WJ37・38合併号感想 |
お盆を控えて、ジャンプも合併号。 作家先生もちょっとだけ夏休みに入りました。 まぁ、僕たちの冨樫先生には夏休みとか関係ないんですけどね。悪い意味で。 ☆☆☆サマーさまさま アッパレ4コママンガ!!☆☆☆ 暗闇にドッキリ並に素晴らしいネーミングの合併号企画。 このテの企画がくだらないことは、少し前にオールキャラクター海賊編で確認済みですが、しかし、今週は逆の意味でとても面白い作家が一人・・・・・・。 いうまでもなく、冨樫御大です。 前回の海賊のときも「ゴンです」と書かなければ分からないほどの適当絵を載っけていた冨樫御大。 今回も「オレにこんなモン描かせるなよ」という、やる気のなさがひしひしと伝わってきます。 でも、それが逆に面白い。既に冨樫先生が手を抜くことがネタになっている。 「夏休み」というタームを使いながらも、それを3コマ使って積極的に否定し、さらには4コマ目で編集部の企画をも否定します。 4コマ漫画として見るならば何のオチにもなっていませんが、編集部の「アイテム探し」を前提として考えるならば、とてもパンクな作品ですね。権威に逆らっている。 「アイテム探し・・・ィ?ガキの遊びになんか付き合ってられるかよ」という熱いメッセージが伝わってきますね。 隣のうすた先生が「アイテム探し」をちゃんとネタの中で昇華していることと対比すると、その男気がいやでも実感できます。 というわけで、皮肉じゃなくて冨樫先生のがいちばん面白かったです。ダントツで。 いや、たぶん狙ってますよ。これは。 それにしても、冨樫先生面白いなあ。画太郎先生に通じるものがある。 そして、澤井先生が意外と面白くなかったのが残念。 ☆☆☆ハンターハンター☆☆☆ 残念。 2週間も待たされた割には、期待していたほど面白くはなかったです。 別に何一つ全然悪くはないです。悪くはないんですけど・・・ お腹いっぱいになるような話ではなかったです。 戦闘シーンだから面白くなかったのか、と考えましたが、しかし、先々週も基本的に戦闘シーンでしたし、ゴン対ゲンスルーのような素晴らしい戦闘シーンもあるわけで、一概に戦ってるからつまらない、とはいえません。 それで、考えてみたんですけど、やはり、問題は内容が薄いからじゃないかと。 ゴンもキルアも既出の能力で、新しい敵と戦っただけで、その新しい敵はグラフィックも能力も目立つわけではなく、読み手の好奇心や想像力を掻き立てるようなものじゃなかった、というのが原因では無いかと思いました。 今週の話では、ゴン・キルはキメラアントの兵隊と比べて圧倒的に強い訳ではない、ということしか情報がなかったわけです。 しかし、こういう話も展開としては必要なわけですし、別にそれ自体にどうこう言うことはないのですが・・・・・・ 2週待たされて、次、また2週待たされる、その間にこういう話が当たってしまったのが、悲しいです。 ポックルさまの生死はいつ分かるのでしょう。(あと、ポンズも) 少し内容に触れると、カイトの言葉からして、あのモズさんに攻撃が効かなかったのは、単純に肉体の防御力が強いというよりは何かカラクリがあったようです。 ゴンの攻撃で効いてないとなると、今後のインフレも恐ろしいですしね。 やっぱり、このくらいしか触れることがない・・・・・・。 ☆☆☆ナルト☆☆☆ サスケの部屋の掛け軸には触れたほうが良いのでしょうか・・・。 サクラさんは何とかヒロインっぽく振舞おうと健気に努力していますが、如何せん彼女は影が薄いので、今週の話もあまり思うところがないですね。 僕の中でのサクラさんはその他大勢の一人なので(チョウジより影が薄い)、今週こんなにクローズアップされてること自体、違和感を感じてしまいます。 ☆☆☆テニ王☆☆☆ 本当にイヤな中学生ですね。赤也クン。 スピード試合に異常にこだわるのは、まあ、個人の勝手ですけど、負けたならともかく「倒すのに時間が掛かった」とかいって、一人で勝手にプライド傷ついて、目が赤くなって、相手の体を狙ったり。 訳が分からないです。 最近のテニプリは、爽やかな球技のはずのテニスをどれだけ陰湿に描けるか挑戦しているのでしょうか。 はたまた、モラルの伴わない若年者に分不相応なスキルを与えてはいけないという警告なのでしょうか。 あまり気は乗らないのですが、ナックルサーブはサーブ者が打ちにくいだけ、と突っ込んでおきますか。 ボールの回転数は、赤也クンがラケットで打った時点で普通に打った場合と変わらないと思います。たぶん。 