WJ10号感想

来週からテニス復活。しかし、再来週からハンター長期休載のようです。
なんかこんな展開になると、「もしかして冨樫先生と許斐先生は同一人物?」なんて思っちゃいます。
入れ替わりだし、二人ともオーラを用いた能力バトル描いてるし。


☆☆☆ハンター☆☆☆

・「我々にとって最も怖いのは」
ここらへんが流石は冨樫先生。
読者的にはあの凶悪な王+護衛軍に、勝てる寸法というのがなかなか見出せず、彼らを圧倒的強者として捉えているにも関わらず、そんな彼らの中にも「怖い」と感じる脆さがある。
冨樫先生は敵組織が抱えるリスクを描くんですよね。
思えば旅団もボマーも常にリスクを抱えつつ行動してました。
敵組織のリスクを描くことで、読者は敵に感情移入できるのだと思います。

あと、あれですね。
ハンターの敵組織は敵対する相手には残忍でも、仲間内では仲がいいんです。
王と護衛軍の関係は微妙(護衛軍からの一方通行)だけど、旅団とボマーは仲良かったし。
てことは、敵組織ってのは「とにかく強い」「同時に脆い」「仲がいい」と、この3つの条件を満たしておけば魅力的になるのでしょうか。

・「王が我々の目の届かない場所へ連れ去られること」
おそらく王は護衛軍よりも強いと思うのですが、それでもなお、王が単独になることを怖れています。
念の戦闘に100%はない、というハンター世界の念能力設定を如実に表した一言だと思います。
例え王が単独の状況で敵に囲まれたとて、95%以上の確率で単独自力脱出可能だと護衛軍も考えているでしょう。
しかし、なお残り5%を怖れているのです。
あれほどの強者たちが。
能力バトルというのは、それだけ先の読めない恐ろしいものであり、だからこそ様々な状況に対応するため、護衛軍は側にいなければいけないのです。

だから、能力バトルってのは、本来みんなこのくらい恐れてしかるべきなんですよ。
なんか敵の能力如何に関わらず「まあ勝てるだろう」みたいな謎の自信を持ってる人が多いですけど。
特にブリーチに多い気がします。

・ピトーの円
「ピトーの円っていくらなんでも広すぎじゃね?」と多くの読者が思ってたことですが、その謎も判明。
アメーバみたいに伸びるみたいです。
ずいぶん都合の良い円ですが、特質系だからそれもアリでしょう。
丸くないから「円」じゃないけどね。
どうしょうもないくらい強そうなイメージのあった護衛軍を、まろやかーに無理なくレベルダウンさせてる感じがします。
直接対決に当たっては、ピトーの発が戦闘向きじゃないってのも重要ですね。
それでもまだ、ピトーは十分な強さのイメージですけど。

・「何かあればすぐ対処しろ」
王が優しいです。
コムギを気にかけただけではなく、ピトーに対し何ら責を追求しませんでした。
昔の彼は「なんかムカつくから」という理由で、ピトーを殴るには十分だったはずです。
ここは、ピトー殴られても不思議じゃないところですよ。
やっぱ王もまろやかになっていってるんですかね。


☆☆☆ワンピース☆☆☆

・「いつか私を裏切って捨てるに決まってる!!!」
尾田先生グッジョブ!
ルフィ側に意地でも帰ろうとしないロビンの心情が、今週でばっちり説明されました。
というのも、今までは

「バスターコールって怖くないじゃん」
        ↓
「なのになんでロビンは逃げるの?」
        ↓
「てか、お前、ここまで仲間来てるんだから素直に一緒に帰れよ!」

という感じで、これがロビンの「仲間を助けたい」という心情から発生した行動であれば、いまいち理解できなかったんですよね。
海列車でサンジたちに一度助けられた時もそうでしたが、ロビンの「意地でも自分を犠牲にしよう」という行動がルフィたちにピンチを招くこともしばしば。
これではロビンは頭が悪い子になるところでした。

しかし今週で、ロビンの行動は「仲間のため」よりもむしろ「いつか捨てられる自分を憐れんで」の行動だと分かり、全てに合点がいったわけです。
ロビンの行動は仲間のための自己犠牲精神というよりも、むしろやけっぱちの自殺行為だったのですね。
さらに「どんなに気のいいあなた達だって」の台詞で、ロビンが彼らとの思い出を美しいままに死のうとしていることも分かり悲壮感もばっちりです。

