その日の夜遅く、シドは窓の外を見ていた。
何かを「見て」いるのではなく、「待って」いるのだった。
シドが窓の外を見始めてどれぐらい立っただろうか、ふとシドは立ち上がり部屋のドアへと急いだ。
「随分遅い時間に帰って来るんですね」
向こうからやって来た人物にシドは冷たく言う。
「・・・」
その人物は無言で近づいて来る。
「少し中で話しませんか?風・・・」
無言の人物とは風のことであった。
しかし風はシドの言葉を無視してその前を通り過ぎようとする。
「しかし驚きましたよ。自分の故郷の仇と言ってた雲と貴方が寝てるなんてね」
その言葉に風の動きが止まった。
「さぁ、どうぞ」
ドアを開け、風を中に入る様に勧めた。微妙な脅迫だった。
風はシドの言われるままに部屋に入る。
風が中に入るとシドも続いて部屋に入り、ドアを閉めた。
「適当に座って下さい。今何か飲み物を入れますから」
風にそう言うと、シドは奥に行く。
適当と言っても、シドの部屋は何だかさっぱり分からないような機械が所狭しと置いてある。
仕方がないのでベットに腰掛けた。
「どうぞ」
暫くしてからシドが2つ、カップを持って来た。
風は無言のままカップを受け取る。
「・・・話とは?」
風がシドに訪ねる。
「まぁ、まずはそれ飲んで下さいよ。熱いうちが美味しいんですから」
シドはカップに口を付けながら風に飲むように催促した。
飲んでばっかりで本題に入ろうとしないシドに痺れを切らし、風は仕方なく飲み物に口を付けた。
その様子にシドはほくそ笑む。
「話というのは他でもありません。何故貴方が雲と寝ているか知りたくて」
いきなりシドが話を切り出す。
「・・・お前に関係ない」
きっぱりと言い放つ風の態度に少なからず怒りを感じた。
「・・・まさかとは思いますが、雲の事が好きって言うんじゃないでしょうね?」
シドが感情を抑えながら風に問う。
風はそんなシドの問いには答えず、立ち上がりドアに向かった。
「・・・風、体・・・・大丈夫ですか?」
「なに・・・?」
シドの方に振り返った瞬間、頭がクラクラしてきて突然睡魔が襲って来た。
「な・・・にを・・・?」
壁に手をつき、自分の体を支えながらシドに聞く。
「即効性の睡眠薬です。僕、こういうの作るのも得意なんですよ」
その間にも風の体はずり落ちて行く。
「風が悪いんですよ?こんなに僕は風の事を想っているのに・・・ってもう聞こえないみたいですね」
シドの言葉通り、風はすでに意識を手放していた。
シドは風の体を抱きかかえると、ベットに寝かせた。
自分の唇に暖かい物が触れたかと思うと、次の瞬間に冷たい液体が流れ込んできた。
「んっ・・・」
その液体を飲み込み、瞼を上げる。
「やっと起きましたか」
シドの声が近くで聞こえる。
「なかなか目が覚めないから、薬の量を間違えたかと思いましたよ」
楽しそうにシドが言う。
その声の方に顔を向けると、自分を見つめているシドが見えた。
瞬間、自分が薬を盛られた事を思い出し飛び起きる。
「っ・・・!!」
両腕に鈍い痛みが走った。と、同時にベットに引き戻される。
見ると、風の両腕は枕の上にあるベットに縛り付けられていたのである。
「ああ、悪いと思いましたが、縛らせて貰いましたよ。魔銃打たれるのはごめんですからね」
シドは悪びれもしないで風に言う。
数回もがいてみたが、到底解けないと察した風は観念して大人しくなった。
「話の続きをしましょうか。」
シドは風の長い髪を指に絡ませながらベットに腰掛けた。
「貴方は雲が好きなんですか?」
再び同じ質問を繰り返す。
「・・・関係ない」
風もまた、同じ言葉を繰り返す。
「関係なくないっ!!僕は貴方が好きなんですっ!!」
