「私の大切な人」

はじめに・・・・・
この小説にはオリジナルキャラのセイジが出てきます。
設定はカノンの幼なじみという風に設定してあります。

そう、あれは私が10歳のとき。
私の幼なじみのあなたがこのアルトマーレを旅立ったのは。
「絶対にポケモンマスターになって帰ってくるから」
そう言ってあなたは旅立った。
相棒のイーブイを連れて、そしてこの子達の親である色違いのラティアスとラティオスを
連れて、

回想・・・・・・
カノン「本当に行っちゃうのね。」
セイジ「あー、俺もやっと10歳になって旅に出られるようになったんだからな。」
カノンは浮かない顔をしていた。
セイジ「どうしたんだ?カノン。」
カノン「いや、別に、なんでもないわよ。」
イーブイ「ブーイ(なんだセイジ、そんなこともわからないのか?カノンは・・・・)」
カノン「イーブイ!」
イーブイ「ブイ(ごめんなさい)」
セイジ「何の話だ?」
カノン「なんでもないわよ。(はあ、どうしてこんなにセイジって鈍感なの)」
カノンはほとほとあきれていた。
ラティアス(以後イア)「セイジ。」
ラティオス(以後イオ)「間に合った。」
セイジ「やあ、イアにイオ、見送りに着てくれたのかい?」
このラティアスとラティオスは色違い、かつ人間の言葉をしゃべることができる。
イオ「違う違う、実はさ、俺たちお前についていこうと思ってるんだ。」
当然のごとく、この言葉にはセイジとカノンは驚いた。
セイジ「でも、この街はどうするんだ?」
イア「大丈夫、そのことについては私たちの子供がやってくれるんだって。」
イオ「カノン、あの子達をよろしくな。」
カノン「私は別にいいけど・・・。」
イアとイオは兄妹ではなく、夫婦という関係だ。
2人の間には正義感強いラティオスと、甘えん坊でおてんばなラティアス2人の子供がい
た。
イオ「そうと決まれば早く行こうぜセイジ。」
セイジ「わかったわかった。」
イア「じゃあ私たちの背中に乗って。」
セイジ「わかったわかった、でも向こうについたら歩いて旅をするぞ。」
イア・イオ「了解。」
セイジ「相変わらず面白い夫婦だな。」
楽しそうに笑っているセイジとイオ・イアたちを見ているカノンは悲しそうな顔をしてい
た。
カノン(何よ、セイジったら、私と離れも平気なの、そうよ、どうせ私なんて・・・)
セイジ「どうしたんだカノン、悲しそうな顔して。」
カノン「もういい!」
カノンは走り去っていってしまった。

あのとき、どうして私は素直に気持ちを伝えなかったんだろう。
どうして、喧嘩別れみたいになってしまったんだろう。
やっぱり、私のせいよね。
最初は、どうせいつか帰ってくるんだから、そのときに謝ればいい、そう思ってた。
でも、それから2年後・・・・・・・。

