第1回ペーパーボーイ


「さて、始まってしまいましたな、この電波レビューが」

「んな事はどうでもええけど、あの表のレビュアーのプロフィールみたいなん、なんとかならへんのか?」

「僕はまあ合ってます。別に良いんじゃないですか?」

「なあ、俺のプロフィールにはレビューとはこれっぽっちも関係あらへんプライベート情報が何故あんなに載っとんのや?」

「どうせ打ちこみ人が受けを狙いたかったんでしょう?そのくらい察してやりましょう」

「・・・・。で、俺なわけなんか。今度おうたらいてこましたらなあかんな。こない下品な行為におよんだんやさかい」

「彼は精神分裂病でサナトリウムに監禁中ですので、そういうことはできないでしょう」

「・・・まあええわい。で、早速第1回のお題やねんけど」

「ペーパーボーイっすね・・・またこれは誰も知らなさそうな奴を・・・」

「しゃあないやんけ、俺達の行動も打ちこみ人の指先三寸なんやし」

「このゲームのどこをレビューしろと?」


1.ゲームシステム

「まあ、アクションですな、派手さは全然無いけど」

「そやな、プレイヤーは新聞配達の少年らしき物体を操作して、市民達の理不尽な攻撃をかわしつつ庭先に放置された新聞を拾いながら配達を続け、悪の組織の罠を潜り抜けてゴールするんや、それを7週するわけや」

「悪の組織・・・なんてでてきました?」

「アレはどう見てもなんかの陰謀やろう、大体あない危険な街へ配達しに行かされたっちゅうこと自体おかしすぎるで」

「新聞配達をゲームにしようとする事自体凄い事でしたねえ」

「大体、自転車らしきもんはどうあがこうと停車せんのや、十字ボタンの下で減速、上で加速、左右はそのままやけど、ムチャクチャコーナリング性能の悪い自転車やで、カーブがあったらまず激突間違いなしやな」

「ABボタン両方が新聞投擲ボタン。これが唯一のウェポンで、ポストや玄関口に投げて点数を稼ぐと・・・」

「画面は斜め上空から見下ろしがたで、3Dっぽい演出なんや、せやけどただの箱庭みたいやけどな」

「なんか、最後に妙なボーナスゾーンがあって、そこをクリアすると一日終わり」

「ほな取り敢えず内容を見てくか」


2・・・ゲーム内容

「さて、カセットの端末分をフーフー吹いてからヘッドオンや。映らへんかったら、カセットの後にやや厚めの説明書とか挟んで電源入れ直すとちゃんと映ることがあるからな」

「ヘッドオン・・・なんですかそれは」

「なんやトランスフォーマーに決まっとるやろ、そんなんも知らへんのかいな」

「知ってますけど・・・。まあいいや。電源入れますよ。へへへ・・・このショボいペーパーボーイの顔が何とも言えませんな。にっこり笑って前歯はムキ出し。なんか・・・目が逝ってるし・・・」

「スタートや。まず最初に凄まじくいい加減な配達個所を知らせる直線地図が出る」

「この通りに配達して行く訳ですね」

「せやけど、配達に失敗した家や、ブン投げた新聞で窓を叩き割った家は次の日速攻で契約解除や」

「もし完全配達が達成できたら新たに契約が一件増えるということになってますね」

「全ての家との契約が切れたらゲームオーバーや」

「プレイヤーが4人事故ってもゲームオーバーですな」

「ほな実際にプレイして見るとしよか」

「イエッサー」

「・・・。ショボイ音楽だな・・・低音でタータータラッタタ、タタタッタタタッタタ。って言ってるだけ・・・」

「これをMIDIで作る人はまずいいひんやろうな」

「1軒目の家!ポストに狙いを定めて・・・新聞発射!うわ!垂直にどこまでも飛んでいく新聞!恐い!」

「よっしゃ!ポストに刺さったで!」

「ギャ〜ッ!家の脇からタイヤが転がってきた!しかも何故か途中で直角に曲がってこっちに向かってくる!」

「悪の組織のおでましや。そのタイヤは超能力で操られとる。新聞少年をこの世から抹殺する為にな」

「配達に直接関係無い家の器物を破損して高得点を目指せ!門柱や植木やお墓やゴミ箱を新聞ミサイルでどんどん破壊しろ!」

「新聞には限りがあるで。10枚しか持てへん。よう考えて使いや」

「ヒェ〜ッ!ガキの載るおもちゃの自動車がこっちへ!しかも丁度進路を妨害する位置で停車!」

「そいつは体を張って攻撃を仕掛ける組織の子供コマンド部隊やな」

「あ!新聞直撃で家の窓割っちゃった!」

「かまへんかまへん。点数は低なるけど、一件でも契約が残っとったらゲームは続くから」

「ウヒ〜ッ!歩道のど真ん中でドリルで穴開けてるオヤジが〜ッ!」

「工事中の看板もなければ他の作業員もおらへん。違法工事やな。コイツも工作員や。自転車と激突しても、自転車は無残に砕け散っても自分はぴんぴんしとるタフガイや」

「危ないなあ・・・はぁ・・・。ってうわぁ!前からスケボーでアンちゃんが突っ込んできた!」

「相手は絶対によけへんで。新聞少年を徹底的に叩き潰す為に手段をえらばへん。スケボーと自転車やったら普通接触したらスケボーも相当な目にあうで、せやけどこのあんちゃんは組織の改造人間や。バランス1つ崩さんと砕け散った自転車を楽しげに見下ろしとる」

