●地獄甲子園 |
地獄甲子園は改めていうまでもないと思いますが、漫★画太郎(★の中にはFが入ります)先生によってかかれた野球マンガで月刊少年ジャンプに平成8年五月から平成9年四月まで連載されました。 (他にも単行本3巻を編集して収録した『地獄大甲子園 』や、映画版DVDなどもあります) この作品は、僕が思うに「構築と破壊の美学」ではないかと思います。あとで順を追って詳しく見ていきますが、最初の一巻は「主人公が不良と闘い共に野球の道を目指す」というものです。画太郎テイスト溢れる書き方ではありますが、主題自体は野球マンガの極めて王道的な展開ではないでしょうか。ここまでがいわば「構築」です。 しかし、次の二巻から物語は決定的に破壊されていきます。前半二話は、(それでもすでに野球ではありませんが)まだ球場やらユニホームやら出てきて野球の面影を残しています。ですが、後半からはラーメンの話だったり、オヤジと犬が合体する話だったりします。 そして、最終巻である三巻では、少し、野球の話に戻った気もしますが、やはりやってることは野球ではありません。 物語のテンションは終盤に近づくにつれどんどんと高揚し、最後は劇的な夢オチでおわります。 どうです?なんだか気になるでしょ?(^^; ということで、これからは一巻一巻を詳細に検討し、突っ込めるところは突っ込んでいきたいと思います。 地獄甲子園一巻 「十兵衛見参!!の巻!!」 「第一獄 十兵衛見参!!の巻!!」 物語の舞台は私立 星道高校。野球部の練習風景から始まります。冒頭からゴリラのような顔の青年が、紅白試合でしょうか?打ちまくっています。彼の名は、ゴリラ。いうまでもなく、ゴジラこと松井選手のことでしょう。 そして、その練習風景を見てほくそえむ、ラリった顔のハゲちゃびんオヤジ。これが校長です。「こりゃ、今年は確実に(甲子園に)行けそうだ」と言っています。そこへ教頭が現れ、甲子園予選、一回戦の相手を伝えます。その相手は「外道高校」。なんでも星道高校は三年前に外道高校と対戦した際、反則スレスレの外道プレイで選手全員大怪我を負い、試合放棄をしたいきさつがあるそうです。なげく校長、「終わった・・・今年の夏は終わりだ・・・」と。 物語の骨子はこの時点でほぼ判明しました。校長は甲子園を目指すため、ゴリラ他、超高校級のプレイヤーを幾人もひきぬきましたが、甲子園予選一回戦の相手は野球の技術うんぬんは関係ない暴力野球集団だということです。 そして、当然のようにこの暴力野球集団に対抗する主人公が現れるのです。 次に場面はまた紅白試合にもどります。 ゴリラの打った玉が校舎裏へ飛んでいき、一年生の玉ひろいがボールを取りにいきます。その中に主要人物の一人であるメガネの青年、メガネくんがいます。ところで、校舎裏は番長グループの溜まり場であり、「見つかったら殺される」らしいのです。メガネくんは「ひ〜〜、こわいでやんす〜〜」といいながらボールを捜しておりますと、案の定、不良に絡まれます。そこに助けに入るのが主人公の十兵衛。彼が不良を追い払います。なお、この十兵衛、登場後10コマ目にして顔が大幅に変わります。そこは実際に確認してみてください。 その後、十兵衛とメガネくんは番長に襲われます。彼は身の丈5mはありそうな、モヒカンの大男でたくさんの子分を従えています。そして、番長の命令で、手に手に釘バットや槍を持った子分が二人に襲い掛かります。それを十兵衛、先ほどの玉を投げつけ、見事、子分全員を迎撃します。 そこでついに番長自ら襲い掛かります。彼は十兵衛の投げた玉を片手で悠々と受け止め、なおかつ受け止めた玉を十兵衛に投げ返してきます。十兵衛はなんどもかわしますが、ついに「玉が玉に直撃」。絶体絶命の事態に追い込まれるのです。 