●木多康昭トークライブ_まとめ
左:イベント宣伝用のビラ
今回のイベントのHP





※木多康昭(きたやすあき)……漫画家。ジャンプで「幕張」を連載後、マガジンに移り「泣くようぐいす」「平成義民伝説 代表人」を執筆。現在はヤングマガジンにて「喧嘩商売」を連載中。

このページは2006年6月22日に早稲田大学で行われた「木多康昭トークライブ」の内容をまとめたものです。
僕の記憶違いや書き間違い、そもそも先生が本気で言ってるかどうかも怪しいのですが、そこのところは留意した上でお願いします。


【木多先生の生活】

・普段は誰とも喋らず、24時間囚人のように仕事している。とにかく仕事している。
・先日、2年ぶりにセックスした。
・幕張一巻の頃は綾瀬に住んでた。8畳+6畳の部屋で家賃8.8万円。
・今は引っ越して幕張で稼いだ金で買った家に住んでいる。(今は綾瀬ではない?)
・基本的に休みはない。休みの日はオナニーしている。趣味はオナニー。
・得意な体位は座位(ベッドのスプリングを利用する)
・週に5日はアシが家にいるので、アシが帰ってからオナニーとネーム。すごく溜まってる。
・(漫画家の今の方が)中学生の頃よりオナニーしている。
・(最近の休載について)担当までは通るけど、編集長のところで(おそらく表現上の問題で)没になる。
・描いても「今週は載らないかも」と思ったりする。
・4週に1度は休みがあるけど、カラーを描いたり、コミックスの修正をしたりしていると休めない。
・社内恋愛で不倫してたことを幕張でネタにされた瓶子編集だが、浮気相手(かずはじめ先生?)と再婚したらしい。
・漫画家はカネがいい。イケてるサラリーマンの5〜6倍とか。
・原稿料はアシ代とかで消える。描いてる年数によって原稿料は上がるが、鳥山明先生でも原稿料はたいした額ではない。カネになるのはコミックスの印税。
・尾田先生はワンピースのコミックスを一巻出すたびに一億入ってる。

【木多先生の青春時代】

・漫画家を志した時は漫画はまだ描いたことはなかった。GAGキングの第二回大賞作品を読んで「これなら描ける」と思い描き始めたらしい。
・こち亀に影響を受けている。
・木多「こち亀は『当時は!』すごく面白かった!」
・喧嘩商売に出てくるネタの「100巻ぐらいまでは大好きだった」は、木多先生いわく「秋本先生への応援」らしい。
・22歳で漫画を描き始めて、賞を取ったのが25歳くらい。その間はビデオ屋でバイトしてた。
・付き合ってた彼女は幕張が始まってすぐふられた。(幕張のせい?)
・大阪をバカにした描写が多いのは、幕張の頃、大阪出身のアシ二人が仲が悪くて険悪なムードになってて、そのせいで木多先生に心労が募ったため、大阪に悪いイメージが付いたらしい。

以下は作品ごとのコメント。wikiの作品紹介文を読んで、それに木多先生がコメントする形を取った。

平成義民伝説 代表人について】

・(wikiの
「実在の芸能人がモデルとみられる人物が多数登場したため、連載開始直後からその危険性が指摘されていた」に触れて)
木多「これは間違いで、正確には連載開始前から問題視されてました」
・木多「冨樫先生のネタまではやりたいと思ってた」(ということは、冨樫先生のネタが引き金になって打ち切りではなく、打ち切りだから悔いがないよう冨樫先生ネタをやったということ?)

※冨樫先生のネタ……藤沢とおる先生が休載が多いという話で、横に冨樫先生の自画像が出て「僕も病気だよ」と言ってるネタ。冨樫先生からクレームがついて代表人は打ち切られたと噂されている。

・(wikiの
「案の定すぐにクレームがついたらしく、連載開始のわずか数週後から、話の筋が当初意図していたと思われる方向からどんどん狂い出し、主人公が誰かすらもわからない支離滅裂な展開となっていく」に触れて)
主人公が変わったのは、当初からそのつもりだったらしい。
・司会「実際、クレームはどうだったんですか?」
木多「まあ、その辺は……いいじゃないですか……」
・秋本先生をネタにしようとしたら厳重注意された(集英社時代の話か?)
・原稿を描く→担当に渡す→電話で「すいません、載せられません」

泣くようぐいすについて】

・ライバルを出した辺りで打ち切りが決まったらしい(ということは、最後の夢オチのためにライバルを出したわけではない?)
・自分の漫画は基本的に読み直さない。ネタが被るのは何を描いたか覚えてないから。
雷神のアオリを食らって打ち切りになった。
・漫画を描き続けるモチベーションは、カネと読者の声。
・(ラストの夢オチについて)木多「読者を裏切ったとは思ってない。むしろ期待に応えたと思っている」

