誓いの言葉




『貴方は相手を愛し、一生一緒にいることを誓いますか。
貴方は相手を愛し、一生一緒にいることを誓えますか。』

ふざけて部員の誰かが言った言葉。
こんなの誓ってどうするってんだ?別れちゃう人もいるじゃねーか?って。

それはそうだとも思うけど、こうやって言うのも素敵だと思う。
そう言われてふと考えた。

『僕は尊を愛し、一生一緒にいることを・・?』



部活が終わったあと、牛尾は蛇神の家へ来ていた。
家、と言っても蛇神は寺の離れを一人で使っているため、誰かいるということもない。
学校帰りにちょくちょく寄ったりしているうちに
勝手知ったる・・なんとやら、になってしまっていた。
週に一度、いつの間にか私物も色々と持ち込んで、一晩だけ一緒に過ごす。
いつからか始まって今では当然のよう。
他愛もない話をしながら過ごして、ご飯も食べて、夜は大概抱き合って。
部活があるせいでなかなか一日一緒には居られないけれど
二人ともこの半日を楽しみにしていた。


泊まりにきた時はいつも入らせてもらう蛇神の家の風呂で、
牛尾はボーっとしながらいろいろな事を考えていた。

蛇神の横に居るようになって、彼の事をいろいろ知った。
一見怖いけど、実は優しいとかは前から知ってたけど、
他にも。

こうやって肌を重ねるようになってからは温もりも逞しさも・・繊細さも。
知れば知るほど、もっと知りたいなんて欲が湧いてくる。

尊が居なかったら?

ハッと、嫌な考えに湯船に体が沈む。
そんなの今更、考えたくない。
自分から離れるなんて事も考えたことはないのに、時々蛇神がそういうのを気にしているように見える。
せっかく彼と居るのに、そんな訝るようなことを思った自分が妙に悲しかった。


コイハイツカオワルモノ。

そんなことを言う人もいる。

コイハエイエンノモノ。

そうと唱える人もいる。

前までこんな事考えもしなかったのに、仲良くなればなるほど
・・肌を重ねれば重ねるほど、どんどん思いが強くなる。
いつか終わるかもしれないコイに不安を覚える。

(そんなこと・・・・したくない・・・・・けど・・・・・)




すっかり長湯になってしまった牛尾は真っ赤な顔をして部屋に戻ってきた。
「・・?長かった也、何か考え事か?」
縁側でパタパタと団扇を片手に、蛇神が振り返った。
そんなに夏に近いわけではないけれど、蛇神にはそういう風情が似合う。
「う、・・ううん。別に・・・ちょっと寝ちゃったんだ」
嘘だけれどホントのことをいう気にもならないので、そのままやり過ごそうとする。
信じているのかいないのか分からない表情の蛇神は牛尾に手招きをした。
牛尾がそのまま傍に近寄っていくと、グイと手を引っ張られ膝の上にのせられる。
「・・・・・尊?」
まだ乾かない牛尾のフワフワの髪に蛇神が頭を寄せる。

「・・・御門の事也、また由無い事でも考えておったのだろう?」
「え・・」
「そういうものは考える事では無い」
何でもかんでも見透かされてるようで、牛尾は後ろを向いたまま目を伏せる。

自分のことなんて何でもお見通しと言わんばかりの蛇神の言葉にドキリとする。
実際、今のだって当たってた。
くだらないこと考えててのぼせたのバレてたみたいだし。
でもたまにくだらなくなくて、怖くなる。
「我とて怖い。いつも傍に居るのに御門がするりと逃げてゆく感覚が有る也」
実にならなければ良いが、と蛇神は苦笑いを浮かべた。

こんなに傍にいるのに、相手は遠いの?
僕は何処を見てるの?


