●選挙に行きましょう |
※長いので読むのがだるい人は一番下のまとめを読んで下さい。ただし掲示板にコメントを寄せて下さる方は全部読んでからにして下さいね。 05年9月7日 選挙に行きましょう。 行きたい人は選挙に行きましょう。 行きたくない人は別に行かなくて構いません。 僕は、何も考えずに「選挙に行こう」と主張する人間が嫌いです。 特に、それが絶対に正しい間違いのない考えであると勘違いしている人間が嫌いです。 熟慮を重ねた上で、総合的判断として「選挙に行くことはどちらかと言えば正しいことである場合が多いと判断し主張している」ならともかく、何の疑問も抱かず主張しているようでは滑稽です。 「選挙に行こう」と唱える人がまず考えなければならないことは、この世には民主主義に反対している人間もいるということです。 念のために言っておきますが、僕個人としては「どちらかといえば王制や寡頭制より民主制の方がまだ若干マシな気がする」と考えています。 しかし、世の中には、「民主主義なんてクソだ!オレが将来君主政権を作り上げてやるぜ!」と思ってる人もいるでしょう。 そういう人に対して「キミも民主主義国家の一員なら選挙に行こう!」と言っても滑稽でしかありません。 民主主義を覆すために、民主主義的手続きを踏むなど、少なくとも感情的には考えにくいことです。現実的には手順として一番容易かもしれませんが(ヒットラーとかね)。 「選挙に行こう」と叫ぶ人は、まずこの点に留意して頂きたいです。 自分たちの言っていることが、正確には「"民主主義制度を保ちたい人は"選挙に行こう」であることをです。 第二に考えなければならない点は、おそらく多くの人が思っているよりも遥かに「一票は重い」ということです。 一票の重さを本当に理解していれば、そう軽々と「選挙に行こう」などと言えないと思うのです。 「投票をするということは、ものすごく大変なことだ。寝る間を惜しんで全ての労力と時間をかけても、満足な情報を得られず不信感を持ちながら投票することになるかもしれない。そして、その投票の結果、極端な話、あなたは望まない死を遂げることになるかもしれない。その時の責任を最悪自身の命で償う形になるかもしれないが、私はあえて言おう。そこまでの覚悟を持った上で、あなたは選挙に行くべきである」 こう言うのなら分かります。 ものすごく厳しい言い方ではありますし、何人の人がこれに耐えれるかは分かりませんが(少なくとも僕は耐えれません)、ただ理想論として、このような言い方をするのはアリだと思います。理想にすぎず、現実的ではありませんが。 なぜ選挙がそれほど厳しいのか。 その困難は、まず各政治家が主張している事が果たしてどれほど正当なことであるか、有権者が判断しなければならないことにあります。 ですが、人が為すことは常に善悪表裏一体です。 その時は一時的に良い結果を出せたとしても、数十年後にどんな悪影響が出るか分かりません。 100人のうち95人のためになることでも、残り5人にとっては大きな不利益をこうむることかもしれませんし、その残り5人にあなたが入ってしまう可能性もあります。 実際のところ、専門の学者であっても政策の影響を完全にシミュレートすることはできないでしょうし、いわんや僕たち庶民がそんなことまで判断できるわけがないのです。 また、自分たちの選んだ政治家がどれほど誠実に公約を実行するかも怪しいところです。 だから、もし可能であるならば、その人の人となりや性格まで考慮すべきでしょう。 もっと言えば、その人がその時置かれている状況や、周囲の政治家との友好関係なども考えるべきです。 しかしながら、言うまでもなくそのような情報はどこまでも収集できるものではないし、そのような情報にどこまで信頼性が置けるかという問題もあります。 また、これらの情報を集められるだけ集めたとして、それを判断するために勉強する時間も膨大です。 そして、様々な影響などを熟慮した上でどれかを選択したとして、その結果、自分が思いもつかなかった悪影響が自分に振りかかってくる可能性があることは、ここに至ってもまだ捨てきれません。 つまり選挙というものは、もし本気で投票をしようとするならば「働く時間も寝る時間も遊ぶ時間も全て捨てて、一心不乱に政治を勉強し、かつ、その結果自分が選んだものがそれでもなお間違っている可能性を自覚しつつ」行うものとなるのです。 これは大変厳しいものだと僕には思われます。 「とても投票なんてできないよ」という人がいても当然のことで、そういう人に向かって「うるさい、選挙に行け」などと無責任に言うことはあまりにデリカシーに欠けることだと僕は考えます。 この問題に対する解決策は後述します。 以上2点において、「軽々しく『選挙に行こう』と言うこと」を批判したわけですが、実際のところ、「民主主義はクソだから選挙には行かないぜ」「一票の重さに耐えきれないから選挙に行きません」という人は極少数だと思います。 