週刊少年ジャンプ42号感想




拙著「完全HIPHOPマニュアル」は好評かどうか分からないけど、とにかく発売中ですが、お買い上げ頂いたみなさんゲームブックやってますー?
なんか「やってねえんじゃねえかな」と、すごく心配なんですが、やって下さいねプリーズ。
常に新しいことをやりたい僕としては、本編はパンクマニュアルと変らないので結構どうでもいいんですよ。本命はゲームブック。

で、ほとんど反響がない中、赤松さんがっつり取り込んでくれてるので、みんなもこれを見て「うわあ、楽しそう。やりたいなあ」という気持ちを膨らませて下さいねプリーズ。
人がゲームしてるの見ると、自分もやりたくなるよね? ……なるよね??


☆☆☆テニス☆☆☆

椅子に座れないほどの腰痛に襲われながらも、わずか数週で復活した許斐先生には心から拍手を送りたいです。


冨樫先生……(´・ω・`)

・つばめ返し
バウンド後に変な動きをするショットはバウンド前に取るのが定石となってきました。
こうなると、やっぱりCOOLドライブは最強ですね。

COOLドライブはドライブCと合わせて最強の二択攻撃となります。
ドライブCは「バウンドを待ったら返せない」
COOLドライブは「バウンド前に取ったら死ぬ



(上:バウンド前に取ったから死んだ田仁志様)

今回の「つばめ返し」も、白石部長が「しかし、COOLドライブの可能性もある」と考えれば、迂闊には手が出せないところでした。手を出したら死にますから。

となると、「不二先輩は『蜉蝣包み』なんて地味な技よりもCOOLドライブを修得すべきではないか」と思ってしまうのですが、冷静に考えると、現時点で越前の「ドライブC or COOLドライブ」の二択を確実にリターンできるのは不二先輩の『蜉蝣包み』だけなんですよね。
そう考えると、テニス世界は何気にバランスが取れてることに気づかされます。

許斐先生は絶対そんなこと考えてないだろうけど。

・白鯨
トリプルカウンターの中でもビックリ技に分類される白鯨はあっさり返されました。
赤也に返された辺りで、読者もみんな「そりゃ返されるよなぁ……」と思ってましたが、やっぱり返されてました。
わざわざ戻ってくるんだもんなあ。

それにしても、不二先輩が危惧したとおり、やはり全国レベルはトリプルカウンターだけでは渡り合えないレベルだったのですが、これを具体的に言うと

●羆落とし→全国レベルになると、相手がワープ(縮地法)できるので効かない
●つばめ返し→全国レベルになると、バウンド前に取られるので効かない
●白鯨→全国レベルになると、背後から飛んでくるボールを見もせずに返せるから効かない

全国すげえなあ。

・四天宝寺監督が両さんに
まあ、可もなく不可もなく。
許斐先生ということで過度に期待しちゃうけど、こんなものですよね、常識的に考えて……。
しかし、松井先生があれだけやれたことを考えると、許斐先生にもできたのではないかと思うのです。病み上がりだしなぁ。

・一氏「相手が聖書やから仕方ないわ」
天才vs聖書……。

うん、そう言われると、なんか聖書の方がすごい気がする。

・「心・技・体、すべてにおいて白石が1ランク上回っとる」
技・体はともかく、この漫画における心ってなんなんでしょうか。
やっぱり、オーラを頭に集めたり心を閉ざしたりを言うのでしょうか。

・完璧なテニス
あんな異常な回転をしないと「完璧なテニス」と呼ばれないなんて、流石は全国レベルだと思いました。

余談ですが、本気で言うと「完璧なテニス」は手塚ゾーンだと思います。
相手には自分の打ちやすいところに返させて、自分は相手の打ちにくいところに返すってのは、良く考えるとテニスの基本ですよね。