湯中りか何なのか、触られているドキドキとはまた違う眩暈が牛尾を襲う。
「・・・・・・・・ぁ・・、あたま・・痛・・」



牛尾が目を覚ました時はもう殆ど朝になっていた。
日が昇る前の薄暗い時間。
暗闇に慣れない目で蛇神を探す。
牛尾の額の上には濡れタオルがかけてあった。
まだ身体は熱いのに、タオルが冷たい所を見るとずっと取り替えてくれていたのかもしれない。
「・・・・・みこと・・」
名前を呼んで、手を伸ばすと蛇神の背中に当たった。

蛇神の家の布団は洋風育ちの牛尾にとってとても重く、慣れなかった。
それなのに、軽い布団は肌蹴て風邪をひくと言われていつも重い布団を半ば無理矢理かけられるので
じゃれる様に言い合いながら結局は自分が慣れた軽くてフワフワの布団と、モコモコの毛布みたいな物で寝ていた。
それもいつの間にか持ってきたものだった。
いつもそれに包まって寝ているのを蛇神は知っているので、
気を利かせたのか、それともそっちの方が楽だとでも思ったのか。
いつも自分がするように寝ていたのは驚きだった。

「・・起きたのか?」
「うん」
「いきなり倒れるとは驚く也」
「・・ゴメン、なんかフラフラしちゃって。
 もう大丈夫だよ?」
蛇神は牛尾の方に寝たまま振り返った。
そのまま牛尾の頬に手を伸ばす。
「・・・・まだ少し熱いのではないか」
いつものひんやりとした牛尾の体温ではなかった。
頬も紅潮したままだし、まだ目線が泳いでいる気がする。
「そんなこと・・・ない・・」
「今日は諦めて大人しくして居る事也」
昼過ぎから出かける約束だったろう?という牛尾の視線を振り切って、肩まで布団をかけてやる。
大方、春の寒暖で風邪でも引いたのだろう、と蛇神は思った。

「・・・・・・今日は・・尊とせっかく居れるのに・・・」
何にも出来ない、と牛尾は思う。
ちょっとだけ・・いつもしてるから、という期待も有ったのにどうやら叶いそうも無い。
「具合が悪ければ仕方なかろう。無理にすると更に身体を壊す也」

そう言われるともっと相手が欲しくなる。
気遣ってくれているのは分かるけど、もっと触って欲しい、と思う。
前はこんな事考えてる自分が猥褻だと思って嫌だったけれど
今は自然な欲求だと思うようになっていた。

「・・・・・・・・・・って・・」
声にならない声で牛尾は呟いた。
「?」
「・・・・・ホントは少しだけ期待してた・・」
熱で普段の恥ずかしいと思う気持ちもどこかに行っているような気がした。
「御門?・・・・主、熱で考え無しに言葉にしておるのではあるまいな?」
少しだけ厳しい口調で蛇神が問い返してきた。
「・・・・・・・・・ゴメン・・僕、今日おかしいね・・」

何で自分だけ我慢できないんだろう。
どうして我侭になってしまうんだろう。

せっかく自分のことを考えてくれているのに。

「・・オヤスミ、尊」
背中を向けて呟いた、その言葉は少し悲しかった。



朝、日が差して牛尾は目を覚ました。
頭が痛かったのも引いていて、身体も熱くない。
妙に重いと思ってふと見ると、蛇神の手が身体に乗っていた。
抱きしめていたのが外れた、といった感じで置いてある手を見て、ふふっと微笑む。
昨夜突然訪れた不安は何だったんだろうと思う。
こんな近くに居るのに不安に駆られるなんて、どうかしてる。
その不安を引きずって蛇神に嫌な思いをさせた・・・ことも。
「・・・・・僕ってバカだ」
蛇神が好きなのはとっくに自覚した。
だからこうして傍に居るし、身体も許している。
彼も好きだと言ってくれているのに何故勝手に不安がっているのか。
ショセンハタニンノキョウカイセン?
恋って、分からない。


「・・・何を言っておる?」
牛尾の独り言で目を覚ましたのか、さては先程から起きていたのか、
蛇神が少し額を寄せる。
いつもの頭の飾りはさすがに取っているので当たっても痛くない。
「熱は引いたよう也、昨日のは湯中りで風邪ではないようだ」
まだ分からぬが、とは言いつつも蛇神は優しく微笑んでいた。
「だから大丈夫だって言ったのに・・」
「・・体調に関して油断はすべきではない也。大事をとるくらいで丁度良い」
蛇神が優しいのを良い事に、牛尾は懐に潜り込んだ。
昨日のちっぽけな期待が外れただけなのに、やけに久しぶりな気がする。
「暫くこうさせておいて、尊」
積極的な牛尾に慣れない蛇神は内心慌てつつも、腕だけ回してやる事にした。
牛尾からこう寄って来る時には大抵何か思い込んでいるコトが多い。
暫く付き合ってみて、それはすぐわかった事だった。