回想・・・・・・
カノン「おじいちゃん、私絵書きに行ってくるね。」
ボンゴレ「おーいいぞ、いってらっしゃい。」
カノンは2年もセイジが帰ってこないので、ある不安を抱いていた。
カノン「どうして・・・・どうして帰ってきてくれないのよ、やっぱり私のことなんか・
・・・。」
カノンはマイナス思考なことを考えていた。
ところが、絵を書き終えたカノンが家に帰ると、
カノン「ただいま。」
ラティアス「お帰り。」
ボンゴレ「どうしたんじゃカノン、悲しそうな顔をして。」
カノン「なんでもないわよ。」
ラティオス「本当か?たぶんセイジのことでも、」
ラティアス「お兄ちゃん!」
ラティオス「あ、すまない・・・・。」
しばしの沈黙が流れる。
ボンゴレ「まったくカノンらしくもない、テレビでも見て気分転換をすれば・・・。」
そう言ってボンゴレがテレビをつけると、
アナウンサー「では、次のニュースです、今日ジョウトとカントーを分けるトージョーの
滝でポケモントレーナー数人が滝に落ちて行方不明になりました。」
ボンゴレ「暗いニュースじゃの。」
そういいながらも2人と2匹はニュースを見ていた。
アナウンサー「行方不明者の名前は、コガネシティ出身の・・・・・・・・最後はアルト
マーレ出身者のセイジさん、以上4名です。」
2人と2匹「何?」
2人と2匹に衝撃が走った。
ラティオス「おいちょっと待て、セイジには父さんと母さんがついてるんだ、大丈夫だろ
う。」
ラティアス「そうよね、まさか死ぬわけ・・・・」
しかしニュースは残酷なことを続けた。
アナウンサー「しかし、今のところセイジさんを除く3名が遺体となって発見されたこと
から警察はセイジさんの生存は絶望的と見ております。」
ラティオス「おい・・・・嘘だろ・・・・・・父さんと母さんは・・・・・・・」
カノン「そんな・・・・・セイジが・・・・・死んだ?」
ラティアス「嘘に決まってるでしょ、父さんと母さんがいるのに死ぬわけないじゃな
い!」
ラティオス「そうだよな、父さんも母さんも強いし頼れるし、きっと・・・・大丈夫・・
・・だ。」
「大丈夫」根拠がない言葉に2人と2匹に沈黙が続く。
と、突然カノンが泣きながら上にある部屋に走り、そのまま勢いよくドアを閉めた。
カノン「どうして・・・どうしてよ・・・どうしてセイジが死ななきゃならないのよ。」
カノンはそのまま夜通しで泣いていた。
さすがにラティオスもラティアスもボンゴレもカノンにかけてあげる言葉が見つからな
かった。