・倒れる不二先輩
忍足vs桃城、跡部vs越前と、ちょっとこの手の展開多すぎませんか、許斐先生?
あんまりにもワンパターンですよ……。

……と、ここまで思って気づいたけど、試合中に人がワンパターンに倒れるテニス漫画ってスゴいな。

・珍しく注意した審判
「おい、キミ! コートの外へ戻りたまえ!」
あれだけ異常事態が多発しても何らの関与も見せなかった審判が、ついに口を開きました。
エクスクラメーションもついて、かなり強気なセリフですが、絵を見ると冷や汗をかいてますし、表情も怯えてます。
そりゃそうですよね。怯えますよね。
越前少年は、バケモノ揃いの青学の中でも、手塚部長の次くらいに関わり合いになりたくない男です。
よく注意したもんだよ。

・桃城「コラー越前、試合中だぞ、ったく!」
あなたも昔、試合中に監督を狙撃してましたけどね。


☆☆☆ワイド表紙☆☆☆

表紙を飾ることもあり、ナルト、ルフィは見事な眉毛。
こういうところに、尾田先生の「看板作家としての自負」を感じます。

他キャラクターでは、矢吹先生の日和っぷりが何より残念。
でもまあ、矢吹先生って元々こういう人だもんな……。
ToLOVEるの評価が高すぎて時々勘違いしそうになるけど。
いかんせん黒猫だもんな。

後は、斬が「まったく違和感を感じない」ことに問題がある気がします。
若いんだからもっとハッチャケて欲しいところ。
叶先生(エムゼロ)、いとうみきお先生(村雨くん)、天野先生(OVER TIME)はもっと眉を太くすべき。
西先生(ムヒョ)は太いけどちょっとどうかと思うよ。髪の毛に隠れて普通に見えちゃう。ただ、これはこれ以上どうしょうもない気もするけど。
星野先生(ディグレ)は…………。うん、いいんじゃない、こんなもんで? ある意味、すごく星野先生らしいよ。

許斐先生の「帽子の上から眉毛」は、「さすが許斐先生!」なのか、手抜きなのか判断に苦しむところ。
手抜きだとしても病床にあったことを考えれば文句は言えませんが。

総じて「にらめっこ」の時よりは、みんな果敢にチャレンジしてると思います。


☆☆☆こち亀(1つめ)☆☆☆

・両津「純粋なジャンプの読者置いてきぼりだぞ!」





…………orz








僕だって純粋なジャンプの読者だい!






悲しいことに、秋本先生にとって「昔のこち亀」がどういう物か露呈しちゃった一コマでした。
秋本先生にとって「昔みたいなこち亀が見たいなあ」という読者は、「マニアックな読者の一部」なのか……。
僕なんか、全然マニアックでも何でもない、普通にこち亀を子供の頃から読んでるだけの読者なのに……。

すごく悲しくなるなぁ、これ。
土塚もダメ太郎もなんでこんな扱いなんだ……。
「失敗キャラ」だなんて、彼らに「復活して欲しい」と思ったファンに対して失礼と思わないのかな?
ギャグ漫画であることを考慮しても、なんとも不快です。
せっかく一位になった土塚も今回のこれで終わり??
せめて彼をフューチャーした話を一話掲載とか、そのくらいはすべきなんじゃないの??

・両津「つまらないから消えたんだぞ!」
「つまらないから消えた」って、丸出ダメ太郎も戸塚も、彼らが絡んだ話はそんなにつまらなくなかったですよ。
チャーリー小林、御所河原組長、神あたりはかなりハイレベルだったし。(※1)
彼らがつまらないんじゃなくて、彼らを絡ませた面白い話を秋本先生が描けなくなっただけじゃないでしょうか?
それより御堂春とか、飛鷹日光・月光姉妹とか、「つまらないので消えて欲しい」キャラは別にわんさといるんですけど。

※1……チャーリー小林がイカ天みたいな番組に出る話がすごく好きで、ライバルバンド(?)がライブの最後に爆発するんですけど、僕はそれに結構影響受けてます。やっぱ最後は爆発すべきだよね。

・星逃田
でも、星逃田の扱いだけは昔と同じでちょっとホッとしました。


☆☆☆ワンピース☆☆☆

先日のラジオで「ガッシュには感動するが、ワンピースには感動しない。ワンピースよりガッシュの方が漫画として上だと思う」と言ったら、サイクロプスのみんなから「そ ん な こ と は な い !」と言われたんですが、ちょ、誰か同士いない??

