいのに……って、
女王騎士がそんなんじゃ駄目か……」
夕飯も風呂も終わり、トーマは今日の王子との稽古で負った傷の手当をしていた。
女王騎士の鎧を脱ぎ、服も脱ぎ、上半身裸の状態で、青いアザがついている腹部に恐る恐る触れる。
じん、と鈍い痛みが腹部から全身に広がった。
「ってぇ……、後で医務室に行って薬貰って、寝れば何とかなるか」
さっさと医務室に行こうと服を手に持ったとき、コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。
(?誰だろ?王子さんかな?)
王族といえどもファルーシュは男、ならば上半身を見せても構わないだろう。
「開いているよ、王子さん、どうぞ」
「……………わらわなのじゃ、トーマ……」
「……………………?!り、リムスレーア陛下?!」
ギィ、と小さく悲鳴を上げるドアの向こうから出てきたのは、女王リムスレーアだった。
「そう畏まる必要はない、休んでいたのであろう、
昼間は兄上にしごかれていたようじゃし、構えずともよい、楽にせよ」
楽にしろとは言われたものの、相手は女王である、無礼を働くわけにはいかない。
しかし、女王の命に従わぬわけにもいかない。どうしよう、とトーマは予想するはずもなかった事態に
おろおろと混乱するしかなかった。
その様子をリムスレーアは微笑みを浮かべて見ていたが、あまりにも長い時間醜態を晒せばそれでこそ不敬罪に繋がる。
やや落ち着きを取り戻したトーマは、右手に掴んでいた衣服の存在をやっと思い出した。
「陛下、上だけでも着替えさせて下さい、御用があるなら着替えてから、き、聞きます!」
「その必要もない」
ぴしゃりとリムスレーアが言い切ると、またトーマの思考が熱暴走し始めた。
「へ、へへへいか、それはいったい………」
「先ほど医務室に寄ってな、侍医から一番効く薬を貰ってきたのじゃ。
……今日の稽古で兄上からずいぶん貰っていたから心配だったのじゃが、……トーマの身体は傷だらけじゃのぅ」
見れば、リムスレーアの左腕に、クリーム色の壷が抱えられていた。
それはそれは大事そうに、壷を抱えながらリムスレーアは、トーマの座るベッドの方へとてとてと近づいていく。
アザだらけのトーマの身体を気遣い、そっ……とベッドに腰掛け、改めてトーマの上半身を眺める。
今日、昨日、一昨日、そんな次元の話ではない。
あの戦いが終わり、ガレオンに師事したその日から、トーマの身体には傷が刻み込まれてきた。
かつては憎みもしたけれど、絶望から自分たちを助けてくれた、大切な人たちを守り、共に歩むことを望んだゆえ。
女王騎士を志した時からの歴史そのものが、その身体には刻み込まれている。
そうは言っても、傷は傷。リムスレーアにはトーマの身体がよほど酷い状態に見えたらしく、
大きな瞳を宿す目を細め、悲しそうにも見える顔で口を開く。
「この薬はな、塗れば2日と経たず傷が治るそうじゃ。
トーマ、もう少し、楽にはできんか。わらわが塗ってやろう」
「………陛下、そ、そこまでしなくても……薬を持ってきてくれただけでも十分ありがたいのに」
「…女王の命に逆らうのか?」
「いっ、いえ、そんなつもりは……」
「ならば身体を楽にせよ、そうだな、身体を横たえるがいい、わらわもやりやすい」
数瞬の躊躇いのあと、トーマはおずおずと上半身を柔らかなベッドの上に倒し始めた。
リムスレーアは満足そうにトーマを見下ろすと、抱えていた壷の布蓋を外し、壷の中に右手を入れる。
人差し指と中指、薬指の腹で白い軟膏を掬うと、それをトーマの腹に乗せ、塗りつけ、指を細かく動かして軟膏を薄く広げていく。
(………うっ)
異性としての愛しさすら感じている女王に、自分の傷を労わってもらうのは幸せなことだと思う。
問題があるとすれば、傷の位置で、
