第四十一話 らすと・ちゃんす


俺はいつも空を見上げていたような気がする。
願うように、祈るように───憎悪するように



 空からは月が覗いていた。

「───っ!」
 肺の中から押し出された苦痛の声は、そのままざらりと灰が交じり合って地面に落ちる。やがて濁った血に濡れて、どろりとした塊になる。
「…………」
 醜いな、と。俺は口の中で呟いた。
 声にはしなかった。それでも、背中の方でぴくりと肩を震わせた新城さんの気配は分かる。分かったんだろう───な。
「……終わらないね」
「……弱音か」
 同意を示さずに、尻をたたかれるような言葉を返す。そんな新城さんが好きだ。この人は全く、どうしてくれよう。
 ざらざらとサーヴァントは人間の形を崩していく。俺は、じっと見つめているしか出来なかった。眩暈がした。当たり前だ、もうずっと寝ていない。もうずっと、食事もしていない。俺の体は疲弊するだけに決まっている。
 食事、とは。通常の飲食のことではない。
 俺たち『吸血鬼』が行う、感情を食らう食事の方だ。
 『吸血鬼』は血を吸うことで栄養を補給できる。だが、必ずしも血をすわなければならないわけではない。人間の『感情』を掠め取ることで、十分に『飢え』を癒すことができるのだ。
 かくなる自分もそうだ。普段の『青島俊作』なら、こんな醜態を晒すことなどないのだろう……だが、『力』をかなり使った以上、当然『飢え』も激しい。

   ───食いたい。

 衝動は激しくなるばかりだ。理性で抑えている───否、意地だけで堪えている。苦しい。とても、たとえようのないほどに今、苦しい。冗談も言えやしない。
   人間には、もうずっと会っていない。誰も彼も、最近では夜で歩くことをしなくなった。
(いい傾向だ。ま、そういう風に仕向けたんだけれど)
 そのおかげで、随分と被害者は減った。警察機構の動きと連携するように、驚くべき速さでそれは実行された。行方不明者は、今着実に数を減らしていっている。
 はぁ、と。長いため息をついた。疲労を、みなの前では隠してきたけれど。限界だ。
「……人間の姿形とかさ、そういうのだけでも」
「無理をするな。座れ」
 ぐいっと腕をつかまれ、強制的に”残骸”から離された。そのまま壁に寄りかからせて、肩を上から押さえつけてくる。抵抗できずに、ずるずると座り込んだ。地面はコンクリート、ひんやりとしてざらざらとして、乾いていた。肌に痛い。
「……取り戻せてやれたら、なァ……家族とか、恋人とか、安心すンのに……」
 顔を両手で覆った。そのまま、空を仰いだ。一面、黒の空。闇の色。都会じゃあ、星なんて見えやしない。
「──────っ!!」
 無性に泣きたくなった。堪えきれない嗚咽が漏れる。何故こんなことになったのか。俺は、冷静に考えていられたのだろうか? 今、思い返しても本当に俺は……この選択以外は有り得なかったのか?
 ”こちら334地点。無事守り抜きました”
「了解。結界を張りなおしてすぐに戻ってくれていい、ご苦労だった」
 携帯で囁かれる音も、この耳にはすんなりと入った。334地点……最後の問題の場所だった『点』だ。あそこが無事守られたというのなら、このあたり一体……『結界』は今日もなんとかまだ形を持ち直せたのだ。一ヵ月後と定めた新月の夜は、あと二週間後───。
 ほぅ、と。思わず安堵の息が漏れた。持たせることができた。あともう少しだ。決戦のときまで。



