WJ47号感想

冨樫先生ってすごいなあ。


☆☆☆ハンターハンター☆☆☆

すごいですね。
昨日の朝、会社に行く電車の中で隣の席の人がジャンプを読んでいたのです。
そして、丁度ハンターハンターのページを見ていて、僕は迂闊にもその1コマ、キルアの「おそらくカイト一人なら…」が目に入ってしまったのです
僕は咄嗟に目を逸らしましたが、しかし、その1コマが気になって気になって、仕事が手につかなかったくらいです。
たった1コマで仕事も手につかず。すごい漫画ですね。

で、今週の感想ですが、まず表紙での念能力の解説。
意外な出だしに一体何が起こったのかと、ビクビクしながら次のページを開けてみて納得。
……なァんだ。ぽっくりゃが拷問されてたのかァ。


ポックル、死んでるじゃないですか!!


いや、甘かったです。自分。
冨樫先生、すげェよ。すごいですよ。
これほど好感度の高いキャラクターを、今後どうとでも使えそうなキャラクターを、こんな形であっさりサクサクと殺してしまうなんて。
しかも、すごくグロイぃ…。
ポックルも、善戦したり、解毒剤を隠し持っていたり、手を尽くしていたので、「いや、ここまでやってんだから、何とか救出されるんだろ」くらいに思ってたんですが・・・いや、甘かった、ですね・・・。

ここから翻って言うと、ぽっくりゃの相方であるポンズ嬢の死亡も確定しました
今週ポックルが死ぬまでは、撃ち殺されてハラワタ弄られてたのは別の村人かなんかだという可能性もあったのですが・・・
確信しました。
冨樫先生は自分のキャラクターに未練はないのです。
ぽっくりゃを殺してまでポンズ嬢を生かしておく道理も有りません。
残念!ポンズ嬢死亡です。
死亡確認です(by王大人)

そして、今週名が明らかになった猫娘ことネフェルピトー
カイトの「化け物だ」以降の流れが、とても衝撃的でした。
これはまるでクラピカの護衛団が初めてウボーを見たときのような構図ですね。
まさかパーティ最大の戦力であるカイトがこんな形で、こんなところで脱落するとは。
僕はキメラアント編は、師団長あたりがゴンキルと互角、軍団長3人がカイトと互角、それで軍団長は3人いるから、ゴンキルがボマー戦のようになんとか知恵を絞って軍団長の1人くらいを倒すような、そんな展開を思い描いていたのですが・・・

冨樫先生は読者の予想を軽々と超えていきます…。
今週、カイトのとんでもない劣勢を描くことで、キメラアント編がすごく緊張感に溢れるものになった気がします。
カイトが敗れる=世界レベルの危機、というイメージに直結しますから。
今回の危機に比べれば、そのスケールの大きさからして、旅団編もGI編もどうでもいい些細な出来事のような気さえしてくるくらいです。

というのは、おそらく現在のハンターたちの中でも超一流の戦闘力を有するカイトがこれだからです。
こんなレベルの軍団長が計3人もいるわけです。
オマケに師団長、兵隊長も念を修得してしまいますし…
人間側はどうにもこうにも分が悪すぎるように見えます。
これでは、どうやっても事態が収束するようには思えないのですが。

しかし、これだけキメラアント側が強大だと、今後旅団の登場を期待できる、というのはあります。
いや、まあ高い確率でこの期待は裏切られるのでしょうけど。
ですが、カイトレベルのハンターがタイマンで太刀打ちできないとなると、カイトと同じレベルの実力者たちが策を練って連携プレーで戦わなければならないってことですよね。
その条件を満たしている集団としては旅団は適切ではないかと思うのです。
被害がNGLの外にまで及んだ場合、世界レベルの危機ですから、ハンター協会も犯罪者である旅団の力すら借りようとするのではないでしょうか。
NGLの外に出た場合は、逆にキメラアント側が優秀な念能力者を捕食にかかる可能性もあり、それで旅団と軍団長たちが邂逅することもありそうです。
また、同じ方向性でゾルディック家へ女王の暗殺依頼がされるかもしれません(彼らは相手が誰であれ断らない主義ですし)

他に考えられるのは、キメラアント側との和解でしょうか。
王が理知的で、かつ女王が死んでしまえば、その方向もありうるかと思います。
キメラアントたちは好戦的で人肉嗜好ですが、知性はありますし。
軍団長3人が多すぎるのであれば、うち1人か2人は内輪もめなどで死ぬというのもありますが、ラモットがネフェルピトーに見せた忠誠心を考えれば、軍団長レベルでそれはないような気もします。

どうでもいい話ですが、ザザン姐さんもラモットに殴られて「ふぐぁ」とか言ってたんですかね。
想像しにくい。
もうひとつどうでもいい話ですが、380Pの「これからはネフェルピトーって呼んでね」のコマが、高橋葉介先生を強く喚起させられるのですが、僕だけでしょうか。(高橋葉介先生=チャンピオンで「学校怪談」を描いてた絵の濃ゆい人)