その傷と言うのが、中腹から下腹のあたりにかけて広がっていることである。
女性の指が、自分のモノにかすかに触れるか触れないかのところまできている。じれったい。
だけど、ここで素直に反応してしまうのは非常にいただけない。この何年かで培った精神力さえ総動員し、
身体の底から果てなく湧き上がるものを何とか押し留めた。
「……リムスレーア陛下、もう大丈夫です、だいぶ楽になってきました……」
「そ、そうか……そうか、それなら良いのじゃ。この薬、随分と効き目があるのぅ……」
トーマの声を聞き、リムスレーアは指を止めた。トーマの言葉をそのままの意味で捉えたらしい。
ああ何とか開放された、とトーマが一息つく。
その直後で、トーマはまた事態が変化していることに気づいた。
リムスレーアはまだトーマを見下ろしていた。笑みを浮かべている。しかしそれは、いつもの無邪気なものではない。
頬をほんのり赤く染め、うっとりとした目でトーマを見ている。その仕草一つ一つに色のようなものを感じた。
「………トーマ」
声にもどこか、艶っぽさを感じるのは、錯覚だろうか。
違う、何かが違う、陛下がいつもと違う。なぜ部屋に入ってきたときに気づかなかったのか。
このまま事が進めば、後には引けなくなってしまう、そう感づき始めたとき。
リムスレーアが顔を近づけ、肩を掴み、トーマの唇に口づけた。
触れるだけではなく、事態に頭の中の収集がつかず、ぽかんと空いたままになっている口に舌を差し込んだ。
895 名前:名無しさん@ピンキー sage 投稿日:2006/03/30(木) 01:44:18 ID:L0FEIVNp
「………んっ」
リムスレーアの意図が読めない、だけど、あちらが呼びかけてきた以上、こちらとしても応えないわけにはいかない。
先ほどは精神力で抑えたものも、今度は抑えられそうになかった。
自らの口内に侵入してきたリムスレーアの舌に、自分の舌を絡ませる。
離れなくなるほど絡ませたと思えば、わざと離れたりを繰り返し、歯列を執拗になぞり、奥の奥まで侵入させ、
ひとつの動きに飽きると動きに変え、それを繰り返す。
繋がった口内で溢れていく唾液を何とか飲み込もうとするが、それでも飲み切れないものは口から流れていってしまう。
やがてどちらからともなく口同士が離れる。2人とも息を切らせた状態のまま、口を開かなかったが、
数分した後、リムスレーアが先に口を開いた。
「伯母上がな、言っておった。
本当に好きな者を口付けを交わすときは、このようにしろ、とな」
サイアリーズさまのことか。
トーマはあの戦いで最期までリムスレーアとファルーシュのことを思いながら散っていった女性のことを思い出した。
それにしても、10歳の頃にこんなキスの仕方を教えるとは、大したものである。
「……日増しにな、そろそろ結婚してはどうかという声が高まっていくのじゃ。
我こそは、と名乗り出る者もいる始末じゃ。わらわの相手は、わらわ自身で決めると言うておるのに
じゃけど、この先、もしかするとわらわの意志では相手を決められん状況が来るかも分からん。
……ならば、初めてくらいは、わらわが好きな相手としたいのじゃ……」
先ほどの積極的な姿勢から打って変わって、頬を真っ赤に染めて、目は伏し、
もじもじとした仕草をしながらリムスレーアは言う。
「……陛下にそんな風に思われているなんて、オレは幸せものですね」
この国の誰からも愛されている人の愛を受けられるのだ、これ以上の幸せはない。
「そっ、その言葉、誠であろうな」
「……本当ですよ」
「嘘を言うておるのなら承知せぬぞ」
「本当ですって」
トーマの真摯な目。その光が、リムスレーアの胸を射抜く。
射抜いた胸の中にあるしこりのようなものが昇華していくと、リムスレーアは心からの笑顔をトーマに見せた。
「そうか……!