ここまで描いたからこそ、ルフィたちの「それでも仲間を見捨てない」という、主人公としてはいわば当たり前の行動が十分な意味を持ってきます。
ロビン逃亡関連の一連の描写は、今週で完全に補完されたと思います。
すごいよ、尾田先生。

後はCP9戦を短く描くだけ!がんばって、尾田先生!
無理だと思うけど頑張って下さい!
一戦一戦をブルーノ戦くらいの長さに抑えるだけでいいんだけどなぁ……。無理なんだろうなぁ……。

・今週の最優秀賞
「雑用でメシくらい食わせてやらァ」の船長さん。
回想編で一番重要なのはここの4コマですね。
現在において、なぜロビンがルフィの下を去ったのか、この4コマと今週のルフィたちの対比が一番分かりやすい。
思うに、この船長さんも(海賊ということは置いといて)基本的には良い人なんでしょうね。
それでも、海軍本部が強襲をかけるという非常事態に直面し、ロビンを庇うほどの器量はなかった。
「どちらかといえば善良な人間」を配置し、その「善良さ」が崩れる瞬間を描いてるわけで実にリアルです。
根っから極悪な人間が悪いことをするのはリアルではないんですよ(そういう人も実際にいるけど)。
そして、この船長さんとの対比でルフィの「大物の器量」を描く。
この描写はとてもナイスだと思いました。

・今週の敢闘賞
何がどう変わっても、いまいち戦闘要員とはみなしにくいウソップことそげキング。
彼に活躍の機会として、海軍の象徴である旗を撃ち抜かせたのはGJ。
ウソップの正しい使い方だと思いました。
彼にガチバトルは似合わないよ。


☆☆☆アイシールド☆☆☆

わざわざ栗田の入学を邪魔するためだけにスポーツ推薦枠を使った阿含は確かに性格悪いと思うけど、でもこれはどうこう言えることじゃないと思います。
勉強してない栗田が悪い。
所詮、この世は実力社会です。
例えばの話ですが、仮に阿含が神龍寺ナーガに何がなんでもどうしても入りたかったとして、普通に受験しても99%受かるけど残りの1%がどうしても不安でスポーツ推薦枠を使った、となれば、これは誰も文句は言えないでしょう。
今回の件は動機は違えど、とにかく栗田は阿含に実力で枠を奪われたわけです。しかも、元々ヒル魔に捻じ込んでもらったものだし。
だから、あんまり文句言えることじゃないと思いました。

まあ、入学する気満々でおあずけ食らったのだから、悲しい気持ちになるのも分かるけど、阿含との確執という点ではあまり良い表現ではない気がしました。
それよりも阿含の「いらねーよテメーらなんか」の方が重要っぽい。
阿含の孤独とかが、ここから展開していくんですかね。


☆☆☆ブリーチ☆☆☆

・大儀
うーん、大儀というなら、今回のグリムジョーさんの行動は「藍染様が大切」っていう大儀に基づいたもののような気がするんですが。
将来強くなるかもしれない敵がいるので、早いうちに何とかしておこうとグリムジョーさんは思ったわけで(その割には一護とはうだうだ戦ってたけど)「御しがたい程の忠誠心の表れ」ってのはその通りだと思うなあ。
そりゃ僕たちは漫画読んでる読者だから「殺せる時に主人公殺しとけよ」と当然思うわけで、実際のキャラクターたちがどう考えてるかは全く別なんだろうけど、やっぱり共感できるのはグリムジョーさんになっちゃうわけです。

・「所詮はギリアンだ」
ええええ、ギリアンってすごく大きいんじゃなかったんですか。
だから大虚っていわれてるのにー。
あれが面を破ったら、あんな人型サイズまで小さくなって知性も持つってことですか?
おいおい、なんだそりゃ。
僕なんかは、こないだ敗れた破面はみんなヴァストローデだと思って読んでたのに。なんだかなー。
これ、後付じゃないのー?