そうではなくて、ほとんどの人は「だるい」「めんどうくさい」「興味がない」「どうでもいい」から行かないのだと思います。 これに関して僕の意見を述べさせてもらうと、だるいなら行かなくても構いません。 要はその人が「政治」に対して、どれほどそれを重視しているかという問題です。 「選挙に絶対行った方がいい」と考えている人は、その人の中での政治の優先度が高いからそう思うのであって、政治の優先度が低い人はそうは思わないのです。 例えば極論ですが、不治の病に冒され明日にも死にそうな病人に対し、「きみも闘病で大変だろうが、しかし、日本国民の一員として、苦しかろうが選挙に参加すべきだ。代理人投票をして来てあげるから、ほら、この公約一覧を熟読吟味し、誰に投票するか決めたまえ」とは言えないと思います。 この病人の中では、おそらく政治の優先度は相当下がっているはずです(逆に上がる人もいるかもしれませんが)。 いわば「知ったこっちゃねえ」状態なのです。 これは極端な例ですが、「投票に行くくらいならゲームしてたい」「草野球があるから投票行けない」という人も同じです。 こういう人には「そんくらいの理由なら選挙に行こうよ」と言いたくなる気持ちも分かりますが、前述の通り、選挙のハードルは極めて高いものですから、そんな「政治を重視していない心安らかな人々」に対して、あれほどの重荷を新たに背負わせるなど躊躇されてしかるべきでしょう。 また、しばしば見られる「投票をしない人は選挙に口出しするな」という意見ですが、これも僕はどうかと思います。 確かに心情的にはその通りです。 投票もしない人が政治に文句を言ってるのを見たら、あまり良い気はしないでしょう。気持ちは分かります。 が、しかし、それは気持ちが分かるだけの話です。 現実に文句は言えるのです。 そして、言えるんだから言えばいい。 投票もしてないくせに文句を言うような人は非常にウザイと思うかもしれませんが、それでも言えるんだから言えばいいんです。 ここらへんは人によっては何を言ってるか分からないと思いますが、理念ではなく現実の話をしているのです。 ものすごく過激なことを言ってしまえば、選挙に出馬するのではなく、軍事クーデターによって政権を握ることだって出来ます。 理念的には絶対止めて欲しいですが、でも現実的には出来てしまうのです。 "現実にはできる"ということ、ここを無視してどうこうと言ってても仕方ありません。文句は言えるんです。 そして、軍事クーデターはできれば止めて欲しいけど、本当に困ってる人であれば泣き寝入りせずに文句を言えばいいんです。 「僕は確かに前回投票しなかったけど、ムチャクチャな法案ができて生きるか死ぬかのレベルで困ってる。文句を言っちゃいけないの?」 言えばいいんです。 「それでも投票してないんだから文句をいうな」と思う人もいるでしょうが、そんな人のことは知ったこっちゃありません。 逆に考えると、とりあえず投票してれば何を言ってもいいわけではないのですから。 「僕は前回何も考えずに投票に行って適当に名前を書いて出してただけなんだけど、おかげで文句が言えるよ。ラッキー」などは、ナンセンスです。 もちろん筋は通してないわけですから、あまり美しい行為とは思えません。 だから自主規制するのはアリです。ただ、「文句を言うな」と言っても仕方のないことでしょう。 ありえないほど極端な例ですが、たとえばあなたが毎回投票を棄権してるとして、「棄権してるやつは全員死刑」って法律が突然できたとします。 文句言いませんか?僕なら言いますよ。 さて。 それではここから一つずつ問題を片付けていきましょう。 僕の最終的な結論としては「それでも投票に行きましょう」です。 では、上記の問題をどのようにクリアしていけば良いのでしょうか。 まず、第一の点。 民主政治以外を掲げる人に対しては、はい、何も言うことはありません。 あなたの信じる道を頑張って下さい。 投票なんてもちろん行けませんよね。説得は無理でしょう。 では、第二の点。 一票が重過ぎて、その重みに耐えれないことについて。 これについての解決法は主に2種類あります。 1つは諦めること。 諦めて直観で投票しましょう。 顔が面白いとか、名前が面白いとか、なんとなく直観で決めるのです。 あんまりにも適当なのはなぁ…、と思う人は、それなりに公約とかを読んだり考えたりしましょう。 ただし、こんなものまともにやってたらキリがありませんから、適当なところで切り上げなければなりません。 それで、ある程度読んだり考えたりしたら、そこで再度直観で決めましょう。 「この人ならきっとやってくれる!」という直観です。 結局、最後は直観に頼ることになります。仕方ありません。 どこまで頑張って調べても「私の選択は間違いかもしれない」という不安は絶対に拭えません。 