●「永遠の法」レビュー(前編) |
宗教団体「幸福の科学」の映画「永遠の法」を見てきましたよ。 これは幸福の科学の総裁である大川隆法さんの同名書籍を元にした映画です。 その凄まじいストーリーをおおざっぱに紹介したいと思います。 *** 本作の主人公は高校生の星川隆太くん。 大川隆法先生と二文字かぶっていますね。 彼は友人のロベルト(ブラジル人)やパトリック(イギリス人)と共に、ニューヨークのエジソンミュージアムを訪れ、その展示品から不思議なイメージを受け取ります。 さらに、その帰り道に突然シャーマンから声をかけられ(この辺りから展開が唐突になってきます)、シャーマンを介してエジソンと接触。 エジソンから「霊界通信機」の設計法を受け取ります。 日本に帰った三人は、さっそく霊界通信機を作り始めます。 宗教系の学校に通っているヒロイン「夏瀬夕子」も加わり、ついに霊界通信機が完成。 夕子の祈りにより、霊界との交信にも成功します。 ちなみに、夕子が加えられた理由は「宗教系の学校に通っているなら霊界のことに詳しいだろう」というものです。すごい理屈だ。 ゴッド・イーグルという古代のシャーマンにより、霊界へ行くことになった主人公たち。 でも、どうすれば良いのかよくわかりません。 そこでヒロインが 「任せて! 私、宗教系の学校に通っているから、精神統一のやり方がわかるの!」 ……彼女は一体どういう学校に通っているのでしょうか。 とにかく、精神統一により主人公達は霊界へと旅立ったのです。 霊界では、死後の世界が描かれていきます。 まずは三途の川です。これは普通ですね。 しかし、その次が違います。 普通ならば、ここで閻魔大王の裁きが行われるところですが、霊界の近代化により、最近では「照魔シアターによる裁き」へと変わったのです。 照魔シアターとは映画館のようなもので、その人の人生や、その人が思ったことなどを、先に死んだ親族や知人の前で一生分映像公開されるという、ちょっとした拷問のようなシステムです。 中学二年生の時の青臭い思想や、オナニーしてる時に何を考えていたかなども、全て親や知り合いにバレてしまうわけです。 (上:先に死んだ人たちが○△×で評価) この評価次第で天国行きか地獄行きかが決まるのですが、「何を考えながらオナニーしているか」が親バレする時点でもう地獄だと思います。 では、まず天国の方を見ていきましょう。 天国の中でも一番レベルの低い天国が、五次元善人界です。 幸福の科学では、この次元の数字が大きいほどグレードが高いのです。 僕たちの考える、二次元、三次元、四次元とは一線を画する世界です。 五次元善人界は普通の町並みが並んでおり、人々が巨大カボチャを作ったり牧歌的に暮らしています。 なんでも、霊界では食事や睡眠は必要ないけれど、生前、農作業を生きがいにしてた人は霊界でも農作業をしているらしいのです。 仕事を生きがいとしていた職業軍人は、霊界でも軍人をやっているのでしょうか。 その次の天国が六次元光明界です。 この世界では、政治、経済、科学、教育、芸術、宗教などのリーダーたちが住んでいるといいます。 彼らは一緒に仲良く活動しているのですが、政治のリーダーたちや芸術のリーダーたちが一致団結とかできるものなのでしょうか。 トップレベルの芸術家って、すっごい偏屈なイメージがあるんだけど。 なお、ここの人たちはみな「人間や霊を生かしめている"大いなる光"の存在」を知っているらしいです。 次の天国、七次元菩薩界へ入るにはテストが必要となります。 10人の病人を無私無欲で介護するというもので、見返りを求める気持ちなどがあると菩薩界へは入れないのです。 主人公とヒロインは合格するものの、ロベルトとパトリックはここで脱落します。 七次元菩薩界に入った主人公とヒロインは別々の世界に達します。 主人公が到達した世界では、松下幸之助など有名な企業家たちが出迎えてくれます。 なんでも「正しい職業観を持ち、企業や経営で多くの人々を幸福にする」企業家はレベルの高い天国にいけるようです。 しかし、マルクスによれば資本主義は企業家による搾取なのですが、霊界的に資本主義はOKなんでしょうか。 実はマルクスは地獄に落ちてたりするんでしょうか。 一方、ヒロインが到達したのは女神達の世界でした。 ここではヘレンケラーやナイチンゲールがヒロインたちを迎えてくれます。 彼女達は高次元の女神らしいです。 なお、ヘレンケラーは天国では三重苦でもなんでもありません。 あれは現世に生まれる時にそういう設定をして行ったからだそうです。 そこで天使の仕事の内容が明かされます。 天使の仕事の一つには、死んだことを受け入れない霊を説得するというものがあるそうです。 (上:仕事中の天使) 右の天使「あなたはもう死んだのですよ」 真中の霊「うそだ! 俺はまだ死んじゃいない!」 左の天使「では、脈をとってみましょう。はい、止まってますねえ」 こうして、霊は自分が死んだことを自覚するようです。 そして、次に訪れたのが八次元如来界です。 八次元如来界にて主人公を迎えるのは、とうとうやってきました、エジソンです。 でも、変人偏屈列伝でクレイジーなエジソン像がこびりついている僕としては、エジソンが八次元ってのは納得いかないのですが……。 この人、ニコラテスラの発明を邪魔するために猫を殺したりしてるんですよね。 地獄に落ちてもいいんじゃないかなあ。 そんなエジソンさんですが、「霊界には一定の時間がなく、過去・現在・未来が一体化している。この理論を使い、30世紀頃タイムマシンを開発しようと思うんだ」とのことです。 がんばってくださいね。 では、後編では天国の対極にある地獄の存在、そして、八次元如来界のさらに上位に存在する九次元宇宙界を見ていきましょう。 つづく |
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