「第二獄 十兵衛爆発!!の巻」 前回で瀕死の重傷を負った十兵衛にまたしても襲い掛かる番長の剛球。かわす術もない十兵衛は頭に直撃します。止めに入った校長も番長の一撃を浴びます。そして、番長がとどめに放った三球目、いままで物陰で隠れていたメガネくんが身を呈して十兵衛を守ろうと飛び出します、が、全然間に合わず、玉は十兵衛に直撃。跳ね返った玉はメガネくんにも直撃。最悪の結果におわります。なお、メガネくんが飛び出したあたりから、校舎裏のケンカなのになぜかナレーションが入ります。 そのあと、メガネの死を確認した十兵衛は「オマエゼッタイブッコロシテヤル」と番長に言い放ち投球フォームに入ります。 「元気なときの玉ですら片手で受け止めれるワシが瀕死の貴様の玉を取れぬはずなかろう」と番長も構えます。 十兵衛はトルネード投法の構えからさらに回転したあと、怪光線と共に玉を「発射する」スーパートルネード投法で番長の体を突き破り、跡形もなくふっとばし勝利します。なお、この玉の球速をスピードガンで測っていた教頭は、スカウターよろしくスピードガンが爆発、死にます。火薬が入ってないのに爆発するのはおかしいと思います。 「第三獄 十兵衛起つ!!の巻」 十兵衛が教頭とメガネくんの生存を確認したあと、校長が十兵衛を野球部にスカウトします。なお、この頃にはすでに十兵衛の顔には初登場時の面影はありません。輪郭は残しながらも、基本的に別人です。 十兵衛は自分のスーパートルネード投法の秘密を校長に語ります。なんでも、実父をキャッチボールのときに貫通し、殺したことがあるというのです。そんな人殺しの自分に甲子園で玉は投げられない、という十兵衛に、校長は外道高校の話をします。校長の話によると、三年前の試合では「死者五名、重体三名、重軽傷者八名」らしいです。「やつらにとって甲子園は合法的に殺人ができる遊び場でしかないんじゃ・・・」という校長の言葉に十兵衛は奮起し、外道高校との闘いを胸に決めます。そこに、番長が生き返り、キャッチャーをすると言い出します。なお、この番長、顔がすっかり変わってずいぶん穏やかな顔立ちになっています。それだけならともかく、モヒカンの形も変わっています。また、背もずいぶんと縮んだようです。それまでは5mから10mはあったであろうのに、2m程度まで縮んでいます。大豪院邪鬼などによく見られる現象です。 校長は十兵衛や番長のように「ケンカもできて野球もできるケンカ野球戦士」を7人集めなければいけない、といいます。しかし、ケンカ野球戦士の手がかりはつかめぬまま、一週間がたち・・・外道高校との試合の日を迎えます。そして、最後、「しかし、そのとき、十兵衛は・・・刑務所の中にいた・・・」という謎めいた終わり方をします。 「地獄甲子園2 ゲドー襲来 予告」 第一巻の末尾に二巻の予告編がついています。ゲドー襲来、は「ガメラ2 レギオン襲来」からでしょうか。 二巻のコマをいくつか載せたあと、黒地に白抜きのテロップという構成なのですが、これがとてもよく出来ています。 テロップを順に紹介しますと「遅刻」「電話」「とーりゃんせ」「西と東」「ゴリラ」「よっぱらい」「爆笑」「びんた」「試合開始」「マインドコントロール」「殺人集団」「無視」「消滅するのは」「星道か」「外道か」「97年夏甲子園崩壊」「同時上映ラーメンバカ一代」となっています。とくに、「消滅するのは」から終わりまでが非常に良く出来ています。おそらく最後のこの部分だけアイデアがあって、他はあとから適当に付け加えたのでしょう(^^; なお、これらのテロップが本当に二巻のキーワードなのか?といいますと一番重要なのは「よっぱらい」だと思います。 その謎は二巻で・・・(笑) 地獄甲子園ニ巻 「犬とオヤジの名前決定!!!