「いつまで私から逃げようというの、王よ?」



 幼い声が響いた。発せられた言葉は何でもないものだったのに、含まれた色は一瞬で怖気が走るほど剣呑さを含んだものだった。否、それは憎悪に近い。刃物で頬をざくりと切りつけられたような気がした。神経にそれほどの痛みを走らせる気配と言の葉だった。
「……っ!?」
「誰だっ!?」
 新城と青島の行動は同時だった。打ち合わせもなく青島は一瞬のうちに立ち上がって、新城と背中をあわせる。そしてせわしなく視線を走らせ声の主を探す───までもなかった。相手は隠れてもいなかったのだ。たったいま消え去ったサーヴァントの位置に、にっこりと微笑んで佇んでいる。そっと、白いワンピースの裾を両手でつまみ優雅なお辞儀をした。
 少女の髪は、まるで闇に溶け込んでいるようにも見えた。白い頬に、尋常ならざる美貌───人間の年に換算すると齢十四歳から、五歳程度に見える。そのかもし出す気迫は、既に二人の男を圧倒していた。人間ではない、と察するのにさしたる時間など必要ない。
 この生々しい血の匂い。殺されたサーヴァントから醸し出されているのではない。明らかに、目の前の少女から漂っているのだ。

「どんなに待ったか分かるかしら? 気が遠くなるくらいなのよ? もういいでしょう?」

 もう、充分に遊んだでしょう?
 少女の赤い唇が、そう紡いだ。
 はっ!と、驚愕と恐怖が同時に襲ってきた。思わず口を手で押さえる。そうでもしなければ、うめき声が漏れてしまう。否、漏れていたかもしれない。自分の動揺は、少女───彼女には充分に伝わっただろうから。事実、少女は微笑んだ。その微笑に、青島は震えを抑えきれなくなる。がたがたと、自分でも震えているのが分かるぐらいに。
「あ、青島……?」
「……、まぇ、は……ッ」
 めまぐるしい勢いで、脳裏を遠い昔の記憶が駆け巡っていく。
 彼女の微笑み方は、ある女性に酷似していた。忌々しいほどに、そっくりだった。微笑みだけならまだしも、この見知った口調は同一人物意外にありえない。───なにより、この……気配に。
 覚えが、あった。

「───馬鹿なッ!!?」

 叫んだ。驚愕を隠し切れずに、それはもう、恐怖そのものに近い。彼女そのものが、あの暗闇ばかりだった世界の───体現者と言ってもいい。
 どろり、と。体の一部が溶けたような気がした。
「青島……? どうした? 誰なんだ」
 背中越しに、聞こえてくる新城さんの声に。俺はゆるく首を振ることしか出来なかった。言葉に出来ない。ありえない。
「青島っ」
「───殺したはずなんだ、新城さん」
 低く呟いた声は、彼女にも届いたのだろう。そうだ、とでもいうように嫣然と……更に笑みを深くされた。
「彼女は、この手で、殺したはずなんだ……新城さんッ!!」
 その存在はとても強大で。自分の力と純粋に比べれば、然したる問題はなかったのかもしれない……でも、自分にとって天敵といえる最大の存在だった。負けるはずがないのに、いつも背後に立たれることに嫌悪感があった。
「そこの人形が私を覚えていないのも、当然かもしれないわね。真下くんが、そうさせないわ」
「な……に?」
「貴方、自分がされたことを覚えていないのね」
「───記憶に傷つくことだってある。真下が封じたんだ」
「そう、彼らしいわ。傷つくことで強くなることもあるのに」
 にぃ、と。とても励ますような意図のない笑み。嘲りの視線。元より、弱者は傷つくことしか出来ないだろうに、と。目が言っていた。ぐ、と。新城さんが怒気を孕むのが分かる。俺は、震えを止めるように拳を握り締め、そして新城さんをそっと背にかばった。
 思い出させるべきではない。でも、相手の「名」を知っている以上、それを利用しない手はないのだ。

「……沖田、仁美だよ、新城さん。……俺の、婚約者の」

 分かっていたはずなのに、改めて彼女の「名」を口にすれば思わず唇を噛んでいた。忌々しい、恐怖にもにた悪寒が背中を走りぬける。
 彼女は、いつも自分の「力」を求めていた。
 純然たる闇の力。世界を支配で来うる無尽蔵の力。それを、彼女はいつも求めていた。
 俺が王位を継承したときから。
 ずっと、ずっと───その視線が離れることがない。闇の眷属たるもの、強者になることに興味のないものはいない。彼女一人だけでは当然なかった。いつだって、自分は命を狙われていることがあるのだと自覚していた。だからこそ、大林のような護衛隊が王の傍には存在するのだ。
 中でも。
 自分は、希代の王位継承者だったらしい。
 一族歴代の中でも、類をみないほどの純粋な力をその身に宿した王。体はいと小さくありながら、だ。
 兄弟たちの中で、末弟だった自分が継いだのだから。幼いのは当然なのだが。