・「十刃が完成すれば」
あ、まだ出来てなかったんだ。
ていうか、10にこだわる必要もないような。
11でも12でもいいじゃん。

・どうでもいい話ですが
死神って性欲ないんですかねえ……。
でも結婚してる人もいるし、性欲ないわけじゃないと思うんだけど。
というのは、藍染さんは野郎どもからはモテモテですけど、こっちに来てから全く女っけがないんですよ。
そういうの全然平気なのかな。
僕ならこんな空間いやだけど。

そういえば藍染さんの最終目標って死神の虚化ですよね。
で、これってたぶん「オラ、すっげー強くなってやるぞ」くらいの意味だと思うんですけど、彼はもしかすると一途に強さだけを追い求める求道者のような人なのでしょうか。
とりあえず彼はオーガに勝つことを目標にすると良いと思います。


☆☆☆メゾン・ド・ペンギンプレビュー4コマ☆☆☆

やっぱり面白いよ、バカ彦くん!


☆☆☆こち亀☆☆☆

・扉「私、本日もがんばって仕事します」
両さんの宣言とは裏腹に、酷い手抜きの今週の扉絵。
本当に酷い。
何も面白くないです、なんだこれ。
かといって、これが何か作品のムードを生み出しているかといえば、そんなことも決してない。
この扉の意味が分かりません。

・日光月光
彼女たちが出てきた時点で、酷い話になることを覚悟しなければなりません。
しかし、彼女たちの出番が少なかったので、今回は傷も浅かったか。
でも決して面白くないです。
これ、単に金持ちの息女たちの学園生活をオーバーに脚色しただけで、中川の子供時代を描いても変わらない気がします。
それに、これでも中川に比べると控えめだしね。
なんたって大学までで一人2億しか掛かってないのですから。
金持ちの方向でオーバーなのは、中川・麗子が担当してるのだから、この学園はどうも中途半端な位置づけです。

あと、テレビのレポーターやタレントが騒ぐのはそれが仕事だからで、彼女たちもプライベートじゃ騒がないんですけどね。
秋本先生も当然分かってるんだろうけど、子供騙しにしてもなんか微妙。


☆☆☆ムヒョ☆☆☆

・ドゥアトの槍
見た目、小型ミサイル一発程度?
うーん、そりゃまあスゴイっちゃスゴイんですけど、なんか冥王にしては中途半端な威力のような……。
破壊力だけを見ると、ウボォーギンなら勝てそうな気もします。
地球防衛軍2の陸戦隊は、みんなこの程度の火力持ち歩いてますし。

・「この数百年、私のこの姿を見た者は怖れおののき逃げ出した。私の怒りを買い、死んだ者もいた」
ああ……ビビって逃げ出したり、怒りを買って殺される魔法律家の姿が目に浮かぶようです……。
今回のムヒョの勝因は、この数百年の魔法律家たちがあまりにうんこだったため、冥王の魔法律家に対する過小評価が極まっていたということもあるかもしれません。
これがあと数百年続いたら、もしかして呼び出しただけで「まさかこのワシを呼び出すとは!なんたる勇気!」とかいって、登録してくれたかもしれませんね。

・「いずれわかる。黙っとけ」「よかろう…よく分かった」
一体冥王様は何が分かったんだろう。
この会話からはムヒョが生意気なことしか分からないと思うのですが。

・「くそっ、足がうまく――こんな時に……!」
十分にその名を落とした後、さらに己の株を下げようとするペイジさん。

・「私は…平気です……それより」
「それより今回の件はどう責任を取るつもりなんですか。手違いでしたじゃすみませんよ。何人の人間が死にかけたと思ってるんですか。これだけ危険な特訓を組んだのだから、それ以外のイレギュラーを全て排除するのがあなたの仕事でしょう。それなのに何でブイヨセンが入ってるんですか。聞いてませんよ。ふざけないで下さい、あなたのような人間にはもう付いていけません」
と、このくらいのことを一息にまくしたてる権利が今井さんにはあるのに、なにこの反応?
ペイジさんに褒められたって彼らはきっと嬉しくないよ。
エビスさんは元気だったら絶対グーパンしてるよ。

・川の字になって寝てる
なんか、仲良さそうだなあ、ロージーとブイヨセン。

・「大きな成功が人を正しい道に進めるとは限らんが」
全くその通りですね。
とりあえず、今回の合宿参加メンバーで、力を得つつも協会に反旗を翻す人間が出てきたら、それは全てペイジさんのせいだと思います。

