宵の月明かり(続)


そのままいくらか時間が過ぎた。
音も声もなく、ただ蛇神と牛尾の息遣いだけが妙に響くだけ。

「・・御門」
そう低く囁くと、牛尾の身体に回していた腕に少し力を入れた。
「な、何・・?」
「今日は部活が休み也」
「昨日が飲み・・だったからかい?」
「そう也。真、都合が良い・・」
「え?」
そのすぐ後、牛尾の首に温かいものが触った。
「・・今日は・・嫌か?」
少し離して蛇神が聞いた。
「監督が手が早いと聞いた時は、御門を守らねばと思っておったのだが・・、
 我は御門が欲しい・・・、勝手だな・・」
蛇神が喋る振動が髪を伝って牛尾の頬を擽った。
「・・監督にそんなことされるのは・・嫌だよ?
 でも尊とは・・付き合ってるんだし、比較の対象になんか・・」
そういい終わる前に、牛尾は蛇神に口を塞がれていた。
「・・ぅ・・ん・・」
息継ぎが上手くできなくて、腕を叩いて苦しいと訴えると
蛇神が少し角度を変えて少し息が吸えるようにしてくれたが
息をついだその隙間から舌が割り入ってきた。
「・・ゃぁ・・」
牛尾の舌を見つけると躊躇いもなく絡んでくる。
耳に響く濡れた音に、牛尾は羞恥心を隠せなくなってくる。
蛇神はするりと口を離すとフッと笑った。
「恥ずかしがる事はない。此処には我以外誰も居らぬ」
「・・・そんな事・・言われたって・・」
「そういう御門も可愛いがな」
牛尾はカッと耳まで紅くすると身動ぎ、抵抗を試みたが
圧倒的な蛇神の腕力にかなうわけもなく、
逆にさっきまで自分がいた布団へと組み敷かれる格好になってしまった。
「恥ずかしい事・・言わないでよ」
「そうか?」
「・・そうだよ・・」
蛇神は牛尾のウエストの部分からカッターシャツをめくり肌を指で這った。
もう一方の手ではボタンを外しにかかる。
蛇神の筋肉質な肌が牛尾の柔らかな肌に擦れる。

あれだけ同じようにトレーニングを重ねてもここまで違うものかと
牛尾は蛇神と肌を重ねるたびに思う。
いくら野球で褒められても体型に関してはコンプレックスしかなかった。
いつでも女に間違われそうな細い腰と、白い肌。
ちっとも筋肉のつかない骨ばった身体。

「また・・そんな事を考えているのか?」
「・・え?」
すっかり肌は露わになっていて、上から蛇神が覗き込んでいた。
「そんな事は気にすることではないと、いつも言っておるだろう・・気にするな」
「僕は何も・・言ってないだろ」
強がってみるが、蛇神の触れている所からドキドキしていて、
説得力も何もあったものではない。
「表情が暗い也・・まぁ、すぐ悦くしてやる」
そう言うと、覆い被さって首と胸の突起を攻めた。
「や、・・ぁ・・」
「御門、声を出せ」
首を動くだけ横に振り嫌だと訴える。
するともっと強く、触り舐められる。
「・・いつものことながら強情な・・」
「ひゃ・・あっ・・」
首には蛇神のつけた紅い花が白い肌に散っていく。
だんだんと愛撫は下に降りていき、下着もズボンと一緒に剥がされたのに、
全く足を開こうとしない牛尾に蛇神の溜息が聞こえた。
「御門・・、主は嫌なのか?」
蛇神が口をつけた所は紅く色づき、感じていないわけではないくせに。
「・・ヤ、じゃない・・」
ならそろそろ観念するんだな、と低く呟いた。
牛尾の片足を高く持ち上げると、緩く勃ちあがっている牛尾に舌を這わせる。
「ん・・やぁ・・っ」
牛尾の悦ぶ所は知り尽くしていた。
そこだけを執拗に舐めあげる。

