ーなんと忌むべきか、この町は。
魔術師
まだ日中だというのに、一人の男が家の中でたたずんでる。
ただ椅子に座ったまま、ひたすら白い壁を見つめ続けている。
その顔には全く力が無く、本当に人間であるのかさえ疑わせる。
この男だけでは、ない。
この町全ての人間が、こうやってたたずみ続けているのだ。
彼らは、全く食事や睡眠を取らない。それどころか、年すら取らない。
ずっと同じ姿勢のままで、ただ時の流れの中にたたずんでいる。
今日もまた、同じ姿勢のまま、時が過ぎていった。
さながら、時が止まったかのように。
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所々ちぎれている地図を見ながら、山の中を若い魔術師が歩いている。
長く伸びた草、鬱蒼と生い茂る木々、低い声で鳴き叫ぶ鳥たち。
その一つ一つが、確実に精神力をはぎ取っている。
(・・・本当にこの山の中に町などあるのだろうか)
彼は剥き出しの大石に腰を下ろし、先ほどくんだ水筒の水をぐいっと飲み干した。
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つい、三日前のことである。彼は、師匠から昇格試験の内容を伝えられた。
「ーお前には、ある町に向かってもらう」
髭だらけの魔術師から、若い魔術師へと地図が手渡される。
「これは・・・師匠、これは一体どこの町ですか?」
老魔術師が皺だらけの手で手招きをする。
「それはのう、よいか、誰にも言ってはならんぞ」
「わかっております、師匠」
彼は首を縦に軽く振って、老魔術師の口元に耳を寄せた。
「人々の、記憶から消された町じゃ」
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(・・・記憶から消された町、か)
もう一度地図をざっと広げる。そこには確かに、町があるように記されている。
彼は、鞄の中からもう一枚の地図を取りだした。こちらの地図は、まだ新しい。
(確かに、こちらの地図にはそんなものないし、第一こんな町なんて知識にない)
どうみても、新しい方は単に山が続いているだけのように記されている。
そもそも、この山は「神聖なる山」として普段から立ち入りを禁止されていた。
人々が知らなくても、無理はない。
(それよりも、師匠の「努力せずに生きられる町」とはどういう事だろう。
それはいいことじゃないか。むしろ住んでみたいぐらいだ)
(・・・さて、そろそろ行かないと日が沈んでしまう。山の中は危険だからな)
彼は腰を上げて、また地図を見ながら歩き始めた。
もう太陽は、夕焼け色へと姿を変えていた。
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老魔術師が一人、椅子に座って夕日を見つめている。
時たま、自分に言い聞かせるかのように何かを呟いている。
「・・・もうあのときから、50年も経つのだのう」
夕日を見ながら、老魔術師は目を細める。
そのまぶたには、50年分の年輪が確かに、刻み込まれている。
「・・・上手くやってくれれば、いいのだが」
師匠、と呼ばれた男は、50年前の出来事を思い出していた。
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「それがどんなことだかわかってるのか!天に対する侮辱だ!」
「何を言う!俺らだって努力せずに暮らしたいんだ!」
横殴りの雨音にも負けない大声で、お互いが何かを訴えている。
「その魔法は、決して使ってはいけないと先人より伝えられてきたはずだ。
それを使うとは、我々の先人たちの努力を水の泡にするのと同じだ!」
「この魔法のどこがいけないってんだ!何の努力も無しに生きることが出来るなんて、
俺たち民衆にとってはこの上ない幸せなんだ。文句あるかよ!」
お互いの熱気は、打ち付ける雨が奪う体温より熱い。次第に言葉は勢いを増してきた。
「我々はお前たちを守ってきたのだぞ!それを使うのならば、この町から出てゆくぞ!」
「ああいいとも、誰もお前らなんかの力なんかいらねぇんだよ!」
「何だと、お前ら!この町が発展でき・・・ぐあっ!」
高ぶった町人の一人が、一人の魔術師を力一杯殴りつけた。
長老、長老、と後ろから魔術師たちが駆け寄ってくる。
「出て行け!今すぐだ、お前らなんかに用はない!」
「50年後だ、その時までお前たちは人でいられない。いいな!」
長老を支えながら、魔術師の一団は町から出て行った。
そして、町から魔術師たちが出て数分したとき、赤い稲妻が町に直撃した。
「おお、なんと忌むべきか、この町は」
魔術師たちが一斉に手を組んで、町の方へと祈った。
それと同時に、この町は人々の記憶から消された。魔術師たちだけを除いて。
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夕焼けの太陽が、また白色になって昇ってきた。
魔術師はあくびをしながら、また山の中を歩き始める。
(・・・熊にでも襲われないか気が気じゃなかったぞ、師匠も酷なことを言う)
こころの中でぶつぶつ師匠に愚痴を言いながら、ぼーっと足を動かす。
数分歩いたところで、急に空が広くなった。木の数が減っているのだ。
いっこうに見えなかった頂上が、やっと近づいてきた証拠だ。
踊る気持ちを表すかのように、彼は一気に山頂へと軽やかに足を進めた。
(・・・ここが、記憶から消された町、か・・・)
頂上から下をのぞき込むと、そこには町が存在していた。
四方を山に囲まれていて、まるで大きなくぼみの中にあるみたいだ。
(・・・さぁ、これからが勝負なんだ、いくぞ自分!)