・「『魔弓』の刑に処す」
魔法律執行の正確さがどの程度か分からないんですが、こんなすぐ横にロージーが寝てて、躊躇なく放っていいくらい正確なんでしょうか。
執行するのは悪名高き魔法律家ですよ。
狙いが逸れるなど、当然起こってしかるべきミスです。
だから、これは危険です。ハラハラドキドキのシーンです。

・「さてさて、では――君の上司に連絡するかね」
「あの、ムヒョさん。本当にすいません。いや、こんなハズじゃなかったんですけどね。あ、いや、申し訳ありません。反省は、もちろんしております。ただ、私のせいではなく、今回エミリーの不注意で……あ、ああ、いや、あの、そういう意味ではなくてですね、その、私ももちろん監督官として反省は重々重ねておりまして、ただ、今回はロージーさんも無事だったということで、なんとか……あ、いやホントにすいません」

↑とりあえず、こんな感じで平謝りに謝るところから始めるべきですよね。思いっきり人災ですから、今回のは。


☆☆☆ディグレ☆☆☆

・リナリーのイノセンス
まあ、ランダムエンカウントくらいで主人公レギュラーが死ぬわけないですか。
それにしても、本当に良く出来たイノセンスです。
エシを確実に倒した後に、持ち主を守るため結晶化するなんて素晴らしいですね。
さらに、頭髪がショートカットで不都合がない程度のところで、かつ、インナーが焼けない程度のところを見計らって結晶化してるのもすごいです。


☆☆☆ネウロ☆☆☆

結論:弥子さんはショートにすればいい

↑前回の感想


ああああああああ、ちょっと誰か突っ込んでくださいよ。
弥子さん、元々ショートじゃん!
ほんの2週髪が伸びただけで、完全にボケてましたorz


☆☆☆ツギハギ漂流作家☆☆☆

何もかも良くないけど、世界観だけいいと思いました。
文化人類学が何よりも大好きな国家ってなんだって感じですが。
これは僕たちの状況に置き換えてみると分かりやすいですが、たとえ、火星に原始生命体が存在したとしても、それ関連の本が95%を占めるとかないですよね。
もし、知的生命体(宇宙人)を発見したとしても95はいかないでしょう。
この国の国民たちは、ものすごーく文化人類学に興味がある変わった人たち(もしくは変わったブームの真っ只中)なのです。
まあ、そんなことはこの漫画を鑑賞するわけで毒にも薬にもなりませんから、どうでも良いのですが。

あと、これって作家じゃなくて人類学者ですよね。
本を書く人=作家なら、本を出した人類学者も作家で間違いありませんけど。

それにしても主人公に魅力がありません。
ルックス、武器、性格、どれを取ってもパッとせず、今後の冒険にも何ら期待が持てません。
ただ、「これならもて王は大丈夫そうだ」と安堵したのも事実です。
なんだかなあ。

・表紙
なんなんだろう、この絵は。
よく分からないけど、なんだかすごくマヌケです。
彼は何をしているんだろう。
欽ちゃん飛びなのかな?
僕的には、彼の足元に小さな村人がいて逃げ惑ってて、主人公が「待てぇ〜!こわっぱどもー!」といって追いかけてると、すごくマッチします。
妖怪ですね、妖怪。

・漂流作家
なんか泥棒作家を強く連想しました。
ジャン=ジュネ。小説も書ける泥棒さん。

これ、漂流なのはどうかと思うな。
漂流も泥棒もマイナスイメージだもの。
連想しちゃうよ。
彼らがやってることは明らかに冒険なのだけど、冒険作家ではインパクトが薄いと考えたのでしょうか。
でも漂流作家だと「4月5日。今日も遠くの方に船影が見えた。私は力なく手を振ったが、やはり反応してはもらえなかった。これも幻覚なのだろうか。雨水ももう底を尽きた」みたいな、そんなことばっか書いてそう。


ふと思ったけど、泥棒作家なんかより先に漂流教室を連想すべきですね。

「200X年、芥川賞授賞式の席で会場は突然の大地震に見舞われた。外を見回すと、周りは荒れ果てた荒野。狼狽する作家たち。一人毅然とした表情で立つ芥川賞作家、高松翔。『僕たちは選ばれたのかもしれない!』 だが、芥川賞ノミネート作家、関谷が包丁を手に給食室に立てこもった!!!!」

うん、ごめんなさい……。



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