●『君主論』研究_第二二章





『君主が身近に置く秘書官について』
〔第二二章では君主の秘書官(ここでは側近の意)について言及されている〕

・君主が有能かどうか見定めるには、側近を見ればいい。側近が有能で忠実なら、君主も有能だ。

君主の頭脳――自分の力で理解:優
         他人の理解を聞き分ける:良
         自分の力でも他人の力でも理解できない:不可

側近の意見を聞き入れ、その善悪を見極めることができるなら、優ではないにしろ良はつく、ということ。

・ダメな側近の見分け方
1、君主のことより自分のことを考えている
2、全ての行動において自分の利益を追求している

・側近を忠実に保たせる方法
1、名誉を与えつつも、それ以上の名誉を求めないよう配慮する
2、多大の富を与えつつも、それ以上の富を求めないよう配慮する
3、地位を与え、君主なしでは自分が存在し得ないことを理解させる
4、多大な任務を与え、政変が生じることを恐れさせるよう配慮する


第二二章のまとめ

・側近が優秀なら、その君主も優秀
・ダメな側近はいつも自分の利益を追求してる

・側近を忠実に保たせる方法
1、名誉を与えつつも、それ以上の名誉を求めないよう配慮する
2、多大の富を与えつつも、それ以上の富を求めないよう配慮する
3、地位を与え、君主なしでは自分が存在し得ないことを理解させる
4、多大な任務を与え、政変が生じることを恐れさせるよう配慮する

大変理解しやすい第二二章。とくに納得できるのは、側近を忠実に保たせる方法の5番目。部下を為政者の側に立たせることで、政変を起こす可能性のある者を、逆に政変を恐れる者へと変えさせる。


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