彼は一息に、町に向かって山を下っていった。
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「・・・襲われたくないなら結界ぐらい張っておけ、馬鹿もん」
こっそり彼のこころを読んでいる老魔術師が、呟く。
何だか今日は肌寒い。熱く入れたお茶が何だかありがたく感じる。
一口啜って、窓の外を眺めた。
「おはようございます、老師。今日は雨が振りそうですね」
一人の魔術師が、窓の外を向いた老魔術師へと挨拶する。
老魔術師は、振り向かずに魔術師へと挨拶する。
「ああ、おはよう。今日は、良い日になれば、いいのう・・・」
空に浮かぶ黒い雲の方を見つめて、老魔術師は目を軽く閉じた。
雲は、まさしく試練をはらんでいるかのように、見えた。
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黒い雲が、町の上に集まっている。今にも雨が降り出しそうだ。
町の門に辿りついた彼は、深呼吸を一つして町を眺めた。
建物の一つ一つは古い作りになっている。おおよそ50年ぐらい前だろう。
しかし、妙な違和感がある。その一つ一つが全く新築のように見えるのだ。
それに、まったく活気というものが感じられない。
今日は祝日か何かなのだろうか。それにしてはあまりにも静かすぎる。
(・・・時が止まっている・・・いや、そんなことはない。とりあえず入ってみよう)
もう一つ深呼吸をして、彼は門へ足を一歩踏み入れた。
その瞬間、赤い稲妻が町へと落ちた。
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窓から、赤い稲妻が遠くで落ちたのが見える。
「ろ、老師、今のはっ・・・!」
魔術師たちが、慌てて老魔術師に尋ねる。
ざわざわと建物の中は魔術師たちの驚きの声で包まれている。
老魔術師はため息を一つして、ぼそっと呟いた。
「試練の、始まりじゃ・・・」
老魔術師は手を組んで、祈った。
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椅子に座っていた男が、雷鳴でぱっと意識を取り戻す。
何かを喋ろうとするが、言葉が全く思い出せない。
言葉を思い出そうとする「努力」ができない。
(あ、あ・・・あ、うぅ・・・)
この男だけでは、ない。
この町全ての人間が、このように動き始めた。
さながら、止まっていた時が動き始めるかのように。
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(今のは何だっ・・・! と、とりあえず町の人が安全かどうか調べなきゃ!)
慌てて魔術師は、辺りを見回しながら町の中へと駆け出す。
走り始めてすぐに、彼は違和感を感じ始めた。
(おかしい、やっぱりこの町には人気がない。完璧に静まりかえってる)
どの家々も立派なのに、全くそこに人の気配が存在していない。
建ち並ぶ店たちも、店とは思えないほどの静けさに包まれている。
彼はなんだか背筋の冷たさを感じながら、町の中を走り回った。
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男は、自らの腹をおさえる。空腹なのだ。
しかし、彼らには何も出来ない。食べ物を探す「努力」ができないのだ。
(うう、あ・・あぁ・・う・・・)
彼は、家のドアを開けて外へ出た。皆が、家のドアを開けて外へ出た。
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(おかしいおかしいおかしいっ、誰もいないじゃないかっ!)