ガッシュはじーんと来ることがあるけど、ワンピースはないんだよね。
ワンピースは世界観の構築は素晴らしいし、ドキドキワクワクはするけど、感動はしないです。
ちなみに、銀魂もギャグは笑えるけど感動したことはない。

・ルフィ「ウソップ……!? お前…来てたのか…!?」
どう考えてもつっこんじゃいけないところだけど、これはつっこまずにはいられません。
「おまえ、ホントに気付いてなかったのか!」と。

これは「セーラームーンの正体がなぜバレないのか」と同じくらいつっこんじゃいけないポイントだと思うんですが……

ですが……


ここでこれを大真面目にやられるのはキッツイよなぁ……。


・ルッチ「どの道、全員殺すんだ」
じゃあ、早急にルフィのとどめを刺しましょうよ。
あなた、以前もウォーターセブンでとどめを刺さなかったばかりに、いまエニエスロビーがこういう状態になってるんですから、学習しましょうや。

・六王銃→ガトリング→決着
で、問題の決着シーンですが……

いやあ、どう考えてもコレはないでしょー。
六王銃の最大攻撃を耐え凌ぎ、逆に鉄塊をブチ破ってルッチさんをダウンさせたわけですが……

「なんで六王銃最大攻撃に耐えれたの?(´・ω・`)」
「どうして鉄塊破れたの?(´・ω・`)」
「ルフィに比べルッチさんの耐久力はどうしてこんなに低いの?(´・ω・`)」

と、しょんぼりポイントがこれだけ出てきます。

格上の相手が繰り出す最大攻撃を、格下の主人公はまともに受けても倒れず、逆に格下の主人公の攻撃は格上の相手の防御を突き破ってノックアウト。
何の説明もなく、これが通っていいの……?
「ルフィは不死身だから勝ちました」という内容にしか思えないんですけど(´・ω・`)
これは大人の鑑賞に耐え得る漫画じゃないよ。

僕はこれは手抜きだと思うし、「子供のためにも六王銃攻略の小難しい知能戦を描くわけにはいかない」という理由なら、ワンピースは子供向け漫画と言われても仕方ないと思うし、ウソップ正体暴露イベントの勢いで説得力不足は乗り切れたはずだと尾田先生が考えるなら、その目論見は完全に外れていると思います。

「それだけルフィの信念とか仲間を想う気持ちが強いんだ」ということかもしれないけど、読者に伝わらなきゃ意味無いですよね。
伝わらないのは、僕が、血も涙も無い冷徹非情な爬虫類のような人間だからかもしれませんが、そうでなければ尾田先生の力不足だと思います。

僕、ガッシュには感動するよ。


☆☆☆こち亀(2つめ)☆☆☆

極めて丁寧な展開。
働き蟻の説明(知的好奇心の喚起)から入るところが往時のこち亀を彷彿とさせます。
トータルで見ると、もちろんあの頃の勢いはないのだけど、最近の中ではかなり出来の良い部類。
30周年記念に相応しい耐え得る内容だったと思います。

オチが決まらないのは、もう諦めてますから……。


☆☆☆ネウロ☆☆☆

・電子ドラッグの改造に乗り出すヒグチさん
HALはすっかり気を許し、ヒグチさんに大事なトコロを触らせちゃうみたいですが、ヒグチさんがHALのもう一手先を行ってる可能性はないのかな?
「電子ドラッグを無理矢理見せられるケースを、オレが想定してなかったとでも思ってるのかい? その場合は脳内で反転して受け入れるように自分自身にドラッグを〜〜」みたいな。
まあでも、ここからさらにヒグチさんを活躍させるよりは、シンプルに敵扱いしておく方が無難かなー。