☆☆☆アイシールド☆☆☆

まもり「苦ぁ…なんでコーヒーブラックで飲めるんだろ、あの2人」

なんとも控えめな萌え描写ですね。
無意味に人魚になったり羽が生えたりする、狙いのあからさまな某漫画とは大違いです。
あ、某いちごはもう別格ですよ。
あれは萌えじゃない。エロです。


☆☆☆ナウアンドゼン☆☆☆

タトゥーハーツの先生の読切と知った瞬間、読むのを止めようかと思いましたが、がんばって読みました。

とりあえず、最近、京極夏彦の『鉄鼠の檻』を読んでについて知ったかぶってる僕は
「座禅は集中力を養う修行じゃない」
とツッコミたいところですが、じゃあ何だと言われると答えられないので止めておきます。
しかし、そもそも座禅は集中して行うものだというのが、何だかおかしな話ですよね。
大体何に集中するのでしょうか。
外部の雑音や、心に浮かぶよしなしごとを集中力によって排したとして、では、何に集中するのでしょう。
集中する対象は「空」ですか?
それを人は集中と呼ぶのですかね。
「集中する」という意識的手段をもって、「心を空にする」という目的は達せられないと思います。

・・・と、こんなところで禅について語っていても仕方ないのです。
閑話休題。

―で、本編ですが、やっぱり時間の概念があからさまにおかしいですね。
しかし、DIOの「ザ・ワールド」や、プッチ神父の「ステアウェイ・トゥー・ヘブン」に対し言及しなかったのに、これだけにつっこむのもアンフェアというものでしょう。
それに神撫手などと違い、この程度ならギリギリ騙されてあげたいレベルでもあります。
そして、この点は少々引っ掛かるものの、全体的には悪い作品ではなかったと思います。


☆☆☆神撫手☆☆☆

面白かったです。
冒頭2コマ目で、新キャラがどこを見ているのか分からないような上目遣いをしているのが、妙に間抜けで、この絵だけでかなり笑えました。
本当にどこ見てんだか。

で、このページだけ何か間違ったのかと思ったら、次のページの青龍刀を作り出すシーンでもやっぱり上目遣い・・・
だめだ、腹痛い。面白すぎる。
やばいです。作者、確信犯です。

250Pでも常時上見てるし。
新キャラの目付きが面白すぎて、今週のトンデモな展開に触れる余裕がありません。
ああ、2ちゃんの評価が愉しみだ。


☆☆☆サソリ☆☆☆

神撫手に比べれば、羅刹腕の説明でさえホッと胸を撫で下ろしてしまいます。
実在しない植物を使っているのがイイですね。
漫画ということで、フィクションということで、ちゃんと一線が引けます。
読者の側にも積極的に騙されようという心構えができます。
与えられもしないリアリティを無駄に狙わないで欲しいですね。ナノマシンとか、ナノマシンとか。


☆☆☆遊戯王☆☆☆

相変わらず、どうしてこの漫画のキャラクターたちは、相手の手札に対してこうも無知なのでしょう。
マシュマロンなんて、カルドセプトでいえば「アンシーン」や「デコイ」でしょう?
一流の防御クリーチャーじゃないですか。
しかもマシュマロンは表側表示だから、バクラも説明文を読めたはず
現に先週僕は読んでましたよ。バクラも何も考えずに攻撃してちゃダメじゃないですか。
あんたら本当に一流デュエリストなんですか?

そして、バクラの
「何!!奇妙なメガネによってザコしか見えなくなるだと!!」

いいですね、この不可解極まる説明テキスト。
遊戯が「マシュマロンのメガネ」といっているのに、わざわざ「奇妙なメガネ」と言い換えるあたり珍妙です。


☆☆☆こち亀☆☆☆

不動産を当てるだけの軍資金が残っていたなら、白鳥はそれほど貧乏じゃなかったんじゃ・・・。

最近の風潮からして、「こち亀おもしろい」というのにはそれなりのリスクが付きまとうのですが、いわざるを得ないでしょう。
今週のこち亀は素晴らしい出来だった、と。
ゲパルトの「バカの最高峰だね」からラストまでクスクス笑いながら読めました。


☆☆☆ミスフル☆☆☆

い、一人称が朕・・・。
ついにここまで来たか・・・。


☆☆☆黒猫☆☆☆

職場の先輩が言いました。
自分は黒猫紳士ではないが、それにしても今週のフドウとムンドックは紳士だったと思う――と。

確かにその通りでした。
今週のフドウとムンドックさんはたまらなく紳士的でした。
リバーに大ダメージを与えていながら、あえて止めを刺さず、トレインとイブを追う二人。
「逃がさんぞォォ」「ぬぁは!!」のコマの二人の表情が語っています。
フドウ「リバー君。キミとの勝負は既についた。命まで落とすことはない」
ムンドック「オラたちは命の奪い合いまでしたいわけではねえだ。だって、オラたちは掃除屋だっぺ」
と。
バーサーカーにより、理性を失い、破壊衝動だけの完全な戦闘マシーンになったにも関わらず敗者に止めを刺そうとしない二人の姿勢に、多くの読者は胸を打たれたことでしょう。
彼らはたとえ心を失おうと、その紳士的気質は既に肉体の一部とまでなっており、どのような精神支配にも彼らの紳士魂は揺るがないのです。
さすがは紳士漫画の最高峰「BLACK CAT」です。
紳士を描かせれば矢吹先生の斜め右に出るものはおりません!!