の巻」 おそらく地獄甲子園は第二巻がもっとも評価が高いのではないでしょうか?「ラーメンバカ一代」と表題作「犬とオヤジの名前決定!!!」が物凄いです(^^; なお、第二巻は、カバーについてる「作者のひとこと」と「前巻のあらすじ」、一ページ目の「この作品を小室哲哉さんい捧げます」、それとカバーの背表紙とカバーをとった後の背表紙の絵のギャップも重要なチェックポイントです。 ついでにいうと、いちばん最後のページの「著者」のところに、漫★画太郎の下に「Gataro F Man 1997」と書かれています(^^; 「第四獄 十兵衛とんずら!?の巻」 予選球場で十兵衛たちをまつ、メガネ、校長、教頭。「本当に来るのか」と心配そうな校長にメガネは前日の電話の様子を思い出します。メガネ邸(表札もメガネ)にてワイン片手に電話を取るメガネくん。内容は「9人目のケンカ野球戦士がちょっとやっかいなところにいるため明日の試合は遅れるかもしれない」とのこと。 もうすぐ試合が始まるという頃、ゴリラ率いる正式メンバーが校長に詰め寄ります。なぜ、自分たちが今日の試合に参加できないのか、と詰問するゴリラたちに校長は外道高校の恐ろしさを話します。が、当然、信じてもらえず、ゴリラたちは校長を「くれいじじー」と呼び捨て、球場に入ってしまいます。 一方、メガネは球場の外で外道ナインにぶつかってしまいます。メガネをドスで刺し殺そうとする外道ナイン其の1を止める外道高校の監督。「球場の外では殺すなって言ったの忘れたかぁあ?」と其の1の耳をかみちぎります。其の1に「あとでおぼえてろよ、てめぇ〜」といわれ、失禁するメガネ。 そうこうしている間に球場では外道ナインと星道高校正式ナインの試合が始まります。プレイボールの合図を聞き、球場に駆けつけるメガネと校長。だが、そこで見たものは・・・無残な死体と変わり果てた星道ナインの姿だった…。 「第五獄 十兵衛早く!!の巻」 前回、星道ナインは全員が虐殺されていたと書いたけれど、それの詳細説明(^^; まず、全員、なぜか下半身裸で多くのものは肛門にバットが刺さってます。他のものは前身に針が突き刺さっていたり、槍に生首が刺してあったりします。 半死半生ながら最後まで生きていたゴリラ(なぜか全裸)も校長の腕の中で息を引き取ります。槍にささった生首を指し、「普通に野球をやっていてこんなになるかー!!」と怒る校長。しかし、外道の監督は「そんな反則をしてたらとっくに退場になっているはずだ」といい、審判長に判断を求めます。ですが、審判たちも外道の仕返しを恐れ、「外道は反則は一切しておりません」といいはります。 試合放棄をしようとする校長。ですが、そこでメガネがピッチャーを買って出ます。十兵衛たちが来るまで時間を稼ごうという腹です。結局、ピッチャーメガネ、キャッチャー校長のバッテリー二人だけで、試合は再開されます。 そこで先ほど片耳を失った外道高校其の1が「監督、あのチビはオレにやらしてくれ!!あのチビのせいでおれは耳を失った!!!」と言ってきます。監督は「そのいきや よし・・・いってこい ほういち」と其の1を代打に出します。 どーでもいいですけど、ほういちっていうんですね。耳を失ったからほういち、ってすごいネーミングセンスじゃないですか?(^^; さて、校長、ほういちはピッチャー返しでメガネを殺そうとしていると考え、ピッチャー返ししにくいところに投げるようサインを出します。ところで、校長はずいぶん前から下半身裸なんですけど、このときのサインが、ちんこを手ではさむ形になってることには注目です。そして緊張の第一投。ピッチャー返しと考えたバッテリーですが、実際にはほういちはバットを投げてきました。バットはメガネに向かって飛んでいきます。