・暴れる両さん
単なる「ウォーリーを探せ」ではなく、企画を有効利用してきました。
普段の松井先生でもやりそうなネタで、いつもなら原型を留めないくらいにデフォルメするところを、今回は企画に乗じてそのまま利用。
ある意味厄介な企画を、むしろ自分の道具として巧く取り込んでいます。
流石は僕らの松井先生、そこに痺れてあこがれる。

・ちゃんと予見していた笛吹さん
当然考慮に入れておくべき展開をちゃんと考慮していた笛吹さん。
でもそこまで考えてるんなら、一人くらい護衛を付けておくべきじゃないのー?
今回のだって、確かに頭脳戦で敗れはしたけど、それでも直接の原因は腕力じゃないですか。
極端な話、前回の展開でもヒグチさんがドーピングコンソメスープを静脈注射すればHALも操れなかったわけですよ。

・原子力空母
あー。そう来たか。
流石としか言いようがないです。

でも、原子力空母より戦略ミサイル原潜の方が牽制力を備える分、HALが鎮座するには有利だと思うんですが。
ああ、いや、潜水してるとネットが使えなくなるのかな。

まあ詳しいことは、次週、松井先生が十分な説得力で語ってくれるでしょう。
本当に、ネウロは安心して見ていられる。良い漫画です。


☆☆☆ペンギン☆☆☆

・オイィ〜ッスおじさん
1つめとかすごくイイと思うんですけど、最後の最後で下ネタに走ったのが残念でたまりません。
ところで2つめの1コマ目だけど、おじさんの口が崩壊してません? どうなってんだ、これ。

・ツキミちゃん
ペンギンも上手く企画を利用したなぁ。
ついつい両さんを探しちゃう読者の心情が見透かされてるよー。
僕もやられたクチ。

・ガッポンガッポンファイター
すごくくだらなくて、すごくイイです。
最近、ペンギンがギャグマンガ日和に近づいてる気がする。
(↑すごい誉め言葉)


☆☆☆ディグレ☆☆☆

さっぱり意味が分からない、と僕の周りで評判の悪い最近のディグレですが、僕なんかは逆に楽しくなってきてますよ。
どんなものでも一線を超えると面白いよね。
ここまで共感できないと「つまらない漫画」から「不思議な漫画」に昇格しちゃうのです。
「今週も不思議だなぁ」
と思いながら、毎週興味深く眺めています。

感想は特にありません。感想が出てこない辺りも不思議です。


☆☆☆銀魂☆☆☆

木を隠すなら森の中……
一発ギャグと思わせといてゾンビもの。
空知先生、流石です……。

・パチンコ屋たてこもり
『DAWN OF THE DEAD』!!!!!
当面の食料があって、当面バリケードで守られている場所に立てこもるのは、DAWN〜のスーパーマーケット立て篭もりと即座に脳内でリンクして、踊りだしそうになるほど嬉しくなっちゃいます。うっひょーい。

あと、駕籠屋のくだりは、のっぺらぼうの「再度の怪」(お蕎麦屋さんが「こんな顔ですかい」のアレ)をイメージさせますね。
今回のお話は、こち亀もだけど、いろんな作品へのオマージュが感じられました。


☆☆☆OVER TIME☆☆☆

葵ちゃんがたくさん出てきた。



☆☆☆ToLOVEる☆☆☆

・幼女キタコレ
幼女ララ、普通に可愛いなあ。
そういえば「可愛い幼女」は、黒猫の生命線でしたしね……。
矢吹先生はいわばこのスキルに特化した作家なのだから可愛くて当然か。

しかし、幼女は出たけどパンツもおっぱいも出ないので物足りないのも事実。
初登場のレンは好感度が高く、リトのライバルとしては納得のキャラクター。
彼をちゃんと描いて、リトとララの心情も揺らし、物語としては十分平均以上なのだけど、やっぱりToLOVEるにはパンツかおっぱいが欲しい。


☆☆☆エムゼロ☆☆☆

10分、か……。
今回の合否は、全て伊勢が早漏かどうかに掛かっていると思います。
いくら高1男子でも5回もいけば流石に出てくるでしょう。

10分で5回……。
だが、それでも伊勢なら……!
伊勢ならなんとかしてくれる……っ!