「おき、た……? あの、唯一女が当主として受け継がれている……?」
「そう、その沖田一族の、当主だよ。彼女は」

 新城さんは、いぶかしげに眉をひそめる。だが、嫌な感覚だけは自覚できたのか、ぐっと敵愾心でもって彼女を睨みつける。そして俺はぺろり、と。乾き始めた唇を舐める。ああ、よかったと次第に思えるようになってきた。もしも新城さんがいなかったら、俺はきっと取り乱していたに違いない。それほど、彼女は俺にとって負の存在だった。
「なんで生きてるの、ってのは……野暮な質問だよね」
「そうね、以前の貴方ならそんなことは問いはしないでしょう」
 くすくす、と。わずかに俯きながらこちらを睥睨する。自分の与える影響を分かっているのか、何をするにしてもことさらゆっくりと動く。腰近くまでのびた髪を払う仕草も、ふわりとスカートをなびかせる仕草も。
「……でも、聞いたっていいよね?」
 無理矢理聞き出す方法もある、と。新城さんは苛立たしげに背中をどん、と軽く叩いてきた。そう、別に優しく尋ねる必要なんてないのかもしれない。だが、俺は出来るなら彼女には関わりたくなかった。嫌な予感がするのだ。とてつもなく、不安な予感が。
 ───もしも。
 もしも、その予感が当たっているのなら。
 全ての黒幕は、彼女───沖田仁美───ということになる。
 あの時、あの時「闇主」を「連れ戻した声」は?
 室井さんを、忌まわしい奴隷へと変えたあの時。自分と瓜二つの少年が、女性の声に対して、ねぇさんと……いいかけていた。
(そうだ……どうして気がつかなかったんだろう)
 でも、それは思い至らなくても当然だったろう、と。俺は自分で自分を慰めるほかない。だって、こんなことが起こりえるなんて誰も信じられない。死んだ人間が、蘇って自分を追いかけてくるなんて誰か予想できる?
(吸血鬼の一族なら、可能か?)
 否、彼女もまた純血なる濃い血を受け継ぐものだが。俺は徹底的に彼女を破壊した。
 見るも無残なほどに。そして殺された一族の中で力の強い者は、赤い宝石となる。それを食らえば相手の力を得ることが出来るが、俺は王位に即して以来。誰一人として食さなくなった。(今までの王は、大抵そうして更に延命をしてきたというから……俺は例外だったのだろう。)そう、俺は彼女を食べなかった。
 赤い宝石さえ、俺は粉々に砕いたのだ。
 彼女が蘇るんじゃないかと、恐怖を抱いて殺した相手なのだ。ありえるはずがないと、わかっていたはずなのに。何度も何度も、必死に壊した───ああ、思い出すだけでも恐ろしい。自分のおぞましささえこの女性は引きずりだすのだ。
「どんな答えを期待しているというんだ、青島。君が殺したというのなら、それは事実だ。見る影もないほどに殺したんだろうっ!? 生き返るはずがないっ!」
「そぅ、なんだけど、ね……───新城さん、彼女は……」
 言葉を潜める。彼が、知らなくても無理はない。王族、貴族、数限られたものしか、その存在理由を知りはしないからだ。

  再生の連続。 リ・プロダクション

 それが彼女の一族による、一族のみの特殊能力───。
 何ゆえ、女系でありながら一目を置かれるほどの一族となったのか。
 その答えはここにある。
 気が遠くなるような長命の一族が、記憶を再現させるためにと培われたもの。”語り手”は存在するが、それは元より第三者によるもの。プライドの高いものは、自分の記憶を再現せねば気が許さなかったらしい。軽く数百年という年月を超えて会話を成立させるためには、必要不可欠なのだ。
 何ゆえ、彼女は純粋なる力を執拗に求めたのか。
 その答えもまた、そこにある。
 必要とされながらも、彼女たちは決して優遇をされていなかった。結局は、力の強い実力者の女たちだけが頂点へ上り詰めていたから。