しかし、いろいろ調べたりした方が名前だけで決めるよりは裏切られる可能性は少なくなります。 ですから、どこまで調べるか、どこで見切りをつけるかという、その判断が各人に与えられた使命であり、その判断に対し責任を取ることが必要なのです。 直観で投票した後は、自分の直観に自信と責任を持たなければならないのです。 逆に言えば、どこまで調べていっても確証は持てないのですから、自分の直観に自信と責任を持つならば、顔だけで決めてもいいわけです。 でも、いろいろ調べた方が「自分はあれだけ真面目に考えたんだし」と自分に言い訳ができて楽な気持ちになれるので、程ほどのところまで考えることをオススメします。 この「程ほどのところで諦めて直観で投票する」やり方はおそらく最もメジャーな方法で、組織票以外で投票する人のほぼ全てがこのやり方を選択していると思います。 これは自分の合理的判断の限界を認識し、かつ、自分の選択(直観)に責任を負うというもので、基本的にはこれがベストなやり方だと思います。 これができる人は精神的にタフな立派な社会人です。えらい。 ※政治は子育てに似ていると思います。どちらも諸説入り乱れますが、おそらく正解はありません。そして、子供は適当に育てても適当に大きくなりますが、政治も有権者が適当に扱ってても適当に事を運んでくれます。子育ては確証ではなく直観で行われますが、投票も最終的には直観で行われます。 しかし、この1つ目の方法は、ほぼ無限に必要となる時間と労力を「途中で諦める」ことにより解決しましたが、「自分が誤った判断をしているかもしれない可能性を認めつつ、あえて投票に踏み切る」という、いわば「ロシアンルーレットの引き鉄を引く」ようなプレッシャー(=自分の直観に対する責任)から逃れることはできません。 そういったプレッシャーを感じることなく投票をする巧い方法はないものか? そこで僕が推奨する「2つ目の方法」が出てくるわけですが、それについては、第三の問題と合わせて考えましょう。 ※なお、3つ目の方法として、「バカになる」という外道技もあります。 これは、そういった一票の重みを完全に忘却し、深刻にならずに苦悩なく投票するというものです。 つまり選挙をナメるということです。 これのメリットは、上述のような「もしかして間違っているかもしれないし、最悪の場合、自分の手で自分を殺す結果になるかもしれない」というプレッシャーを感じないことです。 実際のところ、政治なんてものは誰に投票しようとそうそう大きな変化はありませんし、あなたが殺されることなど、まずありえません。 だから、バカになって気軽な気持ちで投票するのも有効といえば有効です。 ほとんど不要な心配をしなくて済むのですから、バカになった人は気楽で良いのです。 ただし、バカになって投票することが本当に良い事なのかどうかは、僕には判断がつきません。 第三の問題について。 政治の重要度が低い人に対し、その重要度を上げる説得というのは非常に難しいです。 その難しさは第二の問題である「一票が重い」ことにも起因します。 ものすごくぶっちゃけた話をすると、政治が少々どうなろうと人はそうそう困りません。 消費税が3%から5%に上がったのは確かにすごく腹立たしいですが、かといって別に死にはしません(企業だと辛いところもあるでしょうが)。ちょっと出費を抑えれば済む問題です。 ものすごく正直に僕の心情を吐露すると「おそらく政策によって蒙る被害よりも、選挙に関わることによって失う時間・労力、ならびに精神的負担の方が大きい」というのが実情です。 政治に関わらないことで心安らかに生きている人に対し、大変な苦痛である選挙に行け、というのは難しいことです。 というわけで、僕も昔は投票に行きませんでした。 しかし、僕はちょっとした発見をしたのです。 このテクを使えば「程ほどで諦めて直観で投票する」ことほど偉くはありませんが、それなりに社会人として「アリ」なレベルで選挙に参加することができます。 そう、それは白紙投票です。 今回は長々と書きましたが、結局言いたいのは「白紙投票をしよう」ということなのです。 白紙投票のメリットは、まず「民主主義自体は肯定している」ということを示せることです。 (だから、当然ですが、民主主義はクソだと思ってる人は白紙投票をする必要もないです) 次のメリットは時間や労力をかけなくていい、ということです。また、「間違った選択をしてるかもしれない」というプレッシャーから逃れることもできます。 選択をしないのですから、情報を集める必要もありません。 ところで、「白紙投票なんて投票しないのと同じじゃん?」と思う人もいると思いますが、これに関しては次のように答えたいと思います。 まず、これは僕のドリーム(妄想)であることを先にご了承下さい。 僕のドリームはこうです。 現在は白紙投票の数は少なく、はっきり言って政治家からもムシされてると思います。 