「しまった!その手があったか!!」と校長。し、しかし…良く見るとバットのケツから火が出ています。バットは小型ロケットだったのです!!バットはメガネに直撃し、大爆発。メガネを心配し、かけよった校長はしかけてあった地雷を踏み爆死。最後のコマは「そのとき、十兵衛は獄中で静かに息をひきとった」と終わります。これで第一部完のようです(笑) 「地獄甲子園外伝 ラーメンバカ一代」 次があの噂のラーメンバカ一代です。リアルタイムで読んでいるとき、急にラーメンの話になったから本気でびっくりしましたよ、ええ(^^; この話の骨子はあまり解説するのも野暮な気がしますが、「死にかけたババーの最後の願いであるラーメンを食わせてやるため、めん太郎(10歳)が新宿のラーメン店に弟子入りする」というものです。 ババーがラーメンを食べる様子の気持ち悪さや、グルメマンガ風の体裁を取りながら、やってる内容が酷い(塩と砂糖を間違えたり)、ラーメンが出来た頃ババーは死んでるなど、良い感じで画太郎テイストなスカムっぷりですが、なかでも突っ込みどころをいくつかご紹介。 ・95P2コマ目「おめーもぐりだな」・・・その地元の上手い店などを知らなかったときなどに良く用いられる言葉。でも新宿で言わないだろ(^^; ・102P1コマ目・・・家の壁に「米英撃滅」の字が。 ・108P5コマ目・・・めん太郎がラーメンを作るシーン。でも切ってるのはどう見ても大根。 ・113P・・・アリが塩ラーメンをなめているのを見て、間違えて塩でなく砂糖を入れていたことに気づくめん太郎。でも実はアリは砂糖より塩に集まるものです(^^; 「第六獄 犬とオヤジの名前決定」 第二巻32Pに2コマだけ出てきた犬とオヤジに名前が付けられたみたいです。 オヤジの方は中村泰造。犬はパンチです。読者応募によって付けられたと書かれていますが、きっと嘘でしょう。 この話の主役は星道と外道の試合を観戦していたオヤジと犬、です。外道の殺人野球に激怒したオヤジ(中村泰造)は外道に殴りかかりますが、審判に止められ、あげくボコボコにされます。そこに犬(パンチ)が飛んで入り、二足歩行で走った上、日本語で「泰造ー!!合体だー!!」と叫びます。犬なのに。 そして、パンチと泰造が右手を合わせた瞬間・・・・・・超獣「泰造パンチ」が現れます!!!! この泰造パンチが現れる第二巻150P,この瞬間のためだけに地獄甲子園という物語があるといっても過言ではないでしょう!とにかくそれほど強烈なインパクトのあるシーンです。すごいです!是非とも実際にご確認ください!! そして泰造パンチは審判を皆殺しにし、外道高校監督に襲い掛かります。震え上がる監督。ですが、地雷を踏んで泰造パンチ、あえなく爆死!! 爆死した泰造とパンチにそれぞれ、「中村アル中」と「中村たまお」の戒名をつける外道高校監督。嵐のような一話です(^^; 「第七獄 突然ですが試合前にさかのぼります!!の巻」 この話は校長とメガネが外道高校と戦っている間、いったい教頭は何をしていたのか、という話です。 いや、実は彼も戦っていたんですねー(^^; 十兵衛を探し駆け回る教頭。年がいもなくムリをした彼は水を欲し、旧式の水道(?)の水を飲んでしまいます。 しかし、そこには「のむべからず」の張り紙が!!! それから数分後、教頭は猛烈な下痢に襲われますが運悪く近くにトイレはなく、野糞をしてしまいます。 彼が「助かった・・・」と思ったのも束の間、次に猛烈な吐き気、その後、脱糞、嘔吐、脱糞、・・・と続きます。 非常に汚らしいですが、これこそ画太郎ってかんじですよね(^^; そして、嘔吐と脱糞を何度か繰り返したのち、彼の目の前に十兵衛が現れます。