獣姦
―――――――――――――――――――――――――目の前に横たわるのは、
全裸に目隠しという醜態を晒した一人の男。
俺の事を好きだというから
面白半分抱いてみた。
それ以外の感情はなかった。
好みの顔でもない、
それどころか、
顔を合わせば文句の絶えない悪友で。
前から、コイツの目がまじな事に気付いていたが、
其れでも知らないフリをしていたのは
其れこそ興味が無かったからで。
でも、今日は何だか抱いてもイイような気がして、
抱いてみた。
コイツの気持ちがどうとかじゃなくて、
自分の快楽を得る為に。
×××
何気なく目が合った時に、
発情期のメスブタみたいな顔してこっちを伺ってたから
まあたまにはイイかと思って、
胸座を掴んで引き寄せた。
途端、小さく叫んで大関は目を閉じる。
・・・殴られると思ったのか、
少し緊張気味の肩に手を置くと、
其の侭唇を重ねる。
樹みたいな奇麗な口元じゃなくて、
何だかやたらに分厚い唇。
しかもこっちから仕掛けると
調子に乗って可愛いぶってオネダリとかしちゃうから
むかついてすぐ突き放した。
「テメ何すんだよ」っつって。
「何、ってしてきたのは遊汝だろ」
「オマエが物欲しそうな顔してっからじゃねーか」
「そうかな」
「そうだよ、こっちこい、抱いてやっから」
唐突な展開に大関は戸惑いながらも
俺の目の前に立った。
「後ろ向け」
「え、腕縛られるのはちょっと・・・」
「バカ、ちげーよ」
床に落ちてたタオルを拾い上げ、
大関の目を覆った。
「何、目隠し?」
「そ。顔見てヤるのはつらいからな」
「・・・ひっでえ・・・」
「好きなクセに」
目隠しをされた大関は
バカみたいに口をポカンと開けて
俺の方に向き直った。
と同時にまたキスをする。
案外、生々しくって
ヤラしいんじゃないかとか。
こんなヤツ相手に思ってしまう、
欲情的な自分は性欲丸出しのケモノみたいで。
しばらく濃厚なキスとやらを堪能したあと、
すぐさま服に手を掛けた。
趣味の悪い服の下から、
徐々に露になる身体は
見た目より実際痩せてて
骨が浮き出てるから驚く。
「もっとデブだと思ってたんだけどな」
「まぁたそう言う」
「ブタ、喋んな」
口を塞いで、その場に寝かせて。
最初は軽く、次第にだんだん激しく愛撫をしてから
大関の反応を見て楽しむ。
本当に、発情期か、みたいな。
野性に戻ってるんじゃねえの、みたいな。
隣の家に聞こえるけど、みたいな。
そんな感じの、ヤラしい声が部屋に響いた。
乳首を噛む度に、
乳を揉む度に、
首筋を舐める度に、
顔を顰めて、善がってる、なんて。
憎たらしい兼気色悪い兼可愛らしい。
最後の一言は、
断然お世辞。
あまりにも嬉しそうな顔をするから、
「咥えたるわ」
そう言って大関を深く飲み込んだ。
「え、ちょ・・・待っ・・・て、」
「うっせ」
唇と舌を上手に使って
丹念に舐め上げる。
目線は、もちろん大関を見上げる。
目隠しの下の表情が
窺い知れるようだった。
「や・・・めっ!」
「こんだけで感じるなんて、
安上がりで良いなオマエ」
「バ・・・カ・・・、は・・あ・・・っ」
「喘ぐなキモい」
喋りながらも、ちゅう、なんて吸ったら
「ごめん」の「ん」の字を言い終える前に、
大関は俺の口の中で果てやがった。
勢い良く放たれた液体は
俺の口の周りを汚した。
から、何だか腹立って、
口の中のモノに歯を立ててみた。
その度に大関の身体は
ビクリビクリと痙攣する。
「何かヤラしいぞオマエ」
バカにしたように笑いながらそっと口を外すと、
大関は目隠ししたままの顔を俺に向けた。
息を切らして、肩で呼吸して、
分厚い唇が、乾いてた。
飢えているみたいに。
「イれてほしいのか?」
「最悪・・・。露骨に聞くなよ」
大関は、ガラにもなく照れたようにうつむいた。
そして一言。
「ホシイ」
コイツは本当に
セックスに関しては貪欲らしかった。
×××
中指を口の前に持っていくと、
大関は其れを汚らしく舐め上げた。
それから、片手で腰を支えてやり、
既に欲しがっている中心に
唾液の付いた指を埋めた。
「ん・っ・・・遊汝・・・っ」
何か、首絞められてるみたいな、
張り詰めた声。
でも、だんだん指の本数を増やしていくうちに
タガが外れたみたいに
声も大きくなっていく。
「あ、や・だ・・・っ」
「うるせーんだよオマエ」
そう言う事すら、むしろ楽しくなっていた。
指だけで感じている、
このバカな男を
あとどれだけ壊せるかと思うと、
余計に。
悪い遊戯だ、なんつて。
大関は既に涙を目に浮かべていた。
中も相当熱くなってきていて、
そろそろイイか、と
指を引き抜いた。
白濁の液が、糸を引いて滴り落ちる。
俺は熱が冷めないように、
すぐに自分自身で貫いた。
「あ・ああ ―――――」
もう、大関は形容し難い声を上げながら
ただ、後ろから差し伸べられる
俺の腕にしがみ付いているだけだった。
俺が腰を動かせばその通り動くし、
背中にキスすれば敏感に背を反らせる。
だんだん中心がギリギリ絞めつけてくる。
其れを機に俺は深く挿れて熱に触れた。
「く・・・っ・・・ああ ―――」
大関は息を大きく吐いて二度目の吐精をした時、
そのまま意識を失った。
×××
大関が床に転がったままピクリともしない。
「死んだの?」
誰に答えを乞う訳でもなく、
タバコの煙を深く吸いながら、
気配の無い部屋に問い掛けた。
試しに、足蹴にしてみる。
すると
「ん、」
と、微かながら声が聞こえた。
「何だ、生きてんじゃん」
残念そうなそのセリフが、
案外本音だったから笑えるほどに怖い。
しかし、思い起こしても、
何だか可笑しくて仕方が無い。
キスした時の、ヤってる時の、
コイツの声が、息遣いが、
どう考えても非人間的で。
「あー・・・獣姦に近いかも」
呟いてから、自己嫌悪に陥って、
八つ当たりとばかりに、
今度はコイツの顔を叩いてみたりして。
俺はしばらく一人で
残りの夜を楽しんでいた。
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米子(偽名)さんに頂いちゃいました、ユナゼキ♪
文章読めば誰だかすぐにわかりそうですネ。(笑)
鬼畜遊汝様
そしてその前に跪く、豚、大関って感じで。
つれない、遊汝。
やっぱゼキごときじゃ遊汝を満足させられない、と。(笑)
それでもゼキ的には、嬉しくてしょうがないんでしょうね。
なんかとても遊汝とゼキのキャラが出てる!
あなた、やっぱさすがよ!(笑)>米子