☆☆☆村雨くん☆☆☆

・ツバキ「でも、あなたのそういう甘さ、私は好きよ」
甘いのはツバキさん、あなたですよ。
同僚(部下?)が思いっきり命令違反しようとしてるんだから、もっと本気で止めましょうよ。
せっかくQやオヤジも仲間になったってのに。
今となっては、読者が見たいのは村雨くんのスタンドプレーではないのです。
オヤジやQも含めたチームプレーなのです。
まあ、来週で打ち切りっぽいし、そんなことしてる余裕はないのかも。

・「銃はよせ、仲間に当たる!」
分かってるなら取り囲むなよ。


☆☆☆みえるひと☆☆☆

ひめのの夢に仮託し、この物語の終着点を明示した岩代先生。
ラスボスにも観照を用意していたし、あのオチは十分に描けたと思います。
あれで終わってたら相当綺麗だったろうになぁ。残念です。
でも、ジャンプのシステム上、逆に終わりたいところでも終われないし、ラストがこんな感じになっちゃうのはもう仕方ないかもですね。

「次も頑張るぞ」との巻末コメントですが、岩代先生はやればできる子だと思うので、自作を純粋に楽しみにしています。頑張って欲しいです。


☆☆☆ムヒョ☆☆☆

・使者同調
どう見てもスタンドバトルです。
本当にありがとうございました。

これ、少年漫画としては正解なんだろうけど、ムヒョとしては間違ってる気がします。

「裁判で至郎田シェフに有罪判決が出ました。
よし、じゃあ頑張って至郎田シェフを倒すぞ」

これはそういう話ですよね。
これでは判決を出す必要性がありません。
「判決が出たらどんな悪霊もイチコロですよー」→「法律って絶対だなー」と読者は思うのであって、「判決出たけど悪霊すげえ抗ってるよ」だと、「この法律って結構あやふやなものなの?」と、根幹の法律部分が腐ってくるんですよね。

で、そこが腐っちゃうと「この法律は実行力がないのか」→「どうでもいいと軽視されるようなダメな法律なんだな」→「そんな法律を主人公達は恣意的に用いてたのか」→「主人公達はゲス野郎だな」と全てが崩れる恐れがあります。
彼らの使ってる法律が北朝鮮のものだったと考えれば分かりやすいでしょうか。
イサビさんのように、暴力で法に抗うアウトローの存在も、まあリアルといえばリアルなのですが……

使者同調が出ちゃった以上、この漫画はどんどん間違った方向に突き進みそうです。
けど、単純に「面白くなくなった」とは言えないかもしれないのが少年漫画の怖いところ。
大体、今までが決して面白くは無いしね。


☆☆☆斬☆☆☆

・柱「必勝法は待ち伏せ」
とても斬らしい柱だと思いました。
待ち伏せ、横槍、不意打ちは斬の華。

・貫木「あんな男みてぇなじゃじゃ馬に惚れる様なモノ好きはお前ぐらいのもんだからよぉ」
斬いわく「アイドルよりも可愛い」月島さんですが、そういえば劇中で彼女に惚れたのは「突然人格が変って凶暴化する斬」「突然人格が変ってストーカーになる木下くん」の多重人格障害者二人のみです。
牛尾さんも金蔵坊ちゃんも(高1という性欲に溢れた年頃ながら)女性としての月島さんには目もくれず、ただ刀の錆にすることしか考えていません。
貫木君の言うとおり、月島さんは実はものすごくモテないのかもしれません。
多重人格障害者にのみ恋われる玄人ごのみの扱いにくすぎる女の子なのかもしれません。

ですが、牛尾さんも金蔵坊ちゃんもどちらも剣の道を極めんとする求道者たちです。
そういえば、若い頃は性欲をスポーツで発散させろとか、そういうムチャなことを保健の時間に学んだ記憶もあります。
彼らが月島さんの体に興味を示さないのは、そういうことを体現しているのかもしれませんね。
流石は杉田先生です。

・貫木「変どころか逆にスゲェじゃねえか」
流石は斬です、なんというハードな世界でしょうか。
「自分の意思とは関係なく突然体が動き出し鈍器を振り回す」という、明らかにヤバすぎる斬の病気ですら「逆にスゲェ」と誉められる世界。
杉田先生の描く剣術世界はどこまでもハードです。

・刺々森くんを見廻りに出す討条さん
ここで彼を見廻りに出すのは明らかに逆効果です。
人気のない校舎内部で、男の子が一人うろちょろしてたら、窃盗か何かかと思い外部の人間の注目を引くのは明らかです。
この場所が知られていない以上、静かにじっとしているのが正解のはず。

では、なぜ討条さんは刺々森くんを見廻りにだしたのでしょう?
答えは明らかですね。討条さんはトラブルを求めていたのです。
討条さんの仕事は終わり、後は金蔵坊ちゃんの真剣勝負を見届けるだけ。
ですが、彼はヒマだったのです。
彼は自分の出番、つまり外部の介入を求めていたのです。

もちろん刺々森くんを見廻りに出したのには理由があります。
裸の上に学ランを羽織って、夜の校舎をうろつく彼は変態的だからです。
金髪の半裸が夜の校舎をうろついていたら誰でも通報したくなるでしょう。
そうして、討条さんは刺々森くんを撒き餌にしてトラブルを求めていたわけです。
月島さんと正々堂々と死合いたい金蔵坊ちゃんにとっては、全く迷惑以外の何物でもありませんが、剣に賭ける討条さんの熱い想いを考えれば責めることはできませんよね。
流石は杉田先生です。

・小っこい刀
小畑先生のアーミーナイフよりは大きいですけどね。

で、確かに剣術において、リーチの差は大きなハンデとなります。
しかし、言うまでもないことですが、刀は長ければ長いほど重く、扱うのに筋力を必要とします。
鍛えているとはいえ、女の子である月島さんの筋力が男に比べ劣ることは否めません。
とはいえ、「女でも武士になれる」をテーマに活動している月島さんとしては、決してそのことを認めようとはしませんし、頑なに男と同じ武器を扱おうとしているのです。

そのことに心を痛めていたのが金蔵坊ちゃんです。
「あの長さの刀は彼女には重過ぎる。彼女は素晴らしい不意打ちのセンスを持っているのに、あの刀ではその力を十分発揮することは出来ない……」
と。
そこで、彼は私財をはたき、月島さんにとって最適な長さの小刀を選び、彼女に渡したのです。
思えば、木下くんと戦った時の彼女の見事な不意打ちも、もし、得物がこの小刀であり、十分に体重をかけて心臓を狙っていたならば、きっと成功していたでしょう。
あの時の失敗はひとえに刀が長すぎたことにあるのです。

金蔵坊ちゃんは、彼女に二度とそんな失敗はさせまいと、この小刀を送ったのですね。
金蔵坊ちゃんこそ、まさに武士の中の武士と言えるでしょう。
流石は杉田先生です。

・雷に打たれた貫木くん
突然、雷に打たれた貫木くん。
そして、いきなり登場した壊原くん。
まったく理解できませんが、流石は杉田先生です。

・牛尾様の子分
解説役に全てを賭けるため、牛尾様のことを完全に放置してる辺りが彼の覚悟を表しています。
流石は杉田先生です。

・杉田ワークス

「身体能力がかなり上昇しやがって」
「真剣勝負でかなり有利になる」
「こっ…こいつら、かなりヤバイ!」
「この状況じゃ、かなり難し…」
「金蔵はヒキョーな上、かなり強者の部下が三人いて」

セリフ回しだけで「あ、これは杉田先生の仕事だな」とかなり分かる辺り、先生もかなり一流の仲間入りですね。
こんなことはかなり熟達した漫画家じゃないと無理だと思います。
これは漫画家としてやっていく上でかなり有利ではないでしょうか。
杉田先生はかなり流石だと思います。




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