「御門、何か考えておるのか」
唐突な蛇神の言葉に牛尾の目が開いた。
「考えて、って言われても・・・分かってるんだろ?」
不安だから触っていたい、ってこと。
「お互いに不安を募らせると碌な事は無い也。
 人と一緒に居ると言うのはそういうものではないか?
 特に恋人というのは・・我も分からぬ」
「僕らは一緒に居ても誰からも引き剥がされたりしない。
 お互い好きなのも分かってる。
 ・・・・・・・・・・・でも怖いと思う時があるんだ」
身体を繋げれば一時の満足にはなるし、そういう不安も消えていく。
でもまたすぐに何とも言えない不安に心は疲れる。



相手を信じきってしまう事ができない。

でも離したくない。





蛇神は懐の牛尾を抱き寄せ、頭に手を回している。
最初の頃は触るだなんてしようものなら殴られていたが、
最近は人のあたたかさに慣れてきたのか、牛尾はかなり平気になってきていた。
抱き枕ではないが、そういう風に抱き合っているだけでも満たされて、
蛇神は幸せだと思う。

蛇神の匂いに安心した牛尾は、うとうととしていた。
湯中りとはいえ体調を崩したのが結構響いているようにも見える。
そのまま体勢を変えずにいるとそのまま牛尾は眠ってしまった。
少しだけ口の端を上げて、微笑んでいるようにも見える。
起きている時はキャプテンだったり、友達の多いヒトだったり、自分の恋人だったり。
こんなに忙しい人間が、今は自分の手の中で頼って寝ている。

不安を溜め込んで、壊れそうになっている。

「我が・・気付いてやらねばならぬのに、我が不安にさせておる・・。
 主を抱くことが解決だとは思わぬが・・」

それで相手が幸せなら?
一時の幸福に放り込む事が・・できるなら。

でも腹が痛い病人に頭痛薬を処方して何になる?




『貴方は相手を愛し、一生一緒にいることを誓いますか。
貴方は相手を愛し、一生一緒にいることを誓えますか。』


答えは、はい。
当たりまえの事だと、ふと思い出した言葉に悪態をつく。

目の前に好きな人が居て、好きな人も好きでいてくれる。

蛇神は牛尾を抱きしめたまま、ずっと遠くを見ていた。




夕方、牛尾は目を覚ました。
軽い時差ぼけ状態で、一体何時間寝ていたのか。今が何時なのかすらサッパリ分からない。
「・・・・・・ぁ・・あれ?」
障子の向こうがオレンジ色なのを見るに、夕方なのが分かったが、
横には蛇神も寝ていてまったく現実味がない。
二人して、日がな一日寝てしまったのだろうか。
それに今日は遊びに行くって約束していたのに、ゴロ寝でキャンセルだった事になる。
「・・なんで起こしてくれないの」
み゛ょ、と効果音が付いてしまいそうなくらい牛尾は蛇神の頬を抓った。
いつもの事だしきっと起きているに違いない、と思ったからだが、
どうやら寝ていたらしく、瞼が少し動いた。
「・・・・・・・何か・・?
 御門、起きたのか」
そりゃ、これだけ寝ればね、と牛尾はわざと少しだけ頬を膨らませた。
「出かけるって約束だったじゃないか」
「幸せそうに寝ておった故、起こすのが勿体無かった也。
 ・・・それに体調はもう良いのか?」
「朝起きたときにはもうスッキリしてたんだけど・・、あれからまた寝ちゃったんだよね」
牛尾が先にうとうとしてたとは言わずに手で首筋を擽る。
「時間を見れば分かるであろう?」
首への刺激が擽ったくて、牛尾はどうにか逃げようとモゾモゾと動き出した。
「く・・くすぐったいよ、みこと・・」
手に少し力を加えれば、そんな抵抗くらい容易く抑えつけられる。
牛尾も本気で嫌がって拒否をしているわけではないのだから。

「嫌か」
蛇神はそう聞いてくる。
牛尾が良いといわなければあまり深くは手を出してこないので
蛇神の着ている甚平の身ごろを掴んで、顔は見せずに頷いた。
牛尾を少し抱き上げ目線を同じにすると、蛇神はそのまま口付けた。
触れるだけから次第に探っていくと牛尾も真似て探り返してくる。
息をさせつつ、眉間に皺を寄せる牛尾の顔も少しだけ目線で追った。

