●『君主論』研究_第五章




『征服される以前に、固有の法によって暮らしていた都市や君主政体を、どのようにして統治すべきか』
〔第五章では新しくゲットした領地が、それまで共和制であった場合にどうするべきかということについて書いてある〕

※第五章における「自由」とは「共和制」と同義と思われる。

それまで共和制だった領地の統治法――都市を崩壊させる(○)
                          君主が自ら移り住む(○)
                          共和制のまま寡頭政権を擁立し、租税を取りたてる(×)

きょうわ-せい 【共和制】
〔republic〕世襲による君主制に対し、主権が複数者にある政治形態。国家元首や人民の代表者を間接・直接に選出し、主権が人民にある民主的共和制と、少数特権階級にのみ主権がある貴族的共和制・寡頭的共和制などがある。(goo辞書)

「共和制のまま寡頭政権を擁立する」の詳細は不明だが、主権のある少数特権階級を君主が自分の都合の良いようにコントロールということだろうか。
マキャベリによれば、共和制を保存するというやり方は「安直ではある」が、正しい方策とはいえないという。君主からどのような恩恵が施されようと、共和制は最後の拠り所となり、反撃の契機となるため。
君主制の下にあった人民は、君主を失っても「自由な生活(共和制のやりかた)を知らない」ため、すぐにひとりの君主を立てることはできない。しかし、共和制の下にあった人民は、活力が大きく復讐心が強いため、最も安全な方策は都市を抹消するか、もしくは君主が自ら移り住むことだという。この都市の抹消とは、「共和制の解体、ならびに城砦の物理的破壊」すなわち、都市機能の破壊と考えられる。政体+防御機能がこの時代の「都市」の概念ということだろうか??(ここは怪しいので確認したい)


第五章のまとめ

それまで共和制だった領地の統治法――都市を崩壊させる(○)
                          君主が自ら移り住む(○)
                          共和制のまま寡頭政権を擁立し、租税を取りたてる(×)

新しくゲットした領地が、それまでは共和制であった場合、最善の選択肢は君主が自らそこに移り住み、なおかつ共和制を解体し、城砦を物理的に崩壊させること。共和制のまま保ち続けるのは危険である。


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