 異常なほどに、俺から、力を与えてもらいたがっていた。力を忌避する俺を、軽蔑すらしていた。そんな彼女が、その能力でもってここにいる。
 最初は、長老の誰かが。一族の誰か───あの一族を抜け出てくるとき、有力候補は全てつぶしてきた。だがそれでも、それ以後ずっと弱い者しか生まれないわけがない。特殊な能力を持つものだって生まれるだろうし、頭を使うものだってでてくる───この計画を長い間培ってきたんだろうと思っていた。
 だから、どこかで侮っていた部分もある。まさか、俺の血を使ってクローンを作ろうとは……と。そんなもの、彼女の力を使えば容易いことだった。たった一滴の血。髪、気配、誰かに刻まれた俺の記憶という情報。欠片でもあれば、長い時間さえかければ再現不可能なものなど、彼女……正確には彼女たちには存在しない。
「大体は、理解できてる。……確かに、君ならこの計画も不可能じゃない。 おう が張った結界だって、結局 闇主 コピー が外せば覆いにもなりはしない。君のことだ、おそらく……俺たちが殺した貴族も王族も……全て復活させたんだろうね」
「ええ」
 恐ろしいことを、こともなげに彼女は笑んで肯定する。頭を抱えてしまう。あの日、全てを払い捨ててきた俺にとって、眩暈がしそうなほどにショックだ。嫌な予感が的中した……。これは、予想した以上の戦争になる可能性がある。否、───なる。
 くそっ、と。堪えきれずに舌うちをする。
 あの時も今も、大切なものを守りたい気持ちは同じ。
 人間になりたいという願いも同じ。
 ただ、あまりにも俺の抱えるものが大きすぎる。手のひらから、零れおちてもう拾い集められない。
「……そう、あなたの大切なものが増えるのを待っていたの」
「な、に……!」
 くつくつと嘲笑する彼女に、新城さんは掴みかかろうとする。俺はとっさにスーツの後ろ首を引っ張って、後ろへと引きずり戻す。彼女の傍へ、決して新城さんを近づけてはいけない。
「新城さん、落ち着いて……」
「青島っ!」
「最初は、こんなはずじゃなかった。あなたがいらないといって捨てた力を手に入れてはじめて、真実、貴方の強さを知ったといってもいい……」
「…………」
「貴方は未だに強い。あの強大な力を、半分捨てても尚、私は貴方に敵わない」
 そのとき初めて、彼女はぎりりと唇を噛む。俺を前にして、嫉妬の色を隠さない。
「だから、待っていた。私たち一族にとって、……いいえ、私にとって待つことは苦痛じゃない。それすらも楽しいといってもいい。でもね、そんな醜いあなたを見ているのはもう沢山なのよ」
「……沖田さん」
「いいのよ? はき捨てるように呼び捨てても?」
 にぃ、と。笑みは狂気を孕んで膿んでいた。
「貴方は本当に、私が嫌いだったものね」
「……うん。嫌いだった。だからこそ、俺は生きていられたけどね」
「……あおしま?」
「俺は世界で俺が一番嫌いだった。でも、あなたが存在したおかげで、俺は自殺せずにすんだ」
「…………」
「その功績をたたえられて、あなたは俺の后候補になった……でも、俺は本当にあなたが嫌だったんだ」
 その言葉を、彼女は嬉しそうに受け取る。満足している、とでもいうように。
「でも、私はあなたを愛してるわ」
「…………」
「世界で一番、愛してるわ。誰よりも、求めている。分かっているでしょう?」
「愛してるのは、俺の力、でしょう?」
「……何度この会話を繰り返したでしょうね」
「あなたに力の全てを明け渡してしまえば、きっと楽になれたかもしれない」
 はっと、したように。新城さんの驚愕の眼差しが俺に突き刺さった。
「あおしま……?」
「そんな顔しないで、新城さん。今は、そんなこと考えちゃいないよ。みんなに、出会えたし」
 何より、室井さんという存在と出会えた。あの時、未来を全て捨てていたら……こんな素敵な出会いも感情もきっと知らないまま消滅していた。
「俺は、またあなたを殺さなくちゃならないのかな……?」
「私の存在を否定したいのなら、イエス、と答えるわ」
 苦笑した。それくらいしか、俺に出来ることはなかったからだ。
「本当に、本物なんだ? 大林が、創った人形だったりはしない?」
 くすくすと彼女は軽やかに笑う。新城さんは、俺たちの剣呑な……それでいて軽薄な。混濁した空気に息を呑んでいる。自分がどうすればいいのか、自分がなすべきことはなにか。必死に探っているのだ───俺を助けるために。
 有難う、と。心の中で呟く。そしてそれは、寸分たがわず彼にも伝わっただろう。
「悪あがきをするところも、以前から変わらないのね。何が変わったのかしら。人間になりたいとこの世界を惰性で生きて?」
「いっぱい変わったよ」
 そ、と手を掲げる。いつでも、戦えるように。
「そう、醜くも弱くなられたのね……私は変わって欲しくなかったわ。───王よ、私は何ひとつ変わらずにここに存在しているのです」
 俺の手に対応するように。彼女は、現れたときと同じ仕草をした。そっと、白いスカートの裾をつまみ、優雅に頭をたれる───淑女の挨拶。
「戻りましょう、闇の王」
「嫌だ」
「私から逃げようとしても無駄」
 彼女も右手を掲げる。俺たちは、互いに手を相手に向けたまま対峙した。
「あなたが殺したいと思う沖田仁美という存在は、消えていないの」
「……」
 俺の沈黙は、肯定だ。理解した、という。私を見て、と彼女がつんと顎をあげた。姿は幼くなっているが、その傲慢な態度も、仕草も、言葉づかいも、何もかも本当に変わらない。
「あなたになら分かるでしょう?」
「……ああ」
 人形ならば、わざわざ幼い少女の姿をする必要などない。むしろ、当時の彼女の姿のほうが、よほど俺には堪える。ならば、彼女は何故少女の姿で俺の前に現れたのか? それは本当に、彼女が少女だからだ。
 ───つまり、彼女は成長しているのだ。
 彼女は、最も効果的な瞬間を狙って赤い唇を動かした。そう、と。呆然とする新城さんに……何より俺に向かって。