他にも、今週は見所がたくさんありました。
まずは、何はさておきリバーがアバラの傷について言及していることを触れねばなりません。
あまり「BLACK CAT」を深く読みこんでいない読者の方は不思議に思われるかもしれません。
なぜ、リバーが己の傷を気にするシーン言及するほどのものなのか、と。

お答えしましょう。
それは、リバーが矢吹先生の創作したまったく新しいヒーロー特性を備えているからです。
リバーは先のムシ公ことセツキ戦において、セツキによりアバラの骨を折る重症を負いました。
するとどうでしょう。
驚くことに、それまではセツキに対して手も足も出なかったリバーが、なんとセツキ相手に善戦できるほどまでパワーアップしたのです。
なぜ、リバーはこれほどまで短期間で急激なレベルアップをしたのでしょうか。
いうまでもありません。

リバーがアバラを折ったからです。

リバーはアバラを折らなければ全力が出せないという、矢吹先生の創作した全く新しいオリジナリティ溢れるキャラクターなのです。

ですから、今週のシーン。
知らない人から見たら、これは単にリバーが己の傷を気にするシーンですが、実際は

一般的視点「くそ・・・ムシ公に折られたアバラに・・・ひびくぜ・・・!!」

この「・・・」の部分で省略されているはずの文章を補って読まなければならないのです。
一般的な読者はその作業を怠って(もしくは気付かずに)読んでしまうため、矢吹先生の創作する崇高なキャラクター性が理解できず、うっかり「黒猫はキャラクターの薄っぺらいクソ漫画」と思いこんでしまうのです。誤解も甚だしいですね。
ですから、今週のこのコマはこのように読み解くのが正解です。

黒猫紳士的視点くそ力。ムシ公に折られたアバラによって、オレの火事場のクソ力が発揮され、オレの心にひびくぜ。お前を倒せと轟き叫ぶぜ!!

これが正解です。
このシーンはリバーが己の傷を気にしているわけではなく、アバラを折られたことにより発揮される真の力を再確認しているシーンなのです。

もちろん言うまでもない事ですが、258P「ズギン!」も、アバラの痛みがリバーを襲うシーンではありません。
これは折れたアバラから真の力が流れだし、リバーが覚醒するシーンです。
お間違えの無いように、正確に矢吹先生の意図を読み取りましょう。
それが僕たちBLACK CATファンの責務というものです。
それにしても、「アバラが折れると真の力を発揮する」という斬新過ぎるキャラクターを描いた矢吹先生は本当に偉大ですね。
ミスター・オリジナリティと呼び奉りたいです。

さらに、今週の山場。
ケビンがイヴの前で命を落とすシーンです。
すごいですね。さすがは矢吹先生です。
クリードアイランドにおいて、かなりの重要キャラクターであったはずのケビンを殺しながらも、読者に何らの悲しさや寂寥感やショックを与えませんでした
むしろ僕などはケビンの死に顔やその展開に、腹を抱えてゲラゲラと笑ってしまったくらいです。
おそらく、矢吹先生は本来娯楽である漫画を読むことで、読者が悲しい気分になったりするのを避けたかったのでしょう。
いくらでもケビンの死を劇的に悲愴に描く力量を持っていながら、読者の感情を慮るあまり、このような稚拙チープな、仮にも人が死んでるというのにむしろ笑いが出てしまうような描写をなさったのだと思われます。
ケビンの死に顔が、いまにも「〜〜アルよ!」と言い出しそうな中国人顔であることや、クチから流れた血がサンダーバードの人形のように見えることなども、全て読者を悲しませないため深い配慮なのです。

まったく、読者のことを常に第一に考える矢吹先生を見習って欲しいですね。
ほら、誰とはいいませんが、あのパクリ漫画家ですよ。いつも矢吹先生をパクってる、アレ。
しかも今週は矢吹先生の死の描写に当てつけるかのように、ショッキング衝撃的で読者に深い印象多くの感慨を引き起こすような死の描写を描いた某漫画家のことです。
あんな描写を見せられたものだから、僕のような心の弱い人間は、そのキャラクターの思いがけない突然の死に茫然自失となり、もうそのキャラクターが活躍しない、今後は描かれることもないという、その現実に直面し、まるで本当に人が死んだかのような感慨を持ってしまいました。
それに比べ、ケビンの場合は、全く悲しみを覚えないし、今後ケビンが出てこないこととか活躍しないこととかに対しても、何一つ未練も執着も無く、むしろケビンの死に際し笑いが出てしまったわけです。
漫画家としてどちらが優れているのか、どちらの死の描写が勝っているのか、いうまでもなく一目瞭然ですね。

矢吹先生です。

矢吹先生は偉大です。
矢吹先生は偉大です。



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