いつも一人だと思った。
悲しい時、うれしい時、寂しい時、楽しい時。
ずっと、一人ぼっちだと思ってた。
僕は、孤独だと。
でも、それは大きな間違いだった。
僕は、一人ではなかった。
それに気づいたのは、ついこの間、
ずっと隣にいた女の子が、引っ越した時。
僕は最初「隣の子が引っ越していく」くらいにしか思っていなかった。
只それだけ。僕の生活に何の代わりもない――そう思っていた。
でも違った。
女の子が、涙ぐんで僕に「さよなら」を言いに来た時、
なぜか、僕の心は激しく波打った。
そして、小さい頃からの記憶が、一瞬にして、走馬灯のように駆け巡った。
幼稚園の頃、けんかして僕が泣いた時。
小学校の頃、かけっこではじめて一番になったとき。
中学校の頃、成績でトップを取った時。
そばにいて、慰めてくれて、わが身に起こった事のように喜んでくれたのは、
全て、彼女だった。
どんな時でも、彼女はそばにいてくれたのだ。
いつも一人だと思っていたのは、ヒロインぶった僕の心だった。
そんなことに、いまさら気づいた。
それから、僕の考えは変わった。
僕はいつも、一人ではないのだ。
そもそも、人間は、一人では生きられないのだと。
そのことに、気づいた。
ついでに、人間関係の大事さもなんとなく分かったような気がする。
そして、そのことに気づかせてくれた人間――隣の子の事は、
心の中で、一生大切にしようと思っている。
大事な「my one's first love」として―――。
FIN
あとがき
あるお方より、メッセンジャー中にリクを頂戴いたしまして書きました。 持ったいないので使いまわしv(殴) リクエストは「恋」なのですが・・・なんか無理やりですね、これ。 すみません; ちなみに、返品可ですからねv 2002年01月02日 水曜日 都由希 |