| 殺気を感じながらのあの言動はどうかと。
 
 一次試験試験官について行ってる時──
 
 
 ***
 
 
 「ねェ君、歳いくつ?」
 
 そう、釣り竿持ってる奴に訊いて
 
 「もうすぐ12歳!」
 
 ってソイツが答えたとき、なんか
 
 満面の笑顔で
 
 
 「うきゃーっw」
 
 
 とか叫びながら オレに
 
 
 抱きついてきて。
 
 
 めっちゃ機嫌悪そうにしてやったら、
 
 女神みたいに微笑みかけてきて。
 
 
 「私、っていうの。
 
 13歳、ちょっと先輩だよー」
 
 
 一瞬で
 
 よくわからないけど、熱くなってきて。
 
 
 「オレ…キルア」
 
 そう言うと、
 
 
 「よろしくね」
 
 って…微笑みかけてくれて。
 
 
 
 それは、
 
 
 昔にも見たことがあるような 微笑みで
 
 昔枯れるまで涙を流したことを
 
 
 物語るような微笑みで。
 
 
 胸が軋んだ──
 
 
 『今度こそ』
 
 
 守りたいと 思った。
 
 
 
 この人の、
 
 
 過去からの微笑みを。
 
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