では、トーマ、ここからしばしの間、わらわは女王の地位を忘れる、そなたもそのように心得よ」
「分かりました、陛下」
「こら!女王ではないと言っておるじゃろう」
「……それでは、何とお呼びすれば」
「……リム、と呼んでほしいのじゃ、それと……敬語も必要ないのじゃ、もとよりそなたに敬語は似合わぬ」
「わっ……分かった、リム」
トーマの返事に、リムスレーアは満足げに頷く。
「それでは……トーマ、わらわの服を脱がせてくれぬか?」
「え……」
「そなた、これ以上女に恥をかかせるつもりか?」
「あ、ああ」
女王ではないと宣言されても、目の前にいるのはやはり女王、服を脱がせるのには抵抗があったが、
彼女自身それを願っており、さらに男として、これ以上リードされたままというのは情けない。
トーマはリムスレーアを組み敷いて、衣服を脱がしていく。要所要所に結われている帯や紐を解き、滑りのいい滑らかな肌から
手早く取り去っていった。
そうして一糸纏わぬリムスレーアの身体が露わになる。
着痩せしていたのか、服の上から見るよりも大きく見える乳房や、きゅっとしまったくびれなど、
ずっと見ていたい気もするが、リムスレーアが恥ずかしがって急かしそうなので、見つめるのは大概にしておく。
リムスレーアの身体に近づき、両手で大きく実った胸の実を掴み、円を描くように丹念に揉みあげる。
リムスレーアの口から、声があがり始めた。
「ぁ……ふぁ、ぁぁあ………」
やがて、自分の手のひらを、胸の実の中心が突き始める。揉み解せば揉み解すほど、桃色の中心は硬さを増していった。
十分に硬くなった中心を、親指と人差し指で摘むと、リムスレーアの身体がびくんと跳ねた。
896 名前:名無しさん@ピンキー sage 投稿日:2006/03/30(木) 01:45:57 ID:L0FEIVNp
「ひゃっ………」
「リム、感じているのか?」
そのようなことを聞くのか、とリムスレーアは目で返事をする。
「肯定するのか、リムは素直なんだな」
「そ、そうはいっておら……ぁああっ!」
必死に否定しようとするものの、身体はやはり素直だ。与えられた快感に嫌になるほど従順に反応する。
トーマはリムスレーアの胸に顔を寄せ、今度は口で刺激を与え始めた。
濡れた唇のぬるりとした感覚に、リムスレーアの身体は一層敏感に反応を示した。
赤ん坊のように乳首を吸う。時々甘く噛んで別の感覚の与えることも忘れない。
何もかも始めての感覚に、リムスレーアの頭は真っ白になり始めていた。
「ふっ……ん、あっ……ゃ……」
胸への愛撫を再び手によるものに切り替え、トーマは顔を下腹部のほうへと下げ始めた。
指によって胸の先端が弾かれ、捏ね繰り回され、さらに胸から下半身に向かって口による愛撫が移動していくのだから堪らない。
我を忘れたように、リムスレーアは声を上げ始める。
…………と、胸への愛撫が止んだ。
快感の感覚で失われていた思考が甦る。
何が起きたのだろう、とリムスレーアが身を起こそうとすると、一段と強い感覚が襲い掛かってきた。
「ああぁっ、ふぁっ、んんっ」
「……随分濡れているよ」
「何を言って……ゃあんっ!」
自分の秘所に、熱くぬめった、ざらざらしたものが出入りしているのが分かる。これは―――
「や、やめるのじゃぁ……そんなっ…とこ、き、きたな……」
「汚くなんかない、ましてや女王陛下のものだもの」
「とっ、そなた、やめよと……んっ」
ぴちゃぴちゃという音が響くごとに、リムスレーアの喘ぎ声も増していく。再び考えることすらままならなくなっていく。
硬く尖らせた舌で、秘所の中心を突くと、更に喘ぎ声が増していった。
口での愛撫を止め、間髪入れずに今度は指でリムスレーアの秘所に浸入する。
リムスレーアの内部がトーマの指にきゅっと吸い付く。身動きが出来ないほどに締め付けられるが、
それでも入れたり抜いたりを繰り返すと、リムスレーアの身体が仰け反った。
ぷるぷると揺れる胸が官能的である。その光景に、トーマのモノが酷く反応した。
(そろそろ、オレも――――)
「リム、オレ、そろそろ……近いんだ」
「………駄目じゃ」
「……え?」
「とでも、わらわが言うと思ったか。そのような殺生なこと誰が言うか。
ただし……優しく、してほしいのじゃ……」
「……分かった、出来るだけ、無理させないようにやってみるよ」