喧嘩商売について】

・画力は上がったのではなく、CGを使ったことにより絵に時間が掛けれるようになり、丁寧に描いてるだけ。
・漫画家同士の交流会は今まで出てなかったが、新年会に初めて出た。すると他の漫画家からチヤホヤされたのでモチベが上がったが、最近、編集部と「やめる、やめない」でモメて、またモチベが下がったらしい。今はかなりモチベが低いみたい。
・(wikiの
「今のところは適度に脱線しつつも、メインのストーリーはかなりまともに進んでいる」に触れて)
木多「今後もその時の気分次第で行き当たりばったりで進めていく」
・木多「女子アナハンターのネタは載るか載らないか半々くらいの可能性だった」

《このタイミングで島袋先生登場》

・小栗かずまた先生も誘ったけど来なかった(しかし、どうも司会の人形役が小栗先生だったっぽい??)
・島袋先生ネタは、ちゃんと島袋先生に連絡して、島袋先生がOK出してから掲載してるらしい。島袋先生本人はどうでもいいみたいだけど、集英社の編集は「そんなのOKしないで下さいよ!」と怒ったらしい。

幕張について】

・島袋「幕張は9割ノンフィクション」
・島袋「幕張にパロディで出てくるのは、全部木多先生の好きな漫画」
・編集からは「キャプ翼だけは(パロディにするのは)やめて」と言われた。なので講談社に移ってから描いた。
・(キャプ翼がダメな理由に関して)「いやー、(高橋先生が)うるさいっていうか、(高橋先生は)天然系だからじゃないですかね?」
・つの丸先生の外見はチンピラっぽい
・(小栗と板垣総理ができちゃうシーンについて)木多先生の家に、小栗先生から直接留守電が入ってて怒られたらしい。
・(ガモウ先生に対して)木多「あ〜、大場つぐみさんですね〜」
・(ジャンプ表紙の新年会作家集合写真が終わった理由について)
木多「ワッキー(和月先生)だね。あれ、ワッキー酷い写りみたいに思うだろうけど、一番ワッキーの写りがいい写真を採用したんだよ」
島袋「遠隔地で描いてる作家さんは、このためだけに東京に来なきゃいけないから面倒だったらしいよ」
・担当と直接会って打ち合わせはあまりしないらしい。木多先生はサーバーにアップロードして、担当が落としてチェック。
・ガチンコファイトクラブの出演者から(普通は編集部で処理するのに)木多先生に直接怒りの電話が来て、木多先生が直接説得した。
・幕張は先生が自分からやめた。やめなかったら代わりに遊戯王が終わってたらしい。
・木多「遊戯王は、なんか良く分からない友情パワーとかで勝つのが許せなくって。担当が同じだったから、担当を通して『とりあえずカイジとか読んでくれねえかな』って伝えたら、一応読んだことは読んだみたいだけど、遊戯王で船の中で星の取り合いとかし出して。(参考にするのは)そこじゃねえだろ!って言いたくなった」
・遊戯王のカードバトルを推したのは木多先生。

【質疑応答】

・Q「初体験はいつですか?」
木多「ベルリンの壁が崩壊した頃」
島袋「ポケベルが出始めた頃」

・Q「パロディをやった漫画家さんの反応はどうですか?」
木多「荒木先生は多分すごく上から見てる気がするから気にしないと思う。会ったことないけど」

・Q「たけしは別紙で完結しましたけど、やっぱり完結したいって気持ちはあったんですか?」
島袋「あの時はとにかくすいませんでした」

・Q「最近のジャンプはどうですか?」
木多「昔より全然面白くないですよね。森田先生が一人浮いてる。個人的にはヤンジャンかヤンマガに来て欲しい」
島袋「ドラゴンボールや北斗などの昔と比べると物足りない」

・Q「コンビニ復刻版の修正箇所は?」
木多「先マティはクロ高が訴えられたので絶対ダメだと思ったので直した。他にも色々直せと言われたので直してたら、あまりに数が多いので途中で直すのやめた」

・Q「もて王や絶望先生は意識してますか?」
木多「読んでない」
島袋「漫画家はあまり漫画読まない人が多いんだよね」

【木多先生のまじめな話】

・講談社に移った後、食堂でたまたまジャンプを読んだら昔好きだったジャンプではなくなっていた。
・ジャンプがオタク化してる。
・一生懸命描いてる個々の作家さんには何も言うことはないが、今の編集部のやり方はどうかと思う。
・オタク化してる今のジャンプはどうなんだろう。もっと幅広い読者に読まれたい。


***

個人的には「泣くようぐいす」の夢オチが大好きなので、そこの話が聞けたのは嬉しかったです。
漫画家先生の連載を続けていくモチベーションには読者の声が大きいというのも肌で感じられました。
ファンレター書いたら冨樫先生もハンター描いてくれるのかなあ。





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