教頭は大喜びで十兵衛を校長のところに連れて行きますが・・・・・・ ここで、それは教頭がいまわの際に見た幻だった、という夢オチ。いやあ、すばらしいですね(^^; 「特別読切 ひとりでおるすばん」 表紙にサバイバルゲームコミック、世界初、マンガの歴史が変わる、とありますが、こういうのは決して初めてではありません(^^; 内容は2択の選択肢があって、間違えた方を選ぶと即死亡というもの。普通のゲームブックのように複雑に進行が入り組んだりとか、そういうのは全くありません。 まず最初の選択肢、寂しいので気晴らしに「テレビを見る」「音楽を聴く」があるんですが、「テレビを見る」を選ぶと爆死し、ゲームオーバー。けど、故障中だからって爆発はしないってば。火薬入ってないんだから(^^; 5つ目の選択肢、地震がきたので「机の下」を選ぶと、「ハブにかまれて死ぬ」ってのはどうなんだ!!!?(笑) そして6つ目の選択肢、強盗が来たので「裏口から逃げる」を選ぶと「車に跳ねられ死亡」。そこまでは100歩譲って許せるけど、それまで、ゲームオーバーと出ていたのが、ここだけラヴ イズ オーバー!!!!(笑) 「次回予告」 第三巻の次回予告。第ニ巻の次回予告と比べると、すごいです。 地獄甲子園三巻 「釘ぬいて の巻」 冒頭が「この作品を橋本竜太郎に捧げます」に変わっています。 またあらすじが相変わらず役目を果たしていません。いや、いままでの話にあらすじなど書きようがないのでしょう。 そして「主な登場人物」で十兵衛の苗字が発覚「野球十兵衛」となっ!?画太郎センセイ投げやりですねー(^^; さらにこの欄には登場人物の名前の横にカッコして性格が書かれている者もいます。ヒットはやはりおっかけコギャルズのパトラ(気高い)でしょうか。 「第八獄 3年B組珍八先生」 星道高校のクラスの様子。二話後の「第十獄 コギャル熱き想い!!の巻」の伏線と思われますが、これ自体は実験的で微妙です。 「第九獄 第二部はなかったことにしてください!!の巻」 いきなりタイトルからすごいです! 話はメガネがバット型ロケットで爆死し、校長が地雷を踏んで爆死したところから始まります。 なお、球場のナレーションが「お〜〜〜っと、これはアンラッキ-!!!すっぽ抜けたバットに当たって爆死したメガネ投手にかけよった校長、運悪く戦時中の不発弾を踏んでしまった〜!!!」とな(笑)どこの球場に不発弾が埋まってるものか〜(^^; しかし、実は生きていたメガネと校長。外道高校監督は彼らの根性をたたえ、一点献上します(笑) まだ続けようとするメガネに校長は「これはもう野球ではない、野球の名を借りたハルマゲドン、ハルマゲ野球だ」といい、止めますが、メガネの決意は固く、結局二人とも試合に戻ります。 彼ら二人の目的は十兵衛が来るまで時間を稼ぐことです。メガネはなかなかボールを投げずに時間を稼ごうとします。 それを見て外道高校監督、「はやいとこ玉、投げた方がええで〜。夏場は暑さで玉が膨張して破裂することがたまにあるけん・・・」とほくそえみます。玉が爆弾であることに気づいたメガネと校長、あわてて玉を投げますが、果たせるかなボールは爆発。中から飛んできた釘に全身を貫かれ、断末魔の声をあげながら倒れるメガネ!! 一方、校長もほういちに後頭部をバットで振りぬかれ、血しぶきをあげながら倒れる!! これにて第三部完!!!! 「第十獄 コギャル熱き想い!!の巻」 舞台は一転。ゴリラたちのファンである、チャバネ、パトラ、つる子のおっかけコギャルズの話になります。 しかし、担任の珍八先生から応援に行くことを禁じられ(球場では殺し合いが行われているからですね^^;)、落ち込むチャバネたち。帰り際、パトラが「どーする?泣いて馬謖を斬る!?」