「うむ」
リムスレーアの秘所に自身を押し当てる。秘所が待ち望んだようにひくっと反応したが、
リムスレーア自身は玉座にいるときのように堂々としている。恐怖心をその内に押し隠しながら………
十分に濡れそぼったそこは、トーマの侵入を簡単に許した。ずぶずぶと音を立てるように、トーマ自身がその中に埋まっていく。
しかし、侵入はあくまでゆっくりと行われた。必死に耐えている少女のために……
だけど、彼女の秘所は、本人の意思を無視し一刻も早い到達を促している。
秘所の望みに応えて一気に刺し貫かないようにするのには、かなりの自制心を伴った。
奥に、奥に進むたびに、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋に響いた。
897 名前:名無しさん@ピンキー sage 投稿日:2006/03/30(木) 01:46:46 ID:L0FEIVNp
「リム……見て、全部入ったよ」
汗をかきつつも穏やかに笑うトーマを見て、こわばっていたリムスレーアの表情もやわらぐ。
「……トーマ、わらわは、嬉しいのじゃ………
心から慕うものと、ひとつになれるなど、これ以上に幸せがあるじゃろうか……」
「オレも、同じ気持ちだ……」
繋がったままの状態で、ふと、目が合う。そのことも嬉しくて、トーマとリムスレーアは静かに笑いあう。
「………そろそろ、動いていいか?」
「…ああ、大丈夫じゃ……」
もう一度、目を合わせあう。それが合図となり、トーマが腰を動かし始めた。
傷つけないように、傷つけないように……そう気遣っても、彼女の秘所は、もっと激しくと要求する。
そして、自分自身も、もっと強い快感が欲しいと嘆願し始めていた。
この状態で欲望を押さえつけるのは至難の業だった。危うい天秤のような、あっけなく崩れてしまいそうなバランスを保ち続ける。
「くっ……うっ………」
「トーマ……わらわは、大丈夫なのじゃ、もっと、思うが侭に動いてくれても、かまわぬ」
この状況で、自分だってけして余裕があるとは言えないのに……
だけど、彼女の承諾が得られたのなら、躊躇う必要はなかった。
抜いて、差して、抜いて、差して。苦しそうな顔をするならキスの雨を降らせて。
自分の中で他のモノが激しく動く感覚。そして、一緒に溶けて行く感覚。
他の誰かなら決して受け入れることが出来ない。トーマだから、受け入れることができる……
獣に戻ったように求めあい、相手の名を呼び続ける。何もかも忘れてしまいそうな快感が、頂上までに達したとき、
2人は同時にイき、そして果てた――――
翌日。
リムスレーアに上手く撒かれたミアキスが、彼女を見つけたのはトーマの部屋でだった。
裸のまま抱き合う2人の姿を見て、こういう日のために研ぎ澄ました刃だ、とトーマの首に突きつけると、
リムスレーアがむくりと起き上がり、慌ててトーマをかばった。
「ひ、姫様ぁ、可愛そうな姫様、トーマくんに引き摺られていったんですねぇ……」
「違う!わらわが自分の意思でトーマに抱かれたのじゃ!」
「……姫様、正気ですかぁ?頭まであるまじろんになっていないでしょうねぇ!?」
「そなたはどこまで本気なのか!そなたは変わらぬのぅ……
大丈夫じゃ、責任はちゃんと、トーマに取ってもらうからな」
後日。
ファルーシュに付き添われて太陽宮に戻ってきたリオンは、
「戻ってきたからには、トーマくんの稽古も再開しなければなりませんね!」
と稽古場に走っていった。ファルーシュが何やら名前らしきものを叫びながら顔を真っ青にして追いかけていったが、
彼女はあまり気にしていない様子だった。
そこで彼女がみたものは、鬼の形相でトーマに襲い掛かるミアキスだった。
「あ、リオンちゃん、お帰りなさい」
「……ミアキスさま、何をされているんですか?」
「何って、トーマくんの稽古ですよぉ」
「どうみても、本気で切りかかっているように見えますが……」
「うふふふふ、責任は、ちゃあんと取って貰いますからねぇ」
事情を知るファルーシュは、トーマの心の底から同情しつつ、リオンの手を引き、謁見の間へと向かった。
数年後、ロードレイク出身の若者が新たな女王騎士長になった…かどうかは、不明である。
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