というか、ナックルで放った時点でボールはしっかりと回転しているように見えるのですが・・・。 ナ、ナックルの意味が無いんじゃ・・・・・・。 ただ、野球でナックルボールをバットでジャストミートした場合、飛距離は伸びるらしいので、ナックルサーブは変化うんぬんは置いておいても、遠くに飛ぶのかもしれませんね。 サーブが、遠くに、飛ぶのかも、しれませんね。 ☆☆☆アイシールド21☆☆☆ リアル阿含 ↑この次のページは 「お前ならわかるな、尾田」 「……はい」 と、各自脳内変換しといて下さい。 わざわざ足を狙った阿含さんはやっぱり悪だと思いますが、それにしても、背中にあれだけ罵詈雑言を受ければ、まあ、少しはムカッとする人がいても当然。 そして、普通はムカッとしても素知らぬ顔で去っていくものですが、阿含さんのように、真面目に反撃する人も、まあ、稀には、いるかも。 つまり、口は災いの元、ということですね。 悪いのは、どちらかといえばあの少年。 少なくとも謝っていく義理はないなあ。 ☆☆☆ワンピース☆☆☆ 久しぶりにすごく面白いワンピース。 というか、僕は、ただ神とか好きなだけかも知れません。 疫病とか、神格化された大蛇とか、そこに現れた文明人とか、おまけに神殺しとか。 巧く描けていると思います。非常に。 とても面白い。 (今の)ノーランドさんの島が半分空に上がっていた謎解きとか、尾田先生は意外とバトルじゃなくって、こういうのを描かせた方が巧いのかもしれません・・・・・・。 それは錯覚な気もしますが、しまぶーはギャグよりも読切「トリコ」の方が遥かに良く出来ていたという前例もありますから、侮れません。 あと、ノーランド提督の締まりのない顔が、とても、いい。 ☆☆☆風天組☆☆☆ 何故か、この展開が「明稜帝」の剣道部の彼とダブるのですが・・・・・・僕だけでしょうか。 武器持ってますし。 キックスは順調に後ろに下がってきていますが、こちらはまだこんなところにあるのですね。 ☆☆☆武装練金☆☆☆ 相変わらずとても丁寧な漫画です。 驚くほどに。 実はアイシールドの次に丁寧な漫画かもしれません。 斗貴子さんの「雲に住んで霞でも食んで〜」からホームレスのイメージに繋げるなど、しっかり考えて対称させていることが分かります。 似顔絵を見せたときの、斗貴子さんと造物主のテンドンも良い。 この造物主の似顔絵反応以降、造物主こと蝶野さんが壊れてネタになっていく様子が普通に面白い。 和月先生が、パピヨンマスクが趣味悪いことを自覚していたことも、そして、パピヨンマスクには意味があったことも、良いです。 それらのネタからシリアスモードに入る流れも、然程不自然ではないのも良いです。 と、まあ、これらの軽いネタは和月先生は非常に丁寧に描いていて、とても好感が持てるのですが、その一方、話自体はいつになっても楽しくならないのが残念ですね。 しかし、話自体があまり面白くないとはいえ、読んでいて好印象を受ける漫画であるのも確か。 ジャンプには、読むことすら苦痛に近い漫画もありますから、個人的には十二分に及第点です。 打ち切りは回避して欲しいなあ。 このクオリティが保てるなら、だらだらと続けてくれてもいいと思います。 ・・・・・・他に切るものはいろいろあるだろうし。 ☆☆☆ネコマジンみけ☆☆☆ 職場の先輩で漫画描きの人が 「カネはあるし、描きたいときに漫画描けるし、鳥山明は本当に羨ましい」 といっていましたが、その鳥山明の久しぶりの漫画です。 本当に羨ましい立場の御仁ですよね。 しかし、そんな有閑貴族がへらへらと描いた漫画が、そこらの漫画より随分面白いから文句の付けようもないです。 今週のネコマジンも、本質的な問題は何一つ解決していないことが胸につかえるものの、それでも軽やかな読後感が気持ち良いです。 鳥山先生は肩の力を抜きまくっているので、もう鮮烈なカタルシスとかは期待出来ないのでしょうか。 なら、アラレちゃんを描いて欲しいです。もしくは、戦闘をしないドラゴンボールか。 月刊ジャンプの「ネコマジンZ」も何気に楽しみです。 ☆☆☆ブリーチ☆☆☆ 野良犬にしては、みなさん小奇麗な格好をしてますよね。 設定をすっかり忘れたのですが、流魂街で死んだらどこに行くのでしょうか。 ☆☆☆ミスフル☆☆☆ お、こちらにも乾先輩が出張ですか。 本編(テニプリ)で、どれだけ努力しても勝てない乾先輩を見ているので、妙高さんはきっとしょっぱいと思います。 しかし、こちらは乾先輩のように記憶しているわけではなく、コンピュータにメモリーしているようですね。 