牛尾は最初、身体に触らせてもくれなかった。
何故だかはよく分からないが、ひたすらに怖がり拒否をしていた。
それを思えば今のこの状態は喜べるものだ。

「ふ・・ぁ・・・いやぁあ・・っ」
すっかり勃ちあがった牛尾から口を離す。
「・・フ、可愛い也。そんなにイイか?」
「うゃ・・、あ、そ・・んなこと・・」
ズイと牛尾の目の前まで上がってくると蛇神は薄く笑った。
「御門が悦んでくれればそれで良い」
牛尾は眉間に皺を寄せ眉を下げてはいるが、頬は紅く唇は濡れていた。
それが何とも言えず艶やかで、思わず蛇神は息をのんだ。
「・・そういう表情・・・御門のこと也、無意識なのだろうが・・」
「・・・?」
「堪らぬな」
「・・・な・・何、言って・・ひゃ、ぁ・・」
蛇神の手は牛尾自身に絡み、それから零れる先走りを拭うように指を動かす。
「ん・・、や、・・やぁ・・もっ・・」
牛尾は力の入らない手で必死に手繰り寄せた掛け布団を握り締め、顔を埋めてしまった。
「一度イクか?」
少しだけ間があったあと牛尾は縦に首を振った。
「素直、也」
そこがまた可愛いと思いながら、手は牛尾の入口を探り、擽り始める。
「ぃや・・ぁ・・」
既に限界な牛尾のそれからはタラタラと蜜が滴っていて、
それを指に拭われては入口に塗られて。
その滑りを使って指は牛尾の内へと入り込んでいった。
「うぅ・・あ・・やぁ・・」
異物の進入に牛尾の内壁はドクンと波打ち反応したが
波打った反動でより指を飲み込んでいく。
「痛いか?」
「・・っ・・たくない・・あっ・・」
指の腹が牛尾の悦ぶ場所を見つけ、そこだけを擦ってくる。
反対の手での自身への刺激も手伝って頭が白くなる。
「・・あっ・・あ・・や、・・!」
白濁した液を蛇神の手に放ち、牛尾は果て、
高く持ち上げられた足も痙攣し、ひくんと震える。
体中の力が抜け、布団に上半身を沈めた。

「・・御門、顔を見せる也」
蛇神は牛尾の雫を舐め取り終わると、入口からも指を抜き、
牛尾が握り締めて放さなかった掛け布団を掴み、引き剥がすと
突然持っていたものを盗られた牛尾の手は宙を泳いだ。
「・・あ、いやっ・・」
少し前から泣いていたのか、瞳は潤み今も涙が流れていた。
「泣く事はない也・・まだ我を誘うか?」
「・・違・・っ、や・・やぁ・・尊ぉ・・」
蛇神の舌が頬の涙を舐め取ったが早いか、
再び牛尾の入口に指が這い、進入を始めた。
さっきよりは難なく飲み込み、内壁が絡み付いてくる。
牛尾の表情が羞恥と苦痛から解かれ、甘く蕩けた顔になっていくのが堪らなくいい。
それに勇気付けられ指を増やすとさらに快感を引き出していく。
「や・・あっ・・あ・・ぁ・・・」
蛇神も自身は猛り、牛尾の肌で擦れるたびに刺激が走り限界も近かった。
「御門・・挿入てもよいか?我も・・少々辛い也」
一瞬ビクリと硬直したが、弱く頷いた。
それを確認してから指を抜き、かわりに自身を宛がうと
牛尾の呼吸に合わせ、腰を進めていった。
「・・・!・・ん・・ぁっ・・あぁっ、だめ・・」
蛇神は牛尾の奥まで辿り着くと、圧迫感が緩むよう腰を揺らした。
それでも中は擦れて絡み、蛇神を放そうとしない。
「・・キツい也・・力を抜け・・」
「や・・だって・・そんな・・分かんな・・」
「このままだと主が辛いぞ。息を吐けばよい」
「ん・・ふ・・ぅ・・」
言われたとおり息を吐くと牛尾の拘束が緩んだ。
すると蛇神はゆっくりと抜き差しを始める。
「あ・・あっ・・あ・・・」
牛尾の両足を大きく開き折りたたむと、膝を押して深く挿入っていく。
甘い嗚咽が静かな部屋に響いた。
卑猥な音も牛尾の耳に入り、より顔を紅くして蛇神を求めた。
さっき放ったばかりの牛尾自身も再び硬さを増し存在を主張している。
ギリギリまで引き抜いて一気に突き入れると、
最奥に届いた衝撃で、牛尾は蛇神をキツく締め付けた。
「ああ!!・・あぁっ・・や・・ぁ・・もぅ・・」
「・・くっ・・・み・・御門、・・」
「や・・、は・・も・・ダメ・・!!」
「・・・我も也・・」
もう一度深く突き上げると、牛尾はそのまま欲望と意識を手放した。
蛇神も牛尾の中に自分を注ぎ込んで、牛尾に覆い被さるように力を抜いた。
ゆるりと自身を抜き、余韻に浸るように牛尾の髪を撫でる。
意識を手放した牛尾は速い呼吸をしながらも落ち着いて眠っていた。
「・・我の勝手だったな・・・でも今日は真、至福だった也」
触れるだけの口付けをし、牛尾の横で眠りについた。