中央の広場までたどり着いた魔術師は、膝に手をついて息を必死に抑えようとする。
その額からは、熱い汗と冷たい汗の両方がこぼれ落ちている。
(・・・もう一回だ、もう一回誰かいないか探そう)
彼が顔を上げたとき、彼はもう一度冷や汗をかいた。
町人たちが、一斉に広場へと向かってきているのだ。
(何だ、ちゃんと人がいるじゃないか。話を聞いてみよう)
ぽつぽつと、小雨が降り始めた。
広場の高台に立って、彼は周りを見渡す。
おそらくみんな広場へと集まったのだろう。彼は大声で叫ぶ。
「みなさん、さっきの雷大丈夫でしたかー!」
返事が全くない。
「さっきの雷、大丈夫でしたかー!」
また、返事が全くない。彼は、何度も何度も叫び続ける。
ぐーっと腹の鳴る音と、腹を押さえて苦しそうにする町人たちをみて、
彼はようやく状況を掴んだ。みな、空腹なのだ。空腹でたまらないのだ。
彼は駆け下りて一人の男に話しかける。
「あなた、食べるものをもってないんですか?」
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男は魔術師に話しかけられる。
「あなた、食べるものをもってないんですか?」
言葉が全くわからない。いや、聞き取ることができない。「努力」ができないのだ。
「ああお・・・おぁあ、うぅ・・・」
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「ああお・・・おぁあ、うぅ・・・」
うめき声のような返答が、魔術師へと返ってくる。
男だけではない。周りの者全てが、うめき声を上げているのだ。
(何で、何で食料を探す努力をしないんだ!何で話そうとする努力をしないんだ!)
彼がやけっぱちになったとき、彼は師匠の言葉を思い出した。
(そうか、「努力せずに生きられる町」なんだ!努力が全く出来ない町なんだ!)
しかし、わかったところでどうしようもない。現に、食べるものが一つもない。
見る限り店に食べ物なんてなかったし、人が多すぎて身動きがとれない。
(どうするんだ、どうするんだよ!食べ物をどうやって見つければいいんだよ!)
次第に、打ち付ける雨が強くなってくる。もはや、横殴りだ。
この雨が、空腹の町人たちの体力を確実に削ぎ始める。
膝を折って倒れ込み始める町人たちが出始めた。
何かわからない言葉を呟きながら、暴れ始めるものたちもいた。
彼はしゃがみこみ、頭を抱え込んで考える。
(おい、おい、どうすればいいんだよ!食料を出す魔法なんて俺は知らないぞ!)
周りのうめき声が、さらに彼の思考を鈍らせる。
(俺に何ができるっていうんだよ。どうすればいいんだよ!)
雨が彼の顔に一気に打ち付ける。彼は、何か吹っ切れて高台へと登り始めた。
彼は雨がこぼれ落ちる方を向いて、叫び始める。
「天よ、天よ、何とあなたは無情なのだ!努力できない者を見殺しにするのか!
この人たちにいかなる罪があるか、私にはわからない。しかし、だからといって!
このように苦しむたちを見殺しにしていいのか!天よ、天よ!」
雨だけじゃない何かが、彼の顔から一気にこぼれ落ちる。
そして彼は、膝を折って、手を組んだ。
天に向かって、ひたすらひたすら、祈り始めた。
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男は、魔術師の方を見る。もはや空腹で気が狂いそうだ。
その時、魔術師は何かを空に向かって叫び、手を組み始めた。
(あ、ああ・・・あああ・・・)
何だかよくわからなかったが、男もまねをして手を組んだ。
そして、必死に祈った。何を祈るかはわからなかったが、とにかく祈った。
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彼はふっと下を見る。周りの者たちが皆手を組んで祈っている。
何故かわからないが、胸の中にこみ上げてくる力があった。
彼は鞄から棒を取り出して、右手にもって天に突き出す。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
叫んでいた。精一杯叫んでいた。まるで、死にかけた獣のように叫んでいた。
その瞬間、青の稲妻が彼の棒へと直撃した。
彼は、意識を失った。
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彼が気を取り戻したとき、彼に白いものが降り注いでいることを気づいた。
(マナだ!マナが降ってきたぞ!)