「・・・っは・・、み・・みこ・・」
ようやく離してやると牛尾は物足りなそうにも聞こえる安堵を洩らした。
だが苦しかったらしく、肩はせわしなく動いている。
「・・不安とはいつも付き纏う物也。相手を好けば尚更故、主の思う事も解らぬでもない」
「・・・みこと?」
「主を抱けば解決するというわけでもないであろう?
 嘘偽りがなくても我を信じきるのは無理也、人ならば・・猜疑心は膨らむものだ」
蛇神の思わんとすることが牛尾の思いに触れているようで触れていないようで。
「我とて、主と離れようとは思っておらぬ。
 ・・いっそ契るという事も出来ぬ、決まりきらぬ状態が今の不安か」
「そ、そんなんじゃないよ・・。いつも・・突飛な事言うんだから・・」
牛尾は蛇神の首筋に触れるだけのキスをした。
耳まで真っ赤にして。


「不安ばっかりだしてゴメンね・・でも僕は尊が好きなんだ・・それだけだよ」






「・・・・・・・っ・・みか・・」
牛尾が珍しく積極的で蛇神は牛尾の頭を軽く掴んだまま、吐精感を耐えていた。
自身への刺激で、というより牛尾がしているという方が蛇神にはキている。
牛尾は一度も顔を上げないが、牛尾のも兆しているし頬が赤いのは分かるので相当羞恥を耐えているらしい。
さっきから離せと牛尾に言っているのに、ちっともそんな素振りは見せない。
それどころかより舌を使って、蛇神をイかそうと躍起になるようにもみえる。
「・・・・ぅう・・・
思いきり上目遣いで牛尾はチラッと蛇神を見た。
本当は苦しくてしょうがないのだが、今日は絶対気持ちイイって思って欲しかった。
それならこれくらい、と思ったのだが・・・思ったほど簡単な事ではないようで。
前に初めてした時はやや強めに歯をたててしまい、蛇神を酷い目にあわせた事もある。
でも今日はいつもよりも気持ちが前にあった。
不安なのはお互い様。それが分かっただけでもいい。

「・・・さ・・散々申した故、知らぬぞ・・・」
その瞬間、蛇神は牛尾の口で射した。
牛尾の頭を掴んでいた手に思わず力を入れてしまい、結果外せないように抑えつけた格好になってしまった。
「・・・・・んぅ・・」
硬直が解けると慌てて頭から手を外したが、牛尾は咽ていた。
「・・それ故、離せと申したであろうに・・・」
「・・・・・・ぃ・・いいんだ、僕がしたかったんだから」
にっこりと笑う牛尾を引き寄せ、抱えたまま窪みに指を這わせる。
さっき一度牛尾が達したときの雫がそこには伝っていた。
少し指を曲げただけで難なく飲み込んで奥へと誘う。
「・・・・・・ゃ」
「最近は痛がらぬ・・慣れたか」
蛇神の言葉に振り向いて抗議しようとした牛尾だったが、
内で複数の指がモゾリと動き、言葉を発せぬままに終わった。

蛇神の熱さも知っている。
蛇神の想いも、優しさも。
安心する、香りも。

「・・・・冗談・・言わないでよ・・負担はかかってるんだから」
かろうじて口を開く牛尾だが、刺激を堪えきれない前は先走りを滴らせるばかりだった。
「そうか」
あまり説得力はないと、蛇神は少し笑みを浮かべると指を抜き牛尾を前に倒した。
「・・・・・・・・みこ・・と・・?」
初めての体勢にびっくりしている暇もなく、蛇神は上から覆い被さってくる。
ヒタりと入口に再び猛った蛇神が触れ、思わず目を瞑った。
「・・顔が見えぬのは怖いか?」
背後から蛇神の声がする。
興奮で掠れたそれは、牛尾の腰を直撃した。
「・・・・・そんなこと・・ないけど・・」
それを聞いた蛇神はそのまま腰を進めてきた。
痛くはなくてもやはり圧迫感はあるし、苦しい。
「あぁっ・・、あ・・」
右頬を枕に沈め、蛇神の攻めに身体を任せようとするが
指先はシーツを掴んだまま、力が入って白くなった。
その影響で身体は強張り、蛇神を締め付ける。
腰をひかれて、腰だけ高く持ち上がっているのが恥ずかしくてしょうがないのに
いつもは触れるだけの側の内壁を擦られてそんなこと考えている暇もない。
「・・っは・・、あ・・やぁ・・」


いっぱいいっぱい好きだって思わせて。
それが一時の薬でも。

不安にはなるかもしれないけど、こんなに君が好きだって分かって?