コンピュータを野球の試合に持ちこむのはアリなのかと思わなくも無いですが、「365歩のユウキ」という将棋漫画で全身にパソコンを巻きつけた男が、パソコンが爆発して火だるまになりながらも将棋を打っていたことを思いだし、何だかどうでも良くなりました。 ちなみに「365歩のユウキ」には中学生将棋大会にゴリラが出場します。 ☆☆☆十ニ傑新人漫画大賞☆☆☆ 許斐先生のありがたいお言葉はともかく、漫画家先生が僕たち読者の気にも止めないような、いろいろなことを考えながら描いているというのは本当なのでしょう。 ならば、先人の、尊敬する漫画家の構図などをトレースしたり、真似したりして、演出方法を学ぶのも大切なことだと思います。たとえ、それがプロになってからであっても。 でも、いくら尊敬しているからって、読者にもハッキリ分かるようなトレースはまずくないですか? しかも演出のみならず、ストーリーまで。 ・・・・・・ねぇ、冨樫先生? ☆☆☆黒猫☆☆☆ というわけで、冨樫先生に漫画をパクられることで有名な矢吹先生のBLACK CAT。 ちなみに、BLACK CAT信者の方は「ブラキャ」、信者ではなく冷静にBLACK CATを愛でている人は「黒猫」、あまりの敬愛ぶりに逆にけなすことでBLACK CATを称えようとする歪んだ愛の方々は「糞猫」と呼ぶらしいですね。 まあ、どちらにしろ三者ともBLACK CATが大好きなことには変わりありません。 閑話休題。 さて。 今週の黒猫ですが、また、素晴らしい展開ですね。 なんと!先週打ち破ったはずのセツキさんが甦ったのです!! いや、しかし、これが普通の漫画であれば、僕たち読者は 「あぁ〜、せっかく先週それなりにカタルシスある終わり方したのに、安易にホイホイ生き返ったよー。バカだなあ。先週ので終わらせとけば良かったのに〜〜」 と思うところですが、黒猫では、そうはなりません。 なぜなら、僕たちはセツキさんが甦ることを知っていたからです。 そう、論理的に考えれば、セツキさんが甦るのは当然のことなのです。 というのも、みなさんご存知の通り、主人公トレインには不殺(ころさず)という大切なお約束があるのです。 セツキさんは、虫とはいえ主への忠誠心は称えるべきもので、たとえ見た目が人外とはいえ、もちろん不殺の枠内に入るものです。 先週、レールガンをゼロ距離射撃したのも 「ゼロ距離射撃してもだいじょうぶ、セツキは甦るからね」 という、トレインの深い考えがあってのことだったのです。 つまり、トレインは先週の攻撃でセツキを倒す気はなかったのです!! 僕たちは当然先週の時点で、ここまでの展開は分かっていました。 むしろ、ここでセツキさんが死んだままだと「トレインが敵を殺した!矢吹先生が自分の設定を忘れてしまった!」と、慌てなければならないところでした。 しかし、全能たる矢吹先生は決してそんなミスを犯すことはありません。 普通の作家であれば「しょっぱい展開だなあ」と思うところも、矢吹先生であれば、それが何よりも合理的で読者の期待通りの展開なのです。 矢吹先生は偉大です。 そして、先週まで紳士的にシキ本人を狙わなかったトレインですが、今週では本体を叩くべくシキさまを狙います。 しかし、これも決して命惜しさに紳士のプライドを忘れ、ただ勝利を欲したというわけではなく、これもやはり合理的な説明ができ・・・・・・ え、えーと・・・・・・・ あ、ああ〜〜〜〜〜 ん、クッ、むむ・・・・・・ ・・・・・・・・・・(沈黙)・・・・・・・・・ あ、ああ、そうです、ハイ。 えっと、シキさまも自ら仰っている通り、シキさまは実はセツキよりも強いのです。 トレインはセツキとの死闘の最中にも、その事実に気付いたのです。 そして、トレインは「より強い相手と戦いたい」と思い、また、「先にシキを倒せば、セツキは消える。セツキという忠義者に無駄な手傷を負わせなくて済む」と考えたのでしょう。 生死を賭けた戦場にありながら、より強い相手を求める、なんという克己心。 そして、戦闘の最中にありながらも相手を思いやる、心のゆとり。 今週の黒猫は、先週まで標的にもしていなかったシキさまを狙う、という、たったそれだけの描写で、主人公トレインの溢れる魅力を読者に知らしめているのです。 なんという、深い演出技術でしょうか。流石は矢吹先生。桁違いです。 矢吹先生は偉大です。 矢吹先生は偉大です。 |
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