「みんな、おい、これを食べるんだ!これは食えるものだぞ!」
「やった、食べ物だぞ!」「駄目だ、もう気が狂ってしまう!」
(え?言葉喋ってるじゃないかっ)
彼は呆気にとられて、町人達を見ていた。
自分が助けた、と言う気持ちがあってか、何だか町人たちを見ると嬉しくなった。
町人たちは、がつがつとマナをほおばった。
「ありがとうございます、魔術師様!」
気づくと、皆が魔術師に向かってお辞儀をしている。全てのものから涙がこぼれ落ちている。
何だかよくわからなかったが、彼は町人から話を聞くことにした。
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「ご苦労じゃった、よくやったぞ。昇格はばっちりじゃろう」
「ありがとうございます、師匠。めちゃくちゃ大変だったんですからねー」
若魔術師の顔から、ふっと力が緩む。疲れがやっと取れた感じだ。
「これ、あれぐらいできんと昇格なんかできんわ!」
「あはは、師匠、怒らないでくださいよ。それより、詳しい話を聞かせてください」
またふっと若魔術師の顔が引き締まる。
(こいつの凄いところは、ここだのう・・・)
老魔術師は髭をさすって笑いながら話し始めた。
「あの町は。わしの生まれた町であり、この魔術師学校があった場所じゃ。
50年前にのう、町人たちが禁忌の魔法を使ってしまったのじゃ」
「それが、努力をせずに生きられる魔法、ですか」
老魔術師の顔つきも、いつしか真剣になり始めた。
「あの魔法は【天を侮辱する魔法】とも呼ばれていた。
努力できなくなるということは、生活がまともに出来なくなってしまうことだ。
だからわしらは50年間あの村の時間を止め続けた。彼らも年を取っていない。
同時に、我々以外の人間の記憶からあの町を消して、見つからないようにした。
そして、丁度50年たった今、こうしてお前が魔法を解いた。
お主、途中で努力しなくていいなんて楽でいいな、なんて考えなかったろうな?」
若魔術師がびくっと動く。老魔術師は笑ってまた話し始めた。
「考えてみよ。日頃食料を手に入れられるのも努力があってこそじゃ。
我々の肉体でさえ、意識せずとも心臓たちが努力しているから生きておられるのだ。
言葉を喋るというのも、今までの努力が実っているからこそできることなのじゃ。
一つ一つの努力があってこそ、我々はこうして生きることができるのだ。わかるか?
それを努力しないでも良いと考えるのは、努力できる場を設けた天への侮辱に等しい。
我々が成長できるように、天はこのようにこの世に我々を生まれさせたのじゃ。
それを無駄にするのは、全く天への侮辱でしかないのだ」
「全く、その通りだと思います。私もまだまだ精進します」
「うむ、昇格に止まらずさらに精進することだな」
「師匠、どうして、どうしてあの魔法が解けたんでしょうか。それが気になります」
「それはのう・・・お主自身で考えろ、新たな課題だ」
「ずるいですよ師匠、しっかり教えてくださいよ」
「お主自身で考えなさい。これが解けねば成長できんぞ」
うー、と唸る若魔術師を尻目に、老魔術師は窓から外を眺めた。
(全く、あの魔法を解いてしまうとは、末恐ろしい奴だ)
追いつめられた人間は、さながら魔法のようなことを行う。
周囲の意識とそれが重なったとき、それはどんな魔法よりも強い。
(やっとあいつらも、努力することを学んだか)
老魔術師からは、50年分の重りが取れたように、見えた。
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何だか長編になってしまいました。結構ブツブツ切れてるので読みにくくないでしょうか^^;
基本的な意味
「知性」
対応・仕事・努力・勉強・知恵・行動…
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ちょっとオマケ。
「ああ、それと・・・」
老魔術師が皺だらけの手で手招きをする。
「何ですか、師匠」
「熊に襲われたくなかったら結界ぐらい張れ、ばかもん!」
老魔術師の鉄拳が若魔術師の脳天へと命中する。
「痛っ、いや、あんな異常な状況だったらそこまで気が行き届きませんよ。
っていうか師匠こころ読んでたんですかっ、先にいってくださいよ!」
「ばかもん、こっちだって代わりに結界張ってやっていたんじゃ。
お前が襲われないかどうか気が気でなかったんだぞ。感謝せぃ!」
まだまだ、若魔術師の修行は、続く。
オマケです、オマケ^^;
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