私は、それから夜になると布団にもぐってずっと泣いた。
泣いても泣いても悔やみきれなかった。
あのときに、もっとあなたの顔を見ておけばよかった。
あのときに、ちゃんと挨拶をして見送ればよかった。
もう2度とあなたに会えないのがとてもつらかった。
そして次はラティオスまでもがこの街を護るために、こころのしずくに姿を変えてしまっ
た。
ラティアスは大切な人を3人も失ってしまった。
でもラティアスはピンピンしている。
サトシ君と出会ったから、ラティアスは大切な人が1人増えた。
私の思いは、セイジに伝わることはない。
ラティアス「カノン、カノン。」
カノン「え、ラティアス。」
ラティアス「どうしたの、さっきからうわの空よ。」
カノン「なんでもないわよ。」
ラティアス「それならいいんだけど・・・・。」
ラティアスはカノンの気持ちがわかっていた。
カノンを傷つけないためにあえて何も言わなかった。
と、そのとき、
ラティアス「カノン、だれかこの庭に入ってきたわよ。」
カノン「え、おじいちゃんはガイドの仕事をやってるから・・・。」
ラティアス「とりあえず行ってみましょう。」
ラティアスとカノンは侵入者らしき人の近くまで来た。
ブラッキー「ブラー(おい、なんで秘密の庭に先にくるんだ?)」
トレーナー「仕方ないだろ、カノンはここにいる確率が高いんだから。」
どうやらこのブラッキーとそのトレーナーはこの秘密の庭とカノンを知っているようだ。
その様子を近くの草むらでラティアスとカノンは静かに見ていた。
ラティアス「あの人、カノンのことを知ってるようね。」
カノン「そうみたいだけど、よく顔が見えないのよ。」
そのときトレーナーは草むらのほうを見た。
カノン「セイジ!」
セイジ「やあカノン、どうしてそんなところにいるんだい?」
カノン「馬鹿ーーーーーーーーーーーーー!」
カノンはセイジに抱きついた。
今までの悲しみが一気に吹き飛んだ。
カノン「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿。(どうして、こんなこと言いたくないの
に)」
カノンは泣きながらセイジにそういった。
セイジ「カノン、すまないけど、俺・・・・・もうだめだ。」
セイジは急に倒れた。
カノン「セイジ、ちょっとどうしたのよ。」
イオ「セイジは疲れてるだけだよ。」
イア「なにしろカノンに会うために3日くらい寝ずに歩き続けてたからね。」
ラティアス「父さん、母さん。」
イア「あらラティアス、いい子にしてた?」
イオ「お兄ちゃんは?」
ラティアス「それがね・・・・・。」
ラティアスはことのいきさつをイアとイオに話した。
イオ「・・・・・そうか、残念だけど、さすが私たちの息子だ。立派に護神としての務め
を果していたんだな。」
イア「ラティアス、お兄ちゃんのところに案内して。」
カノン「それよりセイジを・・・・・」
イア「あ、ごめんなさいカノン、じゃあカノンの部屋に運んでおくわね。」
カノン「え?どうして私の部屋・・・・・。」
イオ「まあまあそんなことは置いといて。」
イアとイオはセイジをカノンの部屋のベッドに寝かせた。
イア「じゃあカノン、ちゃんとセイジの看病してなさいよ。」
イオ「そうそう、セイジも喜ぶぞ。」
カノン「ちょっとやめてよイア、イオ。」
カノンは顔を赤くしながら言った。
その夜、
セイジ「zzzzzzzzz」
カノン「もうセイジったら、私は、早くあなたに謝りたいのに・・・・」
セイジはそのまま23時までずっと寝ていた。
カノン「ああ、もうだめ眠い・・・・・・・」
カノンは眠ってしまった。
それから1時間後、
セイジ「うううん、よく寝た・・・・・ってカノン?あ、なんだ寝てるのか。」
セイジはカノンが起きないようにベッドからそっと出た。
そのままベランダにでた。
セイジ「ここから見る風景も久しぶりだな。」
カノン「セイジ大丈夫?」
驚いてセイジが振り向くとカノンが立っていた。
セイジ「カノン、ごめん起こしちゃった?」
カノン「別にいいよ。」
セイジ「ん?おい見ろよ、バタフリーだ。」
セイジが指差すほうを見ると、バタフリーの大群が夜空を華麗に飛んでいた。
セイジ「きれいだな。」
カノン「うん・・・・ねえセイジ。」
セイジ「ん?なんだい。」
カノン「あなたが旅立つとき、冷たく接してごめんね。」
セイジ「いいよそんなこと、俺もあのとき、君の気持ちをわかってやれなかったから・・
・」
カノン(よかった、セイジ、許してくれて)
セイジ「カノン、今ここで、大事なことを話しておきたいんだ。」
カノン「何?」
セイジ「俺は・・・・・君のことが・・・・大好きだ。」
カノン「え?聞こえないよ。」
セイジ「だから、俺は、君のことが大好きなんだ!」
カノン「聞こえないよ。」
セイジ「嘘だろ、本当は聞こえてるんだろ。」
カノン「ごめんね、私もセイジのこと、大好きだよ。」
セイジはカノンを抱き寄せた。
カノン「ちょっと、セイジ・・・・」
セイジに抱き寄せられたカノンの顔は、バクフーンが吐き出す炎よりも赤くなっていた。
カノン「セイジ、私が好きってほかの事で示してよ。」
セイジ「まったくしょうがないな。」
カノン「本当は嬉しいんでしょ。」
セイジ「あ、ばれてた?」
カノン「早くしてよ。」
セイジ「わかったわかった。」
セイジはカノンの唇にやさしく唇をあてた。
セイジ「これで・・・・いいのか?」
カノン「ありがとう、じゃあ私も、お返しをしなくちゃね。」
そういうとカノンはセイジの唇にやさしく唇をあてた。
カノン(ありがとうセイジ、もう私、セイジのそばから離れないよ)
fin

あとがき反省会
作者「うわーーーなんていい話なんだーーーー。」
セイジ「黙れ作者!この手抜きの小説はなんだよ!」
カノン「そうよ、そもそも私の性格自体が違うことない?」
作者「ぎく!」
カノン「どうせ作者の妄想でしょう?」
作者「ぎく!」
ブラッキー「ブラー!(俺の出番の少なさはなんだ!)」
作者「ぎく!」
ボンゴレ「わしの出番は?」
作者「ぎく!」
セイジ「しかも俺の名前ってお前のなm(以下強制終了)」
カノン「しかも作者さっきから『ぎく!』しか言ってないし。」
作者「えーあえて言うなら、読者の皆さん、ポケモンバトルがなくてすいません。」
ボンゴレ「他に謝ることは?」
作者「妄想しか書かなくてすいません。」
ブラッキー「ブラ(他は)」
作者「ではみなさん、次の小説のあとがきで会いましょう。」
3人と1匹「逃げるな!」
作者「予告ですけど、次の小説はこの話の続きでも書きます。それでは(逃)」

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