君がいつも傍に居るって、近くに居て教えてよ。


「・・・・・・・・・・・みこ・・とっ」

蛇神が牛尾の前を少し刺激してやると、まもなく牛尾は果てた。
その身体の痙攣で蛇神も牛尾の中に迸る。
「・・は・・・はぁ・・・ぁ・・・・」
「少々、無理をさせたか」
蛇神は背中から身体を密着させて、牛尾の首筋に口付けた。
その拍子に後ろがヒクンと窄み、緩く蛇神を締める。
「今だ反応する也」
「・・・そ・・そういうこと・・言わな・・で・・」
蛇神は牛尾に全体重をかけまいと、両手を布団に突き自分を支えている。
牛尾の視線の先にその肘から手首、指が見える。
血管が浮き出て、力強く見えるそれは同性のものなのにカッコいい、と思った。

「・・御門、・・・今一度」
牛尾はその言葉に自分からのキスで答えた。











「御門、起きる也!遅刻ぞ!!」
まったりとした翌朝・・ではなく、牛尾は蛇神の些か大声で起こされた。
「・・・ぇ・・今・・何・・・」
手繰り寄せた携帯電話の表示は8時20分。
遅刻は8時30分。蛇神の家から学校までは・・・・。
どう足掻いても間に合わない。


「う・・嘘・・遅刻・・?」
あんなに早起きの蛇神が寝過ごすなんて、思ってもみなかった牛尾は恨めしそうに蛇神を見た。
あれから3度もしたのもあって、二人とも身体中の疲労感は拭いきれない。
「・・・・・・我の所為か」
「・・・起きれなかったんだ・・・尊」
牛尾も先程携帯電話を取ろうと身体を半分転がしただけで腰が砕けそうだった。
「我の所為也」
「どっちにせよ僕、こんな状態じゃ学校なんて行けないよ・・動けないんだ。
 尊だけでも行っておいでよ?」
腰痛ではや学校を諦めた牛尾を横目に、蛇神は起き上がり学校の支度を始めた。
「・・・あれだけ学校の日には残さないでって言ったのにな・・
 これじゃ一日、野球も出来ないじゃないか・・」
明らかに罪悪感の漂う蛇神を見ながら牛尾は更に続ける。
「確かに尊のことは大好きだよ・・だから不安になるし・・抱き合いたくもなる。
 でも次、今日みたいになったらタダじゃおかないよv」
「・・・承知した・・学業に支障が出る也。二度とせぬ」
そのまま牛尾を部屋に残し、蛇神は学校へと出かけていった。



「・・尊って・・ホント容赦ないよ・・」
蛇神が出かけた後の部屋。
身体中がベタベタで気持ち悪いのだが、牛尾にはどうにも動く気力もなくそのまま寝ている。
だが、その表情には不安だとかそんなものは表れていなかった。



『貴方は相手を愛し、一生一緒にいることを誓いますか。
貴方は相手を愛し、一生一緒にいることを誓えますか。』


尊でないとダメ。
尊以外じゃダメ。
何だかんだ言ったって、やっぱりそうだ。


『僕は尊を愛し、一生一緒にいることを誓えます』


「・・・・・やっぱりそうだよねv」
牛尾はふふ、と笑うと身体を丸めて眠りに落ちていった。


end

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3月にリクを頂いたにもかかわらず、こんなに遅くなってしまってすみませんでした(平伏)。
かずま様にささげます、7000hit御礼の品です。
相海的にはラブラブなんですが、不安っぷりすぎなのはどうか・・・。
嗜好が合うとよいのですが(合わないでしょうか)。
つか牛、学校サボらせてしまった・・。
この後の蛇の努めにより、今後は一切そんなこたぁなかったらしいですが(妄想)。
不甲斐なさすぎの管理人ですみません。
読んでくださったならば管理人感謝!でございます(ペコリ)。
7000hit、本当にありがとうございました!

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