と(笑)おそらくこの話で最も重要なポイントはここでしょう(^^ゝ このあと、応援に行くことを決意したチャバネたちと珍八先生の攻防に太郎(チャバネたちのクラスメート)が絡んで、次回に続きます。 「第十一獄 太郎熱き想い!!の巻」 前回から続いた珍八先生と太郎&コギャルズの闘いは意外な形で決着がつきます。というか決着かどうかは謎ですね(^^; 漫画太郎センセイによくあるうやむやな終わり方です。それでいいんですけどね。 最後の太郎とチャバネの赤ちゃん、珍太バネのネームングの豪快さは一見の価値アリだと思いますが。 「地獄甲子園 完結編」 前回、メガネが全身を串刺しにされ、校長がバットで後頭部をかち割られたところから続きが始まります。 しかし!メガネは全身に釘が刺さったまま、校長に至っては眼球が飛び出ているというのに、二人はまだ立ち上がります!!!! 二人がなかなか死なないことに業を煮やした外道高校監督は新型バットをほういちに持たせ「必ずとどめをさせ!」といいます。この新型バット、全長3Mはあろうかという、バット型ロケット弾です。しかもホーミング機能付きなため、一度は間一髪避けたメガネを、バット(ロケット)は執拗に追いつづけます。ついにバットがメガネと校長に命中する・・・・・・そのとき!スコアボードからスパートルネード波が放たれ、バット型ロケットはほういちに命中!!大爆発を起こし、ほういちは生首となり、監督のもとへ飛んでいきます!!それを見て監督、「だれじゃーーわしのかわいいほういちをこんな姿にした奴わぁー!!でてこぉーい!!!」、そこに見開きで現れたのは、みなが待ち望んでいた十兵衛の姿!!!! ・・・・・というところで、終わりです。(^^; えー、最後は校長の夢オチっていう素晴らしい終わり方です。 しかし、客観的に見てもこの物語の最適な終わり方は夢オチしかないんじゃないですかね?(^^; ある意味、有終の美だと思います。 総評 冒頭にも言ったとおり、僕はこのマンガを「構築と破壊の美学」であると思います。 最初の方は外道高校とか、決して普通じゃありませんが、まだギャグマンガとしては普通です。ですが、ギャグはギャグなりに話に脈絡があったものが、第二巻にてラーメンになったり、犬とオヤジが合体するあたりで完全に物語は破壊されています。特に、犬とオヤジが合体するシーンはマンガ史上に残るインパクトだと思います。個人的にはこの一コマだけのためにそれまで野球やらなんやら書いてたんじゃないのか!?と思うほどです。 このマンガは普通に考えて読んだら、画太郎センセイが適当に思いつきで話を進めていき、どうしようもなくなったから夢オチで終わらしただけだと思われるでしょう。いや、しかし僕はこれは全て計算されつくして書いてあるのだと思います。 その構築と破壊のダイナミズムはリアルタイムで読んでいるときよりもコミックスで通読した方が分かりやすいでしょう。 これは単純に話の筋を追って楽しむものではなく、このダイナミズム自体がひとつの芸術であり、まさに作品だと思います。是非、みなさんもそこらへんを留意しながらこの作品を読んでみてくださいね(^^; 登場人物辞典 野球十兵衛 ・・・地獄甲子園の主人公。初登場時からどんどん顔が変わっていく。その変化を伺うだけでも楽しい。登場数コマまでは画太郎センセイにしては珍しい単純にかっこいい顔だったのに(^^; 主な変化の点は、髪型、唇、頬、顎、目、ですね。ありゃ、ほぼ全部だ(汗) ニ巻以降はほとんど活躍がなく、二巻で14コマ、三巻で2コマしか出てきません。これで主人公といえるのか・・・? メガネ ・・・星道高校野球部一年、玉ひろい。おそらく苗字がメガネ。かなり男気のある性格。登場コマ数だけなら十兵衛より格段に多い。