●Meridian Rogueレビュー





Meridian Rogue -メリディアンローグ-というバンドさんにCDをもらったので、お礼にレビューしてみます。
結構まじめにレビュー書いてるつもりです。

『アクアリウム』

物語性の強いコンセプチュアルなアルバムです。
Meridian Rogueさんは写真を見るとそうでもないけど、曲や詞のセンスはヴィジュアル系。

錆び付いた鉄の揺りかごで
僕は夢を見る

滅びた庭園で希望の果てを見た
還るユキノハナ 芽吹く緑の灯

ここらへんとか、なんかPierrotぽいです。
こういうコンセプチュアルなアルバムは好みが分かれるところで、僕はもっと突き抜けてて頭悪いのが好きなのですが(マリスミゼルとかね)、ファンタジー系が好きな人には良いのではないでしょうか。

(左:マリスミゼル。見るからに頭が悪い。右:Meridian Rogueさん。あまり頭悪くない。


・フェアリーテイル

特徴的なリフがあるとか、歌メロが気持ちいいとか、そういう感じではないですが曲全体を通して雰囲気を出しています。
サビが盛り上がりそうで微妙に盛り上がらずに引いているところが、逆にしっとりした気分になれます。
仕事から帰ってきて、フラフラの身体でドスンとベッドに横たわり天井を見ながら聴く感じの曲です。

・フロンティア

ポップで柔らかいAメロからスタート。
軽やかで歌いやすいBメロに繋がり、相変わらずしっとりしたサビに至ります。
サビはしっとりしてるんですが、この曲の最後の方になると盛り上がりを感じさせてきます。

・デウス・マキナ

ちょっと面白い歌いだしから始まる曲。
歌メロはこのアルバムの中で一番面白いかもしれません。
大サビでボーカルにエフェクターが掛かっているところが聴き所です。

・水槽の中で

落ちついた感じの曲です。

悠久に管理されてく
小さい水槽の中
無限に膨張を続けてゆく
果てない閉じた世界

元ネタはMATRIXかな。
これもまたしっとりしたバラードです。
間奏に少しだけ入るアコースティックギターが綺麗です。
大サビはパワーバラードのような心地よさがあります。


***

全体的に、演奏がすごいとか、歌メロが面白いとかじゃなくて、しっとりして雰囲気を作ることに専念してる感じです。
詞の雰囲気や世界観に没入できるかどうかが、楽しく聴けるかどうかのキーになるので人を選ぶかもしれませんが、好きな人は好きになるでしょう。
また、世界観作り雰囲気作りをメインにしていると思われるので、こういう曲はライブで大音量で聴いて実際にその世界に呑み込まれてみないと、十分に楽しむことはできないかもしれませんね。


『SIN』

バベルの塔

「コロッケ行進曲」を思わせるイントロから、ノリやすいメロディーで始まります。
ギターソロは始まりがちょっと面白い感じ。
ポップで聴きやすい曲です。

砂の館

ミドルテンポの曲。
あまり起伏のない曲ですが、のんびり聴くことができます。
間奏とその後のサビの盛り上がりが巧いです。

・ソレイユ

サビで急にポップになる曲。
A→Bにあまり変化がないので、サビの変わりようにビックリします。
ABが、言ってしまえば単調なのは後半の盛り上がりに備えての配慮でしょうね。
巧く機能してると思います。
サビの後ろで鳴ってるやたら楽しそうなメロディーが面白いです。

・ロストガーデン

ミドルテンポで歌い上げる感じの曲。
終盤の

(Paradise lost …)
……夢を見た……
……鐘の音が……
……僕はいま……
……目覚めた……

に、最初期のラルカンシェルを感じました。


***

『アクアリウム』よりはポップ色が強いですが、やはり全体的にミドルテンポで歌い上げる感じの楽曲が多いので、一曲一曲を聴くというよりは、全体として雰囲気を作る感じのアルバムです。
まあ、コンセプトアルバムだからそういうもんなんでしょうけど。
ということで、やっぱりこれも、そのコンセプトにハマれるかどうかがポイント。
相変わらずセンスはヴィジュアル系なので、そっち系が好きな人なら良いかもです。
Meridian Rogueさんはメイクしたり、ヴィジュアル系みたいな衣装着ないみたいなので、「ヴィジュアル系の曲のセンスは好きだけど、メイクや衣装には付いていけないなあ」という人にはオルタネイティブとして良いのかもしれません。



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