ですが、これが全体の20%とか30%とかだったらどうでしょうか? 政治家も「ちょっと有権者どもが気に入るような公約立てたら、この20%がウチに入るんじゃね?」と思うかもしれません。 いわば白紙投票が無言の圧力に成りうるかもしれないのです。 どこに転ぶか分からない白紙票が常に一定数あれば、政治家はそれに期待し、有権者のための政治をより真面目に考えるのではないでしょうか? これは僕のドリームなので、実際政治家がどうするかは分かりません。 白紙票が50%を超えてても無視するかもしれません。 ですが、無視しないかも知れません。 そこらを総合すると、白紙投票は「時間も労力も掛からず、お手軽で、民主政治の存続に寄与し、間違った判断をするプレッシャーからも解放され、ひょっとすると効果があるかもしれない」ものだと言えないでしょうか? あと、本質的なことではないけど、「今まで周りから『選挙に行け、このクズが』と言われてたけど、これで胸を張って白紙投票主義であることを主張できる」という、実にくだらない(されど感情的には重要かもしれない)メリットもあります。 どうでしょうか? 「だるい」「めんどうくさい」「興味がない」という気持ちも良く分かりますが、会場に着けば投票自体は3分で終わります。 白紙投票なら、時間も労力もかけず、精神的負担もなく、それでいて大きな効果をもたらすかもしれません。 おまけに、もう周りから白い目で見られることもありません。 費用対効果、そして気分の良さなどを総合すると、白紙投票はなかなか魅力的な選択肢ではないでしょうか? 実際のところ、白紙投票ばかりがものすごく増えても困りますが、まあ「直観で投票する人」も壊滅することはないでしょうし、何となくバランスが保たれてくれるんじゃないですかね。希望的観測ですが。 今まで何となく投票に行かなかったけど、これを読んで納得してもらえた人は、今度の衆議院選で白紙投票を実践してみてはいかがでしょうか。 ※白紙投票主義に対し、当然予想されるであろう「それでも白紙投票ではなく、真剣に吟味して考えて考えぬいて、それで選んだ人に投票し、かつ自分の投票に責任を持つのが正しい投票の姿ではないか」という意見に対しては、「あなたにはそれをするだけの精神的頑強さがあり、大変立派だとは思うが、残念ながら私にはそれほどの頑強さはなく、仕方なくこのような手段を取らせてもらっている。あなたほど強くない人間がいることも理解して頂きたい」と答えておきます。 また、「白紙など棄権と変わらない。白紙で出すくらいなら適当に書いて出せ」という人には、「あなたはバカになったんですね」と答えておきます。 《東京一区の住民のみなさまに対してお願い》 上記理由から僕は「一票の重みに耐えれない人」「だるい人」には白紙投票を勧めていますが、東京一区(千代田区、港区、新宿区)にお住まいの方は、できれば白紙投票よりも「唯一神又吉イエス」に投票してあげて下さい。 又吉先生に投票することは白紙投票とほぼ同義です(おそらく)。 絶対当選しませんからご安心下さい。 それでも、又吉先生に供託金を返してあげたいんです。 一定の票数を獲得できないと、出馬した人は供託金(300万円)を取られちゃうんですが、又吉先生は借金して出馬してるんです。 61歳で300万円の借金は致命的に厳しいと思うので、助けてあげるつもりで投票してあげて下さい。 何より、こんな楽しい人がもう選挙からいなくなってしまうと考えると寂しいじゃないですか。 ちなみに、有効得票総数の10%が得られないと供託金が帰ってきません。 前回の衆議院選では有効得票総数が241196票で、又吉先生は698票。 わずか0.3%です。どうしようもありません。 万に一つの可能性にかけ、又吉先生への投票をお願いします。 【まとめ】 今回の趣旨⇒「選挙に行くのってすげー負担だし、やってらんない。なんかイイ方法ないかな?」 ・選挙に行かない人は心安らかである。 ・投票をする人は、完全に合理的な判断から投票をすることはできず、最終的には直観に頼ることになる。 ・直観に頼るため「自分は間違っているかもしれない」という苦悩は常に付きまとい、投票の精神的負担は大きい。 ・バカになって苦悩を感じずに投票をするのは楽だけど、果たしてそれが良いことかどうかは分からない。 ・投票の苦悩を感じず、かつバカになることもなく、簡単お気軽に投票するなら「白紙投票」がオススメ。 ・白紙投票には意味がある(かもしれない)ので、「投票の重みに耐えられない」「だるい」「どうでもいい」という人は、とりあえず白紙投票をすればいいかも。政治のことは良く分からなくても、とりあえず白紙で出してるだけで政治が少し良くなるかもね。 ・東京一区の人は唯一神又吉イエスに投票しましょう。 |
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