「はぁ・・・一機減った・・・。改めてスタート・・・。ってな?!」

「どないした?」

「道路を横断したら暴走族の改造車がボンボンボンボン走ってて、接触・・・」

「そこは暴走族の改造車がえんえんと走りつづけとる恐怖の交差点やな。奴らは血も涙も無い破壊者や、一気に横断するか、ブレーキで様子を見てから猛ダッシュで抜けるのがええ」

「気を取り直して・・・・唸れ新聞!悪魔の街を破壊しろ!」

「ええ心掛けや。新聞ミサイルが尽きたな、そこの家の庭に落ちとる十字に縛った豆腐みたいな菱餅みたいなのを轢け

「あ!ミサイルが増えましたね」

その日の朝刊はそこら中に束になって転がっとるんや、それそのままポストへ突っ込んだれや」

「ウヒャア〜ッ!犬がっ!犬が〜っ!犬小屋のまえに居て鎖で繋がれてないやんけ〜っ!」

「それも新聞少年のみを執拗に突けまわすように飼育された組織の攻撃部隊犬や。轢いてもあかんで、強靭な肉体をしとるから自転車の方が木っ端微塵や。ミサイルで動きを止めろ!」

「ミサイル発射!・・・やったぜ!・・・ってあっ?!」

「あーあ、悪魔の人食いマンホールに捕まったな、組織はモノノケとも手をくんどる。それは2のほうをやったらようわかると思うけど。あんまり車道へでやん方がええで」

「あと一機・・・慎重に・・・」

「歩道付近にある排水溝に気をつけなあかんで、踏むと自転車が潰れる。地雷が仕掛けられとるとしか思えへん」

「のわわっ!!自動車が前触れも無く真正面から!」

「轢き殺されたか・・・ゲームオーバーや・・・。奴は絶対避けへん。必ず目の前に居る物を轢き殺す殺人マシーンやからな」

「では再プレイを・・・」

「ええやろう。まだまだ組織の攻撃はこんなもんや無いで、それを紹介せなな」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「いきなり死にました・・・死角から突然停車中の車が・・・。激突です」

「普通やったら絶対見える角度やけど画面では見えへんしな」

「きゃ〜っ!庭に居た人が突然車道へ飛び出した!」

「これに当たる様ではあかんで、あれは組織の電波部隊の鬱チームや。ゲットワイルドやな。♪アスファ〜ルトタイヤを切りつけながら〜・・・。自殺志願者が新聞少年の目の前で飛び込み自殺する事で精神的ダメージを与えようとした訳やな」

「あの〜、なんか、ラジコンカーが延々と庭を平行四辺形状に走りまわっているんだけど・・・」

「組織の改造ラジコンやで、自転車で轢いてもこっちがやられるだけや、ミサイルで動きを止めるか避けるかや」

「操作している人が居ないんですけど・・・」

「んなもん組織の本部から遠隔操作されとるに決まっとる」

「うわぁ〜っ!!で、電波っす!」

「なんだ、どうしたんや?」

「見て下さい!歩道の上に寝転がって足をバタバタ上へあげてひたすら痙攣している人が居ます!」

「むう・・・ほんまやったらそのまま轢いてあばらの5、6本はへし折る所やけど、こいつも電波部隊のシャブ中痙攣男や、強化人間やから激突すると死ぬで」

「危ない所でした・・・」

「さあゴールは近いで」

「ん?・・・えっ?・・・ひえええぇぇぇぇぇ〜っ!!」

「どうした?やられとるやないか」

「ええ・・・なんか、家から包丁を持って猛スピードで追いかけてくる男に刺し殺されました」

「そいつはこのゲームで1・2を荒らそう強敵、電波軍団の発作的通り魔男だ。そいつはどこまでも半狂乱的に新聞小僧を付けまわすぞ。猛スピードでぶっちぎってかわすしか術は無い!ぼやぼやしてたらすぐ追いつかれてぶっすりだ。配達なんか中止して逃げろ!」

「逃げている途中に車に轢かれました」

「やっぱあかんわこのゲーム」

「むう・・・ボーナスステージ突入です。町外れに奇妙なモトクロス会場が・・・」

「ホンマや・・・動くジャンプ台にバリアーまで張ってあるで・・・どんな世界や。ここを潜り抜けてゴールや」

「やっと2週目、火曜日ですな。同じ道を何週もするんですか・・・・」

「しかし日を追う事に悪の組織の攻撃は激しさを増してくるで。複合攻撃、波状攻撃の雨あられを持って、必ずや新聞少年を抹殺しようと狙ってくるわ」

「たつまきが!たつまきが追いかけてくる!」

「日曜日なんか信じられへんほどの猛攻撃をいたいけな少年に向かってやってきよるからな・・・」

変な首狩り鎌を持ったアスファルト色のおっさんが進路妨害してきます!」

「まあこんなんが延々と続く訳やな・・・」

「ふ、不毛だ・・・」

採点・・・売る気で作った度・・・-120 電波・・・80 いやん度・・・70 総合評価・・・-270


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