「魂から再構築をしたの。私の一族なら、不可能じゃないから」

 それは死の宣告にも似た、告白だった。
 



チャンスはいつも、最後だと思う瞬間にやってくる






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本当にお久し振りとなります。まずは、読んでくださっている皆さんに心から謝らせてください。
こんなにお待たせてしていて、本当に申し訳ありませんでした。
前話四十話が、2001年の10月にアップしたんですから……三年も続きがかかれなかったんですね。
ちょうどクウガ始まったかなにかで、特撮に傾きかけ……今では特撮だけでオンリーサイト開いてますしね。
小説の本数だってあっちのが上かもしれんし。
でも、「花よりも月よりも」は本当に不思議な作品です。
書かないブランクの時期は、書けない、と正直に思っていたのです。
書けるはずなのに、書けない。どうしてだろう?と自己嫌悪に陥ったこともありましたが。
当時広げすぎた世界の設定に、いきあたりばったりで書いていたので手に負えなくなったのだろうと思っていました。
なのに、この間書き始めたらするすると進むじゃないですか。
あれれ?
どうやら、この花月の世界は「踊る2」を既に予測していたようです。
だって、沖田仁美さんが存在しなければこの世界は始まらなかったみたいで。
漠然と、彼女のような存在を欲していたようなのです。いなければ、オリジナルで創る予定でした。でも、それじゃなんだかとっても納得がいかなかったんです。自分で書いていて。何かが違う。違うと思って書けない。
続きが紡げませんでした。
それが映画で沖田さんがでてきて。よく考えてみたら当てはまるのです。
劇的ですね。いや、ただお前がスランプだったんだろといわれればそれまでなのですが。
私の中では劇的でした。運命といってもいい。
これで、残りの物語が紡げます。
ゆっくりとした動きには代わりはありませんが、きちんと一つの物語として完結させたいと考えています。
また、最初の頃書いた文章は、本当に手探りで書いているのが丸分かりです(笑)
完結したときは、この作品に大幅な修正を加えてオフ本にしたいな、と思っています。
こんないい加減な私ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2004/06/18 真皓 拝

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