●『君主論』研究_第一四章





『軍隊のために君主は何をなすべきか』
〔第一四章では君主が平時どのような鍛錬を行うべきか書いている〕

『君主たるものは、戦争と軍制と軍事訓練のほかには何の目的も何の考えも抱いてはならない』
贅沢をしたり、遊んで暮らしたりしないという意味。

・非武装であることは、君主が警戒すべき悪評の一つ。
武装した家来が非武装の君主に従うはずないし、そんな君主が安全を保てるはずもない。
また、武装した家来が君主を侮り、非武装の君主が武装した家来を疑いの目でみるならば、両者が軍事行動を一緒に進められるはずがない。

君主の戦時訓練――実践によるもの――配下の兵の統御と訓練
             |             狩猟(※2)

              精神によるもの(※1)

※1
精神の訓練は歴史書を読めばいいらしい。それで先人の成功や失敗に学べ、という話。

※2
君主が狩猟を行うのは、体を鍛えるためと、自然の地平を把握すること。自然の地平を把握することで、まず自分の土地の防衛に、それら近場の自然状況を活かすことができる。次に、自然の地平に対する理解を応用することで、自分の土地以外での戦闘でも、自然の地形を類推し、有利に運ぶことができる。


第一四章のまとめ

君主は遊んで暮らしたりせずに、日ごろから軍事訓練に励めという話。
遊んで暮らすなってのは良いとしても、他の君主らしい仕事はどうするんだろう。外交とか。経済とか。

君主の戦時訓練――実践によるもの――配下の兵の統御と訓練
             |             狩猟(※2)
              精神によるもの(※1)


軍事訓練の方法は「歴史書を読め」「兵を統御しろ」「狩猟をしろ」という、オーソドックスなもので、「狩猟」の効用を、自分の領地の自然を把握し防衛に役立てることと、自然を理解することで初めての地であっても推し量ることで戦闘で優位に立てることだと説いている。

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