終盤、爆破によりアフロになるものの顔自体はそれほど変化はない。番長の玉を受け、ロケットによる爆破、全身を釘で貫かれるなど、災難続き。 校長 ・・・ことあるごとに刀を持ち出すが、何の役にも立っていない。星道高校校長兼野球部監督。甲子園に行くことが彼のささやかな夢である。地雷を踏んだのち、後頭部をバットでかち割られる。 教頭 ・・・スピードガンが爆破して、一度は死んだ人、そのあと生き返ったが(?)、毒水にやられ、下痢と嘔吐を繰り返した後、昇天。 番長 ・・・十兵衛同様、一巻以降出てこなくなった。投げる玉は140km。150Kmの玉も片手で受け止める。最初は相当の巨体だったがどんどん縮んでいった。 松井ゴリラ ・・・星道高校野球部キャプテン。スラッガー。顔がゴリラ。外道高校の外道プレイによって全身焼け爛れ死亡。 チクワブ ・・・星道高校野球部エース。145kmの剛球を投げる。外道高校の外道プレイによって死亡。 イタロー ・・・星道高校野球部部員。打率5割。外道高校の外道プレイによって死亡。 ハヤミ ・・・星道高校野球部部員。盗塁成功率99%。外道高校の外道プレイによって死亡。 サル島 ・・・一巻でメガネと共に玉ひろいをしていた星道高校野球部一年生。細い方。二巻でデブ山と共にグラウンドへ至る道の門守をしていた。 デブ山 ・・・一巻でメガネと共に玉ひろいをしていた星道高校野球部一年生。太い方。二巻でサル島と共にグラウンドへ至る道の門守をしていた。 外道高校監督 ・・・容姿・性格ともにイカレた男。中村パンチの前では恐怖のあまり失禁するという失態をおかしたが、本人の言う通り、基本的にはクールなイメージ。極悪非道。外道の総本山。 ほういち ・・・外道高校メンバー。代打で出たところを見るとスタメンではないのだろう。監督に耳を噛みちぎられたメガネへの逆恨みにしている。新型バットロケットを十兵衛に跳ね返され爆死。 中村泰造 ・・・よっぱらいのオヤジ。犬のパンチと合体することで中村パンチへと変身する。地雷をふんで爆死。戒名「中村アル中」 パンチ ・・・犬。二足歩行もでき、人語も解する。中村泰造と合体することで中村パンチへと変身する。地雷を踏んで爆死。戒名「中村たまお」 室賀文洋 ・・・14歳。中村泰造の名付け親、らしい。プレイステーションと「パラッパラッパー」をもらいそびれる。 高田克則 ・・・14歳。パンチの名付け親、らしい。プレイステーションと「パラッパラッパー」をもらいそびれる。 審ニ ・・・三人いるそっくりの審判の一人。おそらく他二人は審一、審三郎。外道高校を恐れ、反則を見てみぬふりする。中村パンチに殴り殺される(?) めん太郎 ・・・ラーメンバカ一代に出てくる主人公。10歳。死ぬ間際のババーにラーメンを食わせることを約束する。たぶん性格は短気。 ババー ・・・めん太郎と共に住むババー。死ぬ間際にめん太郎に「ラーメンが食いたい」という。彼らはまだ戦争が終わったことを知らないらしい。 珍八先生 ・・・チャバネたちのクラスの担任。短気な金八というかんじ。人工呼吸の前後で顔が変わる。 太郎 ・・・チャバネたちと同じクラス。チャバネの間に珍太バネという赤子を作る。 チャバネ ・・・ゴリラが好きなコギャル。応援にいこうとするところを珍八センセイに止められ、攻防を繰り広げる。結局行けたかどうか不明。三人の中でもっとも女性に近い顔だち。 パトラ ・・・イタローが好きなコギャル。チャバネたちとおっかけコギャルズと呼ばれている。「泣いて馬謖を斬る!?」は有名。 つる子 ・・・チクワブが好きなコギャル。毛が一本しかない。「てゆーか、保守的だったよー」は有名。 |
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