悲痛な叫びをあげるシド。
「・・・」
風は無言で天井を見ていた。
「何で何も言ってくれないんですか?!そうじゃないと僕は・・・僕はっ!!」
シドはいきなり風にキスをした。
「っ・・・!!」
途端に鋭い痛みがシドを風から引き離す。
シドの唇は切れ、一滴の血が流れていた。風がかみ切ったのだった。
「随分、面白いことをしてくれますね」
シドは風の服に手を掛けると、左右に引き裂いた。
難なく破れた服は、今まで隠していた風の胸をあらわにした。
その風の胸を見たシドは憎しみに顔が歪む。
風の胸にちりばめられた紅い跡。それは紛れもない情交の跡だった。
「この跡・・・雲が付けたんですか?」
シドはその紅い跡を指で辿る。
「・・・っ!」
その度に風の体が反応する。
「いつも雲はどんな感じでするんですか?」
シドはちりばめられてる跡と同じ場所に舌を這わす。
「あっ!!」
声が上がる。次の瞬間、風は顔を背けた。
「もっと声出して下さいよ・・・」
シドはそう言うと、執拗に赤い跡を攻める。
どうやらその跡は風の「いいところ」らしく、攻めるたびに風の体は熱を帯びてくる。
それを証拠に、風自身にも変化が見られた。
「風って結構淫乱なんですね。たったこれだけの愛撫でココはもうすごいですよ?」
風のズボンに手をかけ、一気に脱がした。
「あ・・・やめっ・・・」
反り返った風自身をシドはいきなり口に含んだ。
「んぁっ!!や、やぁっ!!」
ヌルッと湿った口内は、風を簡単に追い上げる。
「はぁっ、あぁっ!!」
すでに風は限界だった。それを知ってか、シドは風自身を甘噛みした。
「ひぁっ!!やぁぁぁっ!!」
風はシドの口内に己の欲望をはき出した。
シドはそのまま飲み下すと、風の足を大きく開き、秘部へと指を這わした。
「やっ・・・!!」
足を閉じようと風はもがくが、難なくシドに押さえ込まれてしまった。
風の中に指を挿入したシドが異変を感じた。
ならしてもいないのに、風の中はすでに濡れていたからである。
「これは・・・雲・・・の?」
再び怒りに火が点いたシドは、ズボンの前をはだけさせると、己自身を風の秘部へあてがった。
「これだけ雲ので濡れてるなら慣らす必要もないですよね」
そう言って一気に挿入した。
「あっ!!あぁぁぁぁっ!!」
いくら濡れていたといえど、一気に貫かれるとそれなりの痛みはあった。
「い・・・っ、あ、あっ」
抜き差しと共に声が一緒に出る。
あれだけ激痛だったものが、今では快感に変わっていた。
雲の名残か、シドの先走りか、風を貫くたびにくちゅっ、くちゅっと情交の音が響く。
「ほら、風。聞こえますか?こんなにやらしい音がしてるんですよ?」
わざと大きく音をたてながら風を突く。
「やっ・・・あぁ・・・んっ!!」
すでに、何も考えられなくなっている風は、ただ快楽のみを追っていた。
「風・・・もう達きそうですよ・・・」
シドはそう呟くと、激しく風を追いつめた。
「あっ、あぁ・・・んっ!!も、もうっ・・・!!」
「・・・っ」
シドが己を風から引き抜くと、秘部からは後から後からシドの物が流れ落ちてきた。
その様子を悲しげに見ていたシドだが、何を思ったのが秘部に再び指を入れ掻き回す様に動かした。
「な・・・っ!!」
風の体が跳ねる。
「そのうち、この中も僕の物で一杯にしてあげますよ」
そう言ったシドの目に狂気の色が見えた・・・。
END
後書きと称した言い訳(^∇^;)
はい、如何でしたでしょうか?
微妙にバットエンドでした(苦笑)鬼畜ってこういうイメージなのですよ(^∇^;)
いや、でも実はこういうの好きでして・・・(苦笑)
お気に召して頂けるでしょうか・・・ドキドキ