月が眠った朝、牛尾が目を覚ますと蛇神は横にはいなかった。
「・・・?僕は・・昨日・・」
ふと走った腰の鈍痛に何があったかを悟った。
「い・・痛・・」
肩には自分のカッターシャツがかけられていたが
それ以外は何も着ていない。
日が差している蛇神家の離れには牛尾以外誰もいない。
なのに妙に恥ずかしくて肩まで布団を引き寄せ、身体を丸めた。


少しして離れの玄関で音が聞こえた。
すぐに襖は開いて蛇神が現れる。
「・・御門?起きたのか?」
「・・・うん」
「昨日は・・すまなかったな、今は辛いだろう?」
「ううん・・大丈夫・・だよ」
どうして謝るのか牛尾には分からなかったが、とりあえず触れない事にした。
「弓道・・してたの?」
聞く牛尾の目に飛び込んだのは弓道着を身に付けた蛇神だった。
見たのは初めてだったが、それなりの腕を持っていることは知っていた。
「ん?あぁ・・起きるまでそばにいてやろうかとも思ったのだが・・
 毎日の習慣でな。朝早く身体を動かさないと何か変な気がする也」
「・・別にそっ・・そばにいてくれないのを怒ったんじゃないよ」
「すまないな・・今は7時だが今日は何か予定があるか?」
ずいぶん寝たと思っていたのに7時だと特に寝入っていたわけではないらしい。。
やはりというか、まだ体が辛い。
「この部屋でゆっくりしていてもいい?」
「それは構わぬ、十分に休むと良い。我もここに居る也」


何も音がない部屋。牛尾の横になる布団の傍に蛇神は座り、微笑んだ。



end

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や・・やっと終わったっ(爆)。
続きをいそいそと書き始めたのはいいんですが、なかなか筆が進まず。
愛のある同士のえっちいのって難しいかもしれない・・(をぃ)。
とりあえず、終わってよかったです。蛇牛万歳☆

それにしても・・・趣味丸出しというか。
弓道着の蛇神様登場でございますよ。
弓道が嗜みというマイ設定(笑)。つーか絶対に似合うvv
蛇神様宅は大きな寺で、何故か弓道場まであるとか夢見てます。はい、逝ってこーい!
一応、内容的にヤっちゃってるんで裏だったんですが
これって・・・温いですよねぇ?

